ラファエッロの命日、没後500年です~

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2020年4月6日は、ラファエッロ没後500年の命日です。
自分の生まれた日に死ぬという伝説を残したラファエッロですが、実際には少し違います。

亡くなったのは、1520年の聖金曜日、4月6日。
誕生も1483年の聖金曜日でした。
ですから、この点では、同じ日に生まれて同じ日に死んだといえるのです。
ただ、聖金曜日は毎年変動するもので、当時の暦から、1483年の聖金曜日は3月28日だったことが分かっています。
だから、正確にいうと、ちょっと違うわけです。

聖金曜日とは、復活祭前の金曜日のことで、キリストの受難と死を記念する日です。
キリスト教では、福音書の記述をもとにイエス・キリストの受難を思い起こす特別な典礼が行なわれますが、金曜日に磔刑で死んだあと、3日目の日曜日に復活して死を克服します。
福音書などの資料からキリストの死の日時を特定することは難しく、大ざっぱに4月のとある金曜日だったことが分かっています。
というわけで、毎年変わる復活祭にあわせて、聖金曜日自体も変わっていくのです。
もっとも早い場合で3月20日、遅い場合で4月23日になります。
復活祭が変わること自体がキリスト教に馴染みのない日本の皆さまには不思議に思えるでしょうが(私も不思議でした)、復活祭は移動祝日で、日付が固定化されていません。
キリスト教の教会暦では春分の日が3月21日に固定されており(日本では天文観測によって20日か21日となる)、3月21日以降の最初の暦上の満月(新月から数えて14日目)を過ぎたあとの最初の日曜日を復活祭としているのです。
なんとややこしい計算でしょう・・
ちなみに、カーニバル(謝肉祭)の日程が毎年変わるのも、これと同じ理由です。復活祭と連結していますから。

それにしても、没後500年記念のローマ・クィリナーレにおけるラファエッロ展の不運なこと!
新型コロナウィルスに翻弄されて、展覧会開幕後、数日でクローズせざるをえなくなりました。
世界各国の美術館との作品の貸し出しの交渉も含めて、3年もかけて準備してきたのに・・
展覧会に行くことのできた人は6000人だけで、幸運にも私はその中の1人です。
でも、何度でも行きたかった・・

今のところ、いつ展覧会を再開できるのかは分かりません。
主催者側は、コロナ騒動で国境閉鎖問題もあることから、国外から貸し出しを受けている作品を容易に返還できる状態ではないことから、出来れば貸し出しの延長を望んでいます。
ただし、教皇レオ10世の肖像画等、ウフィッツィ美術館からの貸し出しは、イタリア国内であるし、もともと貸し出しに反対だった勢力と大きな論争が生じていたため延長は難しいでしょう。
主宰者側は、できれば4月中に1週間でもいいから再オープンしたいという切実な願いを持っています。
そして、それ以降は夜間もオープンにしたいといっています。
本来の展覧会閉会予定は6月2日です。
コロナ騒動でいつ外出制限が解かれるのかによりますが、スポンサーもいることですし、大変なお金をかけた展覧会ですから、本当に切実な問題です。
何より、こんなことになってラファエッロが可哀相・・
美術ファンにとっても悲しいことです。
いずれにしても、展示作品は少なくなるかもしれませんが、会期は延長されるでしょう。



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ああ、パンテオンへ行きたかった。




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パンテオンでラファエッロのお墓参りをしたかった~

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by mayumi-roma | 2020-04-06 06:22 | ローマの美術・歴史散歩

上野真弓、ローマ在住の翻訳家&文筆家&ツーリズム別府大使。日々の暮らしや芸術探訪、旅の記録。最新刊は訳書『ミケランジェロの焔』、著書に『教養としてのローマ史入門』、訳書『ラファエッロの秘密』など。お仕事のご依頼はoffice.uenomayumi@gmail.comへ。


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