聖テレーサの恍惚

最近のローマは、夜になると雨が降り始め、一晩中カミナリを伴った大雨が続き、
朝になると曇り空・・
秋はいつもこんな感じなんですが、やっぱり、ローマには青空が似合う!

さて、今日は、私のロゴに使っている画像についての説明を・・。
これ、大好きな彫刻なんです。
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            ↑聖テレーサの恍惚(ベルニーニ作)@勝利の聖母教会

ローマはバロックタウンと言われますが、そのバロック時代の巨匠、ベルニーニの作品です。
バロックは、ルネッサンスの影に追いやられて、過小評価されていますが、私は大好きです!
特にベルニーニの彫刻と建造物には、ハッとするような感動を覚えます。
彼の素晴らしさは、彼の設計したサン・ピエトロ広場に立っただけで分かります。
楕円形の広場にある二つの焦点に立つと、広場を取り囲む回廊の円柱が一つに重なって見えるように設計されているのですから。

ローマの街にある数え切れないほどの教会。
これらの多くは、バロック時代(日本で言えば安土桃山時代、華美な装飾が好まれた時代です)に建てられたものです。
この「聖テレーサの恍惚」も、勝利の聖母教会にあるのです。
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            ↑S.Maria della Vittoria (勝利の聖母教会)

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          ↑「聖テレーサの恍惚」の全体像

雲の上に座り、神のいる天を仰ぎ、目を閉じて唇を半分開いたまま、その時を待つ修道女、聖テレーサ。その聖テレーサの前に立つ天使。彼女の心臓を射抜かんがために、金の矢を振り上げる天使の姿。謎めいた微笑を浮かべながら、勝ち誇ったような顔をしている美しい青年天使。

「ある日、想像を絶するような美しい天使が私の目の前に現われました。彼の手には金色の矢がありました。そして、矢の先には真っ赤な炎が燃えているようでした。天使は、この矢を、何度も何度も私の心臓に突き刺すのでした。私を完全に貫くまで何度でも。苦痛は現実のものとなり、私は苦悶の声を上げる・・。しかしながら、それは、同時に、非常に甘美なものでもあったのでした。この苦痛から解放されたくない、と望むほどに・・。いかなる地上の喜びも、これほどまでの満足感を与えることは出来ないでしょう。天使が矢を引き抜いた時、私は神の愛と一体化したことを悟りました。」
(聖テレーサの自伝の一部を私が自ら訳しました)

聖テレーサは、1622年にバチカンより聖人として認められたスペインの修道女です。彼女は、自身で自叙伝にも書いてあるように、何度も不思議な霊体験をし、それによって神との神秘的な結合を成し遂げたのです。これを、人は奇跡と呼ぶようです。

彫刻の後方にある神の後光の部分も、もちろん作品の一部です。

聖テレーサが神と奇跡の結合を遂げた瞬間!
その瞬間をベルニーニは、非常に上手く表現していると思いませんか?
聖女とは思えないほど、官能的に・・

私にとっては、この作品がベルニーニの最高傑作というわけではないのですが、天使の顔に思い入れがあって、この作品の画像を私のロゴにしているのです。
その思い入れが何であるかは、秘密です!
# by mayumi-roma | 2009-09-17 02:05 | ローマの美術散歩

私のおうち(1)

近所のお出かけさえ、ままならない日々が続いてます!
別に、雨の多い最近の悪天候のせいで鬱屈としているわけではないんです。

先週末に、息子が家の鍵をなくしてしまって・・
新しい鍵に取り替えるまでは泥棒が怖いので、家に必ず誰かいる状態にしておかないといけないの。もちろん、なくした鍵に住所とか名前とか入っているわけではないんだけど、もう10年以上前に、夫がやはり鍵をなくした際、どこでどう分かったのか、その日のうちに泥棒が入ったという経験があって・・

我が家は、都心のアパルタメント(日本でいうマンション)。
築100年ほどの古い建物だけど、オートロック(日本のような最新の設備ではないけど)だし、管理人もいる。
それなのに、それなのに・・
さすが、イタリアの泥棒さん・・

というわけで、ご近所グルメなど紹介したいお店もたくさんあるんだけど、のんびり出歩けないので、今日は私のおうちを紹介しようかな~

とりあえず、キッチンとダイニングスペースから!

5年前に、半年かけて全面改築をした時に、いったん全部壊して、間取りも全て変えたんです。
でも、最近流行のダイニングとリビングを一緒にした広いスペースを作ることが出来ませんでした。
ダイニング+リビングにしたいと思った位置に、ちょうど、日本で言うと大黒柱のような、muro maestroという建物全体の基盤となる厚い壁があって、それを取り除くことが出来なかったからです。
そんなわけで、我が家はダイニングスペースとリビングスペースが分かれています。

インテリアに関しては、私と夫の好みが全く違うということも大問題でした!
私は、シンプルで冷たいモノトーンのイタリアンモダンデザインが大好き!
夫は、アンティークなクラシックな家具が好き(もともと我が家にあったものです)・・
結局、2つのテイストを上手く調和させることで我慢するしかありませんでした!

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ダイニングテーブルは、17世紀のアンティーク。
それに、KARTELLのルイ・ゴースト(フィリップ・スタルクデザイン)を合わせました。
照明は、イタリアの伝説的存在、Flosのフリスビー(Achille Castiglioniデザイン)を使いました。
でも、夫は、最初、この照明を見た時にがっくりきたとか・・
ムラノ・グラスのシャンデリアみたいなのが良かったみたいで(笑)
スモークグラスの入ったスライド式のドアの向こうには、キッチンがあります。
私は、隠したかったの~

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そのドアを開けたキッチン部分です。
狭いけど、コンパクトで機能的!

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ダイニングテーブルの後ろには、食器を収める家具が・・
16世紀のアンティーク。修道院で使われていたものです。
これ、まさに私の好みの対極にあるものなんですが、仕方がないので、その上に、日本的なものを飾って、Angolo Giapponese(日本コーナー)にしています。
息子が生まれた時に母が送ってくれた五月人形や息子の七五三の写真、模擬刀も二つ。
立ててあるのは、義経モデル!←義経、好きなんです~!

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テーブルを挟んで反対側にも、もう一つ、グラスやお酒を収めているグラスボード。
こちらは、20世紀初頭のアールデコ。
改築祝いにお友だちに頂いたムラノグラスの花瓶や家族や大切な人の写真を飾っています。

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そして、ダイニング・ルームの一角に作った私だけのTV&DVD鑑賞コーナー!
ここには映っていませんが、シェーズロングの前に42インチのプラズマTVが置いてあります。
シェーズロングとチェアは、大好きなコルビジェのLC4とLC1、ポニースキンを選びました。
サイドテーブルは、アイリーン・グレイです。
その上の照明は、KARTELLのBURGIE(Ferrucio Lavianiデザイン)。
BURGIEは大好きなので、もう一つ、食器入れの上にも置いてます。
左側には、スリッパ入れにしている、KARTELLの入れ物(Anna Castelli Ferrieiデザイン)が・・
壁に飾った絵は、全て本物です。
右上がグレコの素描き、その横がサルヴァドール・ダリのリトグラフ。
右下がメッシーナのリトグラフ、その横がヴェスピニャーニのリトグラフ。

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アイリーン・グレイのサイドテーブルは、実は、今、お友だち(日本)の影響で、
私がはまりにはまっている可愛いドールくんの居場所となっています。
この子のために色んなお洋服を作ろう!って考えているところなんです!
# by mayumi-roma | 2009-09-16 05:06 | インテリア・可愛い雑貨

夏の終わり

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夏が終わろうとしています。
ローマも雨が降る季節となりました。
これから一雨ごとに秋らしくなっていくのですね。

そして、長い長い夏休みもようやく終わり、
やっとローマでも、14日の月曜日から学校が始まりました。
ふーっ!!

一人息子の学校(高校生)では、初日から早くも大問題が・・・・
アスベストを使って建設された校舎の建て替えのため、息子たちに与えられた教室が、
他の学校の一部を間借りした所で、ひどい環境らしい・・。
しかも、大学受験を控えた大事な最終学年なのに、最悪の教師陣に当たってしまって・・
午後からクラスのお母さん方から次々に電話が入り、校長に抗議に行こうという話になりました。
私がクラス代表委員をしているからなんですが、憂鬱だなぁ・・
(追記:無事、問題は解決しました~)

イタリアは、教育改革という名目で、どんどん教育費を国の予算から削っていくし、未来を担う子どもたちなのに、勉強する環境は年々ひどくなって行く・・
この国に未来はあるのだろうか!?
外国人の私が出す答えは、「否」←所詮、自分の国ではないからお気楽なもの!
イタリア人の出す答えは、「あると信じたい」←そりゃあ、自分の国だったらね~
でも、実際、頭脳の流出は止められないよ~
ウチの息子も、日本の大学への進学を目指しているし、そのまま日本に住みたいって言ってる!


さて、写真は、ローマ市庁舎・カンピドリオの裏側から古代ローマの中心地フォロ・ロマーノへと
続くあたり。
右側の高い塔のような建物がカンピドリオの後ろ側。
真ん中が、S.Pietro in carceri(鎖につながれた聖ペテロ)教会の丸屋根。
左側が、フォロ・ロマーノの元老院を後ろから見たところ。

カンピドリオは、ローマ発祥の地。
聖ペテロ教会には、キリストの12人の使徒だったペテロがローマ人に迫害され、鎖に繋がれていた牢屋が今でも残っています。そして、そこにイエスが現れるという奇跡が起こったのです!
そして、かの有名な元老院!
ここの前で、シーザーはブルータスから殺されたのです!
(という言い伝えですが、本当はそうではないようです)

ローマ特有の丸っこい松の木が可愛いでしょう!?
# by mayumi-roma | 2009-09-15 02:27 | ローマの日常

はじめまして!

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写真は、フェリーニの映画「甘い生活」よりトレヴィの泉での有名な1シーン。


気がついたら、人生の半分以上をヨーロッパで暮らしていました。
最初は、ロンドン・・
ブリティッシュロックが大好きだった私の憧れの地でした。
この地に永住したいという覚悟で渡英したものの・・
ご縁がなかったのか、なぜか、ローマへ。

人生は、何でも、2番目の選択が成功すると言いますが、それは本当のことかもしれません・・
私にとって、ロンドンは永遠に片想いの恋人のようなもの・・
今でも、私が世界で最も愛する場所です・・
でも、あのまま暮らし続けていたら、イヤになっていたかもしれませんね。
時々、会いに行く位のスタンスがいいのかもしれません。

ローマ、永遠の都、ローマ・・
ここに住んでいなければ、本でしか見ることの出来ない、古代遺跡や途方もない美術品が街のそこら中に転がっているという現実!
大学で西洋美術史を学んだ私にとっては、驚くべき環境でした。
一つの芸術を批評するなら、それが生まれた土地と風土、歴史の中にいなければ、そして、本物の作品に何度も触れなければ、美術評論なんて出来るわけない!と思い知った地でもありました。

しかしながら、何事もアバウトなお国柄!
一筋縄ではいかない行政サービス!
実際に暮らしていると、怒りを通り越して呆れることも多々あって・・
ま、今では、それにもすっかり慣れてしまいましたが・・

ブログを始めようと思ったのは、久しぶりに再会した高校の同級生、代官山のmariaちゃんの刺激を受けたからです!
これから、私のローマでの日々の暮らし、街の様子、素晴らしい芸術作品や美味しい食べ物、私の考えることなどを徒然なるままに書き綴っていきたいと思っています。
よろしくお願いします!
# by mayumi-roma | 2009-09-14 01:12 | ご挨拶・お知らせ

ローマ在住33年♪永遠の都からお伝えする私(上野真弓)の日々の暮らしや考えること。そして大好きな美術について・・


by mayumi-roma