デ・キリコの自宅兼アトリエ美術館@スペイン広場♪

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ローマ、スペイン広場♪
どうしちゃったの?というくらい、夏に逆戻りのローマのお天気です♪
あ、あ、暑い・・





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スペイン階段脇には、キーツ・バイロンのメモリアルハウスがありますが、そこの2軒隣には、イタリア・メタフィジカ(形而上絵画)の巨匠「ジョルジョ・デ・キリコ」が自宅兼アトリエとして30年間暮らしていたアパートがあります。
現在は、完全予約制の美術館となっています。
一般にはあまり知られてないようです。
これが、その入口~
ブザーを押して予約していることを告げないと開けてくれません。






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仲に入ると、こんな彫刻が~
そして、奥まで進んでエレベーターに乗って最上階に行きます。






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最上階に着いても、ものすごいセキュリティ!
予約した時間になっても予約者リストが全員集まらないと開けてもらえません。
そりゃ、そうですよね。
何しろ、総額いくらの価値があるのか計り知れない美術品があるのですから・・






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デ・キリコは、1910年代前半にメタフィジカ(形而上絵画)のムーブメントを作った作家なのですが、のちのシュールレアリズムやダダイズムに影響を与えたのです。
美術に興味の無い方には難しいでしょうか?

形而上絵画の特徴としては、デ・キリコの作品を例にとると、
画面の左右で、遠近法における焦点がずれている。
人間がまったく描かれていないか、小さくしか描かれていない。
彫刻、または、マネキンなどの特異な静物が描かれている。
長い影が描かれている。
などです。

要は、目に見える形をそのまま描いたのではなく、物事の本質的な部分をそのまま表現したというか・・

しかし、デ・キリコは、形而上絵画だけでなく古典的な作品もたくさん残しています。






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デ・キリコの住居部分♪

本当に素晴らしいんです~
建物の上部3階分が住居兼アトリエだったのですが、一番下の部分がサロンやキッチン、ダイニングルームとなっています。
調度品もため息が出るほど素晴らしいものですが、
何と言っても、その膨大なコレクション!
作品は、メタフィジカだけでなく、古典的な作品や静物画も多くあります。
美しさの誉高かった2度目の奥様の肖像画も数多くあります。

これまで何度となく訪れている私ですが、行く度に、ため息をついています。
このすぐ上の部分がプライベートな寝室のある階になっていて、最上部がアトリエです。
もちろん見学できます。
昔は写真撮影が自由だったんですが、残念ながら、現在は禁止となっています。






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アトリエ♪
絵の具もそのままになっていて、実に興味深いです。
そういえば、デ・キリコの蔵書の中に日本の浮世絵の本がありました。
私が日本人なので、案内役の学芸員が見せてくれたのです。






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こちらは美術館ではありません。
ペルージャの義姉宅です(笑)。
彼女の家に飾ってある「ジョルジョ・デ・キリコの自画像」のリトグラフです(左側)。
これは、本当は私たちが欲しかった物なのですが、
高すぎたので、義姉に買わせたのです(笑)。

右側はダリのリトグラフ。
ダリは、デ・キリコに比べると大分お手頃になるので、私たちも義姉のとは違う物を1枚買ってリビングに飾っています。ずいぶん昔のことですけどね、今、お値段が上がっているといいな~(笑)


Fondazione Giorgio de Chirico←こちらが美術館のHP♪クリックしたら飛べます。英語バージョンもありますので、イタリア語の出来ない方は英語バージョンにして下さいね♪
予約はメール、電話、サイトから、いずれも可能です。
美術ファンにはマストな場所ですよ~


by mayumi-roma | 2011-10-05 07:40 | ローマの美術・歴史散歩

上野真弓、ローマ在住の翻訳家&文筆家&ツーリズム別府大使。日々の暮らしや芸術探訪、旅の記録。最新刊は訳書『ミケランジェロの焔』、著書に『教養としてのローマ史入門』、訳書『ラファエッロの秘密』など。お仕事のご依頼はoffice.uenomayumi@gmail.comへ。


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