サン・ロレンツォ・フオリ・レ・ムーラ教会(1)♪
2013年 05月 16日
ローマの七大聖堂の一つ、城壁の外のサン・ロレンツォ大聖堂です。
この教会は大変古いもので、紀元258年に殉教した7人のうちの1人サン・ロレンツォ(聖ラウレンティウス)のお墓の上に、キリスト教を初めて公認した古代ローマのコンスタンティヌス帝が330年に教会を建てたのが始まりです。
その後、580年にローマ教皇ペラギウスによって改築され、
435年には、そのお隣に教皇シクトゥス3世によって聖母マリアに捧げる別の教会が建てられました。
そして、この二つの教会を融合させて一つの教会、つまり、現在の姿にしたのが、13世紀の教皇ホノリウス2世でした。
昔の人の名前は難しくて訳が分からなくなるかもしれませんね。
私も・・です!(笑)
右手にチラッと見える1ロマネスク様式812世紀)の鐘楼が可愛いでしょう?
ファサード(正面)の上部にはかつて美しいモザイク(13世紀)で飾られていましたが、1943年7月19日に、連合軍の爆撃を受けて、粉々になり、消滅してしまいました。
ポルティコ、玄関の部分です♪
ここに描かれているフレスコ画は、8世紀にまで遡るとても古いものですが、幸いにも、先の爆撃で破損はしませんでした。
聖ラウレンティウスの生涯が描かれています。
アルチデ・デ・ガスパリ、元イタリア首相のお墓があります。
これ、原題彫刻の大家、ジャコモ・マンズーの作品なんです~
嬉しい!
こんなところで、彼の作品に出会えるなんて!
現代彫刻は、余り私の趣味ではありませんが、マンズーだけは別なんです!
扉の両サイドに置かれたライオンの像は、中世のものです。
中に入ると・・
シンプルだけど、歴史を感じさせます・・
誰もいないだけに、かえって荘厳さが増します・・
11本ずつの大理石の柱が並ぶ三廊式(3つの廊下に別れていること)です。
床は、コスマティ様式のモザイクです♪
この教会には、美しいアンボーネが2つあります。
アンボーネとは、教会堂建築初期の説教台のことです。
おそらく、ローマで最も良い状態で保存されているものだと思います。
上の写真は、初期のコスマティー様式で造られ、シンプルな中に、エレガンスを感じさせるものです。
もちろん、カッラーラの大理石を使っています。
下の写真、こちらはもう完全にコスマティー様式で、床のモザイクと完全にリンクします♪
どちらも、うっとりするほど美しいです。
勝利の門のフレスコ画♪
中央に幼子イエスを膝の上に乗せた聖母マリアがいます~
これは、19世紀のフラカッシーニの作品で、ここだけではなく、彼は側廊の壁に描かれたフレスコ画も手がけました。
この勝利の門の裏側に位置するモザイク!
これが、なんと6世紀のもので、ペラギウス教皇の時代のものがそのまま残っていて、素晴らしいのです。
ご紹介は次回になります~
この写真だと、上の教会と下の教会がちょうど綺麗に見えるでしょう?
この上の部分が、6世紀に教皇ペラギウスによって建てられた古い部分になります。
見所の豊富な大聖堂ですが、ほとんど訪れる人はいません。
私の他に数人程度・・
アクセスが悪いですからね~
私も、リハビリでこの地区に通わなければ、七つの大聖堂の内の一つとはいえ、訪れることはなかったかもしれません。
出会えて、良かった~♪
by mayumi-roma
| 2013-05-16 21:57
| ローマの美術・歴史散歩