思索にふけるに最良の場所@非カトリック墓地♪

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サン・パウロ門とガイウス・ケスティウス(イタリア語ではカイオ・チェスティオ)のピラミッド♪
昨日は、お友だちのおウチからの帰りに、この近くにあるプロテスタント墓地に寄って行きました。
便宜上プロテスタント墓地といっていますが、正式名称は非カトリック墓地。
つまり、新教徒だけでなく、仏教徒であろうがイスラム教徒であろうが、非カトリックの人間なら誰でも使っていいお墓です。
ものすご~く高いとは思いますが・・



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入場料はありませんが、最低3ユーロの寄付をするように張り紙してあります。
ここは好きな場所で、何度も訪れているため、どこに誰のお墓があるかもバッチリ把握しています。
今日は、一目散にオールドセメトリーへ行きました。


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オールドセメトリーには、イギリス・ロマン主義の詩人キーツのお墓があります。
(ちなみに、スペイン階段に隣接している建物はキーツが暮らしたアパートで、記念館になっています)
「ピラミッドを眺めながら永遠に眠れる場所」のことを、死の床にあったキーツはとても喜んだそうです。
確かに、このオールドセメトリーは、眠りにつく最高の場所だと思います。

静かで詩的な景色の中にベンチが置かれているので、ここで本を読んで過ごす人は多いです。
思索にふけるにも良い場所♪



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キーツと親友のジョセフ・セヴァーンのお墓。
左の竪琴の浮彫が施されてあるのがキーツのお墓で、右のパレットの浮彫が施されてあるのがセヴァーンのお墓です(セヴァーンは画家でした)。
キーツの墓石には、遺言により、「「Here lies one whose name was writ in water」(その名を水に書かれし者ここに眠る)と彫られています。
キーツは25歳という若さで亡くなりましたが、セヴァーンは85歳まで生きました。
それなのに、お隣同士で眠ることができて幸せですね。
永遠の友情だったのでしょう。



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こちらは、イギリス・ロマン派の詩人シェリーのお墓です。
ただし、オールドセメトリーではなく、普通の墓地のほうにあります。
もちろん、キーツと親しくしていました。

シェリーの最期も悲惨でしたね。
帆船に乗ってリヴォルノからレリチへ移動中に嵐にあって船は沈没。
身元確認も困難なほど遺体は傷んでいたそうです。
墓石の表面には、Cor Cordium(ラテン語で心の心の意味)、Nothing of him that doth fade / But doth suffer a Sea-change / Into something rich and strangeというシェイクスピアの「テンペスト」からの詩句が刻まれています。
シェリーのお気に入りだったそうです。



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これが私の一番好きなお墓♪
とくに有名でもないイブリン・ストーリーというご婦人のお墓なのですが、そのご主人が彫った彫刻があまりにも美しくて、この墓地では一番人気のお墓です。
私は、勝手に、嘆きの天使と呼んでいます。



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ゲーテの息子、アウグストのお墓。
大きな浮彫の肖像は、ベルテル・トルヴァルセン作です。

Cimitero acattolico roma
Via Caio Cestio, 6, 00153 Roma
9時から17時まで

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by mayumi-roma | 2019-09-12 03:34 | ローマ&その他の美術散歩

上野真弓、ローマ在住の翻訳家&文筆家&ツーリズム別府大使。日々の暮らしや芸術探訪、旅の記録。最新刊は訳書『ミケランジェロの焔』、著書に『教養としてのローマ史入門』、訳書『ラファエッロの秘密』など。お仕事のご依頼はoffice.uenomayumi@gmail.comへ。


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