ブランド考あれこれ♪

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パラッツォ・フェンディ♪
ローマにあるフェンディ本店です。

フェンディと言えばローマ♪
イタリアのファッションの中心はミラノで、多くのブランドはミラノから生まれていますが、そんな中でフェンディだけはローマのファッションブランド。
もともとは毛皮で有名だったブティックです。
それが、いつの時代でしょうか?
高度成長期の60年代から70年代にかけてでしょうか?
Fをダブルで組み合わせたズッカ柄のバッグを作って販売したところ大当たり!
いちやくトップブランドの仲間入りをしました。

でも、フェンディがLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)グループに買収されて以来、提案するファッションはすべて刷新されましたね。
昔と全然違う~~~
コンテンポラリー・アートとタイアップしているようで、ローマの本店前の広場にもオブジェがあります。
4階には7室しかないラグジュアリーな超高級ブティックホテル、5階には、これまた超高級な日本食レストラン「ZUMA」があって、ひたすら超高級路線の戦略をまっしぐら~のようです。
ショーウインドウを見てびっくりしました。
お値段が~~~!!!

まぁ、確かにブランドビジネスは、高級路線を貫くのが大切だと言われます。
お値段が高ければ高いほど、売れるという不思議な世界です。
しかも、不況になれば不況になるほど売れるという不況に強いビジネスでもあります。
そう、庶民は不況にあえいでいても、富裕層はビクともせず、むしろ、より豊かになるからです。

ここ数年で、イタリアのブランドものは大幅に値上がりしました。
しかも、毎年上がり続けています。
昔はフランスものに比べてお値段が安いところが魅力だったのに~

話はフェンディに戻りますが、昔からズッカ柄(FF)が好きで色々と買い集めていた私のフェンディたちが可哀相です。
提案するファッションの傾向がすっかり変わってしまって、もう、出番はなさそうですから。
ひと昔すぎて、着たり持ったりするのは恥ずかしい?
私はフェンディという名前で買っていたのではなく、あのダブルのFのズッカ柄が私に似合って好きだから買っていたんですけど・・・

こういうところが、移り変わるブランドの嫌なところです。
グッチもそうですね。
定番だけは作り続けるという誇りを持ってほしいです。
たとえ経営者が変わろうとも!

ま、フェラガモとプラダは、一族の経営が続いているので、それほどの変化がなく、ありがたいですが、お値段はやはり上がる一方です・・・

最近思うことは、世界中の各ブランドがどうあがいても、絶対にシャネルとエルメスにはかなわないということ。
なんというか、この2つのブランドは、完全に独自の世界観を築いていてブレがない。
基本的に路線は変わらないし、完全にイメージ作りに成功しています。
もちろん、お値段は手に届かないようなものではありますが、それだけに永遠に憧れのブランドであり続けるようなところがありますよね。
いつかは、シャネルスーツを買うぞ~とか、
いつかは、ケリー(もしくはバーキン)を買うぞ~みたいな・・
一点豪華主義、自分にご褒美みたいな感じ。

たぶん、後継者のデザイナー選びに成功したのでしょう。
創設者が生み出したエスプリを忘れず、ほんの少し自分のエッセンスを加えて、時代にマッチしたものを作り上げるというやり方。

ディオールもかつては絶対的なイメージがありましたが、デザイナー選びに失敗していると思います。
最近、デザイナーが変わって、イタリア人になりましたが、???という感じ。

昔のディオールにあった華やかさと優雅さと女っぽさは、誰にも追従を許さないような実に美しい世界観でした。
実に好みでした。
ゆえに、どちらかというとオーソドックスなスタイルのシャネルにもエルメスにも、私は憧れたことがないのです。
でも、考えてみれば、50代の今こそ、こういうもの(シャネルやエルメス)が本当に似合うお年頃なのではないかと思います。
あ、そういえば、昔からブログを読んでいらっしゃる方はご存じでしょうが(ブログに写真つきで書いたことがあります、笑、)シャネルの小ぶりのバッグは持っていますよ~
ロンドン時代のボーイフレンドがバースデイにプレゼントしてくれたものですけど、30年以上前のものとは思えないほど、きれいなままです。
ほとんど使う機会がありませんからね(笑)。

若い頃の、あの物欲は何だったんだろう・・とよく思います。
以下、同世代にしか分からない話(笑)。
私はクリスタル世代(田中康夫のなんとなくクリスタル)。
第一次ブランドブームの時代に女子大生でしたから、当時一番人気のあったヴィトンのボストンかセリーヌのショルダーで大学へ行くというのがお約束でした。
比較的安価だったクレージュもめっちゃ流行っていました~
フェンディやグッチも人気あったけど、ヴィトンが一番高かったから、これが一番のステイタスだったかな。
私の大学は、芸能人の子弟が多くド派手だったので(苦笑)。
今はどうなっているんだろう!?
その頃のバッグ、他は全部ボロボロになって捨ててしまいましたが(ロンドン時代までは使えたかな)、ヴィトンだけは型も崩れず、今でも使えます(使いませんけどね)。
夏はサーファースタイルで、ジーンズに大きなGのバックルのついたグッチのベルトをするのがお約束~

当時は「チャーリーズ・エンジェル」のファラ・フォーセットの髪型が流行っていて、女子は皆、ファラ・カット♪
私もファラ・カットにしていました♪
ファラ・カットって、ロングですよ、もちろん。
遊ぶ場所は、なんといっても六本木!
懐かしいな~

そんな女子大生時代を経て、ロンドンでもローマでも、若い頃は欲しいものがいっぱいだった・・・
お洋服もバッグもジュエリーも時計も!

今は、それほど物欲もなく・・・
(少しはあるけど)
せいぜい、アウトレットでお得に上手にお買いものするくらいかな。
でも、たとえば、お洋服は安いザラを着たとしても、靴と時計だけはいいものをつけるというのが、私のポリシーかな。
あと、偽物だけは、いかなる形でもアウトです。


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by mayumi-roma | 2017-09-21 06:05 | ファッション&アクセサリー

上野真弓、ローマ在住の翻訳家&文筆家&ツーリズム別府大使。日々の暮らしや芸術探訪、旅の記録。最新刊は訳書『ミケランジェロの焔』、著書に『教養としてのローマ史入門』、訳書『ラファエッロの秘密』など。お仕事のご依頼はoffice.uenomayumi@gmail.comへ。


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