ルネッサンスの最高傑作、ブラマンテのテンピエット♪
2013年 04月 03日

遅くなりましたが、先日のトラステベレの続きです~
トラステべレからガリバルディ通りを少し上るとジャニコロの丘の入口です~
途中にある近道階段を上ると・・
こ~んなローマが見えます。
まだまだ冬景色です。

懐かしい~
ここに来るのは、16年ぶり!
TVドラマ(フジTV、ミセス・シンデレラ)のロケのお仕事で来て以来・・
私は俳優さんたちの通訳でした。
あの頃、駆け出しだった内野聖陽さんも、今では超一流の役者さんになりました♪
映画女優だった薬師丸ひろ子さんも、あれが初めてのTVドラマ出演でしたが、今ではTVで見るのは当たり前になりましたね。
さて、本日ご紹介するのは、教会の中ではなく、中庭です。

素晴らしい・・
ルネッサンスの巨匠ブラマンテが、1502年から1509年にかけて設計し建築したものです。
ちなみにブラマンテは、サン・ピエトロ寺院の設計も任されていましたが、途中で亡くなったため、ラファエロに引き継がれ、その彼もまた夭逝したので、ミケランジェロへとバトンタッチされました。

見事に調和のとれた非の打ちどころのない建築です~
イタリア・ルネッサンスの最高傑作とされています。
ブラマンテは、古代ローマの建築物に魅せられて、なんとかそれに近い、なおかつそれを超えるような建築物を作ろうとしていたようです。
この美しいクーポラ(丸屋根・ドーム)が、その後の教会建築(サン・ピエトロ寺院も含めて)の模範となったとも言われています。

鉄格子が上下に見え、下に降りる階段が左右にありますが・・

この中には、いったい何があるのでしょう!?

大理石の床の真ん中の丸い地点・・
ここが、聖ペテロが逆さ十字にかかって殉教した本当の場所だと言われています。
そのため、わざわざルネッサンスの巨匠、ブラマンテを呼んで小さな寺院を建てたというわけです。
一般的には、聖ペテロはサン・ピエトロ広場の真ん中あたりで処刑されたと言われていますが、伝統的に、ここが本当の殉教の場所だったと・・。
しかしながら、確定的な証拠、記述のある歴史書がないため、真相は誰にも分からないそうなのです。

数々のレリーフ(浮き彫り)で飾られ、ラテン語で「聖ペテロが逆さ十字架にかかった殉教の地」とも記されていました。
さぁ、どちらが真の殉教地なのでしょうね。
いずれにしても、このルネッサンスの最高傑作、ブラマンテのテンピエットは一見の価値のある素晴らしい芸術作品ですので、トラステベレをお散歩の際は、是非足を伸ばして頂きたい場所です。
なお、この中庭は、教会の管轄ではなく、中庭の右横に位置するスペイン文化会館の管轄下にありますので、教会の開館時間以外でも見学することが出来ます。
何故、スペイン?と思われるかもしれませんが、教会も中庭も1481年にスペイン王家フェルディナンド5世(カスティーリア王として。アラゴン王としてはフェルディナンド2世)とイザベル女王が再建したものだからです。
教会については、また後日~
Chiesa di San Pietro in Montorio
Piazza S.Pietro in Montorio N° 2
追記
2023年2月に私の著作『教養としてのローマ史入門』(世界文化社)が発売されました。
分かりやすくローマの歴史をまとめているので、ぜひお読みください。
by mayumi-roma
| 2013-04-03 05:13
| ローマの美術・歴史散歩