カテゴリ:ローマの美術散歩( 278 )
Mose By Michelangelo ♪
c0206352_18531046.jpg

ミケランジェロのモーゼ像、全体図。
下段中央が、モーゼ。
その左右に旧約聖書の登場人物ラクエルとリア。
モーゼの上には、法王ユリウス2世。
その後ろには幼子イエスを抱える聖母像。
上段左に巫女、右に預言者が配置されています。


ローマ法王のユリウス2世は、生前に自分のお墓の壮大な計画を立て、それをミケランジェロの作になる44対の彫刻で飾るつもりでしたが、この計画は種々のことに妨げられて、計画が変更され縮小され、現在では最初に作られた「モーゼ像」だけが残っています。

もちろん、ユリウス2世は、このお墓をヴァチカンのサン・ピエトロ寺院内に作るつもりで、制作はヴァチカンのサン・ピエトロ寺院の中で行われていたのです。
最終的に、この「サン・ピエトロ・イン・ヴィンコリ教会」に収められたのは、ユリウス2世が法王となる前に、この教会の枢機卿だったからです。

ちなみに、この大計画のためにミケランジェロが作った幾体かの「奴隷像」が、フィレンツェのアカデミア美術館やパリのルーブル美術館に残っています。




c0206352_1971410.jpg

モーゼ像と左右の女性像

モーゼがシナイ山で神から受け取った「十戒」を手に山を降りようとするところを表したものです。
そのため、写真では見えにくいですけど、向かって右側の足は親指を地面につけているだけで、今にも立ち上がろうとしているところだそうです。

モーゼの左右には、同じ旧約聖書の中に登場するラクエルとリア姉妹です。
向かって左がラクエル、美しくはないけれど子どもを生める女。
右がリア、美しいけれど子どもが生めない女。
父親の命令で、二人とも同時に同じ男性に嫁ぎました(一夫多妻が認められていたそうです)。
なんだか、ひどい話ですね。
旧約聖書って、けっこうひどい話が多いですよね。
教訓を与えたかったんでしょうけど・・




c0206352_1923231.jpg

「モーゼ像」をもう少しズームで。




c0206352_19242483.jpg

今度は、全体像をななめから。

この作品にミケランジェロが取りかかったのは、30歳の頃でした。
当時は、あの有名なヴァチカンのシスティーナ礼拝堂の天井画「天地創造」も、同じくユリウス2世の依頼により同時作成中でした。

大理石の産地で有名なカッラーラから、ミケランジェロが注文した大理石が次々に届き、法王はなかなか支払ってくれなかったので、ミケランジェロはとりあえず自分の懐から支払いをしなければならず、何度も怒ってフィレンツェに帰ったそうです。




c0206352_1926225.jpg

モーゼをズーム!

このモーゼ像のことをミケランジェロは、「Tragedia della mia vita」(わが人生の悲劇)と呼んでいましたが、これが完成した時には、実に70歳になっていたのです。
ミケランジェロは、この像のために40年間も翻弄され続けたわけです。





c0206352_19271565.jpg

さらにズーム!

翻弄され続けたのは、計画の変更が多かったことと支払いが悪かったこと。
そして、法王の死後の問題もありました。
もちろん、システィーナ礼拝堂でのフレスコ画の同時進行はきつかったことでしょう!
天井画「天地創造」があまりにも素晴らしく、大変な評判を取ったため、ユリウス2世の次の法王にも、今度は祭壇画「最後の審判」を描いて欲しいという依頼があったからです。
その代わり、モーゼ像の支払いはきちんとするからという約束も取りつけたようです。





c0206352_1927503.jpg

モーゼの顔をアップで!

このモーゼには頭に2つのツノがあります。
この解釈には色々と説がありますが、
シナイ山で神から「十戒」を受け取って山を降りる時に、モーゼの額に現れた2つの光を表したものであるとの見方が強いです。
よくキリストの頭に後光が射しているのと同じことなのですが、当時は、イエスだけが光に満ち溢れた顔を持つことを許されていたそうで、それで、こういう形での表現になったようです。

また、視線の鋭さは、ミケランジェロそのものであると言われています。
誇り高く、何事にも厳しかった彼の性格そのものが映し出されているそうです。





c0206352_19282655.jpg

「ユリウス2世」
近年まで、この像は、ミケランジェロのお弟子さんが制作したことになっていますが、最近の修復作業の結果、ミケランジェロの作品であることが判明しました。
死の眠りを表す閉じられた瞳。
眉間に浮かぶ皺。
驚異的な表現力だと言われていますが、この写真からは、それをお伝え出来ないのが残念です。

ユリウス2世は、ヴァチカン・システィーナ礼拝堂の天井画「天地創造」をミケランジェロに描かせていますが、ラファエッロにもフレスコ画を描かせています。
現在、ヴァチカン美術館にある「ラファエッロの間」の作品です。

そう考えると、今日、後世に残る名作の数々を私たちが見ることが出来るのも、この法王のおかげかもしれませんね。





c0206352_2082194.jpg

最後に、このモーゼ像が完成した時のミケランジェロの言葉♪

「Perche non parli?」(何故、喋らないんだ?)と叫んだそうです。

自分で彫り上げたとはいえ、そのあまりのリアリズムに我を忘れたらしいですよ・・




2つのランキングに参加しています♪
ご面倒でしょうが、2つともクリックして頂けると嬉しいです♪
よろしくお願いします♪

にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ
にほんブログ村

人気ブログランキングへ
by mayumi-roma | 2010-04-14 20:15 | ローマの美術散歩
サン・ピエトロ・イン・ヴィンコリ教会♪
c0206352_19513596.jpg

S.Pietro in Vincoli(サン・ピエトロ・イン・ヴィンコリ)教会

この教会は、聖ピエトロ(ペテロ)がパレスティナとローマで捕らわれた時の鎖を祀るために5世紀に建てられ、その後15世紀に再建されたものです。

また、この教会を多くの人が訪れるのは、ミケランジェロの「モーゼ像」があるからです。





c0206352_19522443.jpg

VIA S.FARNCESCO DI PAOLA(サン・フランチェスコ・ディ・パオラ通り)

テルミニ駅からカヴール通りを約1キロ程の距離、
ちょうど、ホテル・パラティーノの向かい側のところに、この階段状になった道があって、それを上って行くと、教会に出ます。





c0206352_19573872.jpg

驚くほどシンプルな内装・・
何もない感じです・・
それだけに、ドーリア式の白い大理石の柱列の美しさがより浮き彫りにされています。





c0206352_19584090.jpg

主祭壇の前で何やらコンサートを始めるようです。
教会の売店の人に聞いても「知らない」と答えられました・・





c0206352_2012018.jpg

主祭壇♪
奥に「聖ペテロの鎖」が祀られているのが見えます。





c0206352_2025215.jpg

「聖ペテロの鎖」をズームで♪

キリスト教徒にとっては、ローマはやはり聖なる都市でしょうね。
聖書に書かれてある通りの過去の遺物が色々な教会に散らばっており、さらに、有名な芸術品で飾られているのですから・・
驚きと感動の連続かもしれません。





c0206352_20616.jpg

祭壇の後ろには、1577年にJacopo Coppi(ヤコポ・コッピ)によって描かれた「聖ペトロの解放」のフレスコ画があります。
1513年に、全く同じタイトルでほぼ同じフレスコ画がラファエロによって描かれていますから、これはレプリカかもしれませんね。
ちなみにラファエロの作品は、ヴァチカン博物館の「ラファエロの間」に収蔵されています。





c0206352_2014103.jpg

ミケランジェロ作の「モーゼ像」
主祭壇に向かって右側の回廊にあります。
これについては、また、別エントリーで詳しく述べたいと思います。





c0206352_20222082.jpg

聖セバスチャーノのモザイク画
主祭壇に向かって左側の回廊にあります。

このモザイク画は典型的なビザンチンスタイル。
7世紀のものだそうです。
もともとは、サン・ジョヴァンニのスカラ・サンタにあったものだそうです。
7世紀はペストが大流行した年ですので、皮膚病を直せる力を持った、この聖人に感謝をこめて作ったとされています。


ローマに暮らし始めた頃は、お気楽な学生だったので、午前中の授業が終わった後は、毎日、ローマの街を歩いていました。

久しぶりに、こうやってまたローマの街を散策するのもいいものですね。
あらためて、ここローマの、芸術作品に出会える環境は素晴らしいことに気づかされます・・




2つのランキングに参加しています♪
ご面倒でしょうが、2つともクリックして頂けると嬉しいです♪
よろしくお願いします♪

にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ
にほんブログ村

人気ブログランキングへ
by mayumi-roma | 2010-04-13 20:35 | ローマの美術散歩
小さな宝石、サンタ・プラッセデ教会♪
c0206352_410324.jpg

サンタマリア・マッジョーレ教会


ローマの四大教会と言えば・・
サンピエトロ寺院
サンジョヴァンニ・イン・ラテラーノ教会
サンパオロ・フオリ・レ・ムーラ教会
そして、こちらのサンタマリア・マッジョーレ教会です。

この4つの大聖堂の中はヴァチカン市国内と見なされて、治外法権が認められています。

サンタマリア・マッジョーレ教会は、別名「雪のサンタマリア」と言われますが、これは、昔、真夏に雪が降るという奇跡が起こった場所にこの教会を建てたからだそうです。
今でも、8月15日にはわざわざ雪を運んできてその様子を再現しますが、私はその時期いつも日本にいるので、残念ながら、その様子を見たことはありません。

さて、私が紹介したいのは、この教会ではありません。
もちろん、見所の豊富な素晴らしい教会ですが、私がお勧めしたいのは、この教会の正面から教会を背にして右端にあるプラッセデ通りを100メートルほど歩いた先にある小さな教会です。





c0206352_4253284.jpg

サンタ・プラッセデ教会の入り口





c0206352_427049.jpg

小さな教会ですが、とても古い教会で、祭壇の後ろのモザイクも周りのフレスコ画もたいそう古いものが、とてもいい状態で残っています。





c0206352_4283050.jpg

中でも、一番の見所は、左側にある礼拝堂(Cappella di S.Zenone)です。
ローマでピカ一の美しさを誇る9世紀のモザイクで飾られています。
こちらが、その入り口です。





c0206352_4305996.jpg

天井部分のモザイク画。
コンデジで撮影しているため、その美しさを再現出来ないのがとても残念です。





c0206352_436243.jpg


c0206352_4363088.jpg


天井だけでなく、側面も全部モザイク画で覆われていますが、その色と言い、完璧さと言い、まるで宝石のような美しさなんです♪
通常は暗い礼拝堂内部ですが、50セント入れると数分間、照明が灯ります。

もし、ローマで美しいモザイク画を見たければ、こちらの教会に足を運ぶことをお勧めします♪
一見の価値があります♪





c0206352_4402447.jpg

そして、同じ礼拝堂内には、キリストにまつわる聖なるものも・・♪
こちらの石です♪

キリストが裁判にかけられ死刑判決を受ける前に、拷問のように鞭打たれたのですが、その際にキリストが縛り付けられていた石柱の一部です。

キリストにまつわる話は、奇跡は別にしても(信者さんでなければにわかには信じられないでしょうし)、実際にあった史実なので、私は本物だと思います。



ちなみに、この近くでお茶が飲みたければ・・
カフェはたくさんありますが、難しいですね・・
観光客相手のとこばかりでお値段が高く設定されています・・
その中で、お値段はともかく、一番まともだと思えるカフェはこちらです。


c0206352_511531.jpg

ANTICO CAFE SANTAMARIA(アンティコ・カフェ・サンタマリア)
ちょうど、サンタマリア・マッジョーレ教会の正面広場の向かい側にあります。





c0206352_53349.jpg

ドルチェは全て手作りなので美味しかったです♪
立ち飲みだったらそんなに高くないけれど・・
歩き疲れたら、ゆっくり座ってお茶にしたいですよね。





c0206352_562240.jpg

私が頂いたのは、アメリカンコーヒー♪
イタリアでは邪道でしょうが、時々飲みたくなるんです♪
お茶という気分でもなかったし・・

そして、アラゴスタ(伊勢海老)というドルチェ♪
ちょうど、伊勢海老の殻のような形をしているので、この名前がついているんです♪
パリパリの表面の中にはクリーム・シャンティリー♪
美味しいんですけど、巨大すぎて、食べるのに苦労しました。

座って頂くと、チェントロのお洒落なカフェと同じようなお値段になりました。
ちなみに、アメリカン5ユーロ、ドルチェ6ユーロでした・・

でも、この界隈はどこに行っても観光客料金ですから、どうせ同じ料金を支払うなら、ここに来るのがいいと思います♪




2つのブログランキングに参加しています♪
ご面倒でしょうが、2つともクリックして頂けると嬉しいです♪
よろしくお願いします♪

にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ
にほんブログ村

人気ブログランキングへ
by mayumi-roma | 2010-03-10 05:22 | ローマの美術散歩
アウグスティヌス帝のアラ・パチス
c0206352_641751.jpg
 
杉の木に囲まれたアウグスティヌス(アウグストゥス)帝のお墓
ローマの街のど真ん中にありますが、ローマを訪れた方、この近くを通ったことがあるでしょうか?スペイン広場からも近いコルソ通りをちょっと入ったところに位置しています。
今では入ることは出来ませんが、内部はかなりの広さで、昔は、この中でピアノコンサートが行われていたそうです。夫は行ったことがあると言ってました・・





c0206352_6401238.jpg

アラ・パチス(アウグスティヌス帝の平和の祭壇)博物館
上記のお墓のテヴェレ河寄りにあります。
写真右端にお墓を囲む杉の木が見えているでしょう!?

この博物館は、排気ガスや湿気等で痛んでしまった祭壇を守るためにローマ市が一大プロジェクトで建設したもので、Richard Meier という有名なアメリカ人の建築家の設計で進められました。
最初、そのモダンな建築には賛否両論ありましたが、今では大方のローマっ子はポジティブに捉えています。





c0206352_6513354.jpg

博物館を入ったところ。
奥に見えるのが、アラ・パチス(アウグスティヌス帝の平和の祭壇)です。
ガラス張りなので、中は非常に明るく、ガラス越しに入る光が時間の移ろいと共に、面白い模様を遺跡に映し出します。





c0206352_652248.jpg

入ってすぐの左手にあるアウグスティヌス帝の彫像

アウグスティヌス帝・・
元の名をオクタヴィアヌス・・
そうです、シーザーの養子だったオクタヴィアヌスです。
シーザーの仇討ちを果たした彼は、その人望と実力からローマ帝国の初代皇帝となったのでした。





c0206352_7123216.jpg

アラ・パチスを正面左側から見たところ。

アウグスティヌス帝が属州ガリアから凱旋して帰還したことを記念して、この平和の祭壇が建てられました。紀元前13年のことです。建てられた当初はもうちょっと下流のテヴェレ河沿いにあり、数度に渡る河の氾濫などによって、地中に埋もれ始め、いつの間にか人々にその存在を忘れられてしまったそうです。





c0206352_7104939.jpg

ガラス越しにお隣のお墓を見たところ。
光と影のモチーフが面白い・・





c0206352_7143627.jpg

祭壇は、このように彫刻のレリーフで飾られています。
長い間、完全に土中に埋まっていたせいもあって、ところどころ喪失した部分もあります。





c0206352_7175273.jpg

アラ・パチスを正面右側から見たところ。





c0206352_7232573.jpg

アラ・パチスの建物の右手には、アウグスティヌス帝のお墓がありますが、左手はルンゴテヴェレというテヴェレ河に沿った道路に面しています。

この博物館、とても開放感を感じる作りになっています♪
お天気の良い日に行ったので、太陽が織り成す光と影のお遊びが面白い効果を出していました。

最初に写真を撮った時には、遺跡に写る、この光と影の縞模様がいやだな・・と思ったのですが、中にいる間に、これこそが、建築家の狙いだったんだという気がしてきて、いつの間にか好きになっていました♪






c0206352_7262295.jpg

博物館を外側の下手から見たところ。
このあたりは、ファシズムの時代にムッソリーニによって建てられた巨大で威圧的な現代建築が多いところなので、ある意味、この博物館がオアシス的存在になっています・・





c0206352_748445.jpg

ちなみに、こちらが、ファシズム時代の典型的な建築です。





c0206352_7533524.jpg

こちらも。

いずれも、世にも醜悪な建物だと言われています。
ローマの近代的な街、EUR(エウル)はこのような建物であふれています。




Museo dell’ Ara Pacis(アラ・パチス博物館)
Lungotevere in Augusta

開館時間:火曜日から日曜日9時から19時まで
休館日:毎週月曜日、1月1日、5月1日、12月25日、
     ただし、12月24日と31日は9時から14時まで

入場料金:6.50ユーロ



2つのブログランキングに参加しています♪
ご面倒でしょうが、2つともクリックして頂けると嬉しいです♪
よろしくお願いします♪

にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ
にほんブログ村

人気ブログランキングへ
by mayumi-roma | 2010-03-05 08:00 | ローマの美術散歩
この世で最も美しい彫刻♪
c0206352_4275699.jpg

「Apollo & Dafne」(アポロとダフネ)
ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ作
ローマ・ボルゲーゼ美術館

これが、私がこの世で一番美しいと思う彫刻です。

メタモルフォシス(何かが他の何かに変わること)を、これほど美しく哀しく詩的に表現した彫刻は他にないと断言できます。

恋焦がれるアポロが逃げるダフネを追い詰めて、まさにその手で触れようとした瞬間に、月桂樹に変わり始めるダフネ・・
窮地を救われたダフネ・・
永遠にダフネを失ったアポロの落胆と驚き・・

私がベルニーニを敬愛する理由はここにあります。
卓越した表現力・・
一瞬を永遠に置き換える力とでもいいましょうか!?
メタモルフォシスの瞬間をここまで見事に表現出来るなんて・・
神が降りてきた・・としか言えません。


「アポロとダフネ」の物語は、ギリシャ神話のエピソードの一つです。
ダフネは、河の神様の娘でした。
恋も知らず、狩りの処女神・アルテミスにつかえて、鹿を追っては野山を駆けめぐる日々。
ボーイッシュな彼女は魅力的でたくさんの男性が言い寄りましたが、ダフネは見向きもしませんでした。

ある日、愛の女神・アフロディーテの息子・エロス(キューピッド)がいたずらをしてしまうのです。(ちなみに、アフロディーテとアポロはともにゼウスの子ども。異母姉弟です)
アポロには「人が好きで好きでたまらなくなる矢」、ダフネには「ただもう人が嫌いになる矢」を、心臓めがけて射抜いたのです。

アポロは急に人恋しくなって地上に降りてウロウロしている内にダフネに一目惚れし、その反対にダフネはますます一人を好むようになり人を避けていました。

胸の中の激しい思いを告げるアポロ。
びっくりして逃げるダフネ。
拒まれれば、ますます募るのが愛の常・・
執拗に追い掛け回すアポロ。

野山を駆け巡ることに慣れているとはいえ、ダフネが神様であるアポロにかなうわけもなく、ようやく父親のいる河まで辿り着いた彼女は、息も絶え絶え、父親に頼むのです。

「お父様、あなたの娘ダフネは、逞しいお方に追われています。このままでは清い少女ではいれなくなります。どうか、私を、処女を守る狩りの女神・アルテミスにつかえる、清い少女のまま、死なせてください」

父親は、愛しい娘の願いを聞き届けました。
ようやく追いついたアポロが、ダフネに触れようとした時、ダフネの手は木の枝に変わり、指先からは細長い葉が出てきました。ダフネは月桂樹に変わったのです。

永遠にダフネを失ったアポロは、それでも彼女を忘れることが出来ず、「アポロの木」と名づけたのです。

香り高い月桂樹は、ダフネの美しい香りだったのですね・・



Galleria Borghese(ボルゲーゼ美術館)
Piazzale del Museo Borghese 5
00197 Roma

予約専用電話 06-32810
www.ticketeria.it

休館日:毎週月曜日、1月1日、12月25日
開館時間:09:30~19:00


2つのブログランキングに参加しています♪
ご面倒でしょうが、2つともクリックして頂けると嬉しいです♪
よろしくお願いします♪

にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ
にほんブログ村

人気ブログランキングへ
by mayumi-roma | 2010-02-24 04:41 | ローマの美術散歩
天使対決♪ローマVSフィレンツェ・・

c0206352_075349.jpg

ヴァチカン、サンピエトロ寺院で見つけた「ライオンの上の天使」

ヴァチカンでこの彫刻を見た時、けっこうビックリして、天使とライオンの組み合わせがとても意外だったんですけど~
この天使くんがやけに官能的で投げやり風で、宗教色薄いな~とも思いました♪
ライオンもあっち向いてるから、休息の時なのかしら!?





c0206352_010654.jpg

こちらが、フィレンツェのサンタ・クローチェ教会にあった「ライオンの上の天使」

「ええ~っ!ここにもライオンと天使がある~!」と正直、ビックリしました。
でも、天使くんが全然違う!!
ライオンも天使も挑むような表情で自信に満ち溢れている感じ!



私は、ヴァチカンののどかな雰囲気の天使のほうが好きかな~
フィレンツェの天使に目を見つめられたら、ちょっと怖い・・
あっちの世界に連れて行かれそうで・・



イタリアは、教会の数も多いけど、天使の彫刻も至る所にあって・・
天使フェチの私としては、大好きな天使くん、それも色々な顔の天使くんを発見できるから楽しい~♪





ブログ村のランキングに参加しています♪
応援クリックをよろしくお願いします♪
ここの下をポチッとね♪
にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ
にほんブログ村
by mayumi-roma | 2010-02-01 00:43 | ローマの美術散歩
1枚の絵・・
これまでに自分の目で見てきた数々の芸術作品の中で、一番好きな絵を選ぶとしたら、私は何を選ぶのだろう!?

私が、大学の卒業論文に選んだのは、ノルウエーの画家「エドヴァルド・ムンク」だった。
高校生の頃から、彼の表現する精神性みたいなものに惹かれていた・・

どちらかというと、中世、ルネッサンス、古典的な作品よりも、いわゆる「世紀末」と呼ばれる、19世紀後半からシュールレアリズムに至る絵画が好みだった。

イタリアの芸術作品には何故か心惹かれなかった・・
唯一の例外として、レオナルド・ダ・ヴィンチのことは「芸術家、科学者」として崇拝していた。
やはり高校生の頃に彼に関する文献を読んでいて、それは今もローマの自宅にある。

イギリスで、ターナーとウィリアム・ブレイク、そしてラッファエル前派と出会い、
ウィーンでクリムトと出会い、
ローマでカラヴァッジョに出会い、

私が衝撃を受けた芸術家は数知れない・・

そんな中で、ローマのボルゲーゼ美術館で見たラッファエッロの「一角獣を抱く貴婦人」は、その絵を見ただけで、妄想の世界に入ることが出来た。
その1枚の絵から、何か物語が一つ書けるような気がした・・


c0206352_5323415.jpg

            「一角獣を抱く貴婦人」(1506)ラッファエッロ作 
            ローマ、ボルゲーゼ美術館収蔵





傾倒していたレオナルド・ダ・ヴィンチ・・
ロンドンのナショナルギャラリー、パリのルーブル美術館、そして、ミラノでもフィレンツェでも、多くの作品を見てきたが、「モナリザ」より「最後の晩餐」より、その美しさと崇高さに惹きこまれたのは、フィレンツェのウフィツィ美術館の「受胎告知」だった。そして、その素晴らしい構図と表情の繊細さに言葉にし難い感動を受けたのが、ロンドンのナショナルギャラリーの「聖アンナと聖母子と幼児聖ヨハネ」だった・・


しかし、私がとっておきの1枚を選ぶとしたら・・
迷うことなく選びたい。




c0206352_5232722.jpg

            「白テンを抱く貴婦人」(1485~90)レオナルド・ダ・ヴィンチ作、
            ポーランド、チャルトリスキー美術館収蔵


この美しい絵を見た時、私は「奇跡」だと思った・・
その場からしばらく離れることが出来なかった・・
何度も何度も、角度を変えて、あるいは至近距離から遠方からと、様々な見方をした・・
目の中にこの絵を焼き付けておきたかった・・
そして、この絵を見ることが出来たことに心からの感謝と幸福を感じた・・

もうずいぶん昔、10年くらい前だろうか?
この絵がポーランドから貸し出され、ローマのクィリナーレ宮殿に展示されたことがあったのだ。
たった1枚の絵を見るためにチケットを買った。
しかも、寒い冬空の下、チケットを買うのに3時間くらい並んだ。
しかし、その価値はあった。

このように、上品で優雅な美しい絵に、これまで私は出会ったことがない・・


にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ
にほんブログ村
by mayumi-roma | 2010-01-21 06:08 | ローマの美術散歩
たまには・・

クリスマスから年末年始にかけて、芸術の香りが漂うような記事を全然UPしてなかったので、パリに発つ前にローマの教会を一つご紹介します♪


c0206352_6211469.jpg

ローマ唯一のゴシック教会
サンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会
パンテオンの南隣にあります。




c0206352_624450.jpg

教会の前には、ベルニーニの象さんの彫刻が・・
象さんの上には、もうローマではおなじみのオベリスクが・・




c0206352_6262114.jpg

教会の内部
ローマには教会がたくさんありますが、中に入るとそれぞれ違ったムードで、はっとします♪




c0206352_6273539.jpg

ミケランジェロ作「十字架を運ぶキリスト」
これは、ミケランジェロの作品ではないと言う人もいますが、一応、ミケランジェロということになっています。




c0206352_6295987.jpg

祭壇には、シエナの聖女「聖カテリーナ」のご遺体が・・


この教会は、古代ローマのミネルヴァ神殿の上に建てられたもので、中庭も素敵です。
また、フラ・アンジェリコのお墓があったり、美しいパイプオルガンもあります。
パンテオンを訪れた後は必見とも言える美しい教会です。


さて、今日の午前のフライトでパリに出発ですが、なんとパリはとても寒いようです♪
最高気温が0度と出ていて、雪になる模様です。
それで、お洋服は大幅に変更して、毛皮を着ていくことにしました。

昨今の動物愛護運動のため、イギリスではもはや毛皮を着ることが出来ませんが、パリはどうでしょうか?
イタリアは全然大丈夫。
ドイツも昨年行った時にはOKでしたが・・
どうしよう!?
パリの街で、動物愛護家につばとか吐きかけられたら・・
考えすぎかしら!?

ホテルには無線LANが入っているとのことなので、一応PCは持っていきます。
自分としては、更新する予定でいますが、ペルージャのようなこともあるからなぁ・・

それでは、みなさん、ごきげんよう♪
行ってまいりま~す♪



ブログ村のランキングに参加しています♪
1日1クリック♪
ここの下をポチッと、応援クリック、お願いします♪
にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ
にほんブログ村
by mayumi-roma | 2010-01-05 06:44 | ローマの美術散歩
「天使と悪魔」の足跡・・パンテオン♪

c0206352_2355406.jpg

ロトンダ広場

パンテオンは、ローマに残る遺跡の中で私が一番好きな建造物です♪
ミケランジェロがこの建物を見て、「天使の設計」と褒め称えたと言いますが、
古代ギリシャの建築にはなかったアーチを取り入れた自由な空間・・
外観の美にばかりとらわれて内部が劣るギリシャ建築に比べて、ローマの素晴らしい造型感覚が集計されたものが、このパンテオンです♪




c0206352_23565140.jpg

正面は華麗さを好むローマ人らしく、コリント式の神殿を模した入り口が張り出しています。




c0206352_00597.jpg

こうやって歩く人と対比させると、いかに大きな建物であるかを実感するでしょう!?




c0206352_022417.jpg

中はまったく自由な空間で、入って正面には祭壇が見えます。




c0206352_034486.jpg

パンテオンのドーム
これを初めて見た時の感動♪
この世にこんな美しい建造物があるのか・・と魅せられてしまいました。

ドームは完全な球形で、内径、天井の高さともに43,4メートル。
頂上の天窓は直径9メートルです。
この天窓から採光しているわけですが、ガラスがあるわけではないので、
雨の日は床が濡れています。

「天使と悪魔」では、悪魔の穴だなんて書かれていますが、
私に言わせれば「天使の窓」です♪




c0206352_0115975.jpg

イタリア王家、ウンベルト1世のお墓




c0206352_0131463.jpg

同じく、ヴィットリオ・エマヌエレ2世のお墓




c0206352_0135616.jpg

そして、これが、ラッファエッロのお墓です♪
ラッファエッロは大変な美形だったんですよ~~
でも、優柔不断な性格から、婚約者のフォルナリーナと結婚することはありませんでした。




c0206352_0162937.jpg

パンテオンを正面斜めから見たところ




c0206352_0175499.jpg

パンテオンを後ろから見たところ




c0206352_0254638.jpg

最後にもう一度、「天使の窓」を♪


パンテオンとは、「すべての神々の神殿」という意味です。
もともとは、紀元前27~25年にアウグスティヌス帝の時代の武将アグリッパが作らせたものを、紀元110~125年にかけて改築したものです。
7世紀の初めにキリスト教会になったため、破損されることもなく、
現代まで完璧な形で残っているのでしょうね。

私は、この近くに来ると必ず、パンテオンだけには入って、「天使の窓」を眺めるのです・・
そうすると、何故か、心が穏やかになるんです・・



ブログ村のランキングに参加しています♪
1日1クリック♪
ここの下をポチッと、応援クリック、お願いします♪
にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ
にほんブログ村
by mayumi-roma | 2009-12-19 00:35 | ローマの美術散歩
クリスマス期間のサンピエトロ寺院♪
c0206352_145143.jpg

サンピエトロ寺院から広場を望んだところ
いかに大きいかが分かります・・


サンピエトロ寺院の内部は、壮大で素晴らしい芸術品の数々で飾られていますが、それらの全てを一度に紹介することは至難の技です・・
写真だけはたくさん撮っていますけどね。
これからチョコチョコと小出しにしていきたいと思います(笑)




c0206352_164224.jpg

聖なる扉
この扉は、50年に1度の聖なる年にしか開きません。
私は2000年の聖年の際に、この扉をくぐりました♪





c0206352_110846.jpg

聖なる扉の裏側(寺院の中から見たところ)
ですから、このように漆喰で固めて扉が開かないようにしてあります。





c0206352_1115494.jpg

ミケランジェロ作「ピエタ」の彫刻
(ガラス越しなのであまり綺麗に撮れていません)
この作品は、1500年、ミケランジェロがわずか25歳の時のものです。
十字架から降ろされたキリストを、マリアが膝の上に抱いて悲しみに沈んでいる場面です。
母親であるマリアが若く美しく表現されているのと対照的に、息子であるはずのキリストが年老いた老人のように表されているのは実に興味深いです・・




c0206352_1202533.jpg

ベルニーニの大天蓋(1633年作)
この天蓋を作るためのブロンズは、ローマ時代の遺跡、パンテオンからはがされたものです。
大天蓋の下は法王の祭壇で、その祭壇の下には、サンピエトロ(聖ペテロ)のお墓があります。





c0206352_1324514.jpg

ミケランジェロ設計のドーム
絵のように見えますが全てモザイクです。
このドームは、構造的に2重になっており、その間に階段がつけられていて、頂上に上がることが出来ます。時間に余裕があって、お天気が良ければ、是非登ってみることをお勧めします。
あ、ドームまではエレベーターで上がれます♪





c0206352_1422175.jpg

一番奥の後陣部分
聖霊の象徴ハトのステンドグラス(エジプトのアラバスター石を使用)、その下に、ブロンズ製のベルニーニ作の巨大な「聖ペテロの椅子」(1656~65年)があります。この椅子の内部には、聖ペテロが実際に使用したという椅子(司教座)が包み込まれているそうです。





c0206352_1542664.jpg

教会内部にある法王、ジョバンニ(ヨハネ)23世のお墓

数多くある祭壇には法王のお墓もありますが、教会の地下が歴代の法王のお墓となっています。「天使と悪魔」で、法王が毒殺されたかどうかを判断するためにお墓をこじあける場面がありましたが、地下墓地という設定だったと思います。もちろん、地下の法王のお墓に行くことも出来ますよ。時間があれば・・ですけどね。





c0206352_265186.jpg

この時期になると、クリスマスミサの準備で寺院の内部には椅子が並べられています。そして、既に様々な宗教的行事が始まっています。
この日も大掛かりなミサが行われていました。





c0206352_28122.jpg

女性は、聖職者じゃないように思えますが・・


ミサが行われている場合、一部見れないものがあるのは致し方ないことです。
たとえば、ブロンズの聖ペテロ像や大天蓋の下の聖ペテロのお墓を望むこともできませんし、ミケランジェロのドームを真下から見上げることも出来ません。
それでも、ほとんどの場所にアクセス可能で写真もOKなのはありがたいことです。
それに、なかなか経験できないサンピエトロ寺院でのミサの雰囲気を味わうのも、いい思い出になるかもしれません・・



ブログ村のランキングに参加しています♪
1日1クリック♪
ここの下をポチッと、応援クリック、お願いします♪
にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ
にほんブログ村
by mayumi-roma | 2009-12-15 02:17 | ローマの美術散歩
  

ローマ在住32年♪永遠の都からお伝えする私(上野真弓)の日々の暮らしや考えること。そして大好きな美術について・・
by mayumi-roma
プロフィールを見る
ブログジャンル
海外生活
50代
ブログパーツ
  • このブログに掲載されている写真・画像・イラストを無断で使用することを禁じます。