誰もが楽しめるアルチンボルド展@ローマ♪
2017年 10月 20日
今日は、美術展のオーガナイズをしているお友だちに誘われて、バルベリーニ宮殿国立古典絵画館で始まる「アルチンボルド展」の内覧会(一般公開の前日に招待客だけで鑑賞するイベント)に行ってきました。
9月24日まで上野の国立西洋美術館で開催されていた「アルチンボルド展」が、巡回でローマにやってきたのです。
とはいえ、まったく同じというわけではなく、場所が変われば、多少、内容も変わるし、展示方法はまったく異なります。
こちらは、四季の「春」です。
アルチンボルドを単純に「だまし絵」の画家と考えていけません。
彼は、ルネッサンスからバロックへ移行する時期のマニエリスムの画家とされていますが、レオナルド派の絵を研究したり、ミラノのドゥオーモにもステンドグラスを残しています。
1562年には、ウィーンで宮廷画家となり、フェルディナンド1世からマクシミリアン2世、ルドルフ2世へと仕え、肖像画なども残しています。
しかも、レオナルドのように、宮廷で開催される祝典や馬上槍試合の演出なども行なっていたのです。
そのようなことが、作品と共に理解できる展示となっているので、展覧会を見ると、この画家への見方が変わると思います。
どうして日本の美術館は、絵の前にロープが張られていて、近づけないのか理解できません。
もし万が一何かあったら・・と考えるのだと思いますが、万が一何かを起こす人はヨーロッパの人のほうが圧倒的に多いと思うのですが・・・
絵の下に鏡が置いてあるのです。
これを逆さまにすると~
つまり、下の鏡を見るということですが~
「図書館の司書」です。
本が大好きな図書館の司書を書物で描いたものです。
アルチンボルド、面白いわ~♪
絵に興味がない人でも楽しめるし、子どもたち、ファミリー向け。
美術を身近に感じることができるような感じ♪
時代背景を知ってもらうために、展示品には様々な工夫がされています。
アルチンボルドの作品だけではありません。
多毛症のペドロ・ゴンザレスの娘を描いたものです。
当時のヨーロッパ宮廷では、多毛症を始めとする奇形を持つ人たちを娯楽用の「宮廷の野人」として飼っていたのでした。
この一家も、宮廷から宮廷へと贈り物となってヨーロッパをさまようことになります。
切ない話ですが、ひどい扱いをされるわけではなかったようです。
でも、この女の子、多毛症ではあるけれど、可愛いと思いませんか!?
こういうのを見ると、イタリアにはかなわないな~という気になります(この部分だけですよ、笑)。
この国に残る芸術品、そして、室内装飾や照明のセンス、素晴らしいですね♪
照明がピンクというのが、実にこの広間の雰囲気に合っていると思います。
日本人だったら、ここでピンクを使うでしょうか!?
いやぁ、実に素晴らしい♪
「アルチンボルド展」
バルベリーニ宮殿国立古典絵画美術館にて10月19日より2月11日まで
8:30~19:00
休館日:月曜日、12月25日、1月1日
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by mayumi-roma
| 2017-10-20 06:42
| ローマの美術散歩