狂気の沙汰!「救世主」はレオナルドの真筆か?

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画像はパブリック・ドメインからお借りしました。

1か月ほど前に世界中の新聞やテレビのニュースで大騒ぎとなっていましたから、皆さまも既にご存じだと思います。
この画像は、11月15日にクリスティーズで約508億円(手数料込み)で落札された絵です。
レオナルド・ダ・ヴィンチの「サルヴァトール・ムンディ」(救世主)だそうです。

狂気の沙汰としか思えません。
これまで、この件について書こうかどうか迷っていましたが、友人の美術史家やレオナルドの専門家も私と同じ意見だったので、やっぱり書くことにしました。

これが、レオナルドの真筆?
どう見ても、レオナルドのオリジナルの絵とは思えませんが・・・
確かにレオナルド風の作品ではあります。
あるいは、レオナルドの筆も少しは入っているのかもしれません。
でも・・・
私には真筆とは思えないのです。
皆さまは、どう思われますか?

この絵をレオナルドの真筆と鑑定した美術史家は4人。
その中にはオックスフォード大学の有名なレオナルド研究者マーティン・ケンプ氏もいらっしゃいますが・・・
おそらく、レオナルド研究者の間でも意見は分かれるところだと思います。

この絵が落札された時、落札者の名前は明かされませんでした。
私は、これを買ったのは絶対にアラブの富豪だと踏んでいましたが、やっぱり、ほぼ予想通りでした。
先日、アブダビの文化観光局がこの絵を獲得したと発表しましたね。
ルーブル・アブダビに展示されるそうですが、「レオナルド作」とは表示できないと思います。
せいぜい「レオナルド帰属」がいいところでしょう。
うーん、でも、「レオナルド作」と表示しそう・・・

レオナルドの作品数は非常に少ないので、時々、新発見だの真筆認定だのとニュースが出ます。
たまたま美術館が所蔵している作品がレオナルドの真筆だと鑑定されれば、その美術館自体の価値も上がるでしょう。
また、美術館にレオナルドの作品が1点でもあれば、それを観に訪れる美術ファンも多いと思います。

今回の競売には興ざめです。
レオナルドの真筆として競売にかけることも、それを史上最高額で落札するというのも、狂気の沙汰としか思えません。
なんだか、こういう美術界の流れには、がっかりです。

今日の記事は、あくまでも一個人の印象と意見ですので、あしからず。

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by mayumi-roma | 2017-12-12 21:00

ローマ在住33年♪永遠の都からお伝えする私(上野真弓)の日々の暮らしや考えること。そして大好きな美術について・・


by mayumi-roma