ウルビーノ最終章♪
2018年 04月 11日
旅行は非日常の世界なので、過ぎてしまえば日常の彼方へ消え去ってしまいます。
同じイタリアの地とはいえ、そこにたどり着くまでが難儀な道のりなので、余計に非日常感が増してしまうのです。
ここに再び戻ってくるのは、たぶんパリに行くよりも難しい気がします。
だからこそ余計に、キラキラとした夢のような思い出に変わっていくのでしょうね・・
こういう風景も風情があります~♪
ウルビーノで見たもの、食べたもの、たくさんありますが、最後にどうしてもこれだけは紹介しておきたいと思うものを、今日ここに記して、ウルビーノ滞在記はおしまいにします。
聖ヨゼフ礼拝堂という意味で、聖ヨゼフ信心会の運営する教会です。
プレセピオともいいますが、プレセーペとは、クリスマスの時期にイタリアの教会や各家庭で飾られるキリスト降誕の様子を人形で表わした模型です。
これは、1560年にウルビーノ出身のマニエリスムの芸術家フェデリーコ・ブランダーニが制作したものです。
大きな洞窟の作りになっています。
一見の価値がありますよ~
知らない人はいないと思うけど、念のため、聖ヨゼフはイエス・キリストの人間界での父親です。
イタリアには、修道会や信心会など多くの組織がありますが、私は聖ヨゼフ信心会なんて、聞いたことありませんでした。
こういう頭巾があると、なんだか、クー・クラックス・クランを思い出して、異様な感じを受けるのですが、実際には単なる会服なんですね・・
洗礼者聖ヨハネ礼拝堂という意味です。
こちらのジョヴァンニ(ヨハネ)は、バッティスタがついていることからお分かりかと思いますが、キリストの使徒の一人、福音書家の聖ヨハネではなく(この場合はエヴァンジェリスタがつきます)、キリストのハトコで、キリストに洗礼を授けた洗礼者聖ヨハネのほうです。
この教会には、国際ゴシックの名作が残っているのです。
国際ゴシックって?
ゴシック美術のうち、14世紀後半から15世紀前半にかけてフランスと北イタリアで発展した美術様式です。
この様式が西ヨーロッパ全域に広がっていったことから、19世紀末にフランスの美術史家が「国際ゴシック」と名づけたのでした。
国際ゴシックは宗教的題材の深い表現が特徴で、従来のゴシック美術に比べて色彩がより鮮やかになっています。
また、従来のゴシック様式では全体的に縦に伸ばされたような表現形式がされるのですが、国際ゴシック様式では静的で厳粛な形式で表現される人物像、画面細部の詳細がつぶさに描写されることも特徴となっています。
いっぽうで、国際ゴシックは、この時代の不安を反映しているとも言われます。
イタリアで有名な国際ゴシックの画家は、シモーネ・マルティーニ、ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノ、ピサネロなどですが、こちらの教会にあるフレスコ画もそれはそれは素晴らしいものでした♪
1416年に描かれたものが、現代まで損なわれることなく、このように残っていることが驚異です。
ちなみに、壁の左側のフレスコ画はほとんどが損なわれていました・・
壁のフレスコ画を1枚ずつ追いながらストーリーを読むのは面白いです。
実に見事な作品でした♪
洗礼者聖ヨハネの母親は、聖母マリアのいとこである聖エリザベト。
大天使ガブリエルが神のお告げを伝えてヨハネを懐妊します。
かなりの高齢だったため、奇跡が起こったのでした。
どこかで聞いたような話・・(笑)
ウルビーノは、また行きたいな~と思わせるところではありますが、難儀な道のりであるため、これが最後になるのかもしれません。
でも、私の心には、小国でありながらルネッサンスの華麗な文化を咲き誇らせ、天才ラファエッロを生んだ美しいウルビーノ公国の思い出がいつまでも生き続けることでしょう♪
両オラトリオは、Via Barocciにあります。
開館時間は、9時から13時まで。
2つのブログランキングに参加しています。
1日1回のクリックが反映されるようになっています。
クリックして応援してね♪
にほんブログ村
私の翻訳本第一弾、「レオナルド・ダ・ヴィンチの秘密 天才の挫折と輝き」(河出書房新社)も、あわせてよろしく♪
これまでにないタイプの画期的な本で、レオナルドの人生とその作品のすべてが物語風に分かりやすく綴られています。
by mayumi-roma
| 2018-04-11 07:05
| ウルビーノ