カラヴァッジョ押しの日本!?

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2月16日に大阪あべのハルカスで開催されていたカラヴァッジョ展が終わりました。
なかなかの盛況ぶりだったとか・・
MARUZEN&ジュンク堂梅田店さまが、ツイッターでつぶやいて下さったおかげで、拙訳「カラヴァッジョの秘密」がけっこう売れたらしく、担当編集者さんが喜んでおりました~
ありがとうございました♪
私、これからは、MARUZEN&ジュンク堂でしか本は買わないわ♪(笑)

この展覧会グッズは、河出書房新社の私の担当編集者さんが、大阪出張の際に展覧会を見に行って買って来てくれたお土産です。
ヤマザキマリさんのイラストによるグッズなんですが~
私、ヤマザキマリさんの漫画は好きですが、う~~ん、カラヴァッジョには私なりの思い入れがあって、そのイメージも自分の中で出来上がっているので、これはちょっとイヤかも・・
イケメンに仕上げて下さったところは嬉しいですけどね。
できれば、法悦のマグダラのマリアのグッズが欲しかった~~

展示されていたカラヴァッジョ作品、ローマに暮らす私から見れば、「そんなに少しだけなの?」と気の毒になるくらいですが、それでも、日本で見れるだけありがたいことなのでしょうね。
美術的観点からいえば、私は、ものすご~く贅沢な環境にいるのですから。

そういえば、2020年10月21日から11月30日まで、東京の国立新美術館で「カラヴァッジョ《キリストの埋葬》展(仮)」が開催されるとか・・
カラヴァッジョはこちらでは巨匠の一人ですが、日本ではもう一つ知名度が足りない状況。
それなのに、最近、日本ではカラヴァッジョ押しが続いていますね♪

「キリストの埋葬」はヴァティカン美術館の絵画館に展示されている絵です。
でも、もともとは、ローマのとある教会のために描かれていたのでした。



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サンタ・マリア・イン・ヴァリチェッラ教会♪
別名、キエザ・ヌオーヴァです。
聖フィリッポ・ネーリの創設したオラトリオ会の本部として16世紀末から17世紀にかけて建立された聖堂です。


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かなり大きなバロック様式の教会で、天井とクーポラのフレスコ画は、ピエトロ・ダ・コルトーナが1647年から1666年にかけて仕上げたものです。



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この教会に入ってすぐ右側の「慈悲の礼拝堂」に、こんな感じでカラヴァッジョの「キリストの埋葬」が飾ってあったのです。
今あるのは他の画家によるコピーですが、けっこう上手に描けていると思います。

どうしてこの絵が教会でなくヴァティカンにあるかといいますと・・
あの憎きナポレオンがローマ侵攻の際に、多くの傑作と一緒にフランスに持ち帰ったからでした。
イタリアにとってナポレオンは大泥棒~。
19世紀初頭に交渉の末、カノーヴァがこの絵を取り戻しましたが、その時、この教会ではなくヴァティカン美術館に収蔵されることになったわけです。
ラファエッロの「キリストの変容」も同じパターンです。
でも、その時返還された美術品はわずか100点余り、現在ルーヴル美術館にあるイタリア絵画のほとんどは、ナポレオンがイタリアから持ち去ったものなのです。

私は、やはり、絵画作品のあるべき場所は、最初にあった場所だと思います。
ヴァティカン美術館で、この作品は何度も見ていますが、コピーとはいえ、この礼拝堂で見るほうが何倍も感動しました。
ラファエッロの「キリストの変容」も、本来の場所、サン・ピエトロ・イン・モントリオ教会で見てみたいな~

日本には他にもカラヴァッジョの絵が行くのでしょうか?
カラヴァッジョ、もっと人気が出てくれると嬉しいな~

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レオナルド没後500年記念の今年2019年♪
この機会に、拙訳「レオナルド・ダ・ヴィンチの秘密 天才の挫折と輝き」(河出書房新社)をぜひお読みください♪
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by mayumi-roma | 2020-02-21 06:08 | ローマの美術・歴史散歩

上野真弓、ローマ在住の翻訳家&文筆家&ツーリズム別府大使。日々の暮らしや芸術探訪、旅の記録。最新刊は訳書『ミケランジェロの焔』、著書に『教養としてのローマ史入門』、訳書『ラファエッロの秘密』など。お仕事のご依頼はoffice.uenomayumi@gmail.comへ。


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