サン・パトリッツィオの井戸
2012年 10月 23日
サン・パトリッツィオの井戸♪
オルヴィエートのケーブルカーの駅のすぐそばにあるルネッサンス時代の井戸です。
(こちらもプライベートで行ったものです)
昔から水に悩まされたオルヴィエートですから、水源確保が重要だったのです。
「ローマの略奪」からこの地へ逃れてきた教皇クレメンス7世が、敵に包囲されても自給自足が出来るように、1527年に井戸を作ることを命令し、ラファエッロ亡き後のルネッサンスの理念を継承する建築家「サンガッロ・イル・ジョヴァネ」が設計しました。
上から井戸を見下ろした写真です。
深さは62メートル、直径は13.5メートルほどです。
周囲には下り用と上り用の螺旋階段がそれぞれ別個にめぐらされています。
人やラバを使って水汲みに行く時、または帰る時に、邪魔されることなく運ぶために、このような構造になりました。
ラバを使う場合は、皮袋に水を入れて運ばせたそうです。
灯取りの窓は全部で70個あります。
こちらが下り用の階段です。
階段は片道248段ありますが、段差が少なく緩やかなものですので、とても歩きやすいのです。
井戸の底とそこに架かる橋♪
この小さな橋が2つの螺旋階段を結んでいます。
井戸の底はかなり暗いので、フラッシュを使って撮影しました。
見学者はかなり多く、学校の先生に引率された社会見学の子どもたちもたくさんいて、なんだか微笑ましかったです~
橋が小さいため、私も、橋の真ん中に立てるまでかなりの間待ちました。
井戸の底から上を見上げた眺め♪
神秘的な美しさです。
井戸の底から上へ向かう階段♪
当然ですが、井戸の深さによって、空間の明るさは変わります。
上に上るにしたがって明るさが増してきます。
この明暗の移り変わりが実に面白いのです。
もうすぐ外~
井戸の上部を写真に撮るため、窓から身を乗り出して、私、けっこう危なかったです(笑)。
この井戸は、ドゥオーモ(大聖堂)に続く、オルヴィエートの第2の観光名所となっていますが、それは、ルネッサンスの美しい建築様式で、この井戸が掘られたからでしょう。
確かに、美しくエレガントな井戸でした♪
なお、「サン・パトリッツィオ」という名前の由来は、アイルランドの聖人に由来するものですが、この聖人が深い洞窟の中で悟りを開いたことから、この名がつけられました。
聖人の生きた時代も違いますし、この井戸で悟りを開いたわけではありません。
私の翻訳本第一弾、「レオナルド・ダ・ヴィンチの秘密 天才の挫折と輝き」(河出書房新社)も、あわせてよろしく♪
これまでにないタイプの画期的な本で、レオナルドの人生とその作品のすべてが物語風に分かりやすく綴られています。
by mayumi-roma
| 2012-10-23 06:01
| オルヴィエート