美術館に泥棒が~~!

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ピサネッロの「うずらの聖母」(1420年頃の作品)
美しい絵だと思いませんか?
ピサネッロは15世紀に活躍したゴシック様式の画家です。
(画像は、著作権の問題のないものを検索して頂きました)

さぁ、大変です!
この絵が盗まれてしまいました。
先週、木曜日の19時半頃、ちょうど美術館が閉館する直前のことでした。
ヴェローナのカステルヴェッキオ美術館 から17点にもおよぶ絵画が盗まれたのです。
盗まれた作品は、ピサネッロの他、ティントレット、ルーベンス、マンテーニャ、ヤコポ・ベッリーニ、ジョヴァンニ・フランチェスコ・カロート、ハンス・デ・ヨーデ、ジョヴァンニ・ベニーニ・・
特にティントレットの作品が多いです。

閉館間近だったことから、美術館にいたのは、ガードマン1人と美術館の職員が1人だけ。
日中も美術館には11人しか職員がいないのだそうで・・
これも、イタリアらしいと言えばイタリアらしいですが、笑っている場合ではありません。

しかも、閉館しないと作動しないセキュリーシステムはオフ!
「何やってんだか~」という感じですが、ローマの美術館も閉館間際はそこで働く人たちが帰りたくてそわそわし始めるので、確かに、美術館の管理が手薄になるという印象はあります。

私は、この美術館に、30年前たった1度だけ訪れたことがあります。
当時も、確かに、訪れる人は少なく、監視する人は少なかったように思います。

犯人は3人組で1時間半でこれらの作品を盗んでいったそうですが、あまりにも手際がよかったため、事前に下見をした可能性もあるそうです。
現在、東ヨーロッパは、大金持ちの美術愛好家のための不法マーケットの中心地となっているそうで、そちらの方面に流れたのではないかと考えているようです。
でも、車で国境超える時にチェックできるから、国外に流れるのは難しいと思うのですが、
しかも今はテロ問題で、国境警備も厳しくなっているでしょうから。

イタリアでは、よく美術館で盗難事件が起こるのですが、美術館の内部に協力者がいないと難しいんじゃないの?と思われることも多々あります。
今回の事件がそうであるとは言いませんが、イタリアが誇れるものは芸術品しかないでしょう?
もっと大切に管理しなきゃ!
不況を理由に、文化面での予算削減をするいっぽうだから、こういうことになるんです。

難しいかもしれませんが、犯人が捕まって、早く美術品が戻ってきますように。

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by mayumi-roma | 2015-11-25 05:55 | ローマ&その他の美術散歩

上野真弓、ローマ在住の翻訳家&文筆家&ツーリズム別府大使。日々の暮らしや芸術探訪、旅の記録。最新刊は訳書『ミケランジェロの焔』、著書に『教養としてのローマ史入門』、訳書『ラファエッロの秘密』など。お仕事のご依頼はoffice.uenomayumi@gmail.comへ。


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