サン・マルコ修道院(美術館)1階と素晴らしいギルランダイオの「最後の晩餐」♪


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フィレンツェのサンマルコ修道院(美術館)、聖アントニーノの中庭♪
聖アントニーノは初代修道院長でした。

木曜日の今日はズンバ!
昨日のフィレンツェで例のごとく頑張り過ぎて足腰が痛く大変疲れていたのですが、ズンバには行きましたよ~
さすがにランチはパスしましたが、ズンバで疲れた肉体がほぐれていくような感じでした~
楽しかった~♪

さて、サン・マルコです。
ドメニコ派のサン・マルコ修道院は、現在でも修道院としての機能を持ちながらも、素晴らしい美術館となっています。
ベアト・アンジェリコ美術館というべきかもしれませんが、それだけではありません。
ここは、かの有名なサヴォナローラが修道院長をつとめた場所です。
それゆえ、歴史的にも大きな意味を持つのです。

ドメニコ派というと常に瞑想の時間を持つこと、キリストの磔刑図を絶え間なくあがめることで有名ですが、彼らは食事の際にも瞑想にふけったのでしょう。
伝統的に、修道院の食堂は、「最後の晩餐」の壁画で飾るのが定番でした。
あの、レオナルドの大傑作「最後の晩餐」のあるミラノのサンタ・マリア・デッレ・グラッツィエ教会も、そもそも付属のドメニコ派の修道院の食堂に描かれたものでした。




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美術館入り口からキオストロに入ると、時を超えて漂う高い精神性を感じます。
キリスト教徒でなくても、謙虚な気持ちにさせてくれるような場所とでもいいましょうか!?
回廊のリュネット(半月形の部分)には、16世紀にフィレンツェで人気のあった画家たちによって聖アントニーノの物語が描かれています。
そして、修道院の至る所が、同じくドメニコ会派の修道士兼画家でもあったベアト・アンジェリコの描いた絵で飾られています(彼もここに暮らしていました)。
本当に、何から書いていいか分からないくらいに、見所の豊富な場所です。
正直、このサン・マルコだけで10個くらいの記事が書けると思いますが、気が遠くなってしまうので、かなり端折って2回に分けます。
でも、端折っても、省略しても、かなり長くなると思います。





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回廊の片隅には、キリストの磔刑のフレスコ画があります。
1442年のベアト・アンジェリコの作品です。
十字架のそばに描かれているのは聖ドメニコで、磔刑のキリストと対話をしています。
磔刑の感情に訴える力と聖人描写の現実感が、時空を超えて見事に統合されています。





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回廊の周りには、いくつかの部屋があったり、また部屋に通じる扉があります。
こちらは、CAPITOLOの間(修道士たちの行いを会則に従って論議する参事会の間)。




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キリスト磔刑と諸聖人たち(1442年、ベアト・アンジェリコ作)♪
非現実的な空間です。
2人の盗人と一緒に磔刑に処されたキリストの周囲に、当時の歴史的人物だけでなく、キリスト教の神学者やフィレンツェに関わりのあった聖人たちも描かれいます。
まるで、キリストの磔刑について、宗派を超えて考察しているようです。




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有名なピアニョーナの鐘もあります♪
この鐘がこう呼ばれるのは・・・
ピアニョーナとは泣き虫という意味もありますが、ここでは別の意味で使われています。
15世紀、サヴォナローラ信奉者たちを総称してピアニョーナ(複数形はピアニョーネ)と呼んでいました。
サヴォナローラ捕縛の際に襲撃を受けたサン・マルコ修道会は、彼を支援するフィレンツェ市民を呼び集めようと、この鐘を乱打しました。
サヴォナローラ処刑後に、この鐘は、鐘として不名誉なことをしたということでお仕置きを受けて別の教会に移されました。
そして、1509年に再びサン・マルコ修道院に戻されたのでした。
この鐘は、16世紀に入ってからもピアニョーネ(サヴォナローラ派)にとって反メディチのシンボルだったのです。





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OSPIZIO(オスピツィオ)の間(昔は内部分割されていた巡礼者たちのための宿泊施設)♪
この部屋には、ベアト・アンジェリコの名作がいっぱいで~す。
あまりにもたくさんあるので、ここでは2点だけご紹介します。
ちなみに、最も有名な作品の一つ、「サン・マルコの祭壇画」は貸し出し中でありませんでした。





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リナイオーリの祭壇画(1433年、ベアト・アンジェリコ作)♪
リナイオーリとは、リンネル製造業者組合のことで、この組合からの依頼で描いた巨大な祭壇画です。
ギベルティ制作の大理石の額縁に収められています。
ここで描かれた玉座の聖母子は、前世紀に描かれていたゴシック様式のマエスタ(荘厳の聖母子)の優美さを残しながらも、透視図法(遠近法の一種)も取り入れて、かなり当世風なものになっています。
素晴らしい作品でした♪




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パッラ・ストロッツィの祭壇画(キリスト降架)♪
メディチ家のライバルだった教養人かつ銀行家のパッラ・ストロッツィの依頼で描かれたもので、ベアト・アンジェリコの板絵作品としては最高傑作とされているものです。
自由な画面構成、写実的な自然、背景、人物の感情表現、まさにルネッサンス絵画の幕開けと呼べる作品の一つです。
でも、私はさっきの聖母子の祭壇画のほうが好き~♪





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こちらは、大食堂♪
ここには、1536年制作のジョヴァンニ・アントニオ・ソリアーニの「聖ドメニコの奇跡の夕食」と熱烈なサヴォナローラ信奉者の修道士で画家でもあったフラ・バルトロメオの作品が展示されています。
また、ここからフラ・バルトロメオの間にも通じています。



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「聖ドメニコの奇跡の夕食」
下部に、聖ドメニコが食べるものがなかったにもかかわらず、修道士たちとテーブルにつくと天使たちが食物を運んで来てくれたという奇跡、上部にキリストの磔刑が描かれています。
この絵は、ドメニコ会派の生みの親、聖ドメニコを称え、さらにキリスト磔刑に象徴される復活の摂理を喚起するものです。





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大食堂からフラ・バルトロメオの間を抜けると、こんな可愛い中庭が~♪
ここから別の扉を抜けると、現在はお土産品コーナーになっているかつての小食堂があります。
その壁面には、ギルランダイオが描いた素晴らしい「最後の晩餐」があるのです♪




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いや、もう、私はあまりの素晴らしさに胸がいっぱいになりました♪
もちろん、レオナルドの「最後の晩餐」の革新性には及びませんが、ギルランダイオも、「最後の晩餐」の当時の定型を打ち破っているではないですか!
それに、地上の楽園を思わせる上部の描写も見事です。
ものすごい遠近感を感じます!
なかなか創意工夫をした跡がみられます。

ギルランダイオは、「最後の晩餐」をフィレンツェで3点描いています。
これが最後の作品で、構図そのものは、2番目にオンニサンティ教会に描いたものと同じですが、異なる点もいくつか見られ、それが私を唸らせるのです。
ギルランダイオの下絵で、実際に描いたのは工房の画家たち、つまり彼の兄弟や共同制作者たちだったと言われていますが、いや、それでも、これが一番良いでしょう!

異なる点は・・
U字型のテーブルは同じですが、両端(テーブルの曲がった部分)に横向きの人物像を描いていること。
当時の「最後の晩餐」の定型としてテーブルのこちら側にただ一人裏切者のユダを描いていますが、ユダのそばには、キリスト教において悪魔の化身とされていたネコを描いていること。
ユダが手にパンを持っていること。
これはつまり、イエスが自分を裏切るであろう人物の特定をした後の場面ということです。
したがって使徒たちの動揺も静まりつつある時間設定となります。
テーブルの上には、より多くの水差しやグラス、器が描かれています。
透明な水差しやグラスは実に写実的に描かれていて、実に見事です。




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イエスの最も愛した弟子の福音書家聖ヨハネは、イエスにもたれるというよりは、イエスのテーブルの上で眠りこけています。
血の気の多いことで知られる聖ペテロはお決まりのナイフを手にしていますが、ユダをにらみつける表情はなかなかのものではありませんか!

実に素晴らしい♪
この、ギルランダイオの「最後の晩餐」が、サン・マルコ美術館の1階で最も感銘を受けたものでした♪
もちろん、私にとっての「最後の晩餐」の最高峰はレオナルドですけどね。
そして、2階には、これまたとんでもなく美しい絵とサヴォナローラの悲しい物語が待っていたのでした・・

Museo di San Marco (サン・マルコ美術館)
Piazza San Marco, 3
Firenze
入場料:4ユーロ(予約なしでも大丈夫です)
開館時間:月曜日から金曜日まで:8時15分から13時20分まで
     土曜日と日曜日:8時15分から16時50分まで

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by mayumi-roma | 2018-09-14 05:18 | フィレンツェ

ローマ在住33年♪永遠の都からお伝えする翻訳家、上野真弓の日々の暮らしや考えること。そして大好きな美術について・・


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