カテゴリ:ローマの美術散歩( 286 )
カラヴァッジョの祭壇画が飾られるはずだった教会♪


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ローマの下町、トラステヴェレ♪
ずいぶん久しぶりのような気がします。
モザイク教室で週に1回は通っていた頃が懐かし過ぎます~






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トラステヴェレのサンタ・マリア・デッラ・スカラ広場♪
この名称は、もちろん同名の教会の名前が由来しています。

この教会の前を何度も通っていますが、いつも素通りしていました。
何しろ、ローマには星の数ほど教会がありますから。
今回、カラヴァッジョの本の翻訳に当たり、彼の軌跡を検証しようと思わなかったなら、おそらく、この中に入ることはなかったと思います。







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しかし、さすがに、カトリックの本拠地ローマだけあって、マリア信仰が強いですね。
ローマには聖母マリアの奇跡に由来する教会がとても多いのですが、こちらの教会もその一つです。

まさにカラヴァッジョの時代です。
1592年、この場所に聖母マリアのイコン(聖画)のある壁龕があったそうです。
身体障害児を持つ一人の母親が聖画像に熱心に祈ったところ、奇跡が起こって、その子が完治したことから、当時のローマ教皇クレメンス8世が、この地に聖母マリアに捧げる教会を建立することを決めます。

1610年には教会の内部が完成。
そして、1624年に教会のファサード(正面)が完成します。
ファサードはいつも最後になります。

この教会は、当時も今も、カルメル派洗足会の管轄です。






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聖母マリアの聖画を祀った礼拝堂~♪
あら?
手すりの上に何か見えます~





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そう、礼拝堂の手すりの上には、ブロックメモとボールペンが置いてあるのです。
聖母マリアへのお願いを書いて、手すりの内側に投げ入れるのです。
なんだか、ほのぼのとしますね・・
私は、特にお願い事もないので、書きませんでした。
信者でなくても、書いてもいいと思いますよ~






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そして、こちらの礼拝堂が、本来ならカラヴァッジョの祭壇画が飾られる場所でした。
主題は、聖母の死。
もちろん、絵も完成していました。
けれども、その絵は拒否されたのでした。
その経緯は、私が翻訳中のカラヴァッジョの本に書かれています。





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「聖母の死」By カラヴァッジョ♪
画像は、著作権に保護されていないものをインターネットからお借りしました。

現在、パリのルーヴル美術館にあるこの作品は、本当に素晴らしいです。
私は、ナポリのカポ・ディ・モンテ美術館にあるカラヴァッジョの「キリストのむち打ち」と同等レベルの深い感動をもたらす作品だと思っています。
ここには真の意味での深い悲しみが静謐に描かれていると思います。

どうして、この絵が拒否されたのでしょう?
秋に発売される私のカラヴァッジョ翻訳本を読んでのお楽しみです~(笑)






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こちらが、そのあとに描かれて祭壇におさまったカルロ・サラチェーニの「聖母の死」です。
クローズアップしてみました。
これはこれで綺麗な絵ですが、当たり前すぎる万人受けのスタンダートな宗教画です。
でも、この作家は、なかなか上手いとは思いますけど。

もし、カラヴァッジョの傑作がこの教会にあったら・・・
本当に残念です。
私は、絵は美術館で見るより、本来あるべき場所で見てこそのものだと思うので。

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by mayumi-roma | 2017-06-22 05:27 | ローマの美術散歩
サン・ルカ・アカデミーの無料美術館♪
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サン・ルカ・アカデミー♪
ファサード(正面)の修復も終わって、ようやくすっきりしました。
サン・ルカ・アカデミーとは、16世紀に設立されたローマの芸術家協会です。
サン・ルカ(聖ルカ)が、聖母マリアの肖像画を初めて描いたと伝えられることから、この聖人が芸術家の守護聖人となっています。
それゆえ、芸術家協会の名称として使われています。
初代の総長は、マニエリスムの大家、フェデリーコ・ズッカリ。





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このアカデミーの最上階は、美術館となっています。
無料で開放されていますが、訪れる人はほとんどいません。
過去から現在に至るまで芸術家たちに寄付を受けた多くの作品を収蔵品として持つアカデミーですが、展示されているのは、そのうちのごくわずかです。

こちらは、彫刻のギャラリー♪
ネオ・クラシック(新古典主義)のカノーヴァやトルヴァルセンの作品が中心になります。
カノーヴァは、このアカデミーの総長も務めました。
ちなみに、終身総長という栄誉を受けています。






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「馬車に乗るアポロン」Byトルヴァルセン♪

トルヴァルセンは、コペンハーゲン出身の新古典主義の彫刻家ですが、その生涯のほとんどをローマで過ごしており、彼も、このアカデミーの総長を1827年から28年まで務めています。
ヴァチカンのサン・ピエトロ大聖堂にも、トルヴァルセン作のローマ教皇ピオ7世のお墓のモニュメントが残っています。

このモニュメントについて過去記事に書いたはずだと思って、リンクを貼るために探してみましたが、書いていなかったのか、探しきれなかったのか、見つかりませんでした。
実は、トルヴァルセンは北ヨーロッパ出身ですのでプロテスタントです。
カトリックの総本山、サンピエトロ大聖堂、しかもその中のローマ教皇のお墓の装飾ですから、カトリック教徒の芸術家がなすべきことで、異教徒(プロテスタントも含む)はご法度。
トルヴァルセンだけがただ一つの例外として有名なので、ブログに書いたと思うのですが、書いていなかったのかな?
これまでローマで訪れた場所、見たもの、写真に撮ったものが膨大過ぎて、追いつかなかったのかもしれません。
ブログにアップするのには時間もかかりますしね。







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左からグエルチーノの「ヴィーナスとキューピッド」、グイード・レーニの「幸運の女神」♪





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グエルチーノの「ヴィーナスとキューピッド」♪
これは、なかなか気に入りました。
この絵は、フレスコ画をはがしたものです。
1632年に、グエルチーノの故郷、チェント(エミリア・ロマーニャ州)の近くにあるフィリッポ・アルドヴランディ伯爵所有のヴィッラ・ジョヴァニーナ(ジョヴァニーナの別邸)に描かたものです。

ギリシャ神話、それを軸にしたローマ神話、さらに英語読みでは、名称が変わるので、なんだかよく分からないと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
ギリシャ神話の愛と美の女神アフロディーテが、ローマ神話ではヴェネレとなり、それが英語読みでヴィーナスとなるのです。
キューピッドも同様に英語読みですが、ローマ神話ではアモールもしくはクピド、ギリシャ神話ではエロスになります。
ヴィーナスの息子です。





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「アンドロメダとペルセウス」Byカヴァリエル・ダルピーノ♪

日本ではあまり知られていないかもしれませんが、ダルピーノは、カラヴァッジョの時代に、アカデミーの総長を三度も務めたほどの当時の巨匠でした。
カラヴァッジョも、そのキャリアの初期には彼の工房で働いています。
秋に発売予定の、私が翻訳中のカラヴァッジョ本にも出てきます~
お楽しみに♪

でも、不思議ですね。
カラヴァッジョは、このアカデミーの正会員にもなることができませんでしたが(ローマ画壇からは、その革新性もあって、認められていませんでした。おそらく、その才能に気づいた画壇の重鎮たちは怖くもあったのでしょう)、当時巨匠とされていて、アカデミーの総長を務めた同時代の多くの画家は、現在ではそれほど評価されているわけではありませんから。
優れた人は、必ず歴史に残るものなのですね。
考えてみたら、モーツアルトも似たようなものですね。






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この部屋には、サン・ルカ・アカデミーの歴代の総長の肖像画が飾られています。
24名分の肖像ですが、アカデミーは500点以上の肖像画を収蔵しています。

学芸員さんがとても親切で、美術館に入ると、「何かお役に立ちましょうか?」と見学者に声をかけてくれるのです。
私は、「大丈夫です。全部わかるので。」と答えたのですが、あとで、この肖像画について質問に行きました。
500点以上収蔵しているというのは、その時に教えてくれました。
正会員にもなれなかったカラヴァッジョの肖像画もあるそうです。
オッタヴィオ・レオーニ(アカデミーの総長にもなりました)の素描をもとに描かれたものだそうです。






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こちらが、三度も総長となったカヴァリエル・ダルピーノ(本名:ジュゼッペ・チェーザリ)の肖像画。
彼が自分で描いた自画像です。

彼は、16世紀から17世紀にかけて、何しろローマにおけるマニエリスムの巨匠とされていたので、ローマ市内、至るところに彼の作品が残っています。
教会だったり、宮殿だったり・・・
ブログでも過去に紹介したところがたくさんありますが、日本ではまったく知られていないので、敢えて、彼の名前は出してないかも・・






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こちらは、皆さまもご存じだと思うジャン・ロレンツォ・ベルニーニの肖像画♪
ジュゼッペ・ゲッツィ作です。
意外と言っては何ですが、ベルニーニもアカデミーの総長をしていたのですね。
彼のお父上、ピエトロ・ベルニーニもまた総長をしています。

とっても小さい美術館なので、トレヴィの泉の近くにいらしたら、是非寄って下さいね。
無料ですし♪




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最後に、皆さまにも幸運が訪れますように、グイード・レーニの「幸運の女神」の絵を贈ります~

Accademia di San Luca
Piazza Accademia di San Luca 77
トレヴィの泉の近くです。

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by mayumi-roma | 2017-06-21 05:29 | ローマの美術散歩
念願だったバルベリーニ宮殿のミトラ神殿見学♪
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国立古典絵画館となっているバルベリーニ宮殿♪
今日は、この美術館ではなく、この裏の庭園の奥にあるもう一つ別の建物の地下にあるミトラ教の寺院を見学してきました。

このミトラ教の寺院の遺跡を見るのが、長年の目標だったのです。
一般公開されていないので、ずっとずっと会員となっている「地下遺跡の会」が、ここの見学をオーガナイズしてくれる日を待っていました♪
ついに♪
この日が訪れました♪






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バルベリーニ宮殿の真ん中をくぐって裏の庭園に向かう通路♪
この通り道ももちろんバルベリーニ家と縁が深いバロックの巨匠ベルニーニの設計です。





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こちらの建物は、20世紀初頭にバルベリーニ家から庭園を買い取ったフリウリ・ヴェネツィア地方の貴族、サヴォルニャン・デ・ブラッツァ家が建てたものです。
その後、ムッソリーニの時代に政府が買い取り、1936年に改修工事をしている際に、地下から古代ローマ時代の遺跡が出てきたのでした。
この遺跡は、紀元2世紀のものですが、それが公的なものだったのか私的なものだったのかは分かっていません。
そして、その一角には、3世紀初頭のミトラ教の寺院があったのでした。
わ~い、いよいよこの門の中に入ります~






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ミトラ寺院の入り口です~
以前から、訪れたミトラ教の寺院についてブログ記事にしていますが、ここで少しおさらいをしてみましょう。

ミトラ教は、古代ペルシャのゾロアスター教が起源の古い宗教で、古代ローマ時代に彼の地を遠征で訪れた軍人たちを中心に信仰されていました。
信者は男性に限られ、女性は除外されていました。

ミトラ神は、この世に救いをもたらすため岩から生まれた神で、古代ローマでは熱烈な信仰を集めていました。
しかし、5世紀以降は表舞台から姿を消します。
そうです。
コンスタンティヌス帝がキリスト教を公認して以降、キリスト教徒によって徹底的に弾圧され、寺院は破壊されたのでした。

このあたりに、人間の悲しさを感じます。
自分たちが受けた受難を同じように他者に与えるという点では、人間はちっとも成長していない・・・
第二次世界大戦時に迫害されたユダヤ人が自分たちの国を持った途端、それまでそこに住んでいたパレスチナ人を弾圧するのと同じ構造!






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ミトレオ(ミトラ教の寺院)♪
約12メートルの奥行に横幅は約6メートル。
写真左手に見える大きな柱は、古代ローマのものではなく、この上の建物を支えるために1930年代に行われた改修工事の際のものです。

奥が祭壇で、両端はベンチのようになっていますが、儀式の一環で、聖餐をするために使われていました。
このミトラ教の寺院の特色は、なんといってもフレスコ画です。
祭壇にはミトラ神の彫像やレリーフが飾られることが多いのですが、ここではフレスコ画でミトラ神が表現されているのです。

ミトラ教の儀式については、文献が残っていないため、謎に包まれています。
伝えられることは、キリスト教徒が、ミトラ教を貶めるために書いたものがメインとなるので、それを信じるわけにはいかないのです。

ミトラ教が誕生したのは、オリエント、キリスト教が生まれるはるか昔ですから、どうやら、キリスト教がミトラ教をパクった部分が多いようなのです。
たとえば、ミトラ神の誕生日は12月25日で、史実としてキリストが12月25日に生まれたという記録はどこにもないのですから。

キリスト教が拡大したのは、女性も信仰可能だったことが大きな要因だったのでしょう。







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正式な文献の残っていないミトラ教の秘密を知るために、このフレスコ画が大いに役立っています。
中央のミトラ神の両サイドに5つずつ、ミトラ神にかかわる物語が描かれているからです。

中央のミトラ神は牡牛の喉を剣でさしています。
ミトラ教では、聖なる儀式として、牡牛を生贄にする習慣があり、信者は、聖なる儀式としてその血を浴びなければなりませんでした。
それは、牡牛の血がこの世に生命を生み出すと考えられていたからです。

絵の中、雄牛の近くに犬が見えますが、犬は人間の良き友だちで一緒に生命の誕生を祝っています。
雄牛の下には蛇がいますが、蛇は邪悪な存在の象徴で、牡牛の血が大地にしみこんで生命を生み出さないように、血を飲もうとしています。
蛇の上にはサソリも見えます。
サソリも邪悪の象徴です。
サソリは、生命を生み出す種、つまり、牡牛の睾丸を刺そうとしているのです。

ここでの写真は、サイズが小さいですし、画素数も収縮ファイルに変換しているので、よく見えないと思いますが、ミトラ神が身に着けているマント(内側には星が輝いています)のそばに、牡牛の長い尻尾が直立しているのですが、これは小麦を意味して豊穣を表わしています。

中央の絵の上部には星座が描かれており、宇宙た占星術とも関係した宗教です。
7という数字がキーワードで、イニシエーション(宗教入門)にも7段階がありました。

さて、両サイドの絵ですが、ここでの写真が小さいため、はっきりしないでしょうが、左上から
①ゼウスが巨人たちを退治する(世界の始まり)
②サトゥルヌス(農耕の神)
③ミトラが岩から生まれる
④ミトラが岩に矢を射るり水をわき出させる
⑤ミトラが雄牛を背負って運ぶ

右上から
⑥は聖餐
⑦はミトラが太陽神の戦車に乗り込む
⑧ミトラ神と太陽神の同盟
⑨2つの木の間で膝まづくミトラ神
⑩イニシエーション

ああ・・
ここまで書いてとても疲れました。
すっごく時間がかかった~~~
明日からは手抜きブログにしますね(笑)。

ともかく、念願だったバルベリーニのミトレイを見ることができて良かったです。
フレスコ画は貴重ですし。
私としては、これまでで一番印象に残ったのは、カラカラ浴場跡の地下にあるミトラ神殿かな・・
彫刻もレリーフもフレスコ画もないけど、あれはすごかった!

ミトラ教に関する過去記事は、以下の通りです。
説明文は似たようなことが書いてありますが、写真にご興味があれば、どうぞ~

特別公開、ミトラ神殿@カラカラ浴場跡
チルコ・マッシモのミトラ神殿
ミトラ教の寺院@オスティア・アンティーカ
ミトラ教のご本尊
ローマで必見の教会(サンクレメンテ)

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by mayumi-roma | 2017-06-11 06:18 | ローマの美術散歩
ベルニーニ建築の最高峰、サンタンドレア・アル・クィリナーレ教会♪
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サンタンドレア・アル・クィリナーレ教会♪
久しぶりに寄ってみました~
この教会は、ベルニーニの持て得る力をすべて出し切った彼の最高傑作の建築作品だと思います。

ローマに数多くの教会があるものの、建築物としての傑作は、こちらのサンタンドレア・アル・クィリナーレ教会と、近くにあるライバルのボッロミーニ制作のサン・カルロ・アッレ・クアットロ・フォンターネだと思います。
まったく違ったタイプの教会ですが、どちらも教会建築の最高峰♪
もちろん、私の好みでは・・ということです。






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Work By Prof.Smyth-Pinney

ベルニーニもまた天才の一人♪
実に狭い土地に横長の楕円形の教会を建設するというプラン。
ファサード(正面)、玄関の末広がりの階段、その両脇の巻き貝のようなカーブを描いた壁・・
いや、もう、本当に唸ってしまいます。





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どこからどうやっても、内部の楕円形の空間を写真に撮るのは難しいです。

この内部空間も実に素晴らしく、建築、絵画、彫刻が一体となったベルニーニ劇場が見事に演出されています。





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もちろん、天井も、ベルニーニ劇場の一環です。
しかし、楕円形のクーポラ全体がカメラに収まらない・・・

今使っているのは、去年の夏、日本で買ったNIKONの一眼レフですが、前に使っていたソニーのミラーレスのほうが、画像も綺麗で、より広い範囲がカメラのレンズに収まることができていました。

前回、この教会について書いた記事を見てみると、ソニーのミラーレスで撮った写真だと、楕円形のクーポラ全体が収まっていました・・・
今度の帰国の際に、またソニーを買おうかな!?
NIKONには不満があります。
ただし、ソニーのは壊れやすいという難点があるのですけどね・・・






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教会の聖具室♪
もちろん、ベルニーニ設計です。



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聖具室の天井~



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2階には、ポーランドの聖人、スタニスラウス・コストカを祀った部屋があります。
実に静謐な時間の流れる空間です。




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18世紀初頭、ピエール・ラグロの作品です。

聖人を彫ったこの作品は非常に評判が良かったので、ラグロは、2階の目立たない場所ではなく、サンタンドレア教会内部に飾りたいと、教会側に何度もお願いしましたが、教会側は、ベルニーニの建築と絵画と彫刻で完全に調和のとれた世界に、異質なものが入りこむと、ベルニーニの世界観が崩れてしまうと言って、却下しました。

確かにその通りではありますが、芸術家としてのラグロの気持ちもよく分かりますね。

サンタンドレア・アル・クィリナーレ教会とこの聖人については、過去記事で詳しく説明しています。
下記からどうぞ。
サンタンドレア・アル・クィリナーレ聖堂♪

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by mayumi-roma | 2017-06-10 05:46 | ローマの美術散歩
「カラヴァッジョからベルニーニへ」展♪
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「カラヴァッジョからベルニーニへ スペイン王立コレクション」展の開催されているスクデリア・デル・クィリナーレの2階の窓から見えるクィリナーレ広場♪
上から見下ろすのもなかなかいいものですね。





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カラヴァッジョの「サロメと洗礼者聖ヨハネの首」♪

カラヴァッジョは素描しない画家です。
下絵すら描かずに、モデルを前に直接カンヴァスに描いていく作家でありました。
気に入った同じモデルを使うことがよくあったので、どこかで見たことのある顔。
老婆もサロメも、カラヴァッジョの他の絵で見たことのある顔ですね。
こういうのを探すのも楽しい♪
そして、旧約聖書の物語を、古代ではなく、カラヴァッジョの時代の当世風の人々として描いているところが、カラヴァッジョらしいですね~

私は斬首がテーマの絵は好きではありませんから、カラヴァッジョとはいえ、特に見たいと思っていた絵ではありませんが、せっかくローマに来たのだから見に行かないとね♪
きしくもカラヴァッジョの本の翻訳をしているところでありますし。
あ、でも、この絵については書かれていませんよ~

宗教的モチーフが芸術になったヨーロッパでは、洗礼者聖ヨハネという重要な聖人を扱う作品は多いですね。
サロメの物語が有名になり過ぎたってところもあるのでしょうけど。

夏に訪れるマルタ島も、カラヴァッジョの「聖ヨハネの斬首」を見るのが第一目的なのですが、何度も言うように、斬首のテーマは好きではないわたくし・・・
個人的嗜好で言えば、是非とも見たい作品ではないのです。
けれども、カラヴァッジョは好きな画家ですし、この作品が大傑作だという美術史家も多いので、やはり見ておかなければいけないな~と思って(笑)。

ちなみに、サロメとヨハネの首を描いたもので、私が唯一「美しい」と思えて好きだと言えるのは、ローマのドーリア・パンフィーリ美術館にあるティツィアーノのものです。
ドーリア・パンフィーリ美術館の記事は過去記事にたくさんあります。
一番最近のものはこちら~
カラヴァッジョ@ドーリア・パンフィーリ美術館
インノケンティウス10世@ドーリア・パンフィーリ美術館




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ベラスケスの「ヨセフのトゥニカ(衣服)」♪

これは、旧約聖書の創世記の中のお話です。
バロック時代の絵は、やっぱり聖書なしでは理解できないテーマが多いですね。
あ~、気が遠くなるほど長く複雑なお話なのですが、絵に関わる部分だけを端折って説明します。

ユダヤの祖、ヤコブの11番目の息子、ヨセフは父親に一番かわいがられていました。
後妻のラケルとの初めての子、年を取ってからできた子どもだったからです。
ヤコブはヨセフにだけ丈の長い極上のトゥニカ(衣服)を与え、兄弟たちは嫉妬に狂います。
そして、ヨセフが自分の見た夢(兄弟たちが自分にひれ伏すという夢)を話したため、ついに・・・
兄弟たちは、ある日、ヨセフを井戸に落とし(本当は殺そうとしたけど一人の兄弟に阻止される)、その後、奴隷商人に売り飛ばします。
兄弟たちは、ヨセフの長い丈の素晴らしいトゥニカ(衣服)を奪って、そこに羊の血を塗り、父親のヤコブに、「ヨセフは獣に襲われて死んだ」という話をします。

はい、この絵の場面が、まさに、その血に染まったヨセフのトゥニカ(衣服)を父のヤコブに見せているところなのです・・・
父ヤコブが驚きと悲しみのあまり、のけぞっています。

絵の中の犬が可愛い♪
これだけで、ぐっと親近感が増しますね。
遠近法は、市松模様のような床で表わしています。

ベラスケスといえば、「鏡のビーナス」や「ラス・メニーナス」や絶筆の「マルガリータ王女」などの作品を思い浮かべますが、私的には、ローマの、またしてもドーリア・パンフィーリ美術館にある「教皇インノケンティウス10世」が最高傑作だと思います。
肖像画でこれほど人間の中身を表現し得るのかと、感嘆に値する作品だと思います。


ちなみに奴隷として売られたヨセフはその後どうなるのかといえば、賢さもさることながら、予知夢を見たり、他の人の夢の解釈ができることから、どんどん出世していき、ついにはエジプトのファラオの右腕にまでなります。
そうして、ユダヤの地の大飢饉を救い、兄弟とも和解し、父親とも感動の再会を果たします・・

ああ、疲れた・・・




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ベルニーニの唯一のブロンズ作品です。
当時、スペイン王直々の依頼だったのにかかわらず、エスコリアル宮の礼拝堂に飾られたあと、すぐに別の作家のものと取り替えられました。
王様、気に入らなかったのかな?

十字架がないと、ちょっと間抜けな感じに見えなくもありません。
失礼な表現でごめんなさい。

確かに、ベルニーニは大理石のほうがずっといいように思えます。
胸部だけの肖像彫刻は別にして、静より動を表現する時にその能力が最大限に発揮されるような気がします。
その方が難しいのですけどね。




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このベルニーニの十字架上のキリストは、横から見たほうが断然良いことに気がつきました。
気がついてよかった~

本当は、とっても面白い絵があったので、そちらもご紹介しようと思いましたが、この時点ですごく疲れてしまいましたので、今日はこの辺で。

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by mayumi-roma | 2017-06-01 05:14 | ローマの美術散歩
クィリナーレへ♪
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今日のローマも暑かった~
でも、エアコンを入れるほどではありませんけどね・・
なるべく日陰を歩きながらクィリナーレへ・・



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クィリナーレ広場♪
うしろに見えるのは、大統領官邸。




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広場を挟んで向かい側にあるのが、スクデリーア・デル・クィリナーレ。
スペイン王立コレクションの展覧会をやっています。
カラヴァッジョの作品が1点あるので、行かなければ・・と思っていました。
サロメの主題はあまり好きではないけれど。




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ええ~~っ!
入っていきなり最初の作品がカラヴァッジョなの!?
なんと大胆な展示方式でしょう・・

でも、平日のせいか、がら~んとしてました。
そもそも、見ものが、カラヴァッジョとベラスケスとベルニーニ、それぞれ1点ずつですから、それほど注目度の高い展覧会ではないですね。

今年のローマの展覧会は不作~~
行きたいと思うようなものがありません。

この展覧会には、まだ見たことがなかったカラヴァッジョの絵画1点、それに、カラヴァッジョから影響を受けたロ・スパニョレット(ホセ・デ・リベーラ)の絵が数点あることを知っていたので、私には行く価値がありましたけど。





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ホセ・デ・リベーラ(ナポリに暮らしていたので、ロ・スパニョレットとイタリアでは呼ばれています)の作品で一番気に入ったのは、こちらの「ヤコブとラバンの羊の群れ」♪






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グイド・レーニ「サンタ・カテリーナ」

グエルチーノやグイド・レーニの作品も数点ありました。
一時期カラヴァッジョの影響を受けたグイド・レーニの「サンタ・カテリーナ」はなかなか興味深かったです。
暗闇の中から聖女が浮かび上がって神の声を聞いています・・





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思いもよらず、クラウディオ・バリオーネの作品があったので嬉しかったです♪
「左を向いた女の子」と「右を向いた女の子」の絵♪
とっても良く描けていると思います。
かなり気に入りました~

クラウディオ・バリオーネは、カラヴァッジョの熾烈なライバルで敵でしたが、カラヴァッジョ様式に影響を受けた画家です。
ヴァサーリの「芸術家列伝」の次に重要だと言われる(続く時代の)「芸術家列伝」も書きました。
ちなみに、カラヴァッジョとその仲間たちは、名誉棄損でバリオーネとその仲間たちに訴えられています。
私が翻訳中の本にはその詳細は出ていませんが、イタリア語の本で読みました。
まぁ、驚くばかりに低レベルでくだらなく下品なやりとりですが、笑えます。

メインのカラヴァッジョやベルニーニはまた明日~
今日はとっても疲れました・・・

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by mayumi-roma | 2017-05-31 05:13 | ローマの美術散歩
マダーマ宮殿の写真を求めて・・・
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写真は、ナヴォーナ広場のそばにあるマダーマ宮殿♪
現在、イタリアの上院議会として使われています。

マダーマ宮殿の写真がどこかにあるはず。
そう思って探しましたが、見つかったのは、これだけ。
私は撮影した写真をSDカードに入れたまますべて保存しているので、SDカードの数も膨大なのですが、そのカードの中に入った画像を探すこと自体も至難の業・・・
全部のカードを見るのは到底無理なので、とりあえずSDカード10枚だけ見ました。
が、まじで疲れますね~
絶対に見落としていると思います。

この写真じゃダメだな~
使いものにはならない。
もう少し引いて撮った全体像が欲しいのです。
絶対にあるはずなんですが、探すのも大変。
面倒だけど、近日中に写真を撮りに行こうかな。

マダーマ宮殿の名前の由来は・・・

そもそも、この宮殿が建つ土地は、15世紀後半、ローマ教皇シクストゥス4世の時代にファルファ修道院所有の地所でしたが、フランス王に渡り、その財務官が15世紀末に原型となる宮殿(今よりもずっと小さい)を建立します。
それが回り廻ってメディチ家所有になったわけです。
あまりにも複雑なので、かなり端折っています。

メディチ家最後の直系(ロレンツォ偉大王の子孫)の当主、アレッサンドロ・デ・メディチは、神聖ローマ帝国の皇帝カール5世の庶出の娘(私生児)、マルゲリータ(庶出でも一応、ハプスグルグ家)と結婚しましたが、アレッサンドロが暗殺されたため、彼女はオッタヴィオ・ファルネーゼと再婚して、この屋敷に長く暮らしたとのことです。
それゆえ、この建物は、マルゲリータ夫人をさして、令夫人、マダムという意味の「マダーマ」と呼ばれるようになったのでした。

しかし、歴史って本当に複雑。

アレッサンドロ・メディチも、公的にはロレンツォ偉大王の孫の庶子とされていますが、実際には、のちに教皇クレメンス7世となったジュリオ・デ・メディチの子どもでした。

ジュリオが枢機卿時代にメディチ家の黒人奴隷シモネッタ・ダ・コッレヴェッキオに産ませたと言われています。
アレッサンドロの肌は黒かったのです。

何だか話がそれましたが、このマダーマ宮殿にはカラヴァッジョが暮らしていたのです。
カラヴァッジョの時代、16世紀末に、トスカーナ大公国フェルディナンド・デ・メディチの側近でもあったデル・モンテ枢機卿がこの屋敷に暮らしていたからです。
デル・モンテ枢機卿はカラヴァッジョのパトロンで、彼がカラヴァッジョの才能を見出して、屋敷に住まわせて絵を描くことに専念させたのでした。
ああ、ここまでたどり着くのに、時間のかかったこと!(笑)

というわけで、マダーマ宮殿の写真を本に載せるかもしれないので、たとえ載せないことになったとしても、写真だけは手元に持っておきたいのです~
今週中には写真を撮りに行きます。

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by mayumi-roma | 2017-05-30 07:01 | ローマの美術散歩
遠近法の不思議♪

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ルドヴィシ・ボンコンパーニ邸♪
グエルチーノの最高傑作「アウロラ」(暁の女神)の天井画がある広間です。




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本当に、何度見ても素晴らしい絵♪
でも、今日は、この天井画の「クアドラトゥーラ」についてお話したいと思います。
グエルチーノの描いた天井画ではありますが、周りに見える建築的枠組みは、アゴスティーノ・タッシが描いたものです。
遠近法と短縮法(遠近法の一種)を駆使して描く建築モチーフの錯視表現を「クアドラトゥーラ」と言います。



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クローズアップして見てみましょう。
天井にあるので、下から見上げる形ではありますが、これが正面から見た感じです。




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少し左寄りから見ると、この通り♪
左の建築がびよ~んと曲がります。





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今度は、少し右寄りから見て見ましょう♪
あらら、今度は右の建築物がびよ~んと曲がります。
左の建物は、まっすぐに戻りました~

すべて錯覚です。
でも、凄いと思いませんか?
これ、立体的なものではないのです。
あくまで二次元の平面に描かれた絵!!
それが見る角度によってこんな風に姿を変えるなんて!
絵というものは、本当に奥深いものなのです。

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by mayumi-roma | 2017-05-28 05:36 | ローマの美術散歩
ピエタ By カラッチ♪
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3月にナポリのカポ・ディ・モンテ美術館で見たアンニバレ・カラッチの「ピエタ」♪
とても良い絵です。

ヨーロッパでは巨匠の誉れ高いカラッチが、日本でほとんど知られていないのが不思議です。
知り合いの美術史家が言っていましたが、日本人はフランスが好きで、美術も何もかも基本的にフランス志向であるとか・・
まぁ、それも一理あるかもしれませんが、私は、イタリア人よりフランス人のほうが、自国の文化や製品の価値を高めるプロモーション能力が高いからではないかと思います。
イタリア人は、一見ずる賢いようでいて、そのずる賢さが空回りしてしまう。
ずる賢さが見え見えで、またそれがあまりにも自分本位なため、警戒されて、まともな交渉ができなくなる。
で、最終的にはいつもバカを見てしまうみたいな・・
非常に残念な国民性です。

ワインも食も化粧品もブランドも、レベル的にはほぼ同じなのに、かなり差をつけられていると思います。
かくいうわたくしも、ワインも化粧品もブランドも確かにフランスもののほうが好き(苦笑)。
でも、芸術に関しては、絶対にイタリアのほうが上だと思うのですけど!
しかしながら、芸術の都といえばパリ・・になっていますしね(苦笑)。

すっかり話がそれました。

ピエタとは・・・
イタリア語で哀れみや同情を意味しますが、美術の世界では、イエスの遺体を抱いて悲しむ聖母マリアを表現したものです。

制作年代ははっきりしませんが、だいたい1600年くらいと言われています。
ちょうど、カラッチがローマのファルネーゼ宮殿にフレスコ画の装飾をしている頃です。
ファルネーゼ宮殿のカラッチの壁画の過去記事はこちらから~←ここをクリックしたら別ページで開きます。

アンニバレ・カラッチはカラヴァッジョと同時代の画家です。
両者とも卓越した画家ではありましたが、カラヴァッジョがリアルさに比重を置いてモデルをそのまま写実する表現で当時の絵画基準を順守しなかったのに対し、カラッチはまさに王道中の王道、ルネッサンスの伝統的絵画を基軸にしながらリアルさも取り入れ、けれども、神の創造物たる理想化した姿を表現しました。
反宗教改革で絵画に厳しい基準を課していたカトリック教会に合致するような作品を描いたのはカラッチです。

この作品は、他の画家たちによる複製画と変形ヴァージョンが多く残っていますが、それは、この作品がいかに大きな成功を収めたものであったかということを示しています。

聖母がイエスを抱きかかえる距離感は、サン・ピエトロ大聖堂のミケランジェロのピエタ像から影響を受けたと言われています。
聖母の泣いている表情が見事です。
イエスは本当に神々しい美しさで描かれていますね。

画面右側に天使が2人います。
一人はイエスの左手を持ち、もう一人は、イエスのいばらの冠のとげで指を刺し、観者に視線を向けています。
「キリストの受難を思い浮かべよ」と促しているかのようです。

カラヴァッジョとの作風の違いが一番よく分かるのは、こちら!



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ポポロ広場にあるサンタ・マリア・デル・ポポロ教会のチェラージ礼拝堂♪
祭壇画がカラッチによる「聖母の被昇天」
両側壁にあるのが、カラヴァッジョの「聖ペテロの磔」(左)と「聖パオロの回心」(右)です。
同時代の卓越した画家同士だけあって、両者ともに素晴らしいです♪


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by mayumi-roma | 2017-05-26 05:40 | ローマの美術散歩
ローマのマルタ騎士団♪
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コンドッティ通り♪
あら、左手の建物に掲げられた十字章の旗は何でしょう!?





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赤と白の十字章は、マルタ騎士団の証し。
マルタ騎士団の正式名称はロードス及びマルタにおけるエルサレムの聖ヨハネ病院独立騎士修道会。
現在は国家ではありませんが、かつて領土を有していたことから、主権実体として承認して外交関係を結んでいる国も100ヶ国以上あります。
国連にもオブサーバーとして参加しています。

そう、このコンドッティ通りの68番地(マルタ宮殿)にマルタ騎士団の事務局があるのです。
この建物は、イタリアから治外法権が認められています。

かつては、マルタ島が彼らの領土でした。
カラヴァッジョもローマで殺人事件を起こしたあと、ナポリに逃亡して、そこからマルタ島に渡っています。
そして、この地で、傑作と言われる「聖ヨハネの斬首」を描いたのでした。
カラヴァッジョは、ヨーロッパの貴族出身者でなければ入団の難しいマルタ騎士団の騎士にさえなっています。
ですが、また問題を起こして牢獄入り!
そこから華麗なる脱獄をしてシチリアに逃げて・・・
まさに波乱万丈の人生ですね。
当然ながら法衣剥奪の判決を受けて、マルタの騎士の復讐に怯える日々を送ることになるのですが・・・

夏にマルタ島を訪れるのがとっても楽しみです♪
この秋刊行予定の私が現在翻訳中のカラヴァッジョの本もよろしくね~






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マルタ騎士団といえば、ローマにはもう一つ、有名な場所がありますね。
アヴェンティーノの丘にあるマルタ騎士団の館です♪
右手の建物です。
1年に1度、建物は一般公開されますが、普段は治外法権のため、入ることができません。
この行列は、扉の鍵穴を覗くためのものです。
だって、鍵穴からは、こ~んな素晴らしい景色が見えるんですもの~
ローマを訪れた方は、皆さまご存じですね♪





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ご存じ!
小さな小さな鍵穴をのぞくと、そこにはサン・ピエトロ大聖堂が見えるのです~

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by mayumi-roma | 2017-05-22 03:17 | ローマの美術散歩
  

ローマ在住32年♪永遠の都からお伝えする私(上野真弓)の日々の暮らしや考えること。そして大好きな美術について・・
by mayumi-roma
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