Ponte della Musica(音楽の橋)♪

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Ponte della Musica♪
直訳すると、「音楽の橋」ですが、
2年半の工事期間を経て、ようやく5月31日に開通しました~

我が家はローマのテヴェレ河沿いにありますが、ちょうど同じ地区に当たる「Lungotevere Flamino」(ルンゴテヴェレ・フラミニオ、テヴェレ河沿いのフラミニオという意味です)に新しく完成した歩行者専用の橋です。

何故、音楽の橋と呼ぶのか・・
それは、フラミニオ側をまっすぐまっすぐ歩いていくと、Parco della Musica Auditrium(音楽の庭と呼ばれるアウディトリウム=クラシック音楽の音楽堂)に続くからです。

だけど、こちら(フラミニオ側)から橋を渡っても、その先には、何もないんです。
住宅街があるわけでもないし、ショッピング街があるわけでもない。
あるのは、ただ交通量の激しい河添いの道と緑の丘だけ。

では、いったい誰がこの橋を渡ってアウディトリウムに行くのでしょうか!?
謎です~(笑)






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写真は橋の反対側から、私の暮らすフラミニオ地区を見たところ。

本来は、1年前に完成予定でしたが、
まぁ、ここはイタリアですから、工事が遅れるのは当たり前。
当初の予算も4億ユーロ(約440億円)でしたが、
それも最終的には8億ユーロ(約880億円)へ膨れ上がりました。
これもまた、公共事業で懐を豊かにする人が多いイタリアの定番ですね・・





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橋自体は美しいとの評判ですが、これほどのお金を使って建設した意味はないというのが、ローマっ子の大方の意見です。

確かに、誰にとっても、この橋を使う理由など、どこにもないのです。
フラミニオ側からこの橋を渡っても、その先には何もない・・
反対側には道路しかないので、こちら側に渡る人さえいない・・

だいたい、この橋より250メートル北にはオリンピックスタジアムがあって、
そこにはムッソリーニが作った大きな橋があるのですから。

ローマ市は、
2020年のオリンピックを誘致するためのシンボルとしたいなんて言ってますが・・






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この橋の下に、公園を整備して、船着場を早急に建設するという話ですが・・
どうなることでしょう・・

また一つ、ローマに、無駄な公共事業の産物が出来上がった感じです。
ただし、眺めている分には素敵です・・




by mayumi-roma | 2011-06-06 06:15 | ローマの見所

上野真弓、ローマ在住の翻訳家&文筆家&ツーリズム別府大使。日々の暮らしや芸術探訪、旅の記録。最新刊は訳書『ミケランジェロの焔』、著書に『教養としてのローマ史入門』、訳書『ラファエッロの秘密』など。お仕事のご依頼はoffice.uenomayumi@gmail.comへ。


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