サンタ・マリア・デル・プリオラート教会とマルタ騎士団広場♪

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マルタ騎士修道会総長の館の塔の上になびく赤いマルタ十字の旗♪
さぁ、アヴェンティーノの丘にあるマルタ騎士修道会本部のレポートも最終章です。
美術記事が退屈な方もいらっしゃるでしょうけど、いよいよ終わりです~(笑)



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マルタ騎士団総長の館に付属するサンタ・マリア・デル・プリオラート教会♪
直訳すると総長の聖マリア教会。
もちろん、ピラネージの作品です♪
教会の名称にサンタ・マリアで始まるものが多いのはカトリックの特徴ですね。
プロテスタントはマリアの神性を認めていませんからマリア信仰はありません。

ファサード(正面)の装飾はピラネージ独特の象徴性の高いものが組み合わされていますが、エトルリア文化を象徴するスフィンクスも見えます。
扉の両サイドに様々な象徴を組み合わせたトーテムがあります。
これをいちいち説明しても良いのですが、読まれる方も難しいなぁ~と思うでしょう。
私も面倒なので、詳細は省略!(笑)
そこまで美術に興味のある方って少ないでしょうしね。




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8つの旗が飾られているのはマルタ騎士団ならでは!




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教会内部の設計は装飾デザインも含めてすべてピラネージのものですが、スタッコ(漆喰)装飾を実際に施したのは、トンマーソ・リーギです。



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天井の装飾も同じく。
デザインはピラネージですから、古代から中世、ルネッサンス、バロックに至るまでの、あらゆるシンボルを組み合わせています。




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ピラネージは18世紀の芸術家ですから(版画が有名です)、時代的にはカノーヴァに代表される新古典主義(ルネッサンス期の古典に帰ろうとする様式)に入るのですが、その作風はバロック風です。
この写真を見て分かるように、建築と彫刻が一体化したベルニーニ的劇場型の演出がなされています。




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聖バジリオが帰天する姿も、両手を広げて大きなジェスチャーをしていますし、また、その表情にも、ベルニーニの彫刻に見られる神と一体化する法悦が表現され、ベルニーニの彫刻、聖女ビビーナ像の表情を思わせます(聖女ビビアーナの過去記事はこちらから)。
また、光の取り入れ方も、完全にベルニーニ式です。
つまり、彫刻を鑑賞する正面からは見えない場所に光の入る窓を作っているのです。
この彫刻の場合は、真後ろにあります。
ただし、実際に制作したのは、先にも述べたトンマーソ・リーギです。



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あいにく彫刻の後ろにある窓は写真に撮らなかったのですが、この写真は彫刻を後ろから見たところです。
何も彫られてありません。
正面が仰々しいまでの装飾だったので、この対比は面白いでしょう!?
これは、まさに窓から入る光を効率よく反射させて彫刻を浮き上がらせる効果を作るためだったのです。
太陽光線が細かな装飾の中に吸い込まれていしまわないよう、つるつるの表面に光線を反射させるためです。

右側に突き出した足が2本見えますが、正面から見ると左側には足が1本しか見えません。
上手く重なるように計算されていたのです。



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教会内部には、マルタ騎士修道会の歴代総長のお墓があります。
とはいえ、マルタ島を訪れた時に見ましたが、バレッタの聖ヨハネ准司教座教会にある歴代総長のお墓のほうがメインでしょうね。
ここには、本拠地を移して以来の総長のお墓があるのでしょう。



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こちらのお墓は美術的に非常に価値の高く美しいといわれています。
下に置かれたものが中世の古美術だからそうで・・




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こちらはピラネージの葬送モニュメント♪
ポセイドン神殿の立柱に右手の肘を乗せて手には地図を持っています。
いかにもピラネージらしいですね。
ポセイドンは異教の神、ここはカトリック教会の内部なのですが、シンボリズムに凝ったピラネージを象徴したのでしょう・・
顔は、ギリシャの哲学者ゼノンの顔を模したそうです。
制作者は、ジュゼッペ・アンジェリーニです。
ちなみに、ピラネージのお墓そのものは、サンタ・マリア・デッリ・アンジェリ(共和国広場)にあります。




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こちらは、マルタ騎士団広場にある例のカギ穴からサン・ピエトロ大聖堂のドームが覗ける正面玄関です。




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広場には、様々なシンボルを組み合わせたピラネージの装飾がありますが、この地は古代ローマ時代には戦いの神マルスの神殿と武器倉庫があったことから、古代ローマ兵の武具などがシンボル化して表現されています。
上部の顔はギリシャ神話のメドゥーサ♪
髪の毛がヘビで、その顔を見た者は恐怖のあまりに石になってしまうという伝説。
ローマ兵は、楯に好んでメドゥーサの顔を描いていました。
相手を怖がらせ、「勝つ!」という士気を高めるためです。




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オベリスクもシンボル化して使っています。
ここにあるのは、ローマ法王クレメンス13世の記念碑。
この、クレメンス13世こそが、同郷(ヴェネト地方)のピラネージをローマに呼んで勉強させ、この広場とマルタ騎士修道会の館の修復&装飾を命じた法王だったのです。
なぜ、マルタ騎士団かというと、法王の甥レッツォニコ枢機卿が当時のマルタ騎士団の総長だったからです。




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アヴェンティーノの丘にあるマルタ騎士団広場は独特の雰囲気を持っていますね♪

この広場にはお散歩がてら何度も来たことのある私でしたが、念願だったマルタ騎士修道会の本部にようやく入ることができて、小さな夢の1つが叶いました。
こうして、小さな夢を1つずつクリアーしていく私なのです♪

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by mayumi-roma | 2019-05-15 05:54 | ローマ&その他の美術散歩

ローマ在住35年♪永遠の都からお伝えする、書籍翻訳家・上野真弓の日々の暮らしや考えること。そして大好きな美術について・・


by mayumi-roma