カテゴリ:ローマの美術散歩( 294 )

心のままに♪

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        「Amor sacro e Amor profano」( 1514年)ティツィアーノ作
        ボルゲーゼ美術館収蔵



日本語に直訳しますと、「聖なる愛と世俗の愛」というタイトルです。
通説によると、愛と美の女神ヴィーナスを「聖なる天上」と「世俗的な地上」に分けて、
両者を象徴的な姿で描かれたものだそうです。
衣服を着たほうが世俗的な生身の女性、
ヌードの女性が天上の神が創造した女性だそうです。
キューピッド(ヴィーナスの子ども)が世俗の女性のほうにいるでしょう?
色々な解釈があるようで、これを逆に受け取る道徳家(笑)もいるのだそうですが・・


でも・・
まぁ、解釈なんて、どうでもいいんです。
難しいことは考えずに、
自分が感じるままに受け取ればいいと思います。
芸術とはそういうものだと思います。
作者は色々な想いを込めて制作したことに間違いはありませんが、
受け取る側はそれを心のままに感じても、許されることだと思います。

500年も経っている作品ですもの!

綺麗な絵だから好き!
それだけで、いいのです・・


心のままに・・
どんな人にだって、心の中には大きな宇宙があって、
決して他の人には覗けません。

自分の心が感じるものを大切に♪
喜びも悲しみも、愛も憎しみも・・
いや、憎しみはあまり大切にしなくてもいいですけどね。
でも、それが生きる原動力になる人がいるのも事実ですけど・・

負の感情に向き合うことは大切だけど、
持て余すようだったら、浄化させる方法を知っておかなければいけない。

(人に迷惑をかけないで)
心のままに感じて生きていけたらいいですね♪




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by mayumi-roma | 2011-08-01 05:11 | ローマの美術散歩

ボルゲーゼ美術館♪

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ローマ市民の憩いの場所「ボルゲーゼ公園」
その昔は、数々のローマ法王を輩出した名門ボルゲーゼ家の別邸のお庭でした。
後ろに見えるのは、鳥小屋。
現在ではもちろん鳥なんて飼っていません!
ローマ市所有ですから~






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ここが別邸のお屋敷だった建物♪
現在は、ボルゲーゼ美術館として、至宝の名作を展示しています。

私の敬愛するバロックの巨匠、ベルニーニの彫刻作品群に始まり、カノーヴァの「勝利の女神」、絵画は、カラヴァッジョの作品が多数に、ラファエッロ、ティツィアーノ、コレッジョ・・、素晴らしいコレクションです。







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カラヴァッジョの作品の一部。
全部で6点あります。

好みって変わるものですね~
若い頃は、カラヴァッジョに強く惹かれていた私ですが、年齢を重ねるうちに、単純に美しくて綺麗な作品のほうが好ましく感じるようになりました。







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            「一角獣を抱く貴婦人」(1506)ラッファエッロ作 
            ローマ、ボルゲーゼ美術館収蔵

この絵を見ていると、私の心は、16世紀初頭のイタリアにタイムスリップしてしまいそうになります。
単なる肖像画なのに・・
何故か、この絵の世界に引きずり込まれてしまいそうになるのです。
私、もしかしたら、この人の生まれ変わりかもしれない・・なんて思ったりもします。
(似ても似つきませんけどね、笑)
ラファエロ・マジックでしょうか・・
とても心惹かれる作品です。

一角獣は、当時の社会では「純潔」のシンボルで、それゆえ、この女性の処女性を表したものだと思われますが、モデルが誰であったかは謎のままです。
ただ、衣装から推測するに、身分はそれほど高くなかったと言われています。
余談ですが、この時代には、一角獣は実在する動物だと信じられていたそうです。

お洋服の素材がベルベットだったようで、その質感が絵から伝わってくるというのは凄いことだと思います。
さすがラファエロだわ~♪
昔の絵を見るのは興味深いですね。
当時の流行りの髪型、アクセサリー、ファッションを知ることが出来ます!







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「アポロとダフネ」(1622-1625)ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ作
           ローマ、ボルゲーゼ美術館収蔵

そして、こちらが私が世界で最も美しいと思う彫刻です。
メタモルフォシス(何かが他の何かに変わること)を、これほど美しく哀しく詩的に表現した彫刻は他にないと断言できます。
恋焦がれるアポロが逃げるダフネを追い詰めて、まさにその手で触れた瞬間に、月桂樹に変わり始めるダフネ、その一瞬を表現したものです。

これについては、過去に解説を書いていますので、興味のある方は、こちらからどうぞ♪
「アポロとダフネ」の過去記事はこちらから♪←ここをクリックすると飛べます♪







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「勝利の女神」(1808年)カノーヴァ作

ネオクラッシックの代表的な作品ですが、
イタリアでは別名で呼ばれることの方が多いです。
「パオリーナ・ボルゲーゼ・ボナパルテ」
そうです!
名前からお分かりように、ナポレオンの妹なのです。
ナポレオンは、若くして未亡人となった美しい妹を、政略結婚のため、ローマのボルゲーゼ家にお嫁にやったのです。ただし、妹は兄を敬愛してやまなかったそうなので特に嫌がることはなかったようです。

彼女は、世間の常識に囚われることのない自由奔放な女性だったため、いつも人々の噂の的、物議を醸し出していたそうです。
たとえば、この彫刻のモデルになるため、ヌードになったことは、当時の上流社会では有り得ないことで、一大スキャンダルを呼び起こしたそうです。

美しい女性だったそうですが、彫刻で見る限り男性的な顔立ちだと思いました。
私の個人的な意見ですが、彼女が最も魅力的に見えるのは後ろから見た時。
美しい背中と左側からほんの少し覗く横顔が最高です!

この彫刻、小学校だか中学校だったか忘れたけれど、美術の教科書に載っていたことを覚えています。ですので、ローマで初めて実物を見た時には、ものすごい感動を覚えたものですが、ベルニーニと出会って以来、その感動も薄くなってしまいました・・

パオリーナの像そのものより、台座のベッドのほうにビックリです。
フカフカで指で触ったら今にも沈みそうな柔らかな感じがよく出ていて、とても大理石とは思えませんね。







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ミュージアム・ショップにこんなのが売ってました~♪
ラファエロの絵「一角獣を抱く貴婦人」がつけていたネックレス~~
欲しいなぁ・・
でも、ちょっとチャチに見えるかな?



Galleria Borghese(ボルゲーゼ美術館)
Piazzale del Museo Borghese 5
00197 Roma

予約専用電話 06-32810
www.ticketeria.it

休館日:毎週月曜日、1月1日、12月25日
開館時間:09:30~19:00



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by mayumi-roma | 2011-07-31 07:21 | ローマの美術散歩
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完全な真夏日だったローマの日曜日♪

自宅近くにある「Galleria Nazionale d’Arte Moderna」(国立近代美術館)へ
「ラファエル前派」(プレ・ラファエリティ)の展覧会を見に行ってきました♪
(6月12日までです)

「ラファエル前派」とは、19世紀半ばのイギリス・ヴィクトリア朝の時代に起こった美術のムーブメント。
自然と人間が幸福な関係のうちに保たれていた中世に思いを馳せ、神話や伝説、あるいは文学的、宗教的な題材を、自然の忠実な観察による細密描写で官能的なリアリティを表現しようとしたものです。
そのため独特の象徴主義が生まれ、時には、装飾的、退廃的な作風となることもありました。

「ラファエル前派」という名前の由来は、ラファエロ以前のイタリア絵画に見られる、自然に対する素朴な態度に立ち返ろうとの決意の表明から来ているそうです。
(以上、超簡単に説明してみました~!)






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美術館の正面には大きなマニフェストが!
今回の一番の見世物ともいうべき、Dante Gabriel Rossetti(ダンテ・ガブリエル・ロセッティ)の絵「ヴィーナス」からです。

私、いわゆる世紀末美術(19世紀末の美術のことをこう呼びます)が大好きなんです~
日本の大学では西洋美術史を学んだのですが、イタリア美術にはあまり興味のなかった私です。
よいうより、自分の好みではなかったというほうが正しいかもしれません。

よく誤解をされるのですが、西洋美術史を学んだからイタリアに来たと思われるのですよね・・。
でも、違うんです。
もともとはイギリスが大好きで、ロンドンに語学留学していましたから。
イタリアへ来たのは、ほんの成り行きです。

神話やミステリアスなものが好きだった私!
だからこそ、ラファエル前派はまさに私の好みの「ど真ん中」なんです~

美術に興味のない方にはちんぷんかんぷんかもしれませんが、私が最も尊敬するイギリスの芸術家(詩人であり画家でありました)ウィリアム・ブレイクを源泉として、ラファエル前派から象徴主義、ビアズリーやアールヌーボーへと続く一連の流れも大好きなのです。
イギリスの詩人キーツや不思議の国のアリスのルイス・キャロル、そしてオスカー・ワイルドも、この世界にかかわっているのです。

世紀末芸術に欠かせない「ファム・ファタール」(運命の女)♪
ロセッティにとっての運命の女は、このマニフェストの絵「ヴィーナス」のモデルだったジェーンでした。
彼の絵は、おかしいくらいに、どれも彼女の顔です。
しかしながら、ジェーンは、盟友ウィリアム・モリス夫人となってしまうのですけどね。

運命の女って、ようするに、芸術家の創作意欲を掻き立てるミューズのことですけど(男を最終的に破滅に追いやる女とも捉えられています)、考えてみると絵のモデルっていいですね。
その作家が有名になれば、未来永劫、美術史上に自分の姿が残るわけですから。






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「金色の箱を開けるプシケ」By John William Waterhouse

今回の展覧会の中で一番気に入った絵です♪
題材はギリシャ神話のプシケ。
プシケの佇む周りの自然も緻密に描かれています。
箱を開けて覗き込むプシケの姿が、その背中のかがめ具合いといい、手足の造作といい、とてもリアルで、思春期の少女そのもの!
繊細で柔らかな少女の体の線がとっても綺麗!
うっとりしながらも、思わず微笑んでしまう絵です。


ラファエル前派と言えば、真っ先に思い浮かぶ代表的な画家たち「Dante Gabriel Rossetti」や「Edward Burne-Jones」の作品も結構ありましたが、ラファエル前派の展覧会と名前がついているわりには、少なすぎました。
その辺は少しがっかりでした。






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近代美術館の中庭にあった池♪
ここは入れません。
窓から見るだけ・・

でも、これ、センスいいと思いませんか?
単なる池をプール風に仕上げて、そのわきに、まるで日焼けのために寝そべっているかのようなブロンズ像。
お見事です!


いつもだったら、太っ腹に、美術館の常設展示で久しぶりに見た絵を見て考えたことやミュージアムランチについても書くところなのですが、これからは、だらだらと長く書くのはやめようかと思って・・(笑)
続きます~



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by mayumi-roma | 2011-05-23 06:41 | ローマの美術散歩
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3月7日、月曜日、ローマ、ようやく晴れました~
その代わり寒さが戻ってきました。





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ローマの下町トラステベレのサンタ・チェチリア広場♪
1742年に増築されたサンタ・チェチリア教会付属の修道院。
教会への入り口でもあります。






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中庭の向こうにはサンタ・チェチリア教会♪

聖女チェチリアは、生年不明ですが、2世紀頃に生きた人物だと考えられています。
ここは、その昔、実際にチェチリアが暮らした家でありますが、彼女の遺言通り、その後、教会となりました。

ローマの裕福な貴族の家に生まれたチェチリアは、当時のローマでは禁止されていたキリスト教の信者でした。親の勧めに従ってバレリアーノという男性と結婚した彼女は、初夜の晩に、「神のために生涯貞潔を守ること」を宣言します。

それを受け入れた夫は、自分の弟と共に洗礼を受け、クリスチャンとなったのです。
この兄弟は、迫害されて殉教した人々の遺体を引き取り、手厚く葬りましたが、このことがローマ総督の耳に入り、捕えられ、信仰を捨てるようにとの命令を拒んだため、斬首の刑を受けました。

チェチリアは、彼らの遺体を引きとり埋葬し、その後、自分の家を教会にしました。
もちろん、この件もローマ総督の耳に入り、棄教するように迫られましたが、当然言うことを聞くわけもなく、蒸し風呂の刑に処されましたが、苦痛もなく汗をかくこともなかったと言います。そして、斬首となったのですが、チェチリアの頭は3度刃を向けても傷がつくだけだったそうです。そして、3日間の苦しみのうちに殉教しました。

遺体は、サンカリストのカタコンベ(地下墓地)に埋葬されたそうです。






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教会の中♪
普段よく見るローマの教会とは全然違います。
真っ白で、清廉潔白のイメージ♪
広々としています。
明る~い!
そして、常に美しい音楽が流れていて・・
ここにいるだけで、清らかな心になれそう・・
こんなに居心地のいい教会は初めてかもしれません。






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パイプオルガンを弾くシスター♪

美しい音楽はここからでした~
常に、こちらの修道院のシスターがオルガンを奏でているようです。

そう、聖女チェチリアは、音楽家の守護聖人なのです。
ローマのサンタ・チェチリア音楽院、サンタ・チェチリア音楽堂、音楽に関するものには全て彼女の名前が冠されています。

そのいわれは、オルガンを奏でながら歌っていたからだと言われていますが、実はこれは事実ではなく、楽器の演奏を聴きながら、神のために「心と身体を清いままでいさせてください」と心の中で歌っていただけだそうです。






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中央祭壇
丈夫のモザイクは9世紀のもの。
天蓋は、13世紀のアルノルフォ・ディ・カンビオの作品です。
祭壇の下には、サンタ・チェチリアの彫刻が・・






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サンタ・チェチリアの像(1599年、マデルノ作)

紀元821年に彼女の棺は、この教会(まさに彼女の家だった所です)に運ばれます。
その後すっかり忘れられていた聖チェチリアの棺ですが、1599年の教会の改修工事の際に発見され、棺を開けてみたそうです。
すると、驚くべきことに、中の遺体は腐敗も損傷もなく、当時のまま、眠るように横たわっていたそうです。

そこで、マデルノという著名な彫刻家にその姿を見せて忠実に再現させたものが、この「サンタ・チェチリアの像」というわけです。

聖女チェチリアは、音楽家の守護聖人でもありましたが、目の不自由な方の守護聖人でもあります。拷問の際に両目をくり抜かれたと言います。
(怖ろしい~~!人間っていつの時代も残酷です~!)
そういうわけで、顔を下に向けてターバンのようなもので覆われているのです。
手は三位一体を表わしているそうです。

三位一体:父(全能の神)と子(キリスト)と精霊(ハトがシンボルです)のことです。






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地下の遺跡への入り口。
チェチリアが暮らしたローマ時代の家がそのまま残っています。
入場料は5ユーロしなかったかな~





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地下はかなり広いです~
まるで、ラビリント、迷宮のようです。
ココを歩くのは、実に興味深い・・
古代人の息吹を感じる・・





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一番奥にある地下礼拝堂♪
ここに到達すると、そのあまりの美しさに、目を見張り、息を呑んでしまいます・・

ブルーの世界・・
その存在自体がきらめく宝石のような美しさ!
言葉なんていりません。

写真ではその素晴らしさをお伝えできなくてすみません。
いつか、実物を見に行ってくださいね♪







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天井の装飾♪
本物の宝石がはめこまれています~
(ルビーが欲しい~~)





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様々な天井の装飾♪
似ているようで、微妙に図柄が違っています。






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モザイクの祭壇です♪
こちらも実物のほうが100万倍綺麗です~


とっても長くなりましたが、最後まで読んで下さってありがとう♪



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by mayumi-roma | 2011-03-08 08:13 | ローマの美術散歩

美しすぎて・・

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Beata Ludvica Albertoni (福者 ルドヴィーカ・アルベルトーニ)

美しい・・
美しすぎる・・
言葉を忘れるくらいに美しい彫刻です・・

大理石の美しい白さがあだになって、ルドヴィーカの表情が上手く撮れてないのがとても残念です。

1枚岩の赤碧玉(せきへきぎょく:メノウの一種)をドレープ状に仕上げた上に、
白い大理石のベッドが柔らかそうに彫られ、
その上に、今、臨終の時を迎えようとしているルドヴィーカが横たわっています。






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この表情を見れば、作者は誰だか分かりますね。

そう、バロックの巨匠、ベルニーニの晩年(1674年)の作品です。

勝利の聖母聖堂の「聖テレーサの法悦」もそうでしたが、ここでも、宗教的黙想から生じる脱魂状態、法悦が表現されています。
法悦は、神と一体化するということ。
イタリア語では恍惚(エクスタシー)という言葉と同じです。

ベルニーニって、ひどいですよ~
人を惑わすような美しい彫刻ばかり彫っているんですもの~

しかし、お見事です。
ベッドも枕も、触ればへこみそうな感じだし、シーツの乱れもやけにリアル・・

私が常日頃から言っていることですが、ベルニーニは、
その一瞬を永遠に変えることが出来た稀有な彫刻家だと思うんです。
天才ってことなんでしょうけどね。



ルドヴィーカは、15世紀から16世紀に生きたローマの貴族階級の女性でしたが、32歳で未亡人になった後、修道院に入り、貧しい人々や路上に立ち身体を売る女性たちを助け、彼女の持つ全ての財産と残りの人生を彼らのために捧げました。
幼い頃から、この教会区に暮らす人でもありました。

福者というのは、聖人になる前の段階です。
ちなみに、前ローマ法王、ジョヴァンニ・パオロ2世も、現在、福者です。






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両サイドと後ろの絵は、Galliの作品ですが、これも実は、ベルニーニよって計算されたものです。
両サイドには、実は隠れた窓があって、自然光がルドヴィーカを照らすようにしているのです。
さらに、絵の鮮やかな色彩が、大理石の白をより引き立てる効果を出しています。

そして、後ろの絵は、天国・・
まるで、ルドヴィーカが、死の間際に見ている世界をそのまま表わしたようでもあります。
(私が勝手に解釈しているだけです・・)

ストゥッコで出来た天使も、独特の雰囲気を添えています。






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中央祭壇とルドヴィーカの礼拝堂♪

この教会は、気持ちがいいほど、とても明るい教会でした。
外からの光をふんだんに取り入れている作りなのです。







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どうやら、カテキズモ(キリスト教義を学ぶ勉強会、日曜学校みたいなものです)をしている様子。

下町トラステヴェレにあるせいか、集まった近所の子どもたちがピーチクお喋りを始めては、神父さんが「シーッ!」と何度も何度も注意する姿は、なんだか庶民的で、とっても微笑ましかったです。






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ルドヴィーカの彫刻があるのは、サン・フランチェスコ・ア・リーパ教会。
ローマの下町トラステヴェレにあります。
1219年にアッシジの聖フランチェスコがここに滞在したことから、この聖人の名前がつけられています。
ただし、現在の建物は17世紀のものです。


平日:7:00~13:00 16:00~18:00
日曜・祝日:7:00~12:30 16:00~18:30


なんだか、教会に来ると、いつも無料で素晴らしい芸術品を見れるので、
感謝の気持ちを込めて、
ルドヴィーカの礼拝堂の前の賽銭箱に2ユーロ入れてきた私です・・





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by mayumi-roma | 2011-02-27 07:30 | ローマの美術散歩
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サン・カルロ・アレ・クアトロ・フォンターネ教会(17世紀)♪
(4つの噴水に囲まれた聖カルロ教会)

バルベリーニ宮殿のある通りは、VIA QUATTRO FONTANE(4つの噴水通り)と言いますが、この通りの名の由来となったのは、宮殿を10mくらい上に行った所の交差点にある4つの噴水です。
そして、この角っこにあるのが(ちょうどテヴェレ河を擬人化した噴水のある所)、バロックの宝石と呼ばれるボロミーニ作のこちらの教会なのです。
(残念ながら、ボロミーニは完成を待たずして亡くなりました)





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交差点の4つの噴水♪

左上から、「TEVERE」テヴェレ河を擬人化したもの。ローマのシンボルとして。
そのお隣、「DIANA」(ギリシャ神話で言うところのアルテミス。貞節のシンボル)
下、左から、「GIUNONE」(ジュノーネ。ギリシャ神話ではヘラ。強さ(勇気)のシンボル)
お隣、「L’ARNO」アルノ河を擬人化したもの。フィレンツェのシンボルとして)

作者不明ですが、凡庸な作品ということで、名もない彫刻家だと言われています。
私たちには素晴らしく見えますけどね。







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教会内部♪

この教会は、驚くほど小さくて、大理石を使うこともなくシンプルな様子ですが、実は大変凝った作りをしています。
コリント式の柱を回りに配置して、柱の間に窪みを作り、その中に礼拝堂や扉を置くことによって、同時に全ての祭壇を見渡すことが出来るのです。
静の中に、波打つような動きが出るというわけです。






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中央祭壇の上部からキューポラ(ドーム)にかけて。






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キューポラ(ドーム)をズームで♪

なんとも不思議な世界じゃありませんか!?

この教会のキューポラは珍しく楕円形をしています。
そして、八角形、十字形、六角形の、複雑な幾何学模様の格間(ごうま:枠のある窪みのこと)が大小組み合わさって装飾されているのです。
上に行けば行くほど、小さくなっていきます。
そして、窓からさす光で、とっても明るい!

真ん中には、頂上の天窓!
三位一体のシンボルがあります。
(この教会は、スペインの三位一体修道会のものなのです)
ちなみに、三位一体とは、父(神)と子(キリスト)と精霊のことです。






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こちらはキオストロ(回廊)です。
ボロミーニらしい設計!
柱の使い方が、シンプルでいて凝っていて・・
真ん中には井戸も!

美大の学生が2人、写生していました♪






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井戸のふたにはモザイクが!
綺麗~!





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クリプタ(地下聖堂)

何にもなかったけど、誰もいなくて怖かった~~
ボロミーニは、自分の死後、ここに埋葬されることを希望していましたが、その望みはかなえられなかったようです。


そして、実は、しばらく前の記事に書いた、ウチの骸骨くん!
こちらの教会ではないけれど、と、ある有名な教会の地下聖堂に葬られていた人なんです。
どうして、ウチで預からなければいけないのよ~~
怖~い!
骸骨くんの記事はこちらです←ここをクリックしたら飛べます。



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by mayumi-roma | 2011-02-20 07:47 | ローマの美術散歩

バルベリーニ宮殿♪

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バルベリーニ宮殿♪
この宮殿は、ローマのバロック建築の中でも際立って堂々としたものです。
1625年から9年かけて、マデルノ、ベルニーニとボッロミーニ(マデルノの甥)の手によって完成されました。
現在は、国立絵画館となっています。

「ローマの休日」ファンの方には、
おなじみ、アン王女の滞在先の大使館という設定となった場所です。






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ブラッドリーと別れる場面では、ここの道に車を止めていましたね。







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こんな感じで、
ブラッドリーが車の中からアン王女が宮殿へ戻っていくのを見届けていましたね。
あのシーンは泣けましたね~






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美術館の1Fには、15世紀までの宗教的な絵画がまとめられています。
もちろん、西洋では有名な作品も多いのですが、
日本人にはあまりなじみがないかもしれません。
2Fに行くのは、いったん、建物の外に出なければなりません。







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ベルニーニの階段♪

ゆるやかで大きな階段を、ゆっくりと上ったり降りたりするのが大好きな私です♪
高貴なプリンセスになった気分で、背筋を伸ばして、すその長いドレスをはためかせて
階段を上るような感覚で、いつもゆったりと歩きます。
姫キャラなもので、ついつい想像の中で遊びたくなっちゃうんです~~(笑)

2Fは素晴らしい大広間もあって、この宮殿の中を歩くだけで訪れる価値があります♪
でも、絶対に見逃してはならないのが、カラヴァッジョの作品2点とラファエロの作品1点。
そして、個人的に大好きなホルバインの「ヘンリー8世」の肖像画♪






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            「ヘンリー8世の肖像画」(ホルバイン作)
            生涯に6人もの妻を持ったイングランド、チューダー朝の王様。
            エリザベス1世の父親。


最初の妻、アラゴン家のカテリーナと離婚するために、離婚を認めないカトリック教会と絶縁し、イギリス国教会を作った王様。しかも、さらに、でたらめの反逆罪で2人の妻を処刑しているという、とんでもない王様ですが、何故か非常に興味をそそられる私・・

こんな傲慢な女好きなのに、なんと、彼は、イングランド王室史上最高のインテリであるとされ、ラテン語、スペイン語、フランス語を理解し、舞踏、馬上槍試合などスポーツにおいても優れた才能を発揮したそうです。
ビックリだわ~

この肖像画は、4番目の妻、アン・オブ・クリーヴスとの結婚式の服装です。
半年後に離婚しましたが・・
理由は、アンがあまりにも不細工だったからです。
肖像画が写真代わりだった当時のこと・・
結婚式の当日に、肖像画とは似ても似つかないアンを見て、ヘンリー8世は激怒したとか!
ただ、プロテスタントのドイツとの政略結婚だったため、処刑するわけにも行かず、6人の妻の中では一番マシな人生を送ったとも言えるでしょう。






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            「ラ・フォルナリーナ」(1518~19年、ラファエロ作)
            85cm×60cmの小さな絵です。


ラファエロの愛したミューズ、マルゲリータ・ルーティの肖像画。
亡くなる前に描いたものです。
フォルナリーナという愛称は、父親がローマのフォルナイオ(パン屋さん)だったから。
美男子の誉れ高かったラファエロ、意外にもこんな普通の女性を好きだったんですね。
この絵では、それほど綺麗とは思えませんが・・
かなりふくよかな体つきをしていますし。
でも、美意識は時代によって違うし、お国柄もあると思います・・

ラファエロは、女好き、かつ優柔不断な男で、誰とも結婚しようとしませんでしたが、結局結婚しないまま、若いうちに亡くなってしまいます。
彼が夭逝した後、彼女は、ローマ、トラステベレの修道院に入ったそうです。

写真では見えないかもしれませんが、フォルナリーナの左手の薬指の指輪!
指先の爪のすぐ下にはめているのです。
これは、何か意味があるのかな?
単に、指輪が小さすぎてそこまでしか指輪が入らなかったのかな?
どうでもいいことかもしれないけど、気になる~~~

そして、腕輪には、「ウルビーノのラファエロ」と記されています。
「俺の女だ~!」というところでしょうか?







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          「ホルフェルネスの首を斬るユディット」(1599年、カラヴァッジョ作)
          ドラマチックというよりも残酷なシーンです。
          描写があまりにもリアルなことに驚きます。
          ホルフェルネスは、目を見る限り死んでいますが、
          口元を見るとまだ恐怖の叫び声をあげているようで、生きている・・
          生と死のはざま・・


残酷ではあるけれど、こういうものに惹かれるのもまた、人間なんですね。
生と死のはざまには、カラヴァッジョも大変興味があったようで、ベアトリーチェ・チェンチ(貴族の娘で暴力的な父親を殺した罪で死刑)の斬首を聖天使城まで見に行っていたそうです。

ローマ、怖~い!
一時期、聖天使城は処刑場として使われていたのです~

主題は、旧約聖書からの逸話です。
美しい未亡人ユディットが、アッシリアの攻撃に陥落寸前の街を救うお話です。
彼女は美しく着飾って、敵の将軍、ホロフェルネスのもとへ向かい、エルサレム進軍の案内役を申し出るのです。酒宴の席で泥酔したホロフェルネスと二人だけになった時、ユディトは、眠るホロフェルネスの短剣をとって彼の首を切り落としたというわけです。






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            「ナルシス」(1597~99年、カラヴァッジョ作)
            ギリシャ神話の逸話です。
            水面に映る姿、ダブル・フィギュアーを描くのは難しいのですが、
            とても上手に表現していると思います。
            (カラヴァッジョも、私に言われたくはないでしょうが・・、笑)


誰もが恋焦がれる、世にも美しい青年、ナルシス。
森の妖精エコーも彼に恋をしました。
けれども彼女は、ゼウスの妻ヘラの怒りをかって以来、口がきけず、他人の言葉を繰り返す事しか出来なくなっていたのです。
「つまらない女だ」と切り捨てるようにエコーを振ったナルシスは、侮辱を罰する神ネメシスに罰を与えられることになります。
ある日、ナルシスが深い泉にかがんで水を飲もうとすると、水面には美しい少年が!
それは紛れもなくナルシス自身なのですが、彼は水面の美少年にすっかり恋をしてしまうのです。
それが自分であることにやがて気がつくのですが、ナルシスは、この、かなわぬ恋に絶望して、そのまま水面に映る自分を見つめながら死んでしまうのです。
彼の死後、その場所に咲いた花が水仙です。
それゆえ、水仙は、英語でナルシスと呼ばれているのです。







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こちらは、ボッロミーニ作の階段♪
威風堂々としたベルニーニの階段に比べると小さいのですが、
螺旋階段は繊細で、なんとも上品!
優雅です~






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バルベリーニ宮殿を裏側から・・
広大な庭園があります。



バルベリーニ宮殿
国立絵画館

入場料:5ユーロ
9:00~18:30
月曜日、お休み



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by mayumi-roma | 2011-02-11 07:25 | ローマの美術散歩

恋の試練・・

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アントニオ・カノーヴァ作「アモーレとプシケ」@ルーブル美術館♪
去年のパリで撮った写真。





仲良しのお友だちが恋をしています・・
彼とのことを話す彼女はとっても幸せそうで、
まるで、十代の若者同士のような盛り上がり方♪

バツ一同士の熟年の恋♪
前から知ってた友だち同士が、ある日を境に恋に陥る・・
こんなこともあるんだな~~~

いいなぁ、恋する気持ち♪
ときめく気持ちって大切です。


私は既婚者。
一応、愛する夫がいるはずなのですが~
恋とか愛とか、どこに行ったのでしょう・・
遠いかなたに・・
あるのは、同情だけ、家族の絆だけ・・(笑)


お友だち、すぐにも一緒に暮らしたいらしいけど、
子どもが大学生になるまでは我慢するらしいです。
私もそうしたほうがいいと言いました。
まぁ、色々と複雑な事情がありますのでね。




写真の彫刻は、
バロックの後にくる新古典主義の彫刻家、アントニオ・カノーヴァの作品です。
もちろん、イタリア人の芸術家ですが、この作品、ルーブルにあるんです~~(泣)
フランスに取られたイタリアの芸術品の多いことと言ったら!!

ギリシャ神話の「アモーレとプシケ」の物語を題材にしています。

アモーレとプシケの物語♪
地上の人間界で、プシケ王女が絶世の美女として噂になっていました。
アプロディーテは美の女神としての誇りから、彼女を嫉妬し憎み、王女が醜い男と恋に落ちるように、息子のアモーレ(エロスもしくはキューピッドとも呼ばれる)に、金の矢で撃つように命じました。

ところが、アモーレはプシケの寝顔のあまりの美しさに戸惑い、矢を打ち損なって、自分の足を傷つけてしまうのです。そして、その時目の前にいたプシュケに恋をしてしまうわけです。
アモーレは一計を案じ、なんとかプシケと暮らすようになりますが、アフロディーテの息子であること、神であることを知られては困るため、夜の暗闇の中でしか会わなかったのです。
意地の悪い姉たちにそそのかされて、ある夜、プシケはろうそくの灯りでアモーレを見てしまいます。
アモーレの美しい姿を見てプシケも恋に陥りますが、彼は天上界に去ってしまいます。

そこで、プシケは、勇気を振り絞って、アフロディーテに恋のお許しを伺いに行くのです。
数々の難題を出すアフロディーテ。
あきらめずに、その難題を次々にクリアーしていくプシケ。
命さえ落としかけたプシケでしたが、最後に全能の神ゼウスからお許しが出て、晴れてアモーレと結ばれたのでした。

いつの時代にも繰り返される、愛の試練の物語です。
強い愛があるならば、どんな試練も乗り越えられるということです。





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by mayumi-roma | 2011-02-07 06:54 | ローマの美術散歩
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サン・ルイジ教会のパイプオルガンを支える天使たち♪
(私、天使フェチなんです~)


誤解されている方もいらっしゃるかもしれませんが、
私がローマに来たのは、大学で学んだ西洋美術史の勉強をするためではありません。
(結果としてイタリア美術史を学びましたけどね)
結婚でもありません。
しいて言うなら、遊学かなぁ・・
ロンドンからローマへのお引越しは、あくまでも成り行きだったんです(苦笑)

そもそも、私の大学の恩師は世紀末美術が専門で、私の卒論はムンクがテーマ。
イタリアの芸術が素晴らしいものであることは認めていましたが、宗教をテーマにした作品に心惹かれず、19世紀末のヨーロッパ諸国の文化と政治と芸術(音楽も含めて)とがミックスされた独特なクロスオーバー感が好きだったんです。

そんな私が、街を歩けば偉大な芸術作品がゴロゴロ・・というローマに来てから、
まず最初にはまったのが「カラヴァッジョ」でした。

日本におけるカラヴァッジョの第一人者といえば、宮下 規久朗( きくろう)氏。
現在、神戸大学大学院人文学研究科准教授ですが、たくさんの著書があります。
実は、彼がご家族と一緒に、1998年3月から翌年1月まで、文部省在外研修員としてローマ大学美術史研究所に留学されていた頃に面識がありましたが(子どもが同い年でした)、ド派手なお洋服がお似合いのお姿・・いやはや、ローマの日本人社会で際立って目立っておられました~

今日は、ローマで初めて出会ったカラヴァッジョの作品について少々・・
先日、お友だちの案内で出かけたフランスの教会収蔵のものです。
重複することがあるかもしれませんが、ご勘弁を!






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ローマ、サン・ルイジ・デイ・フランチェージ教会(聖ルイ・フランス教会)
彫像のあるファサード(正面)が、いかにもフランス風ですね。

1518年から1589年にかけて建てられたローマのフランス人コミュニティのための教会で、現在でも、ローマ在住フランス人の国民教会として、フランス管轄にあります。
聖ルイは、第7回十字軍を指揮したフランス国王ルイ9世のことで、フランスの守護聖人♪

1518年に、枢機卿ジュリオ・ディ・メディチがフランス人コミュニティのための教会の建設することを思い立ち、教会建設のための土地は、カトリーヌ・ド・メディチが寄贈したそうですが、完成までに少々時間がかかりました。
資金不足と1527年の「サッコ・ディ・ローマ」(ローマの略奪)のためです。

私たちも世界史で習いましたよね~
ローマの略奪は、1527年5月、神聖ローマ帝国のカール5世の軍勢がイタリアに侵攻し、法王領のローマで殺戮、破壊、強奪、強姦などを行った事件のことです。
美しかったローマの街は廃墟と化したのですよ~
今でも、ラファエロのフレスコ画で有名なファルネジーナ荘の2階のフレスコ画に当時の落書きが残っています。

陸続きのヨーロッパって大変ですね。
島国の私たち日本人は、一度も外国からの侵入を受けたことがありませんもの。
蒙古襲来の時も神風(?)が吹きましたしね。

設計はジャコモ・デラ・ポルタ。
そして、ドメニコ・フォンターナが完成させました。
日本では美術愛好家にしか知られていない名前かもしれませんが、
両人ともバロック時代の有名な芸術家です。






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中央祭壇
先入観かなぁ・・
どことなくフランスっぽいと感じるのは・・(笑)

教会内部は三廊式で左右に5つの礼拝堂を配しています。
ここには、フランス出身の高位聖職者や有名人が埋葬されていますが、
日本人にはほとんどなじみがない名前・・






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「コンタレッリ礼拝堂」
この教会の一番の目玉です♪
なんといっても、カラヴァッジョ初期の作品が3つも飾られているのですから♪

中央祭壇に向かって左側5番目(一番奥)にあります。

カラヴァッジョに制作を依頼したのはフランス人の枢機卿、マテオ・コンタレッリ(フランス語ではマテュー・コンテレー)。自分の名前でもある聖マテオ(聖マタイ)の故事を題材にした絵画を描くように注文したのです。
当時の評論家からは、「ジョルジョーネの真似事だ!」と痛烈に批判されましたが、
公開された作品は大評判となって、一目見ようとローマ市民が教会に殺到したそうです。

しかしながら、光と影によってより鮮やかになる明暗、ドラマチックな画面構成、人々の表情や衣装が聖書の世界ではなく、彼らが生きていた時代の風俗そのままに描かれていることは、画期的なことであり、宗教をより身近に感じる効果を与えたとも言えるでしょう。
カラヴァッジョの公式デビューの作品群は、そういう意味で非常に重要なものなのです。






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「聖マタイの召命」(1600年)

この作品の主題は、収税所で働いていたマタイのもとに、イエス・キリストが聖ペテロと一緒に現れて声をかける。そして、マタイがイエスの呼びかけに応じてついて行ったという、「マタイの召命」の逸話を描いたものです。

指をさすイエス・キリストの手が、ミケランジェロ作、システィーナ礼拝堂の天井画「天地創造」の中の「アダムの創造」を思い起こさせます。当然、影響を受けたのでしょうね・・

研究者の間では、どれが聖マタイなのか、今でも絵の解釈が分かれているようですが、左端の、うつむいてお金を数えている若者だというのが、日本では一般的です。
しかし、イタリアではそう考える人は少数派です。
いや、むしろほとんどいないのでは?

日本での解釈・・
絵の中で、マタイ(若者)はキリストに気づいてないようにも見えますが、
次の瞬間、使命に目覚めて立ち上がり、あっけに取られた仲間を背に颯爽と立ち去る、
そのクライマックス寸前の様子を描いていると解釈されています。

他の作品もそうですが、この作品では特に、光と影の大きなコントラストが魅力的です。
窓から射し込む光に照らし出された人物が立体的に浮かび、奥行きが生まれます。
いつまでもじっと見つめていたい作品です。






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「 聖マタイと天使」(1602年)

礼拝堂の中央祭壇画として描かれたものです。
最初に描いた絵は少々品がなかったそうで気に入らず、描き直した2枚目の絵です。
1枚目の絵は、ベルリンのプロイセン王室のコレクションとなっていましたが、第2次世界大戦中の空襲によって焼失してしまいました。
   
天使が口述し、聖マタイが福音書を書いている様子です。
暗闇に照らし出されるマタイの姿と天使の渦巻くような衣服が、
まるで本当にそこにいるかのようなリアリティを演出しています。






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「聖マタイの殉教」(1600年)
「聖マタイの召命」と対面する壁にあります。

恐怖にあふれるドラマチックなシーンです。
カラヴァッジョは、この絵を描くにあたって相当苦労したようです。
リアルに教会の中での殺人を描いています(実際は違います)。
ここでも光と影、鮮やかな色彩で、パニック状態の現場をより効果的に表現しています。
この絵でマタイ襲っている暴漢の左後ろに小さく見えるヒゲ面の男性、
これは、カラヴァッジョの自画像ですね。
   

この3部作を見るために、是非とも訪れたい教会です。


La Chiesa di San Luigi dei Francesi
(サン・ルイジ・デイ・フランチェージ教会)
Via Givannna d’Arco 5

朝は12時半まで。
午後は16時半から。
木曜日の午後がお休みです。



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by mayumi-roma | 2011-02-03 22:15 | ローマの美術散歩
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ERMAFRODITO DORMIENTE
眠るエルマフロディート(両性具有神)

こちらの彫刻、なんとなく心惹かれました。
この、眠る姿が美しすぎるほど美しいなって!
男であり女であるからこそ、より美しいのでしょうか!?

紀元前2世紀の古代ギリシャの作品を紀元2世紀に制作したものです。
オペラ座辺りの遺跡から発掘されたそうです。

ちなみに、両性具有者を意味するERMAFRODITO(エルマフロディート)、語源はギリシャ神話です。ギリシャ神話のエルメス(軍神)とアフロディーテ(美の女神)、この2人の子どもの名前です。
美しくたくましかった軍神と美の女神、その2つを兼ね備えた人間って・・!
神話の中では存在したのです・・

(追記訂正)エルメスを軍神と書きましたが、旅の守護神の間違いでした。
        ごめんなさい。






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さて、こちらが、この博物館の入り口と中庭です♪







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1階は彫刻のフロアーとなっています。
廊下を通りながら横にある展示ルームを見て回ります。







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Cesare Ottaviano Augusto
ローマ帝国初代皇帝・アウグスティヌスの像。
ご存知、シーザーの養子であったオクタビアヌスです。
ローマ時代の神官の衣装を身にまとった姿だと想像されます。
なかなかのイケメンですね♪






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Atleta
円盤投げをする選手の像。
大理石の彫刻ですが、筋肉の表現に注目!!

これは、紀元前5世紀の古代ギリシャの有名な彫刻家、Mironeの作品を、紀元140年にローマの彫刻家が模倣して制作したものです。

古代ローマは、古代ギリシャの芸術品を模倣することから始めたのです。
私は、そういう理由で、ここに住む前には古代ローマの芸術にはあまり興味が持てなかったのですが、今では古代ローマ時代の卓越した建築技術(古代ギリシャにはなかったもの)等、素晴らしい古代ローマの芸術を認めています。←偉そう~~(笑)

この次のお部屋に、冒頭の「エルマフロディート」の彫刻があります。
ちらっと覗いていますね。







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2階は、古代ローマ時代のフレスコ画とモザイク(床)の展示フロアーになっています♪

写真は、ローマ郊外のVilla Livia(リヴィアの別荘)のフレスコ画です。
半地下に作られた夏用の避暑ルームだったそうです。
家の壁をこんな壁画で飾れた素敵ですね。
家具は置けなくなるけど・・






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床のモザイクは、たくさんありすぎるので、コラージュで何点かお見せします。
幾何学模様から繊細な風景、人物まで表わしたモザイク技術・・
こんな床だったら散らかしたくなくなりますね・・(笑)






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地下1階は、古代ローマ時代のコインや、宝石などが展示されています。

写真は、左上下が金のアクセサリー。
右上がキッチン用品。
右下が鏡になります。

なんだか現代とそう変わらないような感じ・・
キッチン用品、可愛い♪
今でも使えそうです・・
もちろん、アクセサリーや鏡も!







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ローマ郊外、Grottarossa(グロッタロッサ)から出土した8歳の女の子のミイラ。

写真、左上が棺(ひつぎ)。
右下が女の子のミイラ。
他の写真は、棺(ひつぎ)の中に一緒に収められていた金のアクセサリーと琥珀で作られた可愛らしい小物です。
まるでおままごとのお道具のようですが、琥珀で精巧に作られている・・
もしかしたら、死後も困らないようにミニチュアのキッチン用品だったのかもしれませんね。
でも、8歳という年齢を考えると、なんとなく、おままごとのお道具のような気が・・
なんだか彼女を失った親の嘆きを感じられました。



古代ローマの博物館は、ここの他にも3つあります。
どこも素晴らしいコレクションがたくさんですが、ローマは見所がいっぱいなので、とてもここまでは手が回らないという方が多いかもしれませんね。




ローマ国立博物館
Palazzo Massimo
(マッシモ宮)
入場料:7ユーロ



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by mayumi-roma | 2011-01-22 07:19 | ローマの美術散歩

ローマ在住33年♪永遠の都からお伝えする私(上野真弓)の日々の暮らしや考えること。そして大好きな美術について・・


by mayumi-roma