複雑過ぎるサンティ・コスモ・エ・ダミアーノ聖堂♪
2014年 09月 24日
フォロ・ロマーノのお隣、コロッセオに続く道「諸皇帝のフォロ(広場)通り」にあるヴェシパシアヌス帝(コロッセオを建てた皇帝)の広場(別名、平和の広場)付近です。
ローマは秋晴れが続いていますが、暑いです!
このヴェシパシアヌス帝の広場にあった古代ローマの図書館とフォロ・ロマーノにあるロモロの神殿を使って建立されたのが、サンティ・コスモ・エ・ダミアノ教会です。
写真左端が、フォロ・ロマーノのマクセンティウス帝のバジリカ、中央部分が古代ローマの図書館、真ん中が教会の入口です。
聖コスモと聖ダミアーノは、無料で患者さんたちを看たお医者様の兄弟聖人です。
この聖堂を授業の一環で見学したのは先週のことですが、古代ローマから中世、バロックまでカバーしている建物なので、説明が複雑すぎて、面倒くさくて(笑)、記事にすることを躊躇していました。
今も憂鬱な気持ちで書いています(苦笑)。
聖堂の中に入るとキオストロ(回廊付き中庭)があって、そこに下の教会へ降りる階段があります。
扉には鍵がかかっていて、特別な許可がないと下には降りれないので、この授業で下に降りることが出来たのはラッキーでした♪
普段は入れない所に入れるのも、この講座の良いところです♪
これが、古代ローマの図書館部分にある下の教会ですが、度重なるテベレ川の氾濫による浸水被害で、中世以降は、使用されていません。
それ以降は、もっぱら上の教会を支える土台としての役割を強化させたようです。
ボロボロに崩れた古いフレスコ画もいくつか残っていますけど。
そして、こちらが、下の教会の先(フォロ・ロマーノ側)にあるロモロの神殿部分を見下ろした写真です。
神殿部分は、少し低い位置にあります。
私にとっては、なんちゃらカタカナの名前も日常的によく使う名前ですが、考えてみると、訳が分からない方もいらっしゃるかもしれませんので、何も知らない人を前提に説明しようと思います。
今度はフォロ・ロマーノ側から見てみましょう。
なるべく易しく説明するように心がけます♪
フォロ・ロマーノ内にあるロモロの神殿♪
写真は別の機会に写したものです。
ブロンズの扉は当時のオリジナルのままです。
フォロ・ロマーノとは、古代ローマの政治経済の中心地だった場所です。
そして、このロモロの神殿は、ローマ建国の伝説にある初代の王様ロモロのことではありません。
マクセンティウス帝の夭逝した息子の名前です。
一応、この皇帝の最愛の息子に捧げるための神殿だったということになっていますが、事実は相違します。
何故なら、皇帝の愛息ロモロのお墓はアッピア街道に遺跡として残っていますし、この神殿を建立し始めたのはマクセンティウス帝ですが、完成させたのはライバルだったコンスタンティヌス帝だったからです。
対立する2人の皇帝でしたが、312年のポンテ・ミルヴィオの戦いで、コンスタンティヌス帝が勝利し、ローマ帝国の単独皇帝になったのでした。
自分が滅ぼした相手の息子に捧げる神殿など、非道なコンスタンティヌス帝が引き継いで完成させるわけがないのです。
というわけで、考古学者や歴史家の間では今でも論争が続いていますが、一番有力な説は、古代ローマの救急病院説です。
上に続く古代ローマの図書館は1世紀のものですから、この神殿が建てられた4世紀には、その機能を無くしており、病院施設として利用し、その後、医者の兄弟聖人コスモとダミアーノに捧げる聖堂になったのではないかということです。←授業の受け売り~~(笑)
世界史のおさらいをしてみましょう♪
コンスタンティヌス帝は、ミラノの勅令により初めてキリスト教を公認した皇帝で、後にローマ帝国の首都をコンスタンティノーポリ(現在のイスタンブール)に遷都したことでも有名です。
4世紀初頭のローマ帝国は、既に斜陽で、財政も緊迫していたので、新たな首都建設にあたってお金がなく、そのほとんどをローマから運んだという話です。
こうして、ローマはどんどん衰退していくのですね・・(泣)
ロモロの神殿の大きなブロンズの扉は、いつも閉まっていて、一般公開はされていません。
でも、何年かに一度、こんな風に開かれることがあるのです。
この写真は、ちょうど2年前、たまたま開いていた時に遭遇し、撮影したものです。
ラッキーだったわ♪
内部には、非常に状態の悪い古いフレスコ画が残っています。
ロモロの神殿の内部から、サンティ・コスマ・エ・ダミアーノ聖堂の下の教会(古代ローマの図書館部分)を見上げたところ。
どうですか?
繋がりましたか?
難しかったかな?
と、ここまで書いて、と~っても疲れたので、続きにしま~す。
これから、NHKの火曜ドラマ「聖女」を見るので失礼しま~す。
広末涼子、どうなるんだ!!
幸せになって欲しいんだけど・・
by mayumi-roma
| 2014-09-24 05:24
| ローマの美術・歴史散歩