サンタ・マリア・デッラ・パーチェ教会の見所♪

c0206352_04261738.jpg
サンタ・マリア・デッラ・パーチェ教会♪
先日行った時には、付属のブラマンテのキオストロで開催されていた展覧会に並ぶ人々で混雑していたため、この角度からの教会の写真が取れませんでしたので、2016年6月に撮影した写真を載せました。

何度もこの教会についてはブログに書いているので、重複することが多々あるとは思いますが、過去に書いていなかったこともあるため、大変ですが、総集編という意味で今日は書こうと思います。
私の勉強の証しなので、いかなる形でも引用しないでくださいね(様々な記事を過去に引用されたことがあります、泣)。

この場所にこの教会が立ったのは、1482年です。
もともとお堂のようなものがあって、聖母マリアの絵が祀られていました。
なぜなら、絵の聖母が血を流すという奇跡が起こったからです。
当時のローマ教皇シクストゥス4世がこの地に教会を建てること決めたのは、「願かけ」が実現したからでした。
フィレンツェのメディチ家を快く思っていなかったシクストゥス4世は、ジュリアーノ・メディチが暗殺され、ロレンツォ偉大王も重傷を負った「パッツィ家の陰謀」に加担していましたが、ロレンツォ偉大王が生き残ったため、その結果、ローマが戦渦に巻き込まれるのではないかと非常に恐れていたそうです。
ゆえに、マリア様に願をかけて祈り、「もし戦争にならなかったら、このお堂のある場所に教会を建てます」と誓ったのでした。
そうして、戦争にはならずにすんだことから、約束通りに教会を建立したのでした。

現在、この写真で見える円形のファサード(正面)は、1656年、当時のローマ教皇アレクサンデル7世(キージ家出身)が改修工事をした際に、ピエトロ・ダ・コルトーナにつけ加えさせたものです。
まるで劇場舞台のような半円形の空間が実に素晴らしく、私的には、最も美しい教会のファサードだと思います。
非常に立体的で、実際には存在しないものを存在しているかのように(劇場があるわけではないのに劇場のように)見せるテクニック。
ローマ・バロックの傑作の1つです。



c0206352_04534352.jpg
中に入ると、教会自体は小さいのですが、盛りだくさんの中身に驚かせられます。
身廊(細長い部分)の奥には八角形の後陣があってクーポラもあります。



c0206352_07084431.jpg
入ってすぐ右には、先日説明したキージ家礼拝堂があって、ラファエッロの「巫女たち」のフレスコ画があります。
これについての2日前の記事は下記になります。
ラファエッロの巫女たち@サンタ・マリア・デッラ・パーチェ教会♪~←説明はここをクリック♪




c0206352_05011212.jpg
その隣にあるのが、チェージ家礼拝堂♪
サンガッロ・イル・ジョヴァネの設計でルネッサンス風の装飾が施されています。
外側のアーチ部分はシモーネ・モスカ作、壁龕(へきがん:くぼみのある場所)の中にある彫刻は聖ペテロと聖パオロでヴィンチェンツォ・デ・ロッシ作。
しかし、この礼拝堂で一番重要な作品は、この上にあるのです~



c0206352_05140556.jpg
マニエリスムのパイオニアといわれるロッソ・フィオレンティーノのフレスコ画です。
左が「イブの創造」、右が「原罪」です。
ヴァザーリ(芸術家列伝を書いたマニエリスムの芸術家)は、この絵を「ミケランジェロに近づこうとして、まったく近づけてない」と酷評していますが、彼の言うことのすべてが正しいわけではありませんからね~
身廊には、あと2つ礼拝堂があります。




c0206352_05252229.jpg
ラファエッロのフレスコ画があるキージ家礼拝堂の正面にあるポンツェッリ礼拝堂♪
1517年、礼拝堂の設計建築、フレスコ画ともにバルダッサーレ・ペルッツィの作品です。
これも素晴らしいですよ~
祭壇画には、 聖母子と聖ブリジット、聖カテリーナ、そして、注文主であるポンツェッリ枢機卿の姿が描かれています。
その上には、聖書の物語を細密画で表わしたものがあって、素晴らしく美しいです。





c0206352_05254492.jpg
そのお隣にあるのがミニャネッリ礼拝堂♪
カンピドリオの丘にあった古代ローマの「ユピテル(ギリシャ神話ではゼウスにあたる)の神殿」から取って来た大理石を使って造られています。
この時代にはよくあったことですが、古代ローマの遺跡は教会や有力者の宮殿の建築資材として使われていたのです。
ちなみに古代遺跡に魅せられたラファエッロは、こういうことに大反対の立場をとっていました。
祭壇画は、マルチェッロ・ヴェヌスティ作の「聖母の栄光」。
そして、上部のフレスコ画は、フィリッポ・ラウリ作の「楽園追放」と「アダムの家族」です。
このフレスコ画の真ん中の窓が、ブラマンテのキオストロ・カフェのシビッラの間にある窓で、ここから、ラファエッロの「巫女たち」が見えるようになっています。



c0206352_05445300.jpg
そして、後陣は八角形になっています。
ここには窪みの中に4つの礼拝堂が造られていて、その上にはカンヴァス画がかかっています。
写真は載せませんが、カンヴァス画は、右からカルロ・マラッタの「聖母訪問」(1655)、バルダッサーレ・ペルッツィの「マリアの奉献」(1524)、ラファエッロ・ヴァンニの「マリアの生誕」、ジョヴァンニ・マリア・モランディの「聖母の死」です。





c0206352_05511926.jpg
八角形の後陣の上には、八角形のクーポラ♪
綺麗ですよ~
ランタンの奥に描かれているのは、コッツァ作の「eterno」(エテルノ:永遠、つまり神を意味します)です。




c0206352_05533710.jpg
主祭壇はカルロ・マデルノ作で、ストゥッコ装飾はピエトロ・ダ・コルトーナ作です。
祭壇画は、例の、血を流すという奇跡を起こした聖母の絵です。




c0206352_05561388.jpg
主祭壇のすぐ左隣りにあるのが、「十字架上のキリストの礼拝堂」で、15世紀の十字架上のキリストの像があります。
金の装飾を使った大理石の祭壇は、インノケンティウス3世が寄贈した1490年代のアンドレア・ブレンニョ派の作品です。
正面からは見えませんが、この礼拝堂の内部左手には、オラッツィオ・ジェンティレスキの「マグダラのマリア」があります。





c0206352_05563099.jpg
こちらです~
マグダラのマリアの画像には、必ず香油壺が描かれます。
オラッツィオ・ジェンティレスキは、私が翻訳した「カラヴァッジョの秘密」にも登場しますが、カラヴァッジョの仲の良い友人でした。
彼の娘のアルテミジア・ジェンティレスキもカラヴァッジョ派の画家で、史上初めてレイプ裁判(父の友人の画家にレイプされましたが、当時はよく起こる事件で、こういう場合は結婚することでかたをつけていたのですが、この画家は既婚者であったため結婚の責任をとることができなかったのです)を起こしたことでも有名です。




c0206352_06082200.jpg
主祭壇のすぐ右隣りにあるのが、オルジャーティ礼拝堂で、祭壇画はオラッツィオ・ジェンティレスキの「キリストの洗礼」(1607)です。

八角形の後陣にはあと2つ礼拝堂がありますが、そして写真も撮りましたが、さして重要ではないと思いますので、力尽きたわたくしはこの辺で・・・

サンタ・マリア・デッラ・パーチェ教会
Piazza della Chiesa di Santa Maria della Pace
ナヴォーナ広場の近くです。

2つのブログランキングに参加しています。
クリックして応援してね♪

にほんブログ村


ヨーロッパランキング

「カラヴァッジョの秘密」(河出書房新社)、全国の書店で絶賛発売中♪
c0206352_02162930.jpg
アマゾンはこちら~
紀伊国屋書店はこちら~

c0206352_01321892.jpg


私の翻訳本第一弾、「レオナルド・ダ・ヴィンチの秘密 天才の挫折と輝き」(河出書房新社)も、あわせてよろしく♪

これまでにないタイプの画期的な本で、レオナルドの人生とその作品のすべてが物語風に分かりやすく綴られています。

by mayumi-roma | 2018-03-03 06:18 | ローマ&その他の美術散歩

ローマ在住33年♪永遠の都からお伝えする翻訳家、上野真弓の日々の暮らしや考えること。そして大好きな美術について・・


by mayumi-roma