ボルゲーゼ美術館その2(2階)♪
2019年 03月 07日
今日は2階の絵画の展示から(カラヴァッジョの作品だけは1階にあります)。
もちろん、ラファエッロの「一角獣を抱く貴婦人」「ボルゲーゼの十字架降下」「男の肖像」、3点があるお部屋です。
比較的人が少ないように見えますが、団体客が次から次へと入ってくるので、いつもわんさか人がいます。
「ボルゲーゼの十字架降下」は、椅子に座ってじっくり見たいですし、私の愛する「一角獣を抱く貴婦人」は、絵の前にずっと佇んで、じっと眺めていたい・・
可哀相に、この絵もラファエッロが描いたものなのに、みんな素通りしていきます・・
知らないのかな?
髪の毛の描写や鋭い視線など、なかなかのものなのですけどね。
描かれた人物像を見れば、すぐにボッティチェッリだとわかりますね。
彼の描く顔はみんな同じなので、私hはそれほどボッティチェッリに惹かれないのですが、なぜか日本では大人気ですよね~
優美で官能的・・
コレッジョは意外とエロティックな絵を描きますよね。
ダナエはギリシャ神話に登場する王女です。
アルゴス王アクリシオスはダナエという美しい娘を得たものの、世継ぎが欲しくて信託を求めます。
すると、「息子は生まれないが、男の孫が生まれる。そなたはその孫に殺されるだろう」という恐ろしい信託が下されるのです。
王は驚いて、ダナエに男が近づかないように青銅の地下室に閉じ込めますが、美しいダナエに目をつけたゼウスが黄金の雨に変身してダナエを誘惑します。
この場面では、ダナエがベッドにもたれて、ゼウス(黄金の雨)を迎え入れようとするかのように、足を広げています。
頭上には、黄金の雨の雲(ゼウス)が見えます。
ベッドの端に座ったエロス(アモールやキューピッドと同義)も、頭上の黄金の雨の雲(ゼウス)を見つめながら、ダナエの衣服を脱がそうとしています。
きゃあ~、やっぱり、かなりエロティックですね。
この時代、神話を描くからこそ許された表現でしょうね~
こうして、ダナエは身ごもって英雄ペルセウスを産むのです。
さて、この部屋で忘れてはならないのは~
お気づきだと思いますが、光の加減で絵の写真が上手く撮れないことが多くて、遠くから撮ったものを載せているケースが多々あります。
絵の細かい点がよく見えないとは思いますが、あしからず。
クラナッハは、ドイツ・ルネッサンスの画家です。
彼の描くヴィーナスのなんとしなやかで洗練されていることでしょう!
身体の線が優美で、プロポーションはほっそりしていて、まるで縦に引き伸ばされているような感じです。
独特の美を感じます。
この絵の右上には訓戒が添えられています。
「小さなエロス(キューピッド)がハチミツを味わおうとハチの巣に指を突っ込んで刺されるように、逸楽には苦痛が伴う」
これに対して、ブレシャニーノの「ヴィーナス」はどうでしょう?
貝の鏡を覗いているヴィーナスは、まるで生きているかのような生身の美しい女性で、画面に描かれた壁がんの中から今にもこちらへ足を踏み出すかのようです。
こちらも素晴らしいですね♪
両者とも、まったく異なるタイプの絵ですが、甲乙つけがたいほどに美しいです。
すみません、巨匠と目されるルーベンスの画風、まったく私の好みではないのです。
アントウェルペンの聖母マリア大聖堂の祭壇画(フランダースの犬で有名な)を見たら、変わるかな?
4月から仲良しのお友だちがベルギーに赴任するので、遊びに行くついでに行っちゃおうかな~
この人こそが、ボルゲーゼ・コレクションのベースを築き上げたのでした。
この彫刻にまつわる面白い話もあるのですが、だんだん疲れてきたので、省略。
左、少年時代、中央、熟年期、右、若き時代。
なお、手前にあるのは、ベルニーニ作のローマ教皇パウルス5世(シピオーネ・ボルゲーゼ枢機卿の伯父)の小さな胸像です。
小さいけれど、眼光が鋭くて、一筋縄ではいかない彼の性格がよく表わされていました。
かなり印象深い作品です。
これ、大好きなんです~
古代ギリシャ神話の女神ですから、堂々と女性のヌードが描けるわけです。
画面右手には、のぞき見している男の姿が描かれています(笑)。
これ、よく間違える方が多いのですが、聖なる愛は右側のヌードの女性、俗なる愛は左側の着衣の女性です。
ティチアーノが25歳の時に描いた大傑作です。
私は、ティチアーノの若い頃の画風のほうが好みなのです。
ティチアーノはまぎれもなくイタリアが誇る巨匠でありますし、ヴェネツィア派独特の色彩表現を最高レベルにまで昇華させますが、それでも、私は若い頃の絵のほうが好みです。
「聖愛と俗愛」の正面にあります。
画風がかなり違っているでしょう?
それはもちろん、ティチアーノが色彩表現を極めたからでもあるのですが、皆さまはどちらがお好みでしょうか?
こんな風に比較しながら美術鑑賞するのも楽しいですね♪
簡単なご紹介をしただけですが、美術館の記事は時間もかかるし疲れるので、だんだん頭が痛くなってきました。
おしまいで~す♪
2つのブログランキングに参加しています。クリックして応援してね♪
にほんブログ村
ヨーロッパランキング
全国の書店で絶賛発売中♪
アマゾンはこちらから~←ここをクリック♪
紀伊国屋書店Web Storeはこちらから~←ここをクリック♪
よろしくお願いします~
私の二作目、「カラヴァッジョの秘密」(河出書房新社)、全国の書店で絶賛発売中で~す♪ アマゾンはこちら~ 紀伊国屋書店はこちら~
私の翻訳本第一弾、「レオナルド・ダ・ヴィンチの秘密 天才の挫折と輝き」(河出書房新社)も、あわせてよろしく♪
by mayumi-roma
| 2019-03-07 06:23
| ローマ&その他の美術散歩