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不可能な展覧会@ヴィンチ村♪
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サンタ・クローチェ教会@ヴィンチ村♪
ここがレオナルドが洗礼を受けた教会です。
レオナルド・ダ・ヴィンチ博物館のあるグイド伯爵家の城に隣接しています。
ちょうど展覧会が開催されていたので、入場は有料でした。
レオナルドの生家と博物館と展覧会の共通入場券を買うのが一番ラクだと思います。
私たちはそうしました。
3つの入場券で11ユーロ。











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教会の内部♪
あれ~
最後の晩餐が~~

そうなんです。
これが、「不可能な展覧会」と名付けられた展覧会だったのです~
レオナルドの名作17作品を、高度なテクニックを使って原寸大に再現したものが、展示されていたのです!

最初は、例のごとく、「村おこし感が~~!」なんて思っていた私でしたが、「不可能な展覧会」と名付けるだけあって、なかなか興味深い展覧会でした。











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レオナルドの現存する作品は大変少なく、世界中に散らばっています。
それを一堂に集めた展覧会なんて、まさに美術ファンの夢ではありますが、実現不可能です。
まさに、不可能な展覧会!

そういう意味で、この「不可能な展覧会」は大変意義深いものでした。
しかも、複製の出来がかなり良いので、ほとんど本物に近い!
それもそのはず。
文化庁とイタリア国営放送RAIの共同制作なのです。
ハイ・デフィニションを使ったデジタル画!

そもそも、絵画作品を、画集などの本で見るのと実物を見るのとでは天と地ほどの差があり、それゆえ、私はイタリアを訪れる人には、できるだけ美術館や教会に行って、本物を見てほしいと思っています。
絵のサイズ、色彩、表情、細やかな背景、表現から垣間見える感情の動き・・
画集の写真からはまったく分からないことです。

私自身、この「不可能な展覧会」で初めて見たレオナルドの絵(たとえ、レプリカであるにしても)がありました。
初期のもので、「これが、レオナルド?」と懐疑的に思って、あまり好きではなかったものです。
でも、この展覧会で原寸大のレプリカを見て、繊細な表現や感情の動きを感じられて、評価が変わりました。











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ワシントンのナショナル・ギャラリーにある「ジネーヴラ・ベンチの肖像」♪

これ、画集で見る限りにおいては、好きじゃなかったんです・・
まだレオナルドの絵画技法が完成していない初期に描かれた肖像画とはいえ、なんとなくレオナルドの描く肖像画とは違うな・・と感じていました。
現在でも諸説ありますが、一応「ほぼ真作に間違いなし」という作品です。

で、原寸大のレプリカを見て、それほど描き切れていないと思っていた彼女の内面が、意外と表現されていることに気がつきました。
彼女はフィレンツェで家柄が良いだけでなく、教養深い女性としても有名でした。
そういう点を知らなくても、この絵を見て、皆さまはどんな印象を受けるでしょうか?
人それぞれだでいいと思います。
この憂いを帯びた表情をする彼女は、どんな人で、何を思っていたのでしょうね?
冷たい表情と受け取る人もいますが、私にはそうは思えませんでした。

表情からその人の性格や心境を表現することって、この時代にはなかったことです。
それに、緻密に描いた背景もレオナルドっぽいし、その背景に描かれたginepro(ジネプロ:ビャクシン)の木の暗さと顔の明るさの対比が、うまく明暗法を演出していますし。
私的には、真作に間違いなし♪

この作品は、絵の下部、つまり全体の3分の1以上を失っていますので、本来描かれていたはずの胸元の下、腕や手があれば、また雰囲気は変わったのかもしれません。
習作のデッサンは、ウィンザーに残っています。











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サンクト・ペテルスブルグのエルミタージュ美術館にある「ブノアの聖母」♪

これも、諸説ありまして、「ほぼ真作に間違いなし」とされている作品ですが、画集で見るたびに、「これがレオナルド?」と思っていました。

レオナルドの作品としての「華」がない。
パッと見てハッとするキラメキに欠けているというか・・
あまりにも、普通っぽいのです。
ただ、構図に関していえば、当時フィレンツェで流行っていた聖母子図としては、画期的ではあります。
革新的なピラミッド型の構図となっていますから。











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ブノアの聖母のズーム♪

でも、聖母の表情を見ると、確かにレオナルドにしか描けない表情だなぁ・・と思えるようになりました。
聖母と言うより、一人の母として子を慈しむ愛情を感じます。

一般的に聖母子像を描く時、将来来るべき我が子の犠牲を案じる憂鬱さが聖母の表情に現われるものですが、ここでは、それをまったく感じません。
思わず微笑んでしまうほどの優しさにあふれています。

幼子イエスも、純粋にリアルな赤ちゃんが、母親の持つ小さな花(この花自体は4つの花びらがありますので、磔刑の象徴的な花ではありますが)に興味を示して、手を伸ばして触っているような感じで、バブバブしている普通の可愛い赤ちゃん♪

聖母子と言うよりも、レオナルド自身が自分の母親を思って、理想の母子像を描いたような印象を持ちました。










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「不可能な展覧会」のことに夢中になって忘れるところでした・・
これが、教会に残るレオナルドが洗礼を受けた洗礼盤です。
誕生の翌日に受洗しました。











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やっぱり、もう1回、ヴィンチ村に来たいかも~
夏でない時に♪


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ありがとうございました♪
by mayumi-roma | 2015-08-26 06:20 | トスカーナ
レオナルド・ダ・ヴィンチ博物館@ヴィンチ村♪

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ヴィンチ村のレオナルド・ダ・ヴィンチ博物館に入るところです~
もともとはヴィンチ村の伯爵グイド家のお城でした。











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広場にこんなものが~~
まぁ、レオナルドの博物館ですから、あってもおかしくないですし、確か、ローマのフュミチーノ空港(レオナルド・ダ・ヴィンチ国際空港)にも似たようなものがあったような気もします(笑)。
しかし、このウィトルウィウス的人体図は、やっぱりドローイングでないと、その素晴らしさは分かりませんね。
このドローイングについて、ご存じない方も多いかもしれません。
後日、あらためて説明いたします♪

博物館の中は撮影禁止なのですが、いったい何が展示されているのかといいますと、レオナルドの手稿に書き残された数々の発明品を、今世紀になって実際に作ってみたという模型が展示されているのです。
それなりに面白かったのですが、村おこし感が満載!

何しろ万能の天才と呼ばれるレオナルドダ・ヴィンチの出身地ですからね、それだけで、年間50万人以上の観光客が訪れるのです。
けれども、ヴィンチ村は出身地というだけで、レオネルドの絵が残っているわけではないですし、見るべきものはほとんどないわけです。
ゆえに、健気に工夫を凝らしていて、微笑ましくもありました。
もちろん、レオナルドファンにとっては、レオナルドの生地を訪れるだけで意味はありますけどね♪











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博物館(お城)の鐘楼、てっぺんまで上れたのが一番良かったかも♪
美しいヴィンチ村のパノラマを360度で楽しむことができました~











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レオナルドの生家のあるアンキアーノの丘の方向の風景♪











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アンキアーノとは反対方向のヴィンチ村の風景♪











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畝になったオリーブ畑~♪











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ヴィンチ村は、美しいところでした~♪
少年期をここで過ごせたレオナルドは、この自然に親しんだからこそ、細部にまでこだわる絵を描いたり、壮大な思索をするようになったのかもしれませんね。


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ありがとうございました♪
by mayumi-roma | 2015-08-25 05:19 | トスカーナ
レオナルド・ダ・ヴィンチの生家♪

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ヴィンチ村から2キロほど小高い丘に上ったアンキアーノ。
見渡す限り、オリーブの木で覆われています。
このオリーブの並木道を進むと・・











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見えてきました~
オリーブの木に囲まれたレオナルド・ダ・ヴィンチの生まれた家♪











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ここがレオナルドが生まれた家♪











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もう一つ対になった家です。











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2つの建物の全体像♪

このパターンの家は、イタリアではCasa Colonica(カーザ・コロニカ)と言って、地主が小作人を置いていた建物にあたります。


レオナルドの人生は、その作品同様、謎が多くて、いまだに推測の域を出ない部分もあるのですが、この家で生まれたことは確実だそうです。

ダ・ヴィンチ家はヴィンチ村の名士の家柄で、代々公証人を務めていました。
(祖父だけは公証人にはならず、家の資産で食べていたそうですけど)
父親のセル・ピエロは、フィレンツェで成功した有能な公証人でしたが、母親は農婦の娘カテリーナと言われています。

セル・ピエロにはフィレンツェの名家のお嬢さんが婚約者としていましたし、カテリーナとは身分の差もあったためか、正式な結婚はしなかったので、レオナルドは庶子です。
けれども、父親側に引き取られて、祖父と叔父に可愛がられて育ちました。
ただし、庶子だったため、正式な教育を受けず、いわゆる両家の子女が学ぶ古典(ラテン語や古代ギリシャ語等)を学ぶことはありませんでした。
レオナルドは、教養人として必須の古典を、大人になってから独学ですべて学んだのです。

レオナルドの本を読むと、一般的には、この家が、ダ・ヴィンチ家の領地の中にある小作人の家ということになっていますが、実際にダ・ヴィンチ家のものになったのは、それから30年後のことでした。
生家の中の展示パネルに、この家の歴史が書いてあり、持ち主の変遷が記されていました。
それによると、レオナルドが生まれた当時の家の所有者は別の人物でした。

では、なぜレオナルドがこの家で生まれたのか・・
そんな説明を書いているものはどこにもありませんが、おそらく、この家の当時の所有者は、ダ・ヴィンチ家と親しい関係にあったのでしょう。
家族で行き来するような間柄だったのかもしれません。
そして、その家の小作人の娘が、美しいと評判だった(レオナルドの母親になる)カテリーナだったのでしょう。
セル・ピエロは魔が差したのかもしれません。

レオナルドについて書かれた本は星の数ほどありますが、本によっては、レオナルドは生まれてまもなく父親側に引き取られたと書かれたもの、また、5歳になるまで母親と暮らしたと書かれたものもあって、これもまた、真相は定かではありません。

正式な書類に残っていることは、ただ2つだけ。
1つは、祖父の自筆の覚え書きです。
レオナルドが、セル・ピエロの息子、すなわち自分の孫として、1452年4月15日に生まれ、ヴィンチ村のサンタ・クローチェ教会で洗礼を受けたこと。
もう1つは、レオナルドが5歳の時に登録されたヴィンチ村の記録簿です。
そこには、家族構成が書かれてあって、祖父、叔父、父親、父親の妻(レオナルドの継母)、レオナルドの5人家族が登録されています。

つまり、レオナルドが5歳になるまで誰と暮らしていたかの記録はどこにもないわけです。

ただ、祖父がレオナルドの誕生の記録を残したということから、孫の誕生を心から喜んでいたと察することができるので、母親のカテリーナを他の男と結婚させ、乳飲み子のレオナルドを母親の元にしばらく置いていたとしても、その後は、早い段階で引き取ったと考えるのが無難ではないでしょうか!
とはいえ、レオナルドを引き取ったのは、セル・ピエロ(レオナルドの父)の妻に子どもができなかったという理由もありますので、早い段階とはいえ、おそらく3、4歳くらいにはなっていたのかもしれません。


時々、目立ちたがり屋で野心家の美術史家は、とんでもないことを言い出して世の注目を集めるという手法を取りますが、何年か前に、レオナルドの母親はオリエントから連れてこられた奴隷だという説を打ち出した美術史家がいました。
私は、この説を却下します。
まぁ、私が却下しなくても、世の中的にこの説が全然広まっていないことを考えると、誰も相手にしなかったのだと言えるでしょうけど。


さて、レオナルドはミラノ第一時代に、母親のカテリーナをミラノに呼んで2年間一緒に暮らしています。
そして、その地で亡くなった母親のお葬式も出しています。
こういうことを考えると、物心ついてから母親と一緒に暮らすことはなかったけど、それなりの関係は続いていたと思えます。











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ダ・ヴィンチ家の紋章♪
なんでも、これもレオナルドが作ったのだとか・・?
ま、そういうことにしておきましょう(笑)。
オリジナルは家の中、レプリカが家の壁にはめ込まれています。


正直、ここは、レオナルドが生まれた家というだけで、中には何も見るものはありません。
有料ですけどね。
展示パネルなどもありますが、別に読まなくても損はありません。
家自体もかなり修復されていますし・・

それでも、私は、敬愛するレオナルドの生まれた家がどうしても見たかったのです。
彼が生まれた村の中に自分の身を置いてみたかったのです。











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このオリーブの林に囲まれた美しいトスカーナの自然・・
そこで育った少年レオナルドが見たであろう風景・・

ああ、
来てよかったです♪


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ありがとうございました♪
by mayumi-roma | 2015-08-24 05:28 | トスカーナ
  

ローマ在住32年♪永遠の都からお伝えする私(上野真弓)の日々の暮らしや考えること。そして大好きな美術について・・
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