沈黙ーサイレンス
c0206352_01573579.jpg
昨日、一気に読んでしまった文庫本は、遠藤周作氏の「沈黙」でした。
実は、私はこれまで読んだことがありませんでした。
私の場合は、映画が先で、本が後になってしまいました~




c0206352_02011346.jpg
この本を原作にしたマーティン・スコセッシ監督の「沈黙ーサイレンス」を、何が何でもオリジナルで観たかったので(イタリアではイタリア語吹き替えになる)、東京滞在中に行ってきました。
重い映画のせいか、観る人は少ないという印象です。
日曜日だったのに、客席は半分も埋まっていなかった・・

混沌とした時代だからこそ、軽いもの、単純に笑えるもの、普通に泣けるものが好まれるのでしょう・・
「君の名は」を飛行機の中で見ましたが、普通に面白いし、ハッピーエンドに安心しますものね。

でも、今、不寛容な時代だからこそ、笑ってばかりいるのではなく、少し重い気持ちになったとしても、観てほしい映画です。





c0206352_02041543.jpg
重い映画ですが、「信仰とは?」「人間とは?」を深く考えさせてくれる素晴らしい映画です。
その点では、キリスト教を超えて、普遍的な意味での「宗教」や「人間」について考え込んでしまいます。
ほゞ原作に忠実に映画化されています。

この小説は、敬虔なカトリック信者だった遠藤周作氏にしか書けなかったストーリーだと思います。
もちろん、史実をもとにしたストーリーですが、描写の細部が聖書を熟知している人間にしか書けないものです。

この映画を観る人は、「いい映画だった」と思うでしょう。
けれども、やはり、キリスト教の教義や聖書を大方知っていないと、その深い部分まで理解できるかどうかは疑問です。
私はカトリック信者ではありませんが、カトリック系の学校に通ったこともあり、一通りのカトリック教義や祈りの言葉も知っていますし、何より30年以上もローマに暮らしていることから、カトリック信仰は身近過ぎるくらいに身近なものです。

日本でキリスト教が禁止されていた時代、司祭もいなくなってしまった時代・・
かつては聖堂や神学校まであり30万人のカトリック信者を抱えていた長崎で、転ばなかった(棄教しなかった)キリシタンが殉教し続け、彼らの住む町や村が焼き払われる・・

かつての恩師が棄教したという噂を聞き、どうしても信じられない2人のポルトガル人司祭(イエズス会)が危険を冒して長崎に入ります。
そこで見たのは、貧しくも真摯に生きる善良な百姓たち(隠れキリシタン)が信仰を捨てず、踏み絵を踏まず、酷い拷問を受けて殉教していく姿・・・

ポルトガル人司祭は葛藤します。
どうして神は沈黙したままなのか・・

そのいっぽうで、キリシタンであり続けながら、自分を守るために何度でも踏み絵を踏む者・・・

強き者、弱き者。

神は沈黙していたわけではなかった・・・

本当に素晴らしいです。
なんといっても、原作者の遠藤周作氏は素晴らしい!
スコセッシ監督もよいですけどね。

浅野忠信氏の英語のうまさにびっくり。
尾形イッセー氏は評判通り、味のある演技。
窪塚洋介氏は卑怯な弱い人間をボサボサ~っと怪演してますね。
でも、私的には、塚本晋也氏が一番よかった!


2つのブログランキングに参加してます~
クリックして、応援してね♪
にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ
にほんブログ村

人気ブログランキングへ

c0206352_01321892.jpg

私の翻訳本です♪
「レオナルド・ダ・ヴィンチの秘密 天才の挫折と
輝き」(河出書房新社)もよろしく♪

これまでにないタイプの画期的な本です。
レオナルドの人生とその作品のすべてが物語風に分かりやすく綴られています。

レオナルドの作品を鑑賞する際により深い理解を得ることができますよ~

全国の書店でお求め頂けます。
アマゾンはこちらから~♪

by mayumi-roma | 2017-02-12 03:05 | 映画・音楽・本・イベント

ローマ在住32年♪永遠の都からお伝えする私(上野真弓)の日々の暮らしや考えること。そして大好きな美術について・・
by mayumi-roma
プロフィールを見る
ブログジャンル
海外生活
50代
ブログパーツ
  • このブログに掲載されている写真・画像・イラストを無断で使用することを禁じます。