残念、また見たかったのに~@アンブロジアーナ美術館♪


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アンブロジアーナ美術館♪
ミラノに来たら、ここだけは外せません!
幸いにも、ホテルから近かったので無理なく行けました。
今回は、初日のカラヴァッジョ展で疲れ果ててしまったため、無理をしないためにも、残念ながらブレラ美術館は断念しました。
ブレラ地区は、それほど遠いわけではありませんが、スカラ座からけっこう歩きますからね。
すぐそばに地下鉄の駅があるわけではないですし。
正直、ブレラまで行く時間はありましたが、もう、これ以上歩くのは無理~!な状態だったのです。





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アンブロジアーナ美術館は、写真撮影がNGです。
許されているのは、ここの部分だけ~





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この美術館は、1609年に設立されたアンブロジアーナ図書館のそばに、1618年、フェデリーコ・ボッロメオ枢機卿によって設立されました。

図書館はレオナルド・ダ・ヴィンチのアトランティック手稿を所蔵していますので、それらも展示されています。
鏡文字で書かれたレオナルドの筆跡やデッサンなど、実物を見ることができるのはとても嬉しいことです。

美術館には、カラヴァッジョの作品が1点とレオナルドの作品が1点あります。
もちろん、それらを再び見ることも目的の一つでしたが、もう一つ、大きな目的がありました。
それは、ラファエッロがヴァティカンの教皇居室に描いた「アテネの学堂」のカルトン(原寸大の下絵)を見ることでした。
ここに来るのは4度目なので、過去に見たことはありますが、もうすっかり忘れてしまったのです。
だから、もう1度、この目でしっかり見たかったのです~





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ラファエッロの「アテネの学堂」のカルトン(原寸大下絵)♪
画像は、著作権フリーのものを拝借しました。

しかし、残念ながら、修復中でした。
このカルトンがかけられている展示室がそのまま修復作業の場所になっていました。
壁から外したカルトンを大きな台に置いて修復しているところをガラス越しに見ることはできますが、カルトンそのものは見えません。
しかし、大きさだけは把握できます。
巨大でしたね、やっぱり!

ああ、もう1度見たかったなぁ・・
カルトン(原寸大下絵)には、階段部分にミケランジェロをモデルにしたヘラクレイトスは描かれていません。
右端にラファエッロの自画像もありません。
この下絵を見たかったんですよ~、もう1度!
本当に見れなくて残念でした・・・





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レオナルド作「音楽家」♪
画像は、著作権フリーのものを拝借しました。






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カラヴァッジョ作「果物かご」♪
画像は、著作権フリーのものを拝借しました。





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アンブロージョ・デ・プレディス作「貴婦人の肖像」♪
画像は、著作権フリーのものを拝借しました。

この絵、最初はレオナルド作だと言われていたのです。
レオナルドが、このような平凡な肖像画を描くわけがないのですが、それでも、わたくしは大好きな絵で、「レオナルドの手が少しは入っていますように!」と願ってしまいます。
美術館も同じ思いのようで、以前は「レオナルド作」と表示されてあったのが、デ・プレディス作と鑑定された今でも、デ・プレディス作とは書いておらず、「レオナルドの手の入ったもの」となっています(笑)。
でも、残念な気持ちはよく分かります~
女性の肖像画を見ると、当時流行っていた服装やアクセサリーを知ることができるので、わたくしは、肖像画が大好きです♪





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レオナルド派のベルナルディーノ・ルイ―ニ作「聖家族と聖アンナと幼い洗礼者聖ヨハネ」♪
画像は、著作権フリーのものを拝借しました。

美術館にはティチアーノの優れた肖像画が2点、ボッティチェッリも1点ありますが(他にももちろん有名な絵画があります)、わたくしは、このルイーニの絵がたとえようもなく好きです。
それは、たぶん、この作品が、わたくしがレオナルドの作品で最も好きな作品の一つ、ロンドンのナショナル・ギャラリーにあるカルトン「聖アンナと聖母子」を真似て描いているからなのかもしれません。
何度も何度も後ろを振り返っては、また戻って見る・・というぐあいに、後ろ髪を引かれる思いになる絵です。





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サライ(ジャン・ジャコモ・カプロッティ)作の「洗礼者聖ヨハネ」♪
画像は、著作権フリーのものを拝借しました。

サライは、レオナルドが溺愛した弟子です。
絵の才能がないと言われていたサライにしては、なかなか上手く描けていると思います。
この絵を見ると、昨年、史上最高額で競売されたレオナルド作という「救世主」は、サライの描いたものではないかと思います。
あの絵は、どうみても、巨匠レオナルドの手によるものとは思えないわたくしです。

ラファエッロのカルトンは見れなかったけれど、レオナルドとカラヴァッジョにはご挨拶ができたし、お気に入りの絵画も見ることができたから、良かったかな。

アンブロジアーナ美術館(Pinacoteca Ambrosiana)
Piazza Pio XI 2, Milano
月曜日、お休み
開館時間:10:00~18:00
入場料:15ユーロ


「カラヴァッジョの秘密」(河出書房新社)、全国の書店で絶賛発売中♪

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私の翻訳本第一弾、「レオナルド・ダ・ヴィンチの秘密 天才の挫折と輝き」(河出書房新社)も、あわせてよろしく♪

これまでにないタイプの画期的な本で、レオナルドの人生とその作品のすべてが物語風に分かりやすく綴られています。














第2回プラチナブロガーコンテスト



by mayumi-roma | 2018-01-30 05:59 | ミラノ

上野真弓、ローマ在住の翻訳家&文筆家&ツーリズム別府大使。日々の暮らしや芸術探訪、旅の記録。最新刊は訳書『ミケランジェロの焔』、著書に『教養としてのローマ史入門』、訳書『ラファエッロの秘密』など。お仕事のご依頼はoffice.uenomayumi@gmail.comへ。


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