ラファエロのフォルナリーナ♪

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遠くから見ても、その存在感が圧倒的なラファエロの「フォルナリーナ」♪


先週訪れたバルベリーニ宮殿国立古典絵画館の完全案内バージョンを書きたいと思いつつ、翻訳本「カラヴァッジョの秘密」のお仕事が大詰めで、とてもそんな余裕はなく、でも、疲れているだけに、優しい絵で癒されたいな~と思いました。
ブログには何度も登場していますが、過去記事を見たら、ラファエロの「フォルナリーナ」について書いたのは5年以上も前でした。





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この絵を初めて見た時には、語弊はありますが、それほどの感動を受けたわけではありません。
ボルゲーゼ美術館にある「一角獣を抱く貴婦人」(ラファエロ)が、非常に私好みの絵なので、そちらの印象のほうが強くて・・

でも、今は年齢を重ねたせいか、この絵の持つ柔らかさや優しさに癒しを感じるようになりました。
フォルナリーナは、ラファエロの愛した女性です。
おそらく、ラファエロもまた、彼女との心身両面での相性もさることながら、この女性に癒されていたのではないでしょうか?

この絵を見ていると、ラファエロが彼女に抱いていた愛情がひしひしと伝わってくるような気がするのです。






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最初は、「これが、天下のラファエロが夢中になった女性?」と不思議に思っていました。
際立って美しい女性には見えなかったからです。
ローマの下町のどこにでもいる女性のように思えました。
実際、フォルナリ―ナ(本当の名前はマルゲリータ・ルーティ)はパン屋の娘ですから、その通りなのですが、気立ての良さが出ている可愛らしい女性だと、今は思います。

それにしても、ラファエロの描く女性は、皆が皆、異常なほどのなで肩!
当時のイタリアの女性は皆、なで肩だったのでしょうか?
それとも、なで肩が美の理想だったのでしょうか!?
私は悲惨なほどのいかり肩なので、ラファエロに出会っても愛されなかっただろうな~






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腕輪に「RAPHAEL VRBINAS」(ウルビーノのラファエロ)という署名があります。
絵の署名とも言えますが、女性が自分のものだという宣言にもとれます。





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そして、左手の薬指にある細い指輪。
サイズが小さすぎて指先までしか入っていない、なんていうのは無粋でしょうか?
当時の流行かもしれませんね。

この指輪も、様々な憶測を呼んでいて、ラファエロとフォルナリーナは秘密裏に結婚していただのなんだのと言われています。
まぁ、ターバンにさした美しい宝石も含めて、ラファエロがプレゼントしたことは間違いないと思いますけどね♪

それにしても、イタリア人は、昔からふくよかな女性が好みだったんですね♪

フォルナリーナの暮らした家は今もローマのトラステヴェレ地区にあります。
過去記事に書いています。
ラファエロの愛した女←ここをクリック。





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絵の中にいつまでも生き続けるフォルナリーナは、幸せですね♪


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ただ今、カラヴァッジョの翻訳本を刊行準備中ですが、私の翻訳本第一弾、「レオナルド・ダ・ヴィンチの秘密 天才の挫折と輝き」(河出書房新社)もよろしくね♪

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レオナルドを愛する方、興味のある方、是非どうぞ♪
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by mayumi-roma | 2017-10-06 05:45 | ローマの美術・歴史散歩

上野真弓、ローマ在住の翻訳家&文筆家&ツーリズム別府大使。日々の暮らしや芸術探訪、旅の記録。最新刊は訳書『ミケランジェロの焔』、著書に『教養としてのローマ史入門』、訳書『ラファエッロの秘密』など。お仕事のご依頼はoffice.uenomayumi@gmail.comへ。


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