カテゴリ:ローマの美術散歩( 300 )

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今日は、夕方5時過ぎにヴェネツィア広場まで行ってきました。
日中暑いので、夕方お出かけしたわけですが、やっぱり異常な暑さ・・・
ふう~~っ!




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ヴェネツィア広場まで来たのは、ヴェネツィア宮殿のそばにあるサン・マルコ大聖堂に行くためです。
ヴェネツィアの守護聖人、福音書家聖マルコに捧げた教会です。
もともと、この地には紀元336年にローマ教皇マルティクス(マルコ)によって建立された教会がありましたが、それを紀元833年に教皇グレゴリウス4世が、立て直しました。
ちなみに、ロマネスク様式の鐘楼は12世紀のものです。
そして、15世紀、ヴェネツィア出身のローマ教皇パウルス2世の時代には、ファサード(正面)の祝福のロッジャ(回廊:2階部分)がルネッサンス様式で加えられ、その際、この教会を在ローマのヴェネツィア共和国国民のための国民教会としました。
現在の姿は、その後のバロック時代に修復されたものです。





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アトリオ、教会の玄関にあたります~
左手の扉が教会の内部へ続く扉です。






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アトリオの右端~
そして、私がわざわざこの教会に来た理由はここにあります~
壁の右下にある大きな墓碑銘です♪
これを観に来たのです。





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これは、ボルジア家出身のローマ教皇アレクサンデル6世の愛人で、フアン、チェーザレ、ルクレツィア、ホフレ・ボルジアの母親であったヴァノッツァ・カタネイの墓碑銘なのです。
この教会に葬られているわけではありません。
以前、ブログの記事でも書きましたが、彼女のお墓は、ポポロ広場のサンタ・マリア・デル・ポポロ教会の中にあったのでした。
それは本物の黄金で作られた豪華絢爛なものでした。
しかし、いつの時点か不明ですが、なくなってしまったのです。
おそらく1527年の「ローマの略奪」の際に黄金を盗まれ破壊されたのでしょう。
遺骨はどこに行ってしまったのかも分かっていません。
墓碑銘だけが、こちらの教会に移されました。
それも、いつのことだかははっきりしていません。
墓碑銘には、次のように書かれています。

D(EO) O(PTIMO) M(AXIMO)
VANNOTIAE CATHANEAE CAESARE VALENTIAE IOANNE GANDIA(E) IAFREDO SCYLLATII ET LUCRETIA FERRARIAE DUCIBUS FILIIS NOBILI PROBITATE INSIGNI RELLIGIONE EXIMIA PARI ET AETATE ET PRUDENTIA OPTIME DE XENODOCHI(O) LATERANEN(SI) MERITAE HYERONIMUS PICUS FIDEICOM(M)ISS(I) PROCUR(ATOR)
EX T(ESTAMEN)TO POS(UIT)
VIX(IT) ANN(OS) LXXVI MEN((SES) IIII DIES XIII OBIIT ANNO M D XVIII XXVI NO(VEMBRIS)

今日は時間がないので、日本語への翻訳は、また後日、このページに追記で記しますので、興味のある方は、来週またこのページを覗いて下さいね。

いずれにしても、この墓碑銘が、ヴァノッツァ・カッタネイとローマ教皇との愛人関係を公的に示す証拠となるわけです。
はっきりと、ファン、チェーザレ、ルクレツィア、コフレ・ボルジアの母親と刻まれてあるわけですから。

「追記です」
ヴァノッツァ・カッタネイの墓碑銘の日本語訳をおおまかに記します。
ラテン語の単語は、イタリア語に近いものもあるので、雰囲気的に意味はつかめるのですが、形容詞や動詞についてはその変化が凄まじく、また文法が難解なこともあって、外国人のわたくしが正確な翻訳というのはおこがましい限りです。
ゆえに、わたくしも雰囲気的には意味が分かるのですが、それをきっちりと正確に訳すことには抵抗があります。
イタリアの学校では5年間の高等学校でラテン語が必須になります。
理系でも文系でも同じです。
学校で習っていても理解するのは難しい言語なのです。
夫も息子も理系の高校でしたが、必須科目のラテン語は難しかったと言っています。
夫にもこの墓碑銘の言葉を見せて解釈を聞きましたが、この文章は文法的にかなり間違っていて、正確なラテン語とは言えず、意味の分からないことが多いとのことです。
ですので、あくまでも私の解釈で大まかな意味だけを記します。
いかなる形でもパクらないでくださいね。←これが一番心配です。

慈悲深い神の名において
ヴァノッツァ・カッタネイに献じる
ヴァレンティーノ公チェーザレ、ガンディア公フアン、スクイッラーチェ公ホフレ、フェッラーラ公妃ルクレツィアの4人の子どもたちを、その高貴な誠実さで育て、
宗教においても同様に、その徳の高さでラテラノ病院に偉大な功績を残す
財務管理官ジェロニモ・ピオが遺言状を執行する
76年と4か月と13日の生涯を生き、1518年11月26日に死す

補足
ヴァノッツァが亡くなる時、すでに三人の息子は全員亡くなっていました。
実業家としても成功していた彼女の財産は途方もないもので、その財産をすべて教会に残したそうです。
ラテラーノ病院は、サン・ジョヴァンニ・イン・ラテラーノ大聖堂とサント・ステファノ・ロトンド教会の間に中世の頃からあった教会経営の古い病院です。
おそらく、財産の一部がそちらの病院に寄付されたのではないでしょうか?





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教会の内部♪





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9世紀のビザンチン様式のモザイク♪




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新古典主義の巨匠カノーヴァ作のレオナルド・ペーサロのお墓♪






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メロッツォ・ダ・フォルリ作の教皇マルティクス(マルコ)の肖像♪

時間がないので、ざっくりと写真だけのご紹介になりました。
ヴェネツィア広場には行っても、なかなかこの教会に入ることはないかもしれませんが、お近くを通ったら、是非、中に入ってみてくださいね。
特に、チェーザレ・ボルジアのファンの方は必見かもしれません。

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by mayumi-roma | 2017-07-15 06:36 | ローマの美術散歩

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夕暮れのトラステヴェレ~♪
ローマの下町トラステヴェレは、トラステヴェレ通りという大通りをはさんで、2つに分かれています。

たいていは、トリルッサ広場やサンタ・マリア・デル・トラステヴェレ広場を中心に歩く方が多いのではないかと思いますが、反対側のトラステヴェレも素敵なんです~

サンタ・チェチリア教会やサン・フランチェスコ・ア・リーパ教会(ベルニーニのルドヴィーカで有名!)もありますし、古い建物や細い路地が何とも風情あります。





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夕暮れ時のサンタ・チェチリア教会♪
もう閉まっているだろうと思っていたら、開いていました。
さすがに訪れる人はほとんどいませんでしたけど。
この教会、好きなんです~
ここに来るだけで、心が洗われるような気分になります。






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独特の清々しさを感じさせる教会です。
それは、教会内部がいつも光があふれる白の世界で、ここにはいつも美しい音楽が流れているからかもしれません。
シスターたちの姿に妙に安らぐ部分もあります。
サンタ・チェチリアは音楽の守護聖人♪






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祭壇の下に飾られたマデルノの傑作「サンタ・チェチリア」♪
1599年に棺を開けたところ、この状態で2世紀の聖女の遺体が残っていたと言いますから、これはもう、まさに奇跡としか言いようがありませんね。
この彫刻は、遺体を忠実に彫ったものだそうです。

教会や彫刻については、過去記事に詳しく書いています。
サンタ・チェチリア教会(1)
この教会の美しい地下聖堂、そして付属の修道院の2階にある見事な13世紀のフレスコ画については次の過去記事に詳しく書いています。
サンタ・チェチリア教会(2)

時間が遅かったので、今回は修道院のフレスコ画を見れなかったけど、また来ようっと♪

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by mayumi-roma | 2017-07-07 06:36 | ローマの美術散歩
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ナヴォーナ広場のそばにあるホテル・ラファエル♪
なんとも風情のある素敵な雰囲気のホテルです。
もちろん、5つ星♪

このホテルは、その昔、クラクシの常宿として有名でした。
クラクシは、私がイタリアに来た頃のイタリア首相。
今は時の流れでなくなってしまった政党、イタリア社会党の党首でもあったけど、やってることは右と変わりなかったような記憶が・・
90年代にイタリアでタンジェントーポリという政界汚職スキャンダルが勃発した時、彼もその中にどっぷりと浸かっていましたので、捜査の対象となって、逮捕を逃れるためチュニジアに亡命して、そのままその地でなくなりました。

このホテルを通り抜けると、大好きな教会に辿りつきます。






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サンタ・マリア・デッラ・パーチェ教会♪
ルネッサンス様式の建築ですが、17世紀に、ピエトロ・ダ・コルトーナ作のファサード(正面)が付け加えられます。
この半円形の玄関がとっても素敵なんです~

この教会とその隣のブラマンテのキオストロは、ブログによく登場しているので、昔から読んでいる方は、またか~と思うかしら?
でも、大好きなんですもの~





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この教会の中には、このブログではお馴染みのラファエッロのフレスコ画「巫女たち」があります。

この教会は昨年までは週に3回の午前中のみの開館でしたが、現在では毎日、午前も午後も開館しています。

教会とフレスコ画についての説明は、過去記事からどうぞ♪←ここをクリック♪






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教会に隣接して、こちらもお馴染みのブラマンテのキオストロ(中庭つき廻廊)があります♪






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ブラマンテのキオストロの2階のカフェへ♪
ここは本当にルネッサンスがそのまま残る素晴らしい空間♪
今日は人がほとんどいませんが~





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4月に来た時は(ブログにはいちいち書いていませんが)、こんな感じで、とても混んでいたのです。
ルネッサンスそのままの空間なのに、WiFiが入っているので便利で~す。





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「シビッラの間」♪
ここも、キオストロ・カフェの一部です。
サロン風だけど、料金は変わりません。
そして、ここからもラファエッロのシビッラを見ることができます。
写真中央奥の窓は、サンタ・マリア・デッラ・パーチェ教会と共有するものなのです。






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こんな感じで見えます~
写真はズームにしていますけど(笑)。






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ここのケーキは、マジで美味しい♪
夫はオレンジケーキとカフェ、私は洋梨入りのチョコレートケーキとジンジャー&レモングラスのお茶を頂きました♪
静寂の中、のんびりとできました~♪

キオストロ・デル・ブラマンテ
Via Arco della Pace 5,
00186 Roma

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by mayumi-roma | 2017-07-01 03:04 | ローマの美術散歩


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8歳で母を亡くし、11歳で父も亡くしたラファエッロが、父から受け継いだウルビーノの工房を切り盛りし始めたのは、17歳の時。
記録に残る初めての作品がこちらです。
油彩画ではなく、テンペラ画です。

ナポリのカポディモンテ美術館にある「全能の父なる神と聖処女マリア」♪
これは、バロンチの祭壇画と呼ばれるもので、現在は、祭壇画の一部、つまり、ここの部分だけが残るのみです。

この祭壇画の契約書には、マギステル(ラテン語で師匠という意味)として17歳のラファエッロの署名が最初にあり、次に父の代から働いていた画家のエヴァンジェリスタ・ダ・ピアン・ディ・メレートの署名もあります。
それゆえ、絵の作者としては、エヴァンジェリスタの名前も入っていますが、おそらく、絵を描く上での彼の役割は少なかったはずです。

この絵には革新的なものはありませんが、そもそもラファエッロは、革新的なものや新奇なものを自ら生み出すタイプの芸術家ではありません。
しかし、この若さで描いた絵とは思えないほどに、描く技術は確かなもので、色彩感覚にも優れています。
このデビュー作で大成功を収めたラファエッロは、あっという間に巨匠への道を進むことになるのです。






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こんな素描もあります。
1514年「焼けつくような茨のしげみの前にたたずむモーゼ」♪
23枚の紙を使って木炭で描いています。
輪郭線には細かな穴があることから、カルトン(原寸大の下絵)として、打ち抜き模様に色粉をふりかけて模写に使われたと考えられます。

ラファエッロは一つの作品を仕上げる前に、何枚も何枚も素描をして準備したことで有名です。

それから100年後のカラヴァッジョは、真逆!
まったく素描しないで、いきなりカンヴァスに描き始めるタイプの画家でした。
これはこれで、驚くべきことではありますが・・

画家の基本として、1に素描、2に素描、3,4はなくて5に素描と言われますから、まぁ、カラヴァッジョがローマ画壇の重鎮から疎まれたのは当たり前ですね。







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1509年から11年頃の作品「アレッサンドロ・ファルネーゼ枢機卿の肖像」。
これも、ラファエッロらしい肖像画ですね~

カポディモンテ美術館には、これらの他にあと2点もラファエロの作品があります。
ミケランジェロのカルトン(原寸大下絵)も2点あります。
さらに、すごい数のティツィアーノやカラッチ、ボッティチェッリ、エル・グレコ、ブリューゲル等、その他のイタリア内外の有名画家の作品が信じられないほど多く展示されています。

ナポリはローマから列車で1時間ちょっと。
カプリ島やアマルフィもいいですが、ナポリ市内の散策もお薦めです♪

カポディモンテ美術館の過去記事はこちらから~

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by mayumi-roma | 2017-06-27 21:13 | ローマの美術散歩


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ローマの下町、トラステヴェレ♪
ずいぶん久しぶりのような気がします。
モザイク教室で週に1回は通っていた頃が懐かし過ぎます~






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トラステヴェレのサンタ・マリア・デッラ・スカラ広場♪
この名称は、もちろん同名の教会の名前が由来しています。

この教会の前を何度も通っていますが、いつも素通りしていました。
何しろ、ローマには星の数ほど教会がありますから。
今回、カラヴァッジョの本の翻訳に当たり、彼の軌跡を検証しようと思わなかったなら、おそらく、この中に入ることはなかったと思います。







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しかし、さすがに、カトリックの本拠地ローマだけあって、マリア信仰が強いですね。
ローマには聖母マリアの奇跡に由来する教会がとても多いのですが、こちらの教会もその一つです。

まさにカラヴァッジョの時代です。
1592年、この場所に聖母マリアのイコン(聖画)のある壁龕があったそうです。
身体障害児を持つ一人の母親が聖画像に熱心に祈ったところ、奇跡が起こって、その子が完治したことから、当時のローマ教皇クレメンス8世が、この地に聖母マリアに捧げる教会を建立することを決めます。

1610年には教会の内部が完成。
そして、1624年に教会のファサード(正面)が完成します。
ファサードはいつも最後になります。

この教会は、当時も今も、カルメル派洗足会の管轄です。






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聖母マリアの聖画を祀った礼拝堂~♪
あら?
手すりの上に何か見えます~





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そう、礼拝堂の手すりの上には、ブロックメモとボールペンが置いてあるのです。
聖母マリアへのお願いを書いて、手すりの内側に投げ入れるのです。
なんだか、ほのぼのとしますね・・
私は、特にお願い事もないので、書きませんでした。
信者でなくても、書いてもいいと思いますよ~






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そして、こちらの礼拝堂が、本来ならカラヴァッジョの祭壇画が飾られる場所でした。
主題は、聖母の死。
もちろん、絵も完成していました。
けれども、その絵は拒否されたのでした。
その経緯は、私が翻訳中のカラヴァッジョの本に書かれています。





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「聖母の死」By カラヴァッジョ♪
画像は、著作権に保護されていないものをインターネットからお借りしました。

現在、パリのルーヴル美術館にあるこの作品は、本当に素晴らしいです。
私は、ナポリのカポ・ディ・モンテ美術館にあるカラヴァッジョの「キリストのむち打ち」と同等レベルの深い感動をもたらす作品だと思っています。
ここには真の意味での深い悲しみが静謐に描かれていると思います。

どうして、この絵が拒否されたのでしょう?
秋に発売される私のカラヴァッジョ翻訳本を読んでのお楽しみです~(笑)






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こちらが、そのあとに描かれて祭壇におさまったカルロ・サラチェーニの「聖母の死」です。
クローズアップしてみました。
これはこれで綺麗な絵ですが、当たり前すぎる万人受けのスタンダートな宗教画です。
でも、この作家は、なかなか上手いとは思いますけど。

もし、カラヴァッジョの傑作がこの教会にあったら・・・
本当に残念です。
私は、絵は美術館で見るより、本来あるべき場所で見てこそのものだと思うので。

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by mayumi-roma | 2017-06-22 05:27 | ローマの美術散歩
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サン・ルカ・アカデミー♪
ファサード(正面)の修復も終わって、ようやくすっきりしました。
サン・ルカ・アカデミーとは、16世紀に設立されたローマの芸術家協会です。
サン・ルカ(聖ルカ)が、聖母マリアの肖像画を初めて描いたと伝えられることから、この聖人が芸術家の守護聖人となっています。
それゆえ、芸術家協会の名称として使われています。
初代の総長は、マニエリスムの大家、フェデリーコ・ズッカリ。





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このアカデミーの最上階は、美術館となっています。
無料で開放されていますが、訪れる人はほとんどいません。
過去から現在に至るまで芸術家たちに寄付を受けた多くの作品を収蔵品として持つアカデミーですが、展示されているのは、そのうちのごくわずかです。

こちらは、彫刻のギャラリー♪
ネオ・クラシック(新古典主義)のカノーヴァやトルヴァルセンの作品が中心になります。
カノーヴァは、このアカデミーの総長も務めました。
ちなみに、終身総長という栄誉を受けています。






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「馬車に乗るアポロン」Byトルヴァルセン♪

トルヴァルセンは、コペンハーゲン出身の新古典主義の彫刻家ですが、その生涯のほとんどをローマで過ごしており、彼も、このアカデミーの総長を1827年から28年まで務めています。
ヴァチカンのサン・ピエトロ大聖堂にも、トルヴァルセン作のローマ教皇ピオ7世のお墓のモニュメントが残っています。

このモニュメントについて過去記事に書いたはずだと思って、リンクを貼るために探してみましたが、書いていなかったのか、探しきれなかったのか、見つかりませんでした。
実は、トルヴァルセンは北ヨーロッパ出身ですのでプロテスタントです。
カトリックの総本山、サンピエトロ大聖堂、しかもその中のローマ教皇のお墓の装飾ですから、カトリック教徒の芸術家がなすべきことで、異教徒(プロテスタントも含む)はご法度。
トルヴァルセンだけがただ一つの例外として有名なので、ブログに書いたと思うのですが、書いていなかったのかな?
これまでローマで訪れた場所、見たもの、写真に撮ったものが膨大過ぎて、追いつかなかったのかもしれません。
ブログにアップするのには時間もかかりますしね。







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左からグエルチーノの「ヴィーナスとキューピッド」、グイード・レーニの「幸運の女神」♪





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グエルチーノの「ヴィーナスとキューピッド」♪
これは、なかなか気に入りました。
この絵は、フレスコ画をはがしたものです。
1632年に、グエルチーノの故郷、チェント(エミリア・ロマーニャ州)の近くにあるフィリッポ・アルドヴランディ伯爵所有のヴィッラ・ジョヴァニーナ(ジョヴァニーナの別邸)に描かたものです。

ギリシャ神話、それを軸にしたローマ神話、さらに英語読みでは、名称が変わるので、なんだかよく分からないと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
ギリシャ神話の愛と美の女神アフロディーテが、ローマ神話ではヴェネレとなり、それが英語読みでヴィーナスとなるのです。
キューピッドも同様に英語読みですが、ローマ神話ではアモールもしくはクピド、ギリシャ神話ではエロスになります。
ヴィーナスの息子です。





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「アンドロメダとペルセウス」Byカヴァリエル・ダルピーノ♪

日本ではあまり知られていないかもしれませんが、ダルピーノは、カラヴァッジョの時代に、アカデミーの総長を三度も務めたほどの当時の巨匠でした。
カラヴァッジョも、そのキャリアの初期には彼の工房で働いています。
秋に発売予定の、私が翻訳中のカラヴァッジョ本にも出てきます~
お楽しみに♪

でも、不思議ですね。
カラヴァッジョは、このアカデミーの正会員にもなることができませんでしたが(ローマ画壇からは、その革新性もあって、認められていませんでした。おそらく、その才能に気づいた画壇の重鎮たちは怖くもあったのでしょう)、当時巨匠とされていて、アカデミーの総長を務めた同時代の多くの画家は、現在ではそれほど評価されているわけではありませんから。
優れた人は、必ず歴史に残るものなのですね。
考えてみたら、モーツアルトも似たようなものですね。






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この部屋には、サン・ルカ・アカデミーの歴代の総長の肖像画が飾られています。
24名分の肖像ですが、アカデミーは500点以上の肖像画を収蔵しています。

学芸員さんがとても親切で、美術館に入ると、「何かお役に立ちましょうか?」と見学者に声をかけてくれるのです。
私は、「大丈夫です。全部わかるので。」と答えたのですが、あとで、この肖像画について質問に行きました。
500点以上収蔵しているというのは、その時に教えてくれました。
正会員にもなれなかったカラヴァッジョの肖像画もあるそうです。
オッタヴィオ・レオーニ(アカデミーの総長にもなりました)の素描をもとに描かれたものだそうです。






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こちらが、三度も総長となったカヴァリエル・ダルピーノ(本名:ジュゼッペ・チェーザリ)の肖像画。
彼が自分で描いた自画像です。

彼は、16世紀から17世紀にかけて、何しろローマにおけるマニエリスムの巨匠とされていたので、ローマ市内、至るところに彼の作品が残っています。
教会だったり、宮殿だったり・・・
ブログでも過去に紹介したところがたくさんありますが、日本ではまったく知られていないので、敢えて、彼の名前は出してないかも・・






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こちらは、皆さまもご存じだと思うジャン・ロレンツォ・ベルニーニの肖像画♪
ジュゼッペ・ゲッツィ作です。
意外と言っては何ですが、ベルニーニもアカデミーの総長をしていたのですね。
彼のお父上、ピエトロ・ベルニーニもまた総長をしています。

とっても小さい美術館なので、トレヴィの泉の近くにいらしたら、是非寄って下さいね。
無料ですし♪




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最後に、皆さまにも幸運が訪れますように、グイード・レーニの「幸運の女神」の絵を贈ります~

Accademia di San Luca
Piazza Accademia di San Luca 77
トレヴィの泉の近くです。

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by mayumi-roma | 2017-06-21 05:29 | ローマの美術散歩
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国立古典絵画館となっているバルベリーニ宮殿♪
今日は、この美術館ではなく、この裏の庭園の奥にあるもう一つ別の建物の地下にあるミトラ教の寺院を見学してきました。

このミトラ教の寺院の遺跡を見るのが、長年の目標だったのです。
一般公開されていないので、ずっとずっと会員となっている「地下遺跡の会」が、ここの見学をオーガナイズしてくれる日を待っていました♪
ついに♪
この日が訪れました♪






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バルベリーニ宮殿の真ん中をくぐって裏の庭園に向かう通路♪
この通り道ももちろんバルベリーニ家と縁が深いバロックの巨匠ベルニーニの設計です。





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こちらの建物は、20世紀初頭にバルベリーニ家から庭園を買い取ったフリウリ・ヴェネツィア地方の貴族、サヴォルニャン・デ・ブラッツァ家が建てたものです。
その後、ムッソリーニの時代に政府が買い取り、1936年に改修工事をしている際に、地下から古代ローマ時代の遺跡が出てきたのでした。
この遺跡は、紀元2世紀のものですが、それが公的なものだったのか私的なものだったのかは分かっていません。
そして、その一角には、3世紀初頭のミトラ教の寺院があったのでした。
わ~い、いよいよこの門の中に入ります~






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ミトラ寺院の入り口です~
以前から、訪れたミトラ教の寺院についてブログ記事にしていますが、ここで少しおさらいをしてみましょう。

ミトラ教は、古代ペルシャのゾロアスター教が起源の古い宗教で、古代ローマ時代に彼の地を遠征で訪れた軍人たちを中心に信仰されていました。
信者は男性に限られ、女性は除外されていました。

ミトラ神は、この世に救いをもたらすため岩から生まれた神で、古代ローマでは熱烈な信仰を集めていました。
しかし、5世紀以降は表舞台から姿を消します。
そうです。
コンスタンティヌス帝がキリスト教を公認して以降、キリスト教徒によって徹底的に弾圧され、寺院は破壊されたのでした。

このあたりに、人間の悲しさを感じます。
自分たちが受けた受難を同じように他者に与えるという点では、人間はちっとも成長していない・・・
第二次世界大戦時に迫害されたユダヤ人が自分たちの国を持った途端、それまでそこに住んでいたパレスチナ人を弾圧するのと同じ構造!






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ミトレオ(ミトラ教の寺院)♪
約12メートルの奥行に横幅は約6メートル。
写真左手に見える大きな柱は、古代ローマのものではなく、この上の建物を支えるために1930年代に行われた改修工事の際のものです。

奥が祭壇で、両端はベンチのようになっていますが、儀式の一環で、聖餐をするために使われていました。
このミトラ教の寺院の特色は、なんといってもフレスコ画です。
祭壇にはミトラ神の彫像やレリーフが飾られることが多いのですが、ここではフレスコ画でミトラ神が表現されているのです。

ミトラ教の儀式については、文献が残っていないため、謎に包まれています。
伝えられることは、キリスト教徒が、ミトラ教を貶めるために書いたものがメインとなるので、それを信じるわけにはいかないのです。

ミトラ教が誕生したのは、オリエント、キリスト教が生まれるはるか昔ですから、どうやら、キリスト教がミトラ教をパクった部分が多いようなのです。
たとえば、ミトラ神の誕生日は12月25日で、史実としてキリストが12月25日に生まれたという記録はどこにもないのですから。

キリスト教が拡大したのは、女性も信仰可能だったことが大きな要因だったのでしょう。







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正式な文献の残っていないミトラ教の秘密を知るために、このフレスコ画が大いに役立っています。
中央のミトラ神の両サイドに5つずつ、ミトラ神にかかわる物語が描かれているからです。

中央のミトラ神は牡牛の喉を剣でさしています。
ミトラ教では、聖なる儀式として、牡牛を生贄にする習慣があり、信者は、聖なる儀式としてその血を浴びなければなりませんでした。
それは、牡牛の血がこの世に生命を生み出すと考えられていたからです。

絵の中、雄牛の近くに犬が見えますが、犬は人間の良き友だちで一緒に生命の誕生を祝っています。
雄牛の下には蛇がいますが、蛇は邪悪な存在の象徴で、牡牛の血が大地にしみこんで生命を生み出さないように、血を飲もうとしています。
蛇の上にはサソリも見えます。
サソリも邪悪の象徴です。
サソリは、生命を生み出す種、つまり、牡牛の睾丸を刺そうとしているのです。

ここでの写真は、サイズが小さいですし、画素数も収縮ファイルに変換しているので、よく見えないと思いますが、ミトラ神が身に着けているマント(内側には星が輝いています)のそばに、牡牛の長い尻尾が直立しているのですが、これは小麦を意味して豊穣を表わしています。

中央の絵の上部には星座が描かれており、宇宙た占星術とも関係した宗教です。
7という数字がキーワードで、イニシエーション(宗教入門)にも7段階がありました。

さて、両サイドの絵ですが、ここでの写真が小さいため、はっきりしないでしょうが、左上から
①ゼウスが巨人たちを退治する(世界の始まり)
②サトゥルヌス(農耕の神)
③ミトラが岩から生まれる
④ミトラが岩に矢を射るり水をわき出させる
⑤ミトラが雄牛を背負って運ぶ

右上から
⑥は聖餐
⑦はミトラが太陽神の戦車に乗り込む
⑧ミトラ神と太陽神の同盟
⑨2つの木の間で膝まづくミトラ神
⑩イニシエーション

ああ・・
ここまで書いてとても疲れました。
すっごく時間がかかった~~~
明日からは手抜きブログにしますね(笑)。

ともかく、念願だったバルベリーニのミトレイを見ることができて良かったです。
フレスコ画は貴重ですし。
私としては、これまでで一番印象に残ったのは、カラカラ浴場跡の地下にあるミトラ神殿かな・・
彫刻もレリーフもフレスコ画もないけど、あれはすごかった!

ミトラ教に関する過去記事は、以下の通りです。
説明文は似たようなことが書いてありますが、写真にご興味があれば、どうぞ~

特別公開、ミトラ神殿@カラカラ浴場跡
チルコ・マッシモのミトラ神殿
ミトラ教の寺院@オスティア・アンティーカ
ミトラ教のご本尊
ローマで必見の教会(サンクレメンテ)

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by mayumi-roma | 2017-06-11 06:18 | ローマの美術散歩
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サンタンドレア・アル・クィリナーレ教会♪
久しぶりに寄ってみました~
この教会は、ベルニーニの持て得る力をすべて出し切った彼の最高傑作の建築作品だと思います。

ローマに数多くの教会があるものの、建築物としての傑作は、こちらのサンタンドレア・アル・クィリナーレ教会と、近くにあるライバルのボッロミーニ制作のサン・カルロ・アッレ・クアットロ・フォンターネだと思います。
まったく違ったタイプの教会ですが、どちらも教会建築の最高峰♪
もちろん、私の好みでは・・ということです。






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Work By Prof.Smyth-Pinney

ベルニーニもまた天才の一人♪
実に狭い土地に横長の楕円形の教会を建設するというプラン。
ファサード(正面)、玄関の末広がりの階段、その両脇の巻き貝のようなカーブを描いた壁・・
いや、もう、本当に唸ってしまいます。





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どこからどうやっても、内部の楕円形の空間を写真に撮るのは難しいです。

この内部空間も実に素晴らしく、建築、絵画、彫刻が一体となったベルニーニ劇場が見事に演出されています。





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もちろん、天井も、ベルニーニ劇場の一環です。
しかし、楕円形のクーポラ全体がカメラに収まらない・・・

今使っているのは、去年の夏、日本で買ったNIKONの一眼レフですが、前に使っていたソニーのミラーレスのほうが、画像も綺麗で、より広い範囲がカメラのレンズに収まることができていました。

前回、この教会について書いた記事を見てみると、ソニーのミラーレスで撮った写真だと、楕円形のクーポラ全体が収まっていました・・・
今度の帰国の際に、またソニーを買おうかな!?
NIKONには不満があります。
ただし、ソニーのは壊れやすいという難点があるのですけどね・・・






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教会の聖具室♪
もちろん、ベルニーニ設計です。



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聖具室の天井~



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2階には、ポーランドの聖人、スタニスラウス・コストカを祀った部屋があります。
実に静謐な時間の流れる空間です。




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18世紀初頭、ピエール・ラグロの作品です。

聖人を彫ったこの作品は非常に評判が良かったので、ラグロは、2階の目立たない場所ではなく、サンタンドレア教会内部に飾りたいと、教会側に何度もお願いしましたが、教会側は、ベルニーニの建築と絵画と彫刻で完全に調和のとれた世界に、異質なものが入りこむと、ベルニーニの世界観が崩れてしまうと言って、却下しました。

確かにその通りではありますが、芸術家としてのラグロの気持ちもよく分かりますね。

サンタンドレア・アル・クィリナーレ教会とこの聖人については、過去記事で詳しく説明しています。
下記からどうぞ。
サンタンドレア・アル・クィリナーレ聖堂♪

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by mayumi-roma | 2017-06-10 05:46 | ローマの美術散歩
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「カラヴァッジョからベルニーニへ スペイン王立コレクション」展の開催されているスクデリア・デル・クィリナーレの2階の窓から見えるクィリナーレ広場♪
上から見下ろすのもなかなかいいものですね。





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カラヴァッジョの「サロメと洗礼者聖ヨハネの首」♪

カラヴァッジョは素描しない画家です。
下絵すら描かずに、モデルを前に直接カンヴァスに描いていく作家でありました。
気に入った同じモデルを使うことがよくあったので、どこかで見たことのある顔。
老婆もサロメも、カラヴァッジョの他の絵で見たことのある顔ですね。
こういうのを探すのも楽しい♪
そして、旧約聖書の物語を、古代ではなく、カラヴァッジョの時代の当世風の人々として描いているところが、カラヴァッジョらしいですね~

私は斬首がテーマの絵は好きではありませんから、カラヴァッジョとはいえ、特に見たいと思っていた絵ではありませんが、せっかくローマに来たのだから見に行かないとね♪
きしくもカラヴァッジョの本の翻訳をしているところでありますし。
あ、でも、この絵については書かれていませんよ~

宗教的モチーフが芸術になったヨーロッパでは、洗礼者聖ヨハネという重要な聖人を扱う作品は多いですね。
サロメの物語が有名になり過ぎたってところもあるのでしょうけど。

夏に訪れるマルタ島も、カラヴァッジョの「聖ヨハネの斬首」を見るのが第一目的なのですが、何度も言うように、斬首のテーマは好きではないわたくし・・・
個人的嗜好で言えば、是非とも見たい作品ではないのです。
けれども、カラヴァッジョは好きな画家ですし、この作品が大傑作だという美術史家も多いので、やはり見ておかなければいけないな~と思って(笑)。

ちなみに、サロメとヨハネの首を描いたもので、私が唯一「美しい」と思えて好きだと言えるのは、ローマのドーリア・パンフィーリ美術館にあるティツィアーノのものです。
ドーリア・パンフィーリ美術館の記事は過去記事にたくさんあります。
一番最近のものはこちら~
カラヴァッジョ@ドーリア・パンフィーリ美術館
インノケンティウス10世@ドーリア・パンフィーリ美術館




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ベラスケスの「ヨセフのトゥニカ(衣服)」♪

これは、旧約聖書の創世記の中のお話です。
バロック時代の絵は、やっぱり聖書なしでは理解できないテーマが多いですね。
あ~、気が遠くなるほど長く複雑なお話なのですが、絵に関わる部分だけを端折って説明します。

ユダヤの祖、ヤコブの11番目の息子、ヨセフは父親に一番かわいがられていました。
後妻のラケルとの初めての子、年を取ってからできた子どもだったからです。
ヤコブはヨセフにだけ丈の長い極上のトゥニカ(衣服)を与え、兄弟たちは嫉妬に狂います。
そして、ヨセフが自分の見た夢(兄弟たちが自分にひれ伏すという夢)を話したため、ついに・・・
兄弟たちは、ある日、ヨセフを井戸に落とし(本当は殺そうとしたけど一人の兄弟に阻止される)、その後、奴隷商人に売り飛ばします。
兄弟たちは、ヨセフの長い丈の素晴らしいトゥニカ(衣服)を奪って、そこに羊の血を塗り、父親のヤコブに、「ヨセフは獣に襲われて死んだ」という話をします。

はい、この絵の場面が、まさに、その血に染まったヨセフのトゥニカ(衣服)を父のヤコブに見せているところなのです・・・
父ヤコブが驚きと悲しみのあまり、のけぞっています。

絵の中の犬が可愛い♪
これだけで、ぐっと親近感が増しますね。
遠近法は、市松模様のような床で表わしています。

ベラスケスといえば、「鏡のビーナス」や「ラス・メニーナス」や絶筆の「マルガリータ王女」などの作品を思い浮かべますが、私的には、ローマの、またしてもドーリア・パンフィーリ美術館にある「教皇インノケンティウス10世」が最高傑作だと思います。
肖像画でこれほど人間の中身を表現し得るのかと、感嘆に値する作品だと思います。


ちなみに奴隷として売られたヨセフはその後どうなるのかといえば、賢さもさることながら、予知夢を見たり、他の人の夢の解釈ができることから、どんどん出世していき、ついにはエジプトのファラオの右腕にまでなります。
そうして、ユダヤの地の大飢饉を救い、兄弟とも和解し、父親とも感動の再会を果たします・・

ああ、疲れた・・・




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ベルニーニの唯一のブロンズ作品です。
当時、スペイン王直々の依頼だったのにかかわらず、エスコリアル宮の礼拝堂に飾られたあと、すぐに別の作家のものと取り替えられました。
王様、気に入らなかったのかな?

十字架がないと、ちょっと間抜けな感じに見えなくもありません。
失礼な表現でごめんなさい。

確かに、ベルニーニは大理石のほうがずっといいように思えます。
胸部だけの肖像彫刻は別にして、静より動を表現する時にその能力が最大限に発揮されるような気がします。
その方が難しいのですけどね。




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このベルニーニの十字架上のキリストは、横から見たほうが断然良いことに気がつきました。
気がついてよかった~

本当は、とっても面白い絵があったので、そちらもご紹介しようと思いましたが、この時点ですごく疲れてしまいましたので、今日はこの辺で。

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by mayumi-roma | 2017-06-01 05:14 | ローマの美術散歩

クィリナーレへ♪

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今日のローマも暑かった~
でも、エアコンを入れるほどではありませんけどね・・
なるべく日陰を歩きながらクィリナーレへ・・



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クィリナーレ広場♪
うしろに見えるのは、大統領官邸。




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広場を挟んで向かい側にあるのが、スクデリーア・デル・クィリナーレ。
スペイン王立コレクションの展覧会をやっています。
カラヴァッジョの作品が1点あるので、行かなければ・・と思っていました。
サロメの主題はあまり好きではないけれど。




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ええ~~っ!
入っていきなり最初の作品がカラヴァッジョなの!?
なんと大胆な展示方式でしょう・・

でも、平日のせいか、がら~んとしてました。
そもそも、見ものが、カラヴァッジョとベラスケスとベルニーニ、それぞれ1点ずつですから、それほど注目度の高い展覧会ではないですね。

今年のローマの展覧会は不作~~
行きたいと思うようなものがありません。

この展覧会には、まだ見たことがなかったカラヴァッジョの絵画1点、それに、カラヴァッジョから影響を受けたロ・スパニョレット(ホセ・デ・リベーラ)の絵が数点あることを知っていたので、私には行く価値がありましたけど。





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ホセ・デ・リベーラ(ナポリに暮らしていたので、ロ・スパニョレットとイタリアでは呼ばれています)の作品で一番気に入ったのは、こちらの「ヤコブとラバンの羊の群れ」♪






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グイド・レーニ「サンタ・カテリーナ」

グエルチーノやグイド・レーニの作品も数点ありました。
一時期カラヴァッジョの影響を受けたグイド・レーニの「サンタ・カテリーナ」はなかなか興味深かったです。
暗闇の中から聖女が浮かび上がって神の声を聞いています・・





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思いもよらず、クラウディオ・バリオーネの作品があったので嬉しかったです♪
「左を向いた女の子」と「右を向いた女の子」の絵♪
とっても良く描けていると思います。
かなり気に入りました~

クラウディオ・バリオーネは、カラヴァッジョの熾烈なライバルで敵でしたが、カラヴァッジョ様式に影響を受けた画家です。
ヴァサーリの「芸術家列伝」の次に重要だと言われる(続く時代の)「芸術家列伝」も書きました。
ちなみに、カラヴァッジョとその仲間たちは、名誉棄損でバリオーネとその仲間たちに訴えられています。
私が翻訳中の本にはその詳細は出ていませんが、イタリア語の本で読みました。
まぁ、驚くばかりに低レベルでくだらなく下品なやりとりですが、笑えます。

メインのカラヴァッジョやベルニーニはまた明日~
今日はとっても疲れました・・・

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私の翻訳本です♪
「レオナルド・ダ・ヴィンチの秘密 天才の挫折と
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by mayumi-roma | 2017-05-31 05:13 | ローマの美術散歩

ローマ在住33年♪永遠の都からお伝えする私(上野真弓)の日々の暮らしや考えること。そして大好きな美術について・・


by mayumi-roma