カラッチの名画で見るギリシャ神話@ファルネーゼ宮殿♪


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16世紀のイタリア建築において、最も壮大で素晴らしい建築と言われているローマのファルネーゼ宮殿は、アレッサンドロ・ファルネーゼが枢機卿時代(のちの教皇パオロ3世)に建てたものです。

ローマのファルネーゼ宮殿、最大の見ものは、なんと言っても、「カラッチのギャラリー」です♪
修復後、ここ1年くらいは、週に3回(月・水・土)、予約制のガイドツアーが行なわれているとはいえ、午後のへんてこな時間帯なので、なかなか行くことができません。(ちなみに、見学申込のサイトはこちら。興味のある方はここをクリック

長年に渡って、このフレスコ画を見ることが夢だった私は、感無量でした。
1597年から1608年にかけて、アンニバレ・カラッチが制作しました。
ルネッサンス以降の1世紀半に渡るヨーロッパ絵画の革新の集大成とも言える傑作とされています。
題材は、古典♪
ギリシャ神話です。






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天井の真ん中にあるのは、バッカスとアリアンナ♪
ギリシャ神話のディオニュソスとアリアドネのことですが、ギリシャ神話はのちにローマ神話になっていますから、名前がギリシャ語からイタリア語(当時はラテン語)に変わったりしていて、ちょっとややこしいのです。

アリアドネはクレタ島のミノス王の娘。
生贄としてやってきたテーセウスに恋をして、結婚することを条件に迷宮のミノタウロス(半身が牛の怪物)を退治して脱出するための秘策を教えます。
迷宮の入り口に糸を結んで、それをたどれば無事に迷宮から出てこれるというわけです。
その後、二人はナクソス島へ渡りますが、そこで、ディオニュソス(葡萄酒と酩酊の神)が彼女に恋をして奪い取り、レムノス島で交わり子をなしたというお話です。
複雑~~
ですが、面白いです♪






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赤の大広間から入ってすぐの上にあるのは、ペルセウスとピネウス♪
ペルセウスが怪物を倒してアンドロメダと結婚しようとしたために、アンドロメダの婚約者ピネウスは陰謀を企てますが、ペルセウスにメドゥーサの首を見せられて、共謀者とともに石にされてしまいました。
その場面が描かれています。






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対をなすように、反対側に描かれているのが、ペルセウスとアンドロメダ♪
メドゥーサの首を持ったペルセウスが左端に見えます。








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ポリュペモスとアーキス♪

アーキスは牧神パンと河の神シュトマイトスの娘の間に生まれた子。
大変な美男子でニンフ(妖精)のガラテアと愛しあっていました。
しかし、ガラテアは、凶暴な一つ目の巨人ポリュペーモスからしつこく言い寄られており、ある時、二人が逢瀬しているところを巨人に見られてしまいます。
ガラテアは海に逃げましたが、アーキスはポリュペーモスが山から岩を投げて押しつぶされてしまいます。
この場面はちょうど石を投げるところです。
その後、可哀相なアーキスはシチリア島のエトナ山から流れる河になりました。





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対となる反対側~



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ポリュペモスとガラテア♪
結局、ガラテアはこの一つ目の巨人の子を産むことになってしまいます。






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一つ目の巨人、ポリュペモスの顔がどう描かれているのか、ズームで見てみましょう。
こんな感じですが、本来目のある部分にも目のくぼみが描かれていますね。






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ゼウスとヘラ(ローマ神話ではジョーヴェとジュノーネ)♪
神々の王とその妻。
ゼウスは好色で知られ、ヘラは嫉妬深いことで有名です。






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対になる絵は、愛と美の女神アフロディーテとアンキ―セス(ローマ神話ではヴィーナスとアンキーセ)♪

アフロディーテはアンキ―セスを見て恋の虜になってしまいます。
アンキ―セスは、女神と交わった男は精を失うと信じていたので、あまりにも美しい彼女を見て女神ではないかと疑い、アフロディーテは神の姿を隠します。
二人の間にはアイネイアスが生まれます。
ちなみに、アイネイアスはトロイヤ戦争におけるトロイア側の武将で、トロイア滅亡後、イタリア半島に逃れてローマ建国の祖となったということになっています。←こじつけっぽいですね。






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ヘラクレスとオムパレ(オンファールともいう)♪

この物語もローマ期以降、複雑に脚色されています。
神託によって奴隷となったヘラクレスをリュディアの女王オムパレが買い取って仕えさせましたが、彼女は横暴な女王で、ヘラクレスに女装をさせて糸つむぎの仕事をさせる始末でした。
けれども、彼女がヘラクレスの獅子の皮をまとってこん棒を持つと、こん棒の重さによろめいたのでした。
ある日、奇襲攻撃で女王の部下が殺されます。
ヘラクレスは獅子の皮をまとってこん棒を持って敵を帰討し、ヘラクレスとオムパレは結婚し、3人の子をなします。






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対になる絵は、セレネーとエンデュミオン♪

セレネーは月の女神で、エンデュミオンを愛し、ゼウスに願って彼に不老不死の永遠の眠りを与えました。
セレネーは、夢の中のエンデュミオンと交わり、50人の娘(暦月の女神たち)を産みました。






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こちらは、ギリシャ神話とは関係ないけど、私の好きな一部分です♪
一角獣と処女♪
一角獣は純潔の象徴で、この時代には実在する動物だと信じられていました。
ただし、処女でないと捕まえることができないと♪(笑)

他にも様々なギリシャ神話を題材とする絵がありましたが、この辺で♪


ギリシャ神話は複雑ですが、実に面白いストーリーがいっぱいです。
何か一つでも知っておくと、西洋絵画を見るのが楽しくなります♪
ここでは、ストーリーを端折って書いていますので、あしからず。


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by mayumi-roma | 2016-10-04 05:16 | ローマの美術散歩

ローマ在住32年♪永遠の都からお伝えする私(上野真弓)の日々の暮らしや考えること。そして大好きな美術について・・
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