映画「ファーストマン」の感動と余韻・・・

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今週火曜日に観た映画・・・
あまりにも感動して、いまだに余韻に浸っています。
毎日毎日、この映画のもとになった実話とその当時の私の思い出、さらに科学や宇宙や人生、人間について思いを巡らせています。




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その映画とは、ファーストマンです。
本当に素晴らしかった♪
内容もさることながら、役者さんたちの演技も卓越している・・
監督さんの力量はいうまでもなく・・





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写真は、NASAの公式ポートレートよりお借りしました。

ファーストマン(First Man)は、文字通り人類史上初めて月に降り立った宇宙飛行士ニール・アームストロングの物語です。
完全に事実に即して描かれたため、映画撮影の際には、かつてのNASAの同僚やアームストロング船長の遺族も立ち会って撮影されたそうです。
この映画は、アームストロング船長の内面を浮かび上がらせることに重心を置きながら、人類初の大偉業を描いたものです。

アポロ11号の月面着陸は、1969年のことでした。
私は小学生だったのでよく覚えています。
日本中(世界中)が大騒ぎでした。
私は月面着陸のテレビ中継(宇宙船の外側にカメラが取りつけられていた)も見ましたし、いつも月を見上げていました。

子どもの頃は、月面着陸をただ事実としてとらえていましたが、今、この映画を観て思うことは、「当時の科学技術でよく成功したな。それを成功させたアームストロング船長は真に偉大なヒーローである」ということです。
本当にイチかバチかの賭けだったのでした。
アポロ計画の試験中にも宇宙飛行士が3人死んでいますし(しかもアームストロング・ファミリーが家族ぐるみで仲良くしていたご近所さん)、その前のジェミニ計画(もちろん、こちらも同僚かつ友人)でも死んでいます。
アームストロング自身も試験飛行中に何度も死にかけています。
当時の科学技術での話ですから、その訓練のあまりのすさまじさに、本当に驚きました。
多くの犠牲の上に成り立った偉業・・・
要するに、死もいとわないような覚悟をして臨む大事業だったわけです。
アポロ11号の月への飛行は、実際、月に着陸できても地球に戻れなくなる確率が高かったため、「彼らは残念ながら月で死んだ。これから月を見る時には、そこに彼らが眠ることを思い出して欲しい」という大統領演説まで用意されていたのでした。

世の中には、陰謀論がうごめいていて、このアポロ11号も本当は月に行っていなかったと主張する人がいますが、私は、アームストロング船長は月面着陸という偉業を成し遂げたと思っています。
そもそも、もし、それが嘘であるならば、当時激しい冷戦下で宇宙開発競争をしていた(当時の)ソ連が黙っているわけがないじゃないですか!

アームストロング船長のパイロットとしての腕の確かさ、予期せぬことが起こった場合の判断力、何よりも尋常でない冷静さ、しかし、彼は幸運も持っていたと思います。
また、ネタバレになるので書きませんが、アームストロングがとてつもない悲しみを抱えていたことも、逆にいえば、このミッションへの成功に繋がったのかもしれないと、私は思いました。
それにしても、奥さんが素晴らしい!
常に張りつめた空気の中で、彼を支えるのは並大抵の苦労ではなかったと思います。
「帰ってこれないかもしれない」
言葉にするのは簡単ですが、重い言葉です。

息子さんたち(私くらいの年齢)は、この映画を既に何回も見て、観るたびに泣いているという記事を読みました。
そこで描かれていることがすべて真実だからです。
偉大な父親のことを誇りに思うとともに、当時のドラマティックな日々を思い出しているのでしょう。

この映画を観て私が考えたことを言葉にするのは非常に難しく、それゆえ、なかなかこの映画について書けなかったのですが、なんといいますか、人間とは何か、親子とは何か、人生とは何か、仕事とは何か、命を賭けるということがどういうことなのか、本当に色々と考えてしまいました。
そして、もちろん宇宙の不思議についても!
またまた本を読んで考えていました~
月は真空だから風がないこと、太陽の光が直接降り注ぐので、温度も100度を超えるということ、すっかり忘れていた・・
そして、当たり前だけど、月はこんなに近く見えるのにとても遠いところにあるんだな・・と実感しました。
広大な宇宙に比べれば、しょせん人間の能力は知れている・・
それでも、あの時代に月へ行くという挑戦をした事実に素直に感動しました。
若い人(本当に若い若者のことです)は、生きる勇気をもらえるかも・・

天文学が大好きな自称宇宙少女だった私は、もし機会があったら、死ぬことになってもいいから宇宙に行ってみたいと思っていましたが、この映画を観たら、そんな軽々しいことは言えなくなりました。
そして、この広大な宇宙の中で本当に本当にちっぽけだけど、いかなる星よりも美しい地球とそこに暮らす私たちについても考えました。
そして、自分自身の人生も!
やっぱり生まれてきたこと自体が奇跡なのだと思います。
大いなる時の流れを風とするならば、その中で一瞬輝く光を放つ人もいる。
でも、何かを成し遂げなくても、ごく平凡な人生でも、今ここに生きていることが奇跡であり、命を繋げていくことが大切なのだと・・

でも、やっぱり外から美しい地球を見てみた~い!
ZOZOタウンの前澤さん、私も宇宙旅行に連れて行って~~(笑)
有名な芸術家だけでしたね、確か・・
一般からも公募してくれないかな!?

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by mayumi-roma | 2018-11-25 03:15 | 映画・音楽・本・イベント

上野真弓、ローマ在住の翻訳家&文筆家&ツーリズム別府大使。日々の暮らしや芸術探訪、旅の記録。最新刊は訳書『ミケランジェロの焔』、著書に『教養としてのローマ史入門』、訳書『ラファエッロの秘密』など。お仕事のご依頼はoffice.uenomayumi@gmail.comへ。


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