グロテスク文様の廊下(新規公開)@ファルネジーナ荘♪
2018年 05月 17日
門にアカデミア・デイ・リンチェイと記されているのは、このアカデミーの所有する建物だからです。
本部は、ファルネジーナ荘の道を挟んだ真向かいにあるコルシーニ宮殿にあります。
15世紀後半からイタリアでは人文主義者たちの会合を母体として次々にアカデミーが誕生しましたが、当時の学問の最先端を研究し、古典研究の他、自然科学にも力を入れていました。
アカデミア・デイ・リンチェイは、その中で最も有名なもので、ガリレオ・ガリレイも所属していました。
創設は1603年です。
こういうことを書いていると、なるほどイタリアは大した国だったんだな~と思わずにはいられません。
とはいえ、その当時はイタリアではなく小国家分立していたわけですけど・・
それに比べて、統一された今のイタリアの現状は・・・
総選挙から2か月以上たっても、政権が確立しないことから、大統領が暫定政府を作るぞ~と言ったとたん、なんと、5つ星運動と連合右派から抜け出したレーガ(人種差別政党)が連立政権を作ることになってしまいました。
と言いつつ、まだ数週間はかかることでしょう・・・
ド素人の2つの政党がいったいどんな政治を行なうというのでしょう!
短命に終わることでしょうが、いまだにユーロ離脱の国民投票をするなどと馬鹿げたことを言い続けていますしね・・
イタリアは常に亡国の危機にさらされています。
話が脱線してしまいましたが~
今日は、ファルネジーナ荘の最終回です。
これまで修復されていたため非公開だったグロテスク文様の装飾のある廊下です。
修復が終わって、ついに公開されました♪
「アレクサンドロス大王の婚礼の間」の続きにあります~
このお屋敷の他の部分も見学できるのが嬉しい~♪
グロテスク文様について、簡単に説明しますと(以前にも説明したような記憶が~)、グロテスクの語源はグロッタ、つまり洞窟です。
ルネッサンス時代に、皇帝ネロの黄金宮殿(ドムス・アウレア)が洞窟のような地下から発見され、そこには摩訶不思議な壁面装飾がありました。
人物、動物などが植物と合体しているような奇妙な絵です。
ラファエッロはこの遺跡を何度も訪れて、この文様をヴァティカン宮殿の開廊の装飾に取り入れました。
ここから、グロッタから発見された古代美術という意味で、グロテスク装飾と呼ばれるようになったのです。
この頃、ポンペイの遺跡は当然ながら発見されてはいませんが、ポンペイの壁画を思い出させる赤です♪
ファルネジーナ荘は、私のローマでのお気に入りの一つです。
大好き~♪
ファルネジーナ荘の他の部屋の記事は以下の通りです。
ラファエッロのガラテアの間@ファルネジーナ荘←ここをクリック♪
アモールとプシュケの間@ファルネジーナ荘←ここをクリック♪
遠近法の間@ファルネジーナ荘←ここをクリック♪
アレッサンドロス大王の婚礼の間(寝室)@ファルネジーナ荘←ここをクリック♪
Villa Farnesina
Via della Lungara 230
開館時間:月曜から土曜9時から14時まで
日曜日はお休みです。
入場料:6ユーロ
私の翻訳本第一弾、「レオナルド・ダ・ヴィンチの秘密 天才の挫折と輝き」(河出書房新社)も、あわせてよろしく♪
これまでにないタイプの画期的な本で、レオナルドの人生とその作品のすべてが物語風に分かりやすく綴られています。
by mayumi-roma
| 2018-05-17 06:04
| ローマの美術・歴史散歩