ロココ様式の聖マグダラのマリア教会♪
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パンテオンの近くにあるゴテゴテの華美な教会♪

ローマではあまり見ることのない後期バロックのロココ様式の「サンタ・マリア・マッダレーナ聖堂」(聖マグダラのマリア教会)です。

もともとは14世紀の礼拝堂だったものを教会に作り変えたものです。

このファサード(正面)は、ジュゼッペ・サルディによって1735年に完成しました。
実を言いますと、このロココ様式のファサードは、「Chiesa di zucchero」(キエザ・ディ・ズッケロ:砂糖菓子のような教会」と、ずっと批判されてきました。
砂糖菓子、つまり、ケーキの飾りのような教会というわけです。
華美なロココ様式は、聖人たちを祀る教会にふさわしくないと考えられていたのです。

それでも、現在では、この珍しいロココ調の教会がこの地域のアクセントになっているかもしれません。
ただし、イタリア人は、ロココを悪趣味と考えており、あまり好きではありません。






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教会の内部。
一廊式で左右に礼拝堂があり、ジェスー教会の天井画を描いたバチッチャの絵もあります。

この教会は、様々な修道会を経て、16世紀後半に「病人のしもべ」という名称の看護修道会の創設者、聖カミッロ・デ・レリスの本拠地となりました。
聖カミッロは、アブルッツォ出身だったため、現在でも、この教会はローマのアブルッツォ出身者のための教会となっています。

カミッロは、ナポリ王国で陸軍士官だった父のもとで兵役に就きますが、足を負傷して退役します。
その後、修道院などの建設現場の労働者として仕事をしますが、非常に短気な性格で賭博好きでした。

しかし、とある修道士がそんなハチャメチャの彼に良い点を見出して説教すると・・・
それが心に響いて、カミッロは過去の罪深い暮らしを悔い改めて祈り続け、修道士を志すのでした。
けれども、修道士になることをカプチン派のフランシスコ会からは2度拒否され、仕方なくサン・ジャコモ病院(この当時からあったのですね・・)で働いていました。
病人を献身的に看護するうちに病院の限界を感じて、オラトリオ会の創設者フィリッポ・ネーリに相談します。
そして、聖フィリッポに、肉体的救済だけでなく魂の救済も必要だと諭され、司祭になることを勧められ、ついに34歳で司祭となったのでした。






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これは、教会に付属する施設に飾られた聖カミッロの肖像画です。
(ここには通常入ることはできません)

34歳で司祭になったカミッロは、1586年に2人の同志とともに「病人のしもべ」という修道会を設立して、1591年にはローマ教皇シクストゥス5世から正式な承認を受けます。
これが、カミッロ修道会の始まりです。
カミッロ修道会の会員は、肩や胸に赤い十字架を着用する規則があって、これがのちの赤十字運動に繋がります。
看護修道会と呼ばれたように、イタリア各地の大きな病院、また戦場にもカミッロ修道会から修道士たちが派遣されて、正しい看護法を実践します(病人への新鮮な空気、伝染病患者の隔離、正しい食事療法など)。
1607年に修道会の会長を辞しますが、その後も病人や囚人のために献身的な活動を続けます。
そして1613年に亡くなり、今もこの教会に眠っています。
1746年、ベネディクトゥス14世によって列聖されました(つまり聖人として認定されたということです)。






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聖具室~
ここは見ものです!






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完全なロココ様式が当時のままに残っています。
たくさんの絵、金ぱくの使用、ポリクロミー(多色彩色画法)。
木製の戸棚には大理石模様が描かれています。
そして、トロンプ・ルイエが~~
トロンプ・ルイエとはだまし絵のことです。
壁には窓がないのに、まるで窓があるかのように描かれているでしょう!?
その窓の横には、遠近法で、まるでずっと奥まで部屋が続くように描かれています。

ラッファエッロやカラヴァッジョの作品があるわけではないけれど、ローマの教会は、どんな小さな教会にも見所があって、そこにまつわるお話は面白いものです。
私自身、サン・カミッロの物語もまったく知りませんでした・・

そして、この教会の司祭さん、すっごく良い人でした。
どうして聖職者の道を進んだのだろうと思うくらい、普通に普通の人で、普通の友だち感覚で喋れる親しみやすい方!
でも、これは、一緒にいたお友だちがアブルッツォ出身の人だったからかもしれません。
しかも、若くてイケメンだったのです(笑)。
さらに、司祭の衣装なんてつけてなくて、一般人みたいな服装に首元にだけ聖職者と分かるようなものをつけた服装・・

私の経験から言いますと、こういう聖職者のほうが信用できます。
カミッロ修道会は看護修道会でもあるわけですから、現場を大切にする感覚とでもいいましょうか!?
司祭然とした司祭さんって、けっこう偉そうで、意外と視野が狭く、偏狭的な考え方を持っているような人もいます。
ま、会派や人にもよりますけどね。


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by mayumi-roma | 2016-11-24 06:56 | ローマの美術散歩

ローマ在住32年♪永遠の都からお伝えする私(上野真弓)の日々の暮らしや考えること。そして大好きな美術について・・
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