書籍翻訳の大変さ♪

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ローマは今日も雨でした~
いったい何日雨が続くのでしょう!?
時々晴れ間が出る日があったり、雪の日もあったりしましたが、少なくとも1週間は雨の日が続いています。
天気予報を見てみたら、来週も雨の日が多いようです。
まぁ、私はお出かけを極力控えて、翻訳に集中したいと思っているので、別に雨でもまったく構わないのですが・・・

さて、その翻訳の最中、昨日の夜から今日にかけて、さんざん悩まされてしまいました。
その件は、のちほど~

書籍の翻訳の場合、機械的に訳すわけではありません。
ただ機械的に訳すだけだったら、どんなにラクなことでしょう!
原語体系がまったく違うため、独特の表現を日本語にするだけでも大変なのに、さらに著者のスタイルというものがありますから、そのスタイルも日本語で表現しなければなりません。
もともと、この著者の文体とスタイルは私好みでしたし、3冊目ですから、さすがに慣れた部分はありますが、それでも、かなり集中しなければ、とんでもないことになってしまいます。

しかも、彼は、過去のことを語るのに、生き生きと情景を伝えるために、現在形を使うことが多いのです(イタリアではよくある手法ですが、日本ではないと思います)。
この現在形が大変!
時々、「えっ、ここで過去形なのに、次は現在形なの?」と思うことは多々ありますが、一応、時制には忠実に、それでいて日本語的におかしくならないようにしなければなりません。

さらに、一冊目のレオナルドも2冊目のカラヴァッジョもそうでしたが、古語のままで書かれた文章の引用が多いのです。
このイタリア古語というのがくせ者で、分かるようでわからない言葉とでも言いましょうか、本当に大変です。
今回は、本の中にちょこちょこ散らばっているだけではなく、な、な、なんと!11ページに及ぶ古語の歴史的資料が付録でついているのです。
11ページ!(大汗)

苦労が尽きません。

さらに、私が翻訳する書籍は、(今のところは)美術関係ですので、専門用語が大変です。
幸い、美術史を勉強した私にはこのあたりに問題はないのですが、別のところに問題が出ます。
それは、あくまで一般向けに書かれたものなので、日本の方がどれだけこの専門用語を知っているかということ。
それを分かりやすくするためには、訳注を入れるのが手っ取り早いのですが、訳注ばかりの本は面白くないでしょう?
だから、なるべく訳注を入れないように努めていますが、それでも、訳注は入らざるを得ません。
難しい言葉の羅列はしたくないのですが、実際問題、ある程度難しくなってしまうのは仕方ないのかもしれません。
これは課題ですね。
レオナルドの時に遠近法の一点透視図法についての説明が足りなかったと反省しているので、今回は(今回も出てきます)、一点透視図法の詳しい訳注を書くつもりです。

そして、絵画の主題は、宗教やギリシャ・ローマ神話の挿話が多いですから、宗教用語やギリシャ神話にも明るくなければなりません。
もちろん、イタリアの歴史も分かっていなければなりません。
絶対に、ここに間違いがあってはいけません!
このあたりには自信を持っている私ですけど(えっへん!)。

さて、私が昨日から、さんざん悩まされて、ほとんど怒りの境地に陥ったのは、ラファエッロのとある作品についての記述です。
その絵を注文した経緯が書かれてあるのですが、その中に出て来る一人の男性のことについて、〇〇の兄弟という記述があったのです。
すぐに、従兄弟の間違いじゃないかと気づきました。
著者に聞けばいいじゃないと思われるかもしれませんが、私はしないことにしています。
なぜなら、彼とは親しくしていますが、作家のプライドってものがあるでしょう?
特にイタリア人ですから自尊心が強いのですよ。
下手に刺激はしたくないですからね~

いずれにしても、出版社の校正の段階で、校正担当者がものすごい能力で、このような間違いはどんどん訂正していきますから、別にいいのですが、校正時に校正されると、結局はその後の作業が自分に返ってくるため、今の時点で自分が気がついたものは、その時々でしっかり裏を取って自分で訂正します。
しかし、今回は、この裏がなかなか取れないのです。
今も取れていません。
たかだか、兄弟か従兄弟の違いなのですが、裏が取れない~~
もちろんネット検索では裏は取れていますが、ウィキペディアを含めてネットの情報は確実とはいえないので、私は必ず書物で裏を取ります。
で、結局、今日ペルージャの義姉に電話して、ペルージャの歴史の本(その人物はペルージャの支配者だった人)で調べてもらうことにしました。
しかし、ペルージャでは有名な歴史的人物なのに、夫も義姉も、兄弟か従兄弟かわからないそうで・・
さんざんバカにしてやりましたとも~(笑)

さらに、もう一つ、今日、主題解説で登場したギリシャ神話!
イタリア人は一般的に(少なくとも本を読む人たちは)知識としてギリシャ神話を知っているため、端折って書いても問題ないのですが、これが日本人の読者が対象となると別です。
日本ではあまり知られていない挿話を原書ではかなり端折って書いてあるので、これをこのまま日本語にすると、日本の方には訳がわからなくなります。
そこで、理解してもらえるように、原文を変えないで少しだけ言葉を足したり、訳注も入れなければなりません。

まぁ、こんな感じで、常に調べ物をしながら翻訳を進めて行くので、ものすごく神経を使います。
集中しないと無理ですね。
やっぱり、この集中力を維持するためは、平日は予定を入れずに仕事に専念したほうがいいということに気がつきました。
だって、30分あったら、はい集中して書きます、なんてことができるような仕事ではありませんから。
特に今回は、1作目のレオナルド、2作目のカラヴァッジョの時に比べると、締め切りまでの時間が少ないのです。
出版社の意向で今年中に出版したいということなので・・

当分、ズンバもお休みしようと思っています。
携帯もオフにしておこうかな。
こんな時なのに、ミラノへフィギュアスケートの世界選手権を見に行ったりもするおバカな私なので、ミラノへ行く前に、ある程度、集中して翻訳を進めておこうと思っています。
さぁ、頑張るぞ~♪

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by mayumi-roma | 2018-03-04 07:12 | 翻訳本のお仕事

ローマ在住33年♪永遠の都からお伝えする翻訳家、上野真弓の日々の暮らしや考えること。そして大好きな美術について・・


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