アレクサンドリアのカタコンベ@エジプト♪

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アレクサンドリアのカタコンベ・コム・エル・ショガファ(Catacomb Kom El Shogafa)の入り口。
アレクサンドリアの最初の見学先です。
カタコンベといっても、ローマにあるような初期キリスト教徒の集合地下墓地ではありません。
紀元2世紀から使われてきたエジプト人の集合地下墓地です。
最初は貴族の墓だったものが、次第に一般の人たちの集合墓地になっていったものです。


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カタコンベの入り口は奥に見える円形の建物です。
手前の四角い仮設建築のようなものは、ロバが転んだ穴があったところ。
というのも、この地下墓地が発見されたのは1900年頃で、重い荷物を背負ったロバが小さな穴につまづいて転び、それがきっかけでその下に地下墓地があることが分かったのです。


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円形の建物の入り口から中に入ると、こんなふうに深い井戸状になっています。
この周りに螺旋階段があって、下へ降りるようになっているのです。


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横から見るとこんな感じです。


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しばらく進むとロトンダ(ロータリー)に着きます。
この下には貴族の墓所がありますが、この周りから無数の集合墓地が迷路のように伸びており、カラカラ帝の間にも続いています。


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ここは故人を偲んで親類一同が集まって食事をした場所です。


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この下に貴族の墓地があります。
とにかくものすごい数の観光客だったので、まともな写真を撮るのが難しくて・・


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貴族の地下墓地の入り口♪
古代エジプトとギリシア・ローマ文化がミックスされた装飾が面白いです。


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墓地の入り口の門を飾る古代エジプト王朝の守り神ヘビと上部のメドゥーサ。
隣にはギリシア風の彫像があります。


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古代エジプトのミイラ作りの神アヌビスもローマ兵のような格好をしています。


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貴族の墓地には3つの石棺が残っています。
石棺の蓋は開かないようになっていました。
この石棺は中央にあるメインの石棺です。
上にはレリーフが飾られています。
ベッドに死者が横たわり、中央にミイラ作りの神アヌビスがいます。
ベッドの下にはミイラ作りの際に取り出した内臓を入れるカノプス壺が3つ見えます。
このことからも、ミイラにして石棺に遺体を収めていたことがわかります。


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こちらのレリーフには聖牛アピスと左側は女神イシスでしょうか?
この他にも美しいレリーフがメインのレリーフを囲むように多数ありましたが、すでに長くなってしまったので省略します。
ところで、重い石棺を地下深くまでどうやって運んだのでしょうか?


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答えはこの写真です。
地上から地下まで石棺を下ろすために、このようなスロープが作られていたのです。


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迷路のような集合地下墓地。
本当に広いのですが、ローマのキリスト教徒のカタコンベに比べて整備されている印象を受けました。
もちろん写真撮影もOKです。


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カラカラ帝の間♪
どうしてこのような名称がついているかというと、カラカラ帝がアレクサンドリアの若者たちを虐殺した際に一緒に殺した馬の骨が大量に発見されたからです。


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馬の骨がの一部が展示されていましたが、もしかしたら少しは人間の骨も混じっていたのかもしれませんね。


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表に出てからも、地上にある貴族の墓地を見学しました。


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ここがその入り口です。


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この墓にはキレイに色が残る壁画がありました。
他にもいくつかありましたが、この壁画が最も保存状態がよいものでした。
ベッドの上にミイラ、古代エジプトの神々が描かれています。
たぶんハヤブサの姿のホルス神と、その母イシス女神ではないかと思います。
上部の翼は両神が持つもので、天空を表していると思われます。
あくまで私の想像ですけど。


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アレクサンドリアの町並み。

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by mayumi-roma | 2025-02-14 07:35 | エジプト

上野真弓、ローマ在住の翻訳家&文筆家&ツーリズム別府大使。日々の暮らしや芸術探訪、旅の記録。最新刊は訳書『ミケランジェロの焔』、著書に『教養としてのローマ史入門』、訳書『ラファエッロの秘密』など。お仕事のご依頼はoffice.uenomayumi@gmail.comへ。


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