古代ローマの水道貯水場@トレビの泉♪
2016年 03月 17日
トレヴィの泉のすぐそばにある名画座♪
これまでに何度か来たことがあります。
ここには何か遺跡があるんだな~とは思っていましたが、入ってみたことはなく・・
なんと!
映画館の地下には、一昨日、記事にした古代ローマのヴィルゴ水道の貯水池の遺跡があったのでした~
もちろん、入場料を支払えば、誰でも入れます。
ローマ、遺跡、多過ぎ!
こちらが、古代ローマのヴィルゴ水道の貯水池です~
右下の穴から、水道管を通って、この地区へ水が配給されていました。
当時は、鉛が身体に悪いことは知られていなかったので、水道管は鉛で作られていました。
よく言われることですが、現在のローマの街の下には、そこかしこに古代ローマの街の遺跡が眠っているのは本当のことなんでしょうね。
建物の改築工事の際に地下から遺跡が出てくることは、チェントロ・ストリコ(歴史的地区)なら、当たり前のことなのかも・・
そもそも、古代ローマといっても、1000年くらいの期間になりますから、その時代の中でも歴史が変遷しているわけで・・
ここは、貯水池のそばなのですが、最初にインスラと呼ばれる庶民のための4階建てアパートが立っており、その後、お金持ちの邸宅ドムスに変わっていったことが、分かります。
詳しい説明は、あまりにも大変なので省略させて頂きます(笑)。
ここも、お金持ちの邸宅ドムスの一部です。
一番奥に、古代ローマのお金持ちの家にしかなかった水洗トイレがあります。
中には入れません。
上から見下ろすだけです。
ちなみに、庶民は壺の中に用を足して、毎日、壺の中味の回収を奴隷がしていたそうです。
この場所からの出土品♪
ワインやオリーブオイルを貯蔵する壺。
貯水池は、その後、どうやらゴミ捨て場と化したようで、古代ローマ人がいらないものをどんどん捨てる場所となったようです。
なんだか、現代のローマ人に近いものがあります・・(苦笑)
ただ、当時の人には、欠けてしまった彫刻はいらないものでも、現代の私たちから見れば、とんでもない芸術品なわけで、まったく、そう考えると、歴史って面白いものですね。
アレクサンダー大王の彫像。
これも捨てられていたわけです。
これは、悲しい出土品です。
壺の中から出てきたのは、古代ローマの小銭の山。
奴隷が自由の身になるために、コツコツ小銭を貯金していたようです。
それをたぶん、この近くに隠していたのでしょう。
これが使われることがなかったのは、その奴隷の死を意味しています。
古代ローマの現実は、歴史ロマンで語られる偉大なものだけでなく、悲惨な日常もあったのです。
ローマ人に征服されたために奴隷として首都に運ばれてきた異国の人たち・・
多くは奴隷として重労働を強いられ、また美男美女は性の奴隷とされ(古代ローマでは、守るべき規律はあったものの同性愛はタブーではありませんでした)、あるいは、コロッセオの闘技場で露となって消えていく剣闘士にされたのでした。
タイムマシンで古代世界に降りたってみたいと思うけれど、特権階級ならともかく、その世界に生きるのは微妙です・・
現社会も色々とありますが、今の時代、平和な地域の先進国に生を受けたことを感謝しなくちゃ~♪
ヴィルゴ水道の貯水場は、Cineteca Nazionale Alberto Soldiという名画座の中に入り口があります。
Vicolo del Puttarello, 25
00187 Roma
by mayumi-roma
| 2016-03-17 06:34
| ローマの美術・歴史散歩