カゼルタ宮殿見学記♪

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カゼルタ宮殿♪
18世紀後半のナポリ王国ブルボン朝の宮殿としてヴァンヴィテッリの設計で建てられた宮殿です。

実は、私は宮殿の見学はあまり好きではありません。
退屈してしまうのです。

カゼルタ宮殿は、ヴェルサイユ宮殿を模範にした宮殿ですが、かなりの違いがあります。
それは、この宮殿の内部に24の政庁を作り、図書館、研究機関、劇場なども組み込むという、まさに王国の要となるものをすべて集中させたのです。
お部屋の数は1200もあります・・

ナポリ王国・・
もし、イタリアが統一されなかったら、現在も王国が続いていたなら、ナポリ周辺は現在のように衰退しなかったのかもしれません・・

ともかく巨大な宮殿であるため、撮った写真も膨大ですが、とてもじゃないけどブログでご紹介するのは無理です。
1冊の本が書けるくらいになってしまいます~
ほんの一部だけで許して下さいね♪




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とにかく宮殿に入る大階段からして壮大なものです・・





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大階段を折り返して、まだ上ります・・




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パラティーナ礼拝堂♪
これは、完全にヴェルサイユを意識していますね。
ところで、列柱に注目してください。



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列柱が破損しています。
実は、ここには第二次世界大戦末期、南から上陸した連合軍とドイツ&イタリア・ファシスト党がぶつかり合っていた時に、連合軍の兵士たちの宿舎となっていたのです。
その際に破壊行為がなされたのでした。
このような負の歴史を敢えて残すという意向のもと、修復せずにそのままにしているのです。




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いくつもの大広場がたくさん続きます。
見ると「わあ~♪」とは思うものの、やっぱり退屈・・(笑)
いわゆる王家の宮殿って大き過ぎるのです。
ローマに残る宮殿は、ローマ教皇の宮殿や教皇を輩出した貴族の宮殿ですから、それほど巨大なものはありません。
ですので、見学も簡単ですし退屈しませんが、王家の宮殿は壮大過ぎてだんだん飽きてきます(笑)




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王座の広間♪




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そうそう、この宮殿で暮らし始めた最初の王と王妃の肖像画をご紹介しましょう。
ナポリ王国ブルボン朝フェルディナンド4世と妃のハプスブルグ家皇女、マリー・アントワネットの姉のマリア・カロリーナです。
フェルディナンド4世は3男だったことから帝王教育を受けていませんでした。
父親がスペイン王位に就いたため、急遽ナポリ王国の王位継承をすることとなったのでした。
そのため、ナポリ語しか喋れず、教養ゼロ、政治的能力もゼロという有様でしたが、妃の「マリア・カロリーナが非常に聡明な女性で、4か国語に長けて教養豊か、その上、母のマリア・テレジア同様の政治的能力もあったため、実際にナポリ王国を統治したのは彼女でした。
この2人にはまったく共通する部分はありませんでしたが、17人の子を成しています・・。
しかも、お互いにたくさんの愛人を抱えていたのだとか・・




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両シチリア王国(ナポリ王国)最後の王、フランチェスコ2世の寝室です。
在位はわずか1年あまり。
イタリア統一を図るサヴォイア家に侵攻され、王位を失いました。
しかし、本当にヨーロッパの歴史は複雑です。
フランチェスコ2世の母親は、サルデーニャ王国サヴォイア家の第5代国王ヴィットリオ・エマヌエレ1世の娘なので、彼を廃位に追いやりイタリア統一を成し遂げたヴィットリオ・エマヌエレ2世とは親戚関係にあったのです。




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フランチェスコ2世専用のエレベーター(右側)♪




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図書館の一部。




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さて、こちらの写真はTOURING CLUB(イタリアツーリングクラブ)から拝借したものですが、カセルタ宮殿で最も有名な歌劇場です。
ナポリのサン・カルロ劇場を手本にして作られたもので、現在でも何かの機会には使用されますし、数々の映画のロケ地にもなっています。
この歌劇場は、カセルタ宮殿の内部にあるものの、ツーリングクラブが管理しているため、見学はツーリングクラブのボランティアガイドの案内で、毎週土曜日と日曜日の10時から12時までしか見学することができません。
ただし、毎月第一日曜日はお休みです。
というわけで、残念ながら、ここを見学することはできませんでした。

それにしても、この宮殿を見学して、ナポリ王国にがぜん興味がわいてきました。
ちょっと勉強しようと思います。

La Reggia di Caserta(カゼルタ宮殿)
Viale Douhet, 2/a, 81100 Caserta

入場料12ユーロ。
閉館日:毎週火曜日、クリスマス、元旦、復活祭の天使の月曜日、メイデイ

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by mayumi-roma | 2019-06-12 06:26 | ナポリ、ポンペイ、カゼルタ、南イタリア♪

上野真弓、ローマ在住の翻訳家&文筆家&ツーリズム別府大使。日々の暮らしや芸術探訪、旅の記録。最新刊は訳書『ミケランジェロの焔』、著書に『教養としてのローマ史入門』、訳書『ラファエッロの秘密』など。お仕事のご依頼はoffice.uenomayumi@gmail.comへ。


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