カテゴリ:ローマの美術散歩( 299 )

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ローマ、バルベリーニ広場♪

今日は、美術展のオーガナイズをしているお友だちに誘われて、バルベリーニ宮殿国立古典絵画館で始まる「アルチンボルド展」の内覧会(一般公開の前日に招待客だけで鑑賞するイベント)に行ってきました。
9月24日まで上野の国立西洋美術館で開催されていた「アルチンボルド展」が、巡回でローマにやってきたのです。
とはいえ、まったく同じというわけではなく、場所が変われば、多少、内容も変わるし、展示方法はまったく異なります。





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アルチンボルドといえば、なんといっても、四季シリーズが有名ですね♪
こちらは、四季の「春」です。

アルチンボルドを単純に「だまし絵」の画家と考えていけません。
彼は、ルネッサンスからバロックへ移行する時期のマニエリスムの画家とされていますが、レオナルド派の絵を研究したり、ミラノのドゥオーモにもステンドグラスを残しています。
1562年には、ウィーンで宮廷画家となり、フェルディナンド1世からマクシミリアン2世、ルドルフ2世へと仕え、肖像画なども残しています。
しかも、レオナルドのように、宮廷で開催される祝典や馬上槍試合の演出なども行なっていたのです。

そのようなことが、作品と共に理解できる展示となっているので、展覧会を見ると、この画家への見方が変わると思います。





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イタリアの美術館のいいところは、写真が自由に撮れることと、絵に至近距離まで近づけることです。
どうして日本の美術館は、絵の前にロープが張られていて、近づけないのか理解できません。
もし万が一何かあったら・・と考えるのだと思いますが、万が一何かを起こす人はヨーロッパの人のほうが圧倒的に多いと思うのですが・・・






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面白い展示がありました♪
絵の下に鏡が置いてあるのです。





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壁にかかった絵は、「野菜かご」です。
これを逆さまにすると~
つまり、下の鏡を見るということですが~





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ふふふ、人間の顔になるのです~






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アルチンボルドの代表作、四季の「冬」♪






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私が一番気に入ったのは、こちらの作品♪
「図書館の司書」です。
本が大好きな図書館の司書を書物で描いたものです。

アルチンボルド、面白いわ~♪
絵に興味がない人でも楽しめるし、子どもたち、ファミリー向け。
美術を身近に感じることができるような感じ♪

時代背景を知ってもらうために、展示品には様々な工夫がされています。
アルチンボルドの作品だけではありません。






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アントニエッタ・ゴンザレスの肖像画 by ラヴィーニア・フォンターナ(1959年頃)

多毛症のペドロ・ゴンザレスの娘を描いたものです。
当時のヨーロッパ宮廷では、多毛症を始めとする奇形を持つ人たちを娯楽用の「宮廷の野人」として飼っていたのでした。
この一家も、宮廷から宮廷へと贈り物となってヨーロッパをさまようことになります。

切ない話ですが、ひどい扱いをされるわけではなかったようです。
でも、この女の子、多毛症ではあるけれど、可愛いと思いませんか!?





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美術館の遠近法の間にアペリティブの会場が~~!

こういうのを見ると、イタリアにはかなわないな~という気になります(この部分だけですよ、笑)。
この国に残る芸術品、そして、室内装飾や照明のセンス、素晴らしいですね♪
照明がピンクというのが、実にこの広間の雰囲気に合っていると思います。
日本人だったら、ここでピンクを使うでしょうか!?
いやぁ、実に素晴らしい♪





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イタリア人のすべてがセンスがいいわけではありませんが、美術関係、インテリア関係、建築関係、ファッションもそうですが、クリエイティブな仕事に関わる人のセンスは、際立っていますね。

「アルチンボルド展」
バルベリーニ宮殿国立古典絵画美術館にて10月19日より2月11日まで
8:30~19:00
休館日:月曜日、12月25日、1月1日

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by mayumi-roma | 2017-10-20 06:42 | ローマの美術散歩
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ローマ、サンタゴスティーノ教会♪

今日は、お友だちと楽しい約束があって一緒にランチを食べたのですが、そのあと、買い物があったのでカラヴァッジョの縄張り(笑)をウロウロしてきました。
そのついでに私が見たかったのは、こちらのサンタゴスティーノ教会です。

昨日の記事で、ミラノのカラヴァッジョ展にこの教会のカヴァレッティ礼拝堂の祭壇を飾る「ロレートの聖母」が貸し出されていると書きましたが、本当にこのような素晴らしい絵を貸し出したのかと半信半疑で、だとしたら、礼拝堂はどうなっているのだろう・・と素朴な疑問がわいたからです。







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ええ~~~っ!!
カラヴァッジョの「ロレートの聖母」、あるじゃないの~~~~!!!
わたくし、倒れそうになりました。
見に来ている人たちも、「カラヴァッジョだよ」と話しています。
どういうこと!?






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カラヴァッジョのオリジナル絵画は、ただ今ミラノのパラッツォ・レアーレ(王宮)で展示されています。
という張り紙が、礼拝堂に照明を入れるためのコイン投入装置の上に貼ってありました。







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なるほど~
コピーを礼拝堂に置いているのですね。
何もないより絶対にいいですね♪
それに、はっきり言って、コピーとは思えませ~ん。
何も知らなければ、カラヴァッジョの「ロレートの聖母」だと思ってしまいます。
なんとなく安心してしまったわたくしでした・・(笑)






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ラファエッロの「預言者イザヤ」は、相変わらず優しく、そこにいました・・
このフレスコ画、大好きなんです♪





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ちょうどミケランジェロがシスティーナ礼拝堂の天井画を描き終えたあとの作品です。
当然ながらミケランジェロからの影響で、力強さを取り入れているのが分かります。
足の筋肉とか~
でも、ラファエッロの絵はあくまでも柔らかい。
優しく美しく、洗練されている・・・
癒される雰囲気を醸し出すのです~
優しい気持ちになれるのです♪
システィーナに描かれたミケランジェロの預言者とはまったく違う!

ミケランジェロはしょせん彫刻家なのです。
システィーナ礼拝堂の装飾はまさに偉業だと思いますし、天才だとも思います。
でも、わたくしは、ミケランジェロの絵は好きではありません。
絵としては欠けているものが多いと思うのです。
ミケランジェロ・ファンの方、ごめんなさい。
好みは人それぞれってことで許してくださいね。

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そして、2017年10月30日(月)、18:30~20:00(18:00開場)のイタリア文化会館アニェッリホールでの無料講演会(私が逐次通訳)、コスタンティーノ・ドラッツィオ講演会「カラヴァッジョの秘密」の申し込みはこちらから~←ここをクリックすると、イタリア文化会館東京のご予約受付ページに飛べます♪ 


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by mayumi-roma | 2017-10-12 05:11 | ローマの美術散歩
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遠くから見ても、その存在感が圧倒的なラファエロの「フォルナリーナ」♪


先週訪れたバルベリーニ宮殿国立古典絵画館の完全案内バージョンを書きたいと思いつつ、翻訳本「カラヴァッジョの秘密」のお仕事が大詰めで、とてもそんな余裕はなく、でも、疲れているだけに、優しい絵で癒されたいな~と思いました。
ブログには何度も登場していますが、過去記事を見たら、ラファエロの「フォルナリーナ」について書いたのは5年以上も前でした。





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この絵を初めて見た時には、語弊はありますが、それほどの感動を受けたわけではありません。
ボルゲーゼ美術館にある「一角獣を抱く貴婦人」(ラファエロ)が、非常に私好みの絵なので、そちらの印象のほうが強くて・・

でも、今は年齢を重ねたせいか、この絵の持つ柔らかさや優しさに癒しを感じるようになりました。
フォルナリーナは、ラファエロの愛した女性です。
おそらく、ラファエロもまた、彼女との心身両面での相性もさることながら、この女性に癒されていたのではないでしょうか?

この絵を見ていると、ラファエロが彼女に抱いていた愛情がひしひしと伝わってくるような気がするのです。






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最初は、「これが、天下のラファエロが夢中になった女性?」と不思議に思っていました。
際立って美しい女性には見えなかったからです。
ローマの下町のどこにでもいる女性のように思えました。
実際、フォルナリ―ナ(本当の名前はマルゲリータ・ルーティ)はパン屋の娘ですから、その通りなのですが、気立ての良さが出ている可愛らしい女性だと、今は思います。

それにしても、ラファエロの描く女性は、皆が皆、異常なほどのなで肩!
当時のイタリアの女性は皆、なで肩だったのでしょうか?
それとも、なで肩が美の理想だったのでしょうか!?
私は悲惨なほどのいかり肩なので、ラファエロに出会っても愛されなかっただろうな~






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腕輪に「RAPHAEL VRBINAS」(ウルビーノのラファエロ)という署名があります。
絵の署名とも言えますが、女性が自分のものだという宣言にもとれます。





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そして、左手の薬指にある細い指輪。
サイズが小さすぎて指先までしか入っていない、なんていうのは無粋でしょうか?
当時の流行かもしれませんね。

この指輪も、様々な憶測を呼んでいて、ラファエロとフォルナリーナは秘密裏に結婚していただのなんだのと言われています。
まぁ、ターバンにさした美しい宝石も含めて、ラファエロがプレゼントしたことは間違いないと思いますけどね♪

それにしても、イタリア人は、昔からふくよかな女性が好みだったんですね♪

フォルナリーナの暮らした家は今もローマのトラステヴェレ地区にあります。
過去記事に書いています。
ラファエロの愛した女←ここをクリック。





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絵の中にいつまでも生き続けるフォルナリーナは、幸せですね♪


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by mayumi-roma | 2017-10-06 05:45 | ローマの美術散歩
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昨日、バルベリーニ宮殿国立古典絵画館に行ったのは、見たくてたまらなくなった絵を見るためでした。
その絵は、この部屋に展示されています。
そう、カラヴァッジョの絵が3点あるお部屋です。






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カラヴァッジョの「ナルキッソス」♪
私はギリシャ神話が大好きなので、もう、それだけで、この絵は大好きです。
水面に映った自分の姿に恋してしまう美少年。
実は、それは、ふられたニンフたちの仕返しなのですけどね。
喉が渇いて水を飲もうと泉に近寄ると、そこには美しい人の顔がある・・
「なんという美しさ!」と、思いっきり自分に見とれていますね。
そうして、存在しない存在、つまり水鏡の中の自分に恋い焦がれてしまうわけですが、毎日、泉を覗いては、ご飯も喉を通らなくなって、しまいには泉の中で溺れ死んでしまいます。
さすがに哀れに思ったギリシャの神々が、ナルキッソスを水仙の花に変えたというわけです。

久しぶりにこの絵を見たら、けっこう暗い絵だったんだ~とビックリ。
私の中では明るいというイメージの絵だったのです。
きっと、それは、私自身が作り上げたナルキッソスの世界だったのかもしれません。






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「瞑想する聖フランシスコ」By カラヴァッジョは、現在ミラノに貸し出し中~






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「ホロフェルネスの首を斬るユディット」By カラヴァッジョ♪
この絵はまったく好きではないので、これが何のお話なのかなど説明もしたくない気分になります。
でも、昔、この美術館の記事を書いた時にはしっかり説明をしていたなと思い返し、泣く泣くストーリだけ思い出すことにします。

ユディットはベツリアの町に住む美しく信仰心の強い裕福な未亡人。
ある日、ホロフェルネス率いるアッシリア軍がベツリアの町を包囲して水源を断ち、町が絶体絶命の危機のある時、ユディットは町を救うために策略を立てます。
召使いとともにアッシリアの陣地に向かい、もう神に見放された町だから道案内をすると言って敵の将軍ホロフェルネスに近づくのです。
ユディトの美しさに魅せられたホロフェルネスは彼女を酒宴に招きます。
そうして、ユディトはホロフェルネスが酔いつぶれて寝込んでしまうのを待ってから、首を切り落とすのです。

なぜ、この絵が嫌いなのか、それは、もともと斬首というテーマが好きではないからです。
ヴァレッタの聖ヨハネ准司教座聖堂で見た「聖ヨハネの斬首」には、同じく斬首がテーマですが、残虐性のかけらも見出せず、それどころか聖性を感じました。
しかし、この絵は、私に嫌悪感しか抱かせません。
カラヴァッジョの絵だったら、何でも好きってわけではありませからね。
レオナルドだってそう・・

でも、一般的には、この絵は一番人気のようです。
怖いもの見たさでしょうか!?
「あ~、これこれ」と言いながら、誰もが皆、長い間、この絵の前にたたずみ、あ~でもない、こうでもない、と称賛しています。
実際、当時もこの絵は多くの画家に影響を与えたと言われています。
カラヴァッジョは、サンタンジェロ橋で行なわれる公開処刑を見に行っていましたから、おそらく、人が斬首される時は、本当にこのような感じだったのでしょう。

そういえば、以前ナポリの美術館で写したカラヴァッジョ派のアルテミジア・ジェンティレスキの絵をアップしていなかったと思いますが、この機会に比べてみましょう。





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「ホロフェルネスの首を斬るユディット」By アルテミジア・ジェンティレスキ♪

アルテミジアは、カラヴァッジョの画家仲間だったオラッツィオ・ジェンティレスキの娘で、史上初のレイプ裁判を行なった女性です。
父親の友人の画家にレイプされ、(酷い言い方ですが)当時はよくある話で、レイプされたら結婚してもらうのが普通の時代。
けれでも、その画家はすでに結婚していたのです。
その話は置いといて、アルテミジアは画家としての評価も高く、この絵もかなり評価されています。
カラヴァッジョの影響が思いっきり見てとれますね。

あ~、それにしても、なりゆきとはいえ、苦手な絵についてダラダラと長く書く羽目になってしまった私。
皮肉なものですね。
いつまでたっても、私が見たかった絵にたどりつかないではありませんか!






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私が見たかったのは、その苦手な「ホロフェルネスの首を斬るユディット」のお隣さんにある絵なのです♪







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「聖なる愛と俗なる愛」By ジョヴァンニ・バリオーネ♪

バリオーネは、カラヴァッジョと犬猿の仲だった画家です。
熾烈なライバル同士でもあり、お互いに憎みあっていましたが、面白いことに、そんなバリオーネが当時唯一カラヴァッジョ様式を取り入れていた画家だったのでした。
心の底では、彼を認めていたに違いありません。

この絵の第一バージョンはベルリンにあって、カラヴァッジョの絵「勝ち誇るアモール」と一緒に並べられていますが、それには理由があるのです。
バリオーネは大成功を収めたカラヴァッジョの「勝ち誇るアモール」の様式を真似て描いたからです。
ところが、そのバリオーネの絵も大成功を収めてしまったため、カラヴァッジョは激怒するわけです。
大人げない仕返しをするカラヴァッジョでしたが、それは裁判沙汰にまで発展します。
ひと悶着のあと、バリオーネは同じ絵の第2ヴァージョンを制作しますが、そこには、第1ヴァージョンには描かなかった悪魔の顔を描きます。
その悪魔の顔は、憎きカラヴァッジョをモデルにしたものだと言われています。

画家同士の大人げないバトルの軌跡を、どうしても見たくなった私だったのでした~
悪魔ちゃんのカラヴァッジョ、可愛いじゃないですか!
バリオーネもなかなか良い画家だと思います~

今日の記事は、10月刊行の私の翻訳本「カラヴァッジョの秘密」の内容とは、まったく関係ありません。
でも、「ナルキッソス」「勝ち誇るアモール」「聖なる愛と俗なる愛」については書かれてありますので、本を読んで理解を深めて下さいね♪

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by mayumi-roma | 2017-09-24 06:40 | ローマの美術散歩
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クアットロ・フォンターナ通り(Via delle Quattro Fontane)♪
写真右手にあるのは、バルベリーニ宮殿国立古典絵画館です。
今日は、ずいぶん前から見たくて見たくてたまらなくなっていた絵を見に来たのですが(この美術館にはカラヴァッジョが3点ありますが、私が見たくてたまらなくなっていた絵はカラヴァッジョではありません)、なぜか「ピカソ」の青いのぼりが立っています。

???
なぜ、なぜ、なぜ???

本日(9月22日)から、ピカソ展(1915年から25年のキュービズムと古典主義の時代の作品展)が始まったのですが、それは、ここではなく、スクデリーア・デル・クィリナーレです。
それなのに、なぜ、ここにピカソののぼりが立ってるの!?

その謎は、この美術館の順路の最後にあるピエトロ・ダ・コルトーナの広間で解けました♪






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ええ~~~っ!
これはすごい!
ピカソの巨大な作品、「パレードの幕」が飾られています~
カンヴァス画ですよ~
圧倒されます。
いやぁ、これは、ピカソが好みでない方も、きっと感動すると思います。

なんでも、あまりに巨大なため、ピカソ展を開催中のクィリナーレには展示する場所がなく、唯一、収まる場所は、ここしかなかったのだそうです。
う~ん、でも、きっとピカソ展に行ってこの作品を見れなかった人がここに来ることで入場料収入が増えるという魂胆がありそうな気もします。
私、疑い過ぎかしら?
私は、たまたま、この美術館に来て、これを見ることができてラッキーでしたけど(もちろん、ピカソ展にも行くつもりですよ)。





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この絵は、普段はパリのジョルジュ・ポンピドー・センターにあるのだとか・・
私はこれまで何度もポンピドー・センターに行っていますが、全然覚えていません(大汗)。
たぶん、ポンピドーがこの絵を所蔵品にしたのは最近のことなのではないかと思います。







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「パレードの幕」 By ピカソ(1917年)

「パラード」(フランス語)は、ジャン・コクトーが台本を書き、バレエ・リュス(ロシア・バレエ団)の創設者セルゲイ・ディアギレフと音楽家のエリック・サティ―、そして舞台美術と衣装を担当したピカソとで作り上げて、1917年に上演されたバレエです。
その際、ピカソは、キュービズム風の衣装をデザインしたり、小道具も実に奇抜なものを作ったことで有名です。

圧巻です!
人を驚かせるような、このピカソの絵は、ある意味、ベルニーニの設計したバロックの館、バルベリーニ宮殿のピエトロ・ダ・コルトーナの広間に置かれて、ピッタリかもしれません。
なぜなら、バロック芸術も人をびっくりさせるようなものですから。





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ベルベリーニ宮殿、ピエトロ・ダ・コルトーナの天井画♪
この素晴らしさは写真では伝わらないだろうな~

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by mayumi-roma | 2017-09-23 05:38 | ローマの美術散歩
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本日のポポロ広場~♪
双子の教会のかたわれがずっと修復中なので絵にならない。
しかも、広場ではイベントが行なわれているため、ますます絵にならない本日のポポロ広場!
まったく~~
でも、ポケモンはたくさん捕まえました!(笑)
モンスターボールを買うために課金しまくっていますが、これは本当に無駄遣いです・・(大汗)






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ポポロ広場でいったい何が行なわれているのかというと、誰でも参加していいマラソンの練習です。
手前の係のおじさんが、おいでおいでと呼んでくれたけど~
実は、陸上競技は得意な私ですが、さすがにマラソンは・・・





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サンタ・マリア・デル・ポポロ教会♪
ブログに登場する率が非常に高いのですが、これでも、かなり抑えています(笑)。
何しろ、ウチから近い教会なので、ここを通るたびに寄ってしまう教会なのです~
今日は本屋さんに行く途中で♪

かつてのヨーロッパ各国からのローマへの入り口、ポポロ門も大好き~
同じ門だけど、反対側はフラミニオ門と呼ばれます。
地下鉄A線のフラミニオ駅のある側、私のおウチのある方向です。
ポポロ門(フラミニオ門)についての過去記事は、こちら~(←ここをクリック)

ちなみに、宗教改革を行なったマルチン・ルターは、若い頃のローマ滞在中にこの教会の裏にあった修道院に滞在していました。
ただし、その修道院は、19世紀にポポロ広場とピンチョの丘を整えた際に取り壊されています。


この教会は、もともととても古いものです。
ここにはかつて、皇帝ネロが埋葬されたドミティアヌス家の霊廟がありましたが、ネロの骨からクルミの木が生えて悪霊が宿っているという噂がありました。
確か、この話は、以前ブログに書いたと思います。
この物語を浮彫彫刻にして、祭壇の入り口を飾っています。
「サンタ・マリア・デル・ポポロ聖堂と暴君ネロ」←ここをクリック(重複することも書いていますけどね)
というわけで、夢の中で聖母マリアのお告げを聞いてクルミの木を倒した当時の教皇パスクアーレ2世が、聖母に捧げる教会を建てたのが1099年でした。
教会の建立にかかる費用をローマ市民が寄付したために、市民=ポポロ、聖母マリア=サンタ・マリアで、サンタ・マリア・デル・ポポロ教会と呼ばれることになったのでした。





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主祭壇の「市民の聖母」♪

古い教会が修復を重ねるのは常ですが、1227年にグレゴリウス9世によってより大きく拡張されます。
その際、当時のラテラーノ宮殿にあったサンティッシモ・サルヴァトーレ礼拝堂から、上の写真、主祭壇に飾られた「市民の聖母」の絵でした。

サンタ・マリア・デル・ポポロ教会は、さらに、シクストゥス4世の治世下で修復拡張工事されてルネッサンス風になり、その後17世紀にベルニーニが再び改修工事をし、現在見られるバロック風の装飾が施されたのです。





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教会に入って右側にある「デッラ・ローヴェレ家の上の礼拝堂」♪
デッラ・ローヴェレ家は、シクトゥス4世やユリウス2世を輩出した家です。
祭壇には、ピントゥリッキオが描いた「キリストの生誕と聖ヒエロニムス」があります。
上部の半月形(ルネッタと呼びます)には、同じくピントゥリッキオによる聖ヒエロニムスの生涯が描かれています。
聖ヒエロニムスは、聖書をラテン語に訳した四大ラテン教父の一人です。






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キリストの生誕と聖ヒエロニムス♪
ルネッサンスの繊細で美しいスタイルで描くピントゥリッキオ、好きなんです~
ヴァティカン宮殿のボルジアの間は圧巻ですよね~♪






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ちなみに、こちらは、「デッラ・ローヴェレ家の下の礼拝堂」です。
ピントゥリッキオの弟子たちが描いた「玉座の聖母と幼子イエス」♪






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サンタ・マリア・デル・ポポロ教会の中で私が一番好きなキージ家礼拝堂です♪
というより、最も愛する礼拝堂と言うべきでしょうか!
礼拝堂自体が大傑作♪
ラファエッロの天才的な設計だと思います。

この礼拝堂は、ラファエッロのパトロンの一人だった16世紀の大銀行家アゴスティーノ・キージが、自らと一族の墓を置く礼拝堂の設計をラファエッロに依頼して作らせたのです。
向かって右のピラミッドが、アゴスティーノ・キージのお墓♪
その後、17世紀に、キージ家出身の教皇アレクサンデル7世が枢機卿だった頃、この礼拝堂をベルニーニに修復させました。
それは、ますますこの礼拝堂を美しくしたのではないかと思います。
ピラミッドも、永遠のシンボルとして、もともとラファエッロがデザインしたものでしたが、それをベルニーニが少し変えたのでした。





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この礼拝堂のクーポラを飾るモザイクも、すべてラファエッロのデザインです♪
美しいわ~




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この祭壇画も好きなんです~
セバスティアーノ・デル・ピオンボの「聖母マリアの誕生」です。
ヴェネツィア出身でベッリーニ、続けてジョルジョーネに師事しましたが、主な活動はローマに来てからです。
この絵はマニエリスム的で面白いと思います。






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礼拝堂の祭壇右手にあるベルニーニの彫刻「ハバククと天使」です♪
ハバククの髪をつまみあげる天使が可愛い♪
この彫刻も大好きで~す♪

この彫刻と対になるのは、祭壇の左手の彫刻ではなく、対角線の向こうにあるもう一つの彫刻です♪
ちなみに左手の彫刻は、ラファエッロのデザインに沿ってロレンツェットが彫ったルネッサンス期のものです。
主題は、「クジラから出て来たヨナ」。
これと対になるのが対角線の向こう側の「エリヤ」です。
同じくラファエッロのデザインです。
ここでは写真を省略しています。






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こちらが、「ハバククと天使」と対になる「ダニエルとライオン」です。
神に感謝の祈りを捧げています。

旧約聖書の物語です。
紀元前7世紀、国を失ったユダヤ人はバビロンに捕囚されます。
その中に預言者ダニエルがいましたが、その力を見込まれてバビロンの王に仕えました。
ところが、それを妬んだ家臣の陰謀で、ダニエルはライオンの暮らす洞窟に放り込まれてしまいます。

そこで、神は天使を遣わし、食べ物を持っていた預言者ハバククの髪をつまんで持ちあげて、空を飛んでダニエルのいる洞窟へ連れて行きます。
そうして、神に守られ、ライオンに襲われることもなく、餓死することなく救われたダニエルは、ひざまずいて神に感謝の祈りを捧げるのです。






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最後に、カラヴァッジョの絵画2点あるチェラージ礼拝堂です。
いつも人がいっぱい。
照明がないと真っ暗で、礼拝堂の中の絵は何も見えませんね~
でも、昔は、このように自然の光だけで見ていたわけです。






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祭壇中央には、カラヴァッジョと同時代のもう一人の巨匠、アンニーバレ・カラッチの「聖母被昇天」(この世の生を終えて天に昇って神より栄光を受けること、つまり現世での死です)。
鮮やかな色使いと確かな画面構成力、カラッチの絵も本当に素晴らしいです~

左は、カラヴァッジョの「聖ペテロの磔刑」です。
キリストと同じように十字架にかかるのは恐れ多いと、自ら逆さに磔にするように頼んだ聖ペテロです。

右は同じくカラヴァッジョの「聖パウロの回心」です。
最初に描いた絵は拒否され、書き直したものです。






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「聖パウロの回心」♪
この絵は、本当に素晴らしいと思います。

キリスト教徒の迫害者であったパウロは、馬でダマスカスに向かう途中、「サウロ(パウロのこと)、サウロ、なぜ私を迫害するのか」というイエスの声を聞き、落馬し、目が見えなくなります。
その後、キリスト教徒のアナニアが神のお告げを受け、サウロのために祈ると、サウロの目から鱗のようなものが落ちて目が見えるようになります。
こうしてパウロは回心してキリスト教徒となったのでした。

カラヴァッジョの革新的なところは、神の姿を描いていないところです。
一般的に、この主題の絵は、イエスの幻を見て落馬するパウロの姿が描かれるのですが、あえて神を描かず、目を閉じて両手を広げて神の光を受けるパウロの姿を描いただけで、この物語を伝えているところが素晴らしいと思うのです。
こうすることで、画面により聖性が現われていると思います。

ちなみに、パウロは、キリストの死後、キリスト教徒となったため、イエスの直弟子ではありません。
したがって、12人の使徒の中には数えられませんが、熱心に伝道をしたことで、ペトロと並ぶ偉大な聖人となっています。

本日は、本屋さんに行く時に覗いた毎度おなじみのサンタ・マリア・デル・ポポロ教会について、省略しないで、すべての見所を書いてみました。
いや、ちょっと省略した部分もありますけどね。

明日からゲラに取り組むため、少し時間的余裕のある今日はきっちり書こうかなぁ、と思って書き始めたら・・
なんと、写真アップも含めて、5時間以上もかかってしまいました。
ね、いつもの時間よりブログを更新する時間が遅いでしょう!?
ブログを書くのって、本当に大変!(私の場合は)
時々、やってられなくなります~
自分で自分のことをバカじゃないかと思うことあります。
好きでやっているはずなのに、逆に首を絞められることになるなんて、本末転倒ですものね。
真面目すぎる性格、イヤになります。

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ただ今、カラヴァッジョの翻訳本を刊行準備中ですが、私の翻訳本第一弾、「レオナルド・ダ・ヴィンチの秘密 天才の挫折と輝き」(河出書房新社)もよろしくね♪

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by mayumi-roma | 2017-09-19 08:08 | ローマの美術散歩
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ローマ旧市街。
古き良きローマ♪
16世紀末から17世紀初頭にかけて、カラヴァッジョがうろうろしていた地域でもあります。





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コッペレ通り♪
ローマにはツタの葉に覆われた建物が多いですね。
石畳の街にはよく似合います。





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コッペレ広場は、とても変わった広場です。
この道のような場所もコッペレ広場、奥に広がるのもコッペレ広場・・

ちなみに、左のレストランは、4月に、私が翻訳を手がける本の原作者コスタンティーノたちとお昼を食べたところ。
まだお昼前の時間帯なので、準備中~





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こちらが、前の写真の奥にある広場~
ここも、同じコッペレ広場です。
しかし、どこを見ても車、車で、せっかくのローマの景観が台無しですね・・
ローマは、残念ながら、どこに行ってもこんな感じです。





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さっきの道を反対から見てみましょう。
右のレストランは、先ほど左にあったのと同じ、私が4月にコスタンティーノたちと行ったレストラン。
この奥もまたコッペレ広場が続きます~





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こんな感じです~
聖職者が歩いているのもローマのこの界隈ならでは。

コッペレ広場には、どこに入ればいいのか分からないくらい、たくさんのレストランがあります。
ちょうど、この写真の左手にかつてミシュランの星がついていた有名なレストランがあるのですが、何年か前にドラッグのスキャンダルに巻き込まれて星を失ってしまいました。
今はどのくらいするのかな?と覗いてみたら、相変わらずの強気の値段設定でした。

さて、このコッペレ広場は、どうして、このような変形的な広場なのでしょう!?





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それは、広場の真ん中に、こちらの教会があるからです。
サン・サルヴァトーレ・アッレ・コッペレ教会♪
1914年よりローマ在住のルーマニア人の国民教会となっています。





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この写真を見ると、その複雑な造りがお分かりでしょう。
もともと、中世の1195年、ローマ教皇ケレスティス3世の命で建立された教会ですが、その後、1750年の聖年の機会に建て直されました。
でも、中世の部分は内部にも外側にも残っています。
鐘楼も中世のものですが、面白いことに、鐘楼の一部がその後建てられたと見られる一般の集合住宅の中に組み込まれています。

教会の中に入りたかったけど、ちょうどミサが終わったところで、大勢のルーマニア人が出てくるところにぶつかってしまい、入るタイミングを失ってしまいました。
今度また行こうっと♪

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by mayumi-roma | 2017-07-22 22:07 | ローマの美術散歩
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ローマ中心部の繁華街、コルソ通りです~
ポポロ広場とヴェネツィア広場を結ぶ大通りです。
この道沿いには多くの教会がありますが、強いて言えば、サン・マルチェッロ教会とサンタンブロージョ・エ・カルロ教会が見るべきもので、その他は大したことないと思っていました・・・
ですが、私は偶然、とんでもなく興味深い教会を発見したのです。
ローマに暮らして33年目になるというのに、どうしてこれまで気がつかなかったのかが不思議です。
もしかしたら、修復してようやく公開されたばかりなのかもしれません。
この写真のちょうど右手、ドーリア・パンフィーリ美術館の近くです。






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こちらです~
サンタ・マリア・イン・ヴィア・ラータ教会♪
ヴィア・ラータとはラータ通りという意味で、コルソ通りの古い名称です。
ファサード(正面)は17世紀のピエトロ・ダ・コルトーナによるもの。
しかし、この教会は実に古いものなのです。





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教会の内部には、これといって有名な作品があるわけではありません。
主祭壇には、福音書家の聖ルカが描いたと言われる聖母マリアのイコンが飾られてあって、他には、ラファエッロの友人だった詩人アントニオ・テバルデオ(ヴァチカン宮殿のラファエッロの間の「パルナッソス山」の中にモデルとして描かれています)のお墓や、ナポレオン王家の一人だった貴公子のお墓がある程度です。

それにしても、この教会のシスターはとても感じが悪かった!
聖職者とて人間ですから、神に仕える人のすべてが慈愛に満ちているとは限らないのです。





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この天井画は面白いなと思いました。
誰が描いたのかは分かりません。





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この教会の見どころは、なんといっても地下聖堂なのです。
入り口は、教会内部ではなく、玄関の右端にあります。
入場料、わずか2ユーロ。





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階段を曲がって、さらに下へ・・・




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完全な地下遺跡です。
やっぱり、発掘されていないだけで、こういうところがローマにはたくさんあるのでしょうね。

古代ローマの遺跡が祈りの場所に代わり、それが中世、ルネッサンス、バロック時代へと続いていくのです。






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この祭壇は、バロック期のもので、ピエトロ・ダ・コルトーナも関わっています。
祭壇のレリーフは、コルトーナ工房のコジモ・ファンチェッリ作です。
この地下聖堂と関わりのある聖パオロと聖ペテロと福音書家の聖ルカが表わされています。






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こちらの部屋にも4世紀から5世紀の祭壇があります。
石積みの壁やコスマティー装飾の祭壇がいかにも古代ローマを感じさせます。





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古代ローマ時代の井戸。
この井戸は、数年前に調査されましたが、かなり深いもので、実に興味深いものがたくさん出てきました。
さまざまな古いゴミの中から、鎖も出てきたのです。
この井戸の水で、聖パオロがキリスト教への入信者に洗礼をしていたと伝えられています。

地下聖堂は、フレスコ画で飾られていましたが、それらはすべて綺麗にはがされて、現在は、クリプタ・バルビ博物館に展示されています。
ここには、その代わりの複製画が置かれているだけです。
地下聖堂はひんやりしていますが、ものすごく湿気が多いですから、フレスコ画には大敵ですものね。





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この柱に、聖パオロは鎖で繋がれたそうです。
しかし、ずっと繋がれていたわけではなく、看視人に見張られながら2年あまり暮らしていたそうで、その間に、この場所をキリスト教の祈りの場として、先ほどの井戸の水で洗礼をしてわけです。
そして、ここには福音書家の聖ルカや聖ペテロも滞在したのでした。
大理石にラテン語でそう刻まれているのです。





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本当にいくつも部屋があります。
ここが何で・・ということは正確には分からないけど、見学するだけで興味深いです。




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この石づくりの壁。
まさに古代ローマの遺跡そのものの一部なのですが、最初は、ここが、(キリスト教徒の初期の祈りの場になる前)セプタ・ユリアだったのではないかと考えられていたのです。
しかし、結果的に、セプタ・ユリアは、パンテオンのそばにあったことが分かり、この場所には、古代ローマの集合住宅や市場や居酒屋などがあったと考えられています。

コルソ通りにこんな場所があったなんてビックリでした♪
皆さまもショッピングのついでに是非覗いてみてくださいね。
入場料2ユーロですし。

ちなみに、セプタ・ユリアについては、過去記事に書いています。
ぶらりパンテオン♪←こちら~♪

Basilica di Santa Maria in Via Lata
聖パオロの祈りの場、地下聖堂
月曜日お休み
火曜日~日曜日16時から19時まで(冬場は15時から18時まで)
土曜日のみ午前10時から13時まで開館。
Via del Corso 306

先日の記事「チェーザレ・ボルジアの母親の墓碑銘」に、ラテン語の墓碑銘の大まかな日本語訳を私なりの解釈で追記しました。
あくまでも大まかなもので、正しいとも言いきれませんので、参考としてお読みになりたい方はどうぞ。
チェーザレ・ボルジアの母親の墓碑銘←こちらです。

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by mayumi-roma | 2017-07-20 22:18 | ローマの美術散歩

エキサイトブログのメンテナンスとかで、ずっとログインができませんでした。
ようやく復旧しましたよ♪
先日のティボリの続きです。

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ティボリには、噴水で有名なエステ家の別荘、古代ローマ時代のハドリアヌス帝の別荘がありますが、ヴィッラ・グレゴリアーナもあります。
入り口(谷の反対側の入り口から入る場合は出口になります)は、この写真で見えるように、ちょうどヴェスタの神殿のお隣です。

ティボリには、ローマを流れるテヴェレ川の源流の一つ、アニエネ川が流れています。
このアニエネ川が氾濫すると、がけ崩れが起こり甚大な被害が生じるため、19世紀にローマ教皇グレゴリウス16世が一大事業を行なうことを決心しました。
人工的な水の流れを2つ作り上げ、巨大な滝を居住地区からできるだけ離れるように迂回させたのです。
そうして、渓谷一帯を公園のように作り上げたのでした。

この谷は、グランツアーと呼ばれる時代(17世紀から18世紀)、多くの風景画に描かれましたが、その当時の風景とは変わってしまったわけです。





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荒れ放題だった公園がきちんと整備されたのは2007年です。
綺麗になってからは入ったことがなかったので、久しぶりに行ってみることにしました。
行きは下りなのでラクですが、谷を越えて、反対側の丘に向かうので、行程の半分以降が大変そう・・・(大汗)





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遊歩道から上を見上げると、ヴェスタの神殿が~~




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ネプチューンの洞窟のそばを流れる水。




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この先は滝♪





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滝です~




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Miollisの抜け道♪





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地獄谷の滝♪




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谷の反対側からヴェスタの神殿を見たところ~
崖に開いている穴は、先ほどの写真のMiollisの抜け道。





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紀元2世紀、古代ローマの高官だったマンリオ・ヴォピスコの別荘跡♪






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最も巨大な滝♪
19世紀に、居住地から離れた場所に移動させることに成功したものです。




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滝の下です~

ヴィッラ・グレゴリアーナ公園は、自然を楽しみながら散策をするという感じですね♪
ベンチもたくさんあるし、家族連れもけっこう多かったです。
でも、暑かった~~

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by mayumi-roma | 2017-07-18 20:19 | ローマの美術散歩
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今日は、夕方5時過ぎにヴェネツィア広場まで行ってきました。
日中暑いので、夕方お出かけしたわけですが、やっぱり異常な暑さ・・・
ふう~~っ!




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ヴェネツィア広場まで来たのは、ヴェネツィア宮殿のそばにあるサン・マルコ大聖堂に行くためです。
ヴェネツィアの守護聖人、福音書家聖マルコに捧げた教会です。
もともと、この地には紀元336年にローマ教皇マルティクス(マルコ)によって建立された教会がありましたが、それを紀元833年に教皇グレゴリウス4世が、立て直しました。
ちなみに、ロマネスク様式の鐘楼は12世紀のものです。
そして、15世紀、ヴェネツィア出身のローマ教皇パウルス2世の時代には、ファサード(正面)の祝福のロッジャ(回廊:2階部分)がルネッサンス様式で加えられ、その際、この教会を在ローマのヴェネツィア共和国国民のための国民教会としました。
現在の姿は、その後のバロック時代に修復されたものです。





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アトリオ、教会の玄関にあたります~
左手の扉が教会の内部へ続く扉です。






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アトリオの右端~
そして、私がわざわざこの教会に来た理由はここにあります~
壁の右下にある大きな墓碑銘です♪
これを観に来たのです。





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これは、ボルジア家出身のローマ教皇アレクサンデル6世の愛人で、フアン、チェーザレ、ルクレツィア、ホフレ・ボルジアの母親であったヴァノッツァ・カタネイの墓碑銘なのです。
この教会に葬られているわけではありません。
以前、ブログの記事でも書きましたが、彼女のお墓は、ポポロ広場のサンタ・マリア・デル・ポポロ教会の中にあったのでした。
それは本物の黄金で作られた豪華絢爛なものでした。
しかし、いつの時点か不明ですが、なくなってしまったのです。
おそらく1527年の「ローマの略奪」の際に黄金を盗まれ破壊されたのでしょう。
遺骨はどこに行ってしまったのかも分かっていません。
墓碑銘だけが、こちらの教会に移されました。
それも、いつのことだかははっきりしていません。
墓碑銘には、次のように書かれています。

D(EO) O(PTIMO) M(AXIMO)
VANNOTIAE CATHANEAE CAESARE VALENTIAE IOANNE GANDIA(E) IAFREDO SCYLLATII ET LUCRETIA FERRARIAE DUCIBUS FILIIS NOBILI PROBITATE INSIGNI RELLIGIONE EXIMIA PARI ET AETATE ET PRUDENTIA OPTIME DE XENODOCHI(O) LATERANEN(SI) MERITAE HYERONIMUS PICUS FIDEICOM(M)ISS(I) PROCUR(ATOR)
EX T(ESTAMEN)TO POS(UIT)
VIX(IT) ANN(OS) LXXVI MEN((SES) IIII DIES XIII OBIIT ANNO M D XVIII XXVI NO(VEMBRIS)

今日は時間がないので、日本語への翻訳は、また後日、このページに追記で記しますので、興味のある方は、来週またこのページを覗いて下さいね。

いずれにしても、この墓碑銘が、ヴァノッツァ・カッタネイとローマ教皇との愛人関係を公的に示す証拠となるわけです。
はっきりと、ファン、チェーザレ、ルクレツィア、コフレ・ボルジアの母親と刻まれてあるわけですから。

「追記です」
ヴァノッツァ・カッタネイの墓碑銘の日本語訳をおおまかに記します。
ラテン語の単語は、イタリア語に近いものもあるので、雰囲気的に意味はつかめるのですが、形容詞や動詞についてはその変化が凄まじく、また文法が難解なこともあって、外国人のわたくしが正確な翻訳というのはおこがましい限りです。
ゆえに、わたくしも雰囲気的には意味が分かるのですが、それをきっちりと正確に訳すことには抵抗があります。
イタリアの学校では5年間の高等学校でラテン語が必須になります。
理系でも文系でも同じです。
学校で習っていても理解するのは難しい言語なのです。
夫も息子も理系の高校でしたが、必須科目のラテン語は難しかったと言っています。
夫にもこの墓碑銘の言葉を見せて解釈を聞きましたが、この文章は文法的にかなり間違っていて、正確なラテン語とは言えず、意味の分からないことが多いとのことです。
ですので、あくまでも私の解釈で大まかな意味だけを記します。
いかなる形でもパクらないでくださいね。←これが一番心配です。

慈悲深い神の名において
ヴァノッツァ・カッタネイに献じる
ヴァレンティーノ公チェーザレ、ガンディア公フアン、スクイッラーチェ公ホフレ、フェッラーラ公妃ルクレツィアの4人の子どもたちを、その高貴な誠実さで育て、
宗教においても同様に、その徳の高さでラテラノ病院に偉大な功績を残す
財務管理官ジェロニモ・ピオが遺言状を執行する
76年と4か月と13日の生涯を生き、1518年11月26日に死す

補足
ヴァノッツァが亡くなる時、すでに三人の息子は全員亡くなっていました。
実業家としても成功していた彼女の財産は途方もないもので、その財産をすべて教会に残したそうです。
ラテラーノ病院は、サン・ジョヴァンニ・イン・ラテラーノ大聖堂とサント・ステファノ・ロトンド教会の間に中世の頃からあった教会経営の古い病院です。
おそらく、財産の一部がそちらの病院に寄付されたのではないでしょうか?





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教会の内部♪





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9世紀のビザンチン様式のモザイク♪




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新古典主義の巨匠カノーヴァ作のレオナルド・ペーサロのお墓♪






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メロッツォ・ダ・フォルリ作の教皇マルティクス(マルコ)の肖像♪

時間がないので、ざっくりと写真だけのご紹介になりました。
ヴェネツィア広場には行っても、なかなかこの教会に入ることはないかもしれませんが、お近くを通ったら、是非、中に入ってみてくださいね。
特に、チェーザレ・ボルジアのファンの方は必見かもしれません。

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by mayumi-roma | 2017-07-15 06:36 | ローマの美術散歩

ローマ在住33年♪永遠の都からお伝えする私(上野真弓)の日々の暮らしや考えること。そして大好きな美術について・・


by mayumi-roma