キージ家礼拝堂・・

キージ家礼拝堂・・_c0206352_04104594.jpg
ポポロ広場~♪
双子の教会の修復は終わりましたが・・・




キージ家礼拝堂・・_c0206352_04115308.jpg
今度は、サンタ・マリア・デル・ポポロ教会の修復が始まりました~
いつもどこかで修復工事が行なわれているローマです。
それだけ、遺跡や芸術品などの文化財が多いということなのですけど・・




キージ家礼拝堂・・_c0206352_04145653.jpg
ラファエッロにカラヴァッジョ、ベルニーニ、なみいる巨匠たちが次から次へと装飾をしていったこの教会・・・
ウチから近いので行く頻度が高く、これまでに何度も取り上げていますが、今日は、ラファエッロの設計したキージ家礼拝堂を拝みに行きました。





キージ家礼拝堂・・_c0206352_04190370.jpg
ラファエッロ設計のキージ家礼拝堂♪
画家としての名声が高いラファエッロですが、わたくしは、建築家としての彼も本当に素晴らしいと思います。
この礼拝堂も、実に天才的な空間としかいいようがありません。
同郷の先輩、ブラマンテから影響を受けたのだとは思いますが、円形の礼拝堂というのは、あまり例がないと思います。
あらためて、この円形の空間が完璧であることに気づかされます。
この素晴らしい空間を味わうためには、くるりと視線を周さなければなりませんが、それも楽しみの一つです~
本当にうっとりと見とれてしまいます♪





キージ家礼拝堂・・_c0206352_04433971.jpg
ラファエッロのパトロンの一人、銀行家アゴスティーノ・キージのお墓♪
敬意を表してお参りです~
キージ氏には感謝の気持ちしかありません。
彼がラファエッロに注文したもの、ここだけでなく、サンタ・マリア・デッラ・パーチェ教会のキージ家礼拝堂のフレスコ画やファルネジーナ荘の素晴らしいフレスコ画は、今も完全な姿で残っているのですから。




キージ家礼拝堂・・_c0206352_04250420.jpg
バロック時代に大規模な改修工事がされて、ベルニーニの手が加わりましたが、ラファエッロにこの礼拝堂を依頼した富豪、銀行家のアゴスティーノ・キージのお墓がピラミッドの形をしているのも、そもそもがラファエッロの設計によるものでした。
ピラミッドは永遠の象徴でしたから。
ベルニーニが手を加えたのは、メダルの部分だけです。




キージ家礼拝堂・・_c0206352_04331478.jpg
クーポラのモザイクの下絵もラファエッロが描きました。
モザイク装飾は、1516年、ヴェネツィア出身のルイジ・デ・パーチェによるものです。
ラファエッロが描いたカルトン(原寸大の下絵)は、残念ながら消失してしまいましたが、いくつかの素描(デッサン)が残っていますので、疑いようもなく、このクーポラの装飾はラファエッロ本人のデザインだということになります。
ここに描かれているのは、中央に創造主である神がいて、その周りに、異教の神の姿をした太陽や惑星を置き、それぞれが天使に導かれています。
天地創造、宇宙の始まりを寓意化して表現しているのです。

う~ん、キージ家礼拝堂にはうっとりとしましたが、このくらいじゃ、ルネッサンスの時代にはタイムスリップできませんね~
ローマ、バロックタウンだし~
だからといって、わたくしが求めるルネッサンスは、フィレンツェではないのです~
もう少しテンションを上げるためにも、久しぶりにバチカン博物館やファルネジーナ荘に行かなきゃいけません。

サンタ・マリア・デル・ポポロ教会についてまとめた過去記事があります。
サンタ・マリア・デル・ポポロ教会のすべての見所完全版←ここをクリックしたら飛べます。

「カラヴァッジョの秘密」(河出書房新社)、全国の書店で絶賛発売中♪

キージ家礼拝堂・・_c0206352_01321892.jpg


私の翻訳本第一弾、「レオナルド・ダ・ヴィンチの秘密 天才の挫折と輝き」(河出書房新社)も、あわせてよろしく♪

これまでにないタイプの画期的な本で、レオナルドの人生とその作品のすべてが物語風に分かりやすく綴られています。








by mayumi-roma | 2018-02-04 05:22 | ローマの美術・歴史散歩

上野真弓、ローマ在住の翻訳家&文筆家&ツーリズム別府大使。日々の暮らしや芸術探訪、旅の記録。最新刊は訳書『ミケランジェロの焔』、著書に『教養としてのローマ史入門』、訳書『ラファエッロの秘密』など。お仕事のご依頼はoffice.uenomayumi@gmail.comへ。


by mayumi-roma