ただ今、修復中~@ミケランジェロのモーゼ像♪
2016年 10月 25日
モーゼの上には、法王ユリウス2世。
その後ろには幼子イエスを抱える聖母像。
上段左に巫女、右に預言者が配置されています。
このモーゼ像は、皆さまご存じのようにミケランジェロの作品です。
ちなみに、この大計画のためにミケランジェロが作った幾体かの「奴隷像」が、フィレンツェのアカデミア美術館やパリのルーブル美術館に残っています。
モーゼ像は、モーゼがシナイ山で神から受け取った「十戒」を手に山を降りようとするところを表したものです。
今は修復中なので見えませんが、モーゼの左右には、同じ旧約聖書に登場するラクエルとリア姉妹がいます。
ラクエルは、美しくはないけれど子どもを生める女。
リアは、美しいけれど子どもが生めない女。
父親の命令で、二人とも同時に同じ男性に嫁いだという話です。
リアは、美しいけれど子どもが生めない女。
父親の命令で、二人とも同時に同じ男性に嫁いだという話です。
この作品にミケランジェロが取りかかったのは30歳の頃でした。
そして、完成したのはなんと70歳!
この像のために40年間も翻弄され続けたわけです。
そういうわけで、ミケランジェロは、モーゼ像を「わが人生の悲劇」と呼んでいたそうです。
モーゼの頭には2つのツノがあるように見えます。
この解釈には色々と説がありますが、シナイ山で神から「十戒」を受け取って山を降りる時に、モーゼの額に現れた2つの光を表したものであるとの見方が強いです。
また、視線の鋭さは、ミケランジェロそのものであるとも言われています。
誇り高く、何事にも厳しかった彼の性格そのものが映し出されているそうです。
この解釈には色々と説がありますが、シナイ山で神から「十戒」を受け取って山を降りる時に、モーゼの額に現れた2つの光を表したものであるとの見方が強いです。
また、視線の鋭さは、ミケランジェロそのものであるとも言われています。
誇り高く、何事にも厳しかった彼の性格そのものが映し出されているそうです。
でも、私には、厳しいと言うより、なんだか悲しそうに見えます。
最後に、このモーゼ像が完成した時のミケランジェロの言葉♪
「Perche' non parli?」(何故、喋らないんだ?)
最後に、このモーゼ像が完成した時のミケランジェロの言葉♪
「Perche' non parli?」(何故、喋らないんだ?)
自分で彫り上げたとはいえ、その、あまりのリアリズムに我を忘れて、叫んだようです。
祭壇の下に祀られた聖ペトロを牢獄に繋いでいた鎖♪
こういう聖遺物を重要な聖堂に飾ることは大変重要なことだったのですが、真偽のほどは定かではありません。
でも、私は、人々がずっと信じて大切にしてきたことに大きな意味があると思うので、本物だと信じることにしています。
祭壇の後ろには、1577年にヤコポ・コッピの描いた「聖ペテロの解放」のフレスコ画が見えます。
1513年にラファエッロがヴァティカンの教皇居室の間に描いたものを見て影響を受けたのでしょうね。
ちなみに、その「ラファエッロの間」もユリウス2世が描かせたものです。
ユリウス2世は、軍人教皇と呼ばれるほど戦争に明け暮れていた教皇ですが、現在も私たちが天才たちの芸術品を鑑賞することができるのは、この方のおかげかもしれませんね。
私の翻訳本第一弾、「レオナルド・ダ・ヴィンチの秘密 天才の挫折と輝き」(河出書房新社)も、あわせてよろしく♪
by mayumi-roma
| 2016-10-25 06:12
| ローマの美術・歴史散歩