ピエタ By カラッチ♪

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3月にナポリのカポ・ディ・モンテ美術館で見たアンニバレ・カラッチの「ピエタ」♪
とても良い絵です。

ヨーロッパでは巨匠の誉れ高いカラッチが、日本でほとんど知られていないのが不思議です。
知り合いの美術史家が言っていましたが、日本人はフランスが好きで、美術も何もかも基本的にフランス志向であるとか・・
まぁ、それも一理あるかもしれませんが、私は、イタリア人よりフランス人のほうが、自国の文化や製品の価値を高めるプロモーション能力が高いからではないかと思います。
イタリア人は、一見ずる賢いようでいて、そのずる賢さが空回りしてしまう。
ずる賢さが見え見えで、またそれがあまりにも自分本位なため、警戒されて、まともな交渉ができなくなる。
で、最終的にはいつもバカを見てしまうみたいな・・
非常に残念な国民性です。

ワインも食も化粧品もブランドも、レベル的にはほぼ同じなのに、かなり差をつけられていると思います。
かくいうわたくしも、ワインも化粧品もブランドも確かにフランスもののほうが好き(苦笑)。
でも、芸術に関しては、絶対にイタリアのほうが上だと思うのですけど!
しかしながら、芸術の都といえばパリ・・になっていますしね(苦笑)。

すっかり話がそれました。

ピエタとは・・・
イタリア語で哀れみや同情を意味しますが、美術の世界では、イエスの遺体を抱いて悲しむ聖母マリアを表現したものです。

制作年代ははっきりしませんが、だいたい1600年くらいと言われています。
ちょうど、カラッチがローマのファルネーゼ宮殿にフレスコ画の装飾をしている頃です。
ファルネーゼ宮殿のカラッチの壁画の過去記事はこちらから~←ここをクリックしたら別ページで開きます。

アンニバレ・カラッチはカラヴァッジョと同時代の画家です。
両者とも卓越した画家ではありましたが、カラヴァッジョがリアルさに比重を置いてモデルをそのまま写実する表現で当時の絵画基準を順守しなかったのに対し、カラッチはまさに王道中の王道、ルネッサンスの伝統的絵画を基軸にしながらリアルさも取り入れ、けれども、神の創造物たる理想化した姿を表現しました。
反宗教改革で絵画に厳しい基準を課していたカトリック教会に合致するような作品を描いたのはカラッチです。

この作品は、他の画家たちによる複製画と変形ヴァージョンが多く残っていますが、それは、この作品がいかに大きな成功を収めたものであったかということを示しています。

聖母がイエスを抱きかかえる距離感は、サン・ピエトロ大聖堂のミケランジェロのピエタ像から影響を受けたと言われています。
聖母の泣いている表情が見事です。
イエスは本当に神々しい美しさで描かれていますね。

画面右側に天使が2人います。
一人はイエスの左手を持ち、もう一人は、イエスのいばらの冠のとげで指を刺し、観者に視線を向けています。
「キリストの受難を思い浮かべよ」と促しているかのようです。

カラヴァッジョとの作風の違いが一番よく分かるのは、こちら!



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ポポロ広場にあるサンタ・マリア・デル・ポポロ教会のチェラージ礼拝堂♪
祭壇画がカラッチによる「聖母の被昇天」
両側壁にあるのが、カラヴァッジョの「聖ペテロの磔」(左)と「聖パオロの回心」(右)です。
同時代の卓越した画家同士だけあって、両者ともに素晴らしいです♪


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by mayumi-roma | 2017-05-26 05:40 | ローマ&その他の美術散歩

ローマ在住33年♪永遠の都からお伝えする、翻訳家・上野真弓の日々の暮らしや考えること。そして大好きな美術について・・


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