ひと口では語れないピエロ・デッラ・フランチェスカ@サンセポルクロ♪

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サンセポルクロの町を取り囲む城壁と要塞♪
週末は、アレッツォからサンセポルクロ、モンテルキと、ピエロ・デッラ・フランチェスカの絵を見に来ていました。

なぜ、今、ピエロ・デッラ・フランチェスカなのか?
そこには深い理由があるのですが、私の心の内に秘めておきます。
あ、でも、旧ソ連時代の亡命映画監督のタルコフスキーが1983年にイタリアで撮った映画「ノスタルジア」に、モンテルキの「Madonna del parto」(出産の聖母)が出てくるので、これを見ると、皆さん、この絵のとりこになって、ピエロ・デッラ・フランチェスカの絵を見なければ~と思うようです。
この絵は、後日、ご紹介します♪



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サンセポルクロの町。
市庁舎前広場。



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サンセポルクロ美術館♪

ピエロ・デッラ・フランチェスカの絵を単純に一口で語ることはできません。
そもそも、画家である前に偉大な数学者であったピエロです。



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「ルカ・パチョーリに幾何学の法則を口述するピエロ・デッラ・フランチェスカ」Byアンジェロ・トリッカ♪
誰が誰だか、よく分からないかもしれませんので、ズームにしてみましょう。




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ルカ・パチョーリは『スムマ』という著作から「簿記会計の父」と呼ばれていますが、私が一番最初に思い出すのは、やはりレオナルドとの関係です。
1490年代後半、ミラノのスフォルツァ家をパトロンとしてレオナルド・ダ・ヴィンチと一緒に幾何学的立体図形の研究をしていましたから~。
ですので、『神聖比例論』を著した際の、正多面体の挿絵は、レオナルドの原図によるといわれています。
そんな優秀な数学者(修道士、哲学者でもあった)ルカ・パチョーリに数学を教えたのがピエロ・デッラ・フランチェスカだったというわけです。
二人ともサンセポルクロの出身です。




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ミゼリコルディアの祭壇画 By ピエロ・デッラ・フランチェスカ♪




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なんという美しい色彩!
なんと荘厳な聖母であることでしょう!
マントの中に信じる者たちを包み込む大きな心、すなわち慈愛!
ルネッサンス初期なので、レオナルドやラファエッロの甘さや優美さはありませんが、絶大なる繊細さと気品があります。
もう、ひれ伏してしまいそうです・・
ちなみに、白い円で囲んだ部分は、ピエロ・デッラ・フランチェスカの自画像です。



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「キリストの復活」 By ピエロ・デッラ・フランチェスカ♪
修復が終わったばかりです。



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ここでは4段階の遠近法が見られます。
手前、眠るローマの兵士たち。
復活したキリスト。
サンセポルクロの背景。
空。
ここでも兵士の1人(白い円で囲んだ部分)に自画像を描いています。

復活したキリストの、なんという力強さ!

これ、フレスコ画ではないそうです。
壁にテンペラで描いたものだそうで、よくきれいに残っていましたね。
レオナルドの「最後の晩餐」もテンペラで描かれていたため、(当時)すぐに絵の状態が悪くなりましたが、環境の違いでしょうか!?
「最後の晩餐」のあった部屋は異常に湿気が多かったそうなので・・

ピエロ・デッラ・フランチェスカの絵は、ひと口にいえば(ひと口ではいえませんが、あえて)、詩的な表現であるという点に尽きると思います。
ブルネレスキ風の幾何学的遠近法、マサッチョの柔らかさ、ベアト・アンジェリコのような光とはっきりした色彩、フランドル派の画家たちのように現実に忠実に描いた詳細・・



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サン・ジュリアーノ By ピエロ・デッラ・フランチェスカ♪




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サン・ルドヴィーコ By ピエロ・デッラ・フランチェスカ♪



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音楽は、目に見えませんし、手でつかめませんが、測ることができるので、形あるもの、つまり物質です。
ピタゴラス音律でも分かるように、数字で表わすこともできます。
数学なら、ピエロ・デッラ・フランチェスカとルカ・パチョーリ♪
サンセポルクロの誇りです。

このピアニストは音楽と絵画の融合を目指しているのかな?

ピエロ・デッラ・フランチェスカが亡くなった日は、1492年10月12日です。
この日が何の日か分かりますか?
コロンブスがアメリカ大陸を発見した日なのです。
偶然でも偶然でなくても構いませんが、何かを感じさせてくれると思いませんか?

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by mayumi-roma | 2019-12-03 06:38 | トスカーナいろいろ

ローマ在住35年♪永遠の都からお伝えする、書籍翻訳家・上野真弓の日々の暮らしや考えること。そして大好きな美術について・・


by mayumi-roma