サンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会♪
2017年 04月 25日
パンテオンの南隣にあるローマ唯一のゴシック式の教会「サンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会」の前から、ベルニーニの可愛らしい象さん越しに、建物の間にのぞくパンテオンが見える・・・
サンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会は、古代ローマのミネルヴァ神殿の上に建てられたため、「ソプラ・ミネルヴァ」、つまり「ミネルヴァの上」という名前がついています。
教会の前の象さんは、バロックの巨匠・ベルニーニの工房の作品です。
その上には、この教会の中庭で見つかったという、ローマで一番短いオベリスクが立っています。
これは、ローマが大洪水に見舞われた時に、この教会のどの位置まで水位が来たかを記しているのです。
テヴェレ川は古代ローマ時代から常に氾濫していて、その度にローマの街は水に浸かっていたのでした。
堤防が出来たのは19世紀のイタリア統一後ですから、本当に長い間、ローマは頻繁に大洪水に見舞われていたのでした。
13世紀のゴシック様式にバロック様式が加わって現在の姿に至りますが、教会内部にある数々の有名な芸術作品はルネサンス期のものです。
奥の主祭壇の下には、シエナの聖女、聖カテリーナのお墓があります。
ベルニーニ作の大理石の記念碑も飾られています。
この作品は、「あがないの主、キリスト」とも呼ばれています。
私には、それほどすごい作品とは思えないのですが、ミケランジェロはミケランジェロですからね♪
フラ・アンジェリコのフラは修道士という意味で、その通り、修道士であり、また、ルネサンス初期の偉大な画家でもありました。
ベアト・アンジェリコとも呼ばれますが、ベアトは、聖人につぐ福者を意味します。
この教会は、カトリック・ドミニコ会の本部だったため、同じドメニコ会に所属するフラ・アンジェリコは、晩年、この教会に隣接する修道院で暮らし、そこで亡くなったのでした。
それゆえ、ここにお墓があるのです。
と言われています。
「受胎告知」と「聖母の被昇天」です。
ちなみに、フィレンツェのウフィッツィ美術館にある美しい絵、フィリッポ・リッピの「聖母子」の聖母のモデルとなった女性は、フィリッピーノ・リッピの母親です。
二人とも聖職者という禁断の恋だったのです。
その後、俗人に戻ったようではありますが・・
息子のフィリッピーノは、父親の弟子だったボッティチェリに師事して、父親と同じ画家の道に進みました。
画風はボッティチェリ風ですね♪
15世紀、ルネッサンス初期の画家、アントニアッツォ・ロマーノの「受胎告知」です。
描かれた人物像には人間的な表情やしぐさもがあり、明らかにルネッサンス様式なのですが、精霊の象徴である鳩が飛んでいたり、左上に全能の神がのぞいていたりで、中世の様式を抜けきっていないのです。
確かな腕のあった画家だと思いますが、思い切って新しいものに飛びつく勇気がなかった・・・という感じです。
そこがまた、この絵の可愛いところでもあるのですが、やはり世の中で巨匠と呼ばれる芸術家たちは皆、怖れることなく自分の信じる革新的な道を進んでいるので、そこが天才との分かれ道なのでしょうね。
神の恩寵を受けたような気分になります~
こういう瞬間にここに立ったことに感謝です。
訪れる季節、訪れる時間によって、教会も芸術品も見え方が変わります。
だからこそ、何度でも同じ場所を訪れることには意味があるのです。
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by mayumi-roma
| 2017-04-25 03:39
| ローマの美術散歩