雨のローマに思うこと・・・

雨のローマに思うこと・・・_c0206352_22550062.jpg

日本を発つ頃、ちょうど秋雨前線に見舞われていましたが、ローマも同じです。
   雨が多い毎日となりました。
   今日も午前中に4時間ほど雨が降りましたが、この通り。
   ちょっと雨が降ると、大変なことになってしまいます。
   それは何故なのでしょう!?





雨のローマに思うこと・・・_c0206352_22562730.jpg

昨日、お友だちに「ローマに戻ってきてカルチャーショックはない?」と尋ねられましたが、32年もローマに暮らしていれば、そんなものは超越しています(苦笑)。
ローマはゴミだらけ。
街が汚いのは慣れっこ~~

古代遺跡や数々の芸術作品が残るローマは素晴らしいです。
おそらく、その点では唯一無二の存在♪
まぁ、だからこそ、ここに暮らしていられるという部分はあるのですけど。
しかしながら、イタリアは社会構造システムがまったく機能していない国なので、第三世界的な暮らしを強いられています。

ちょっと雨が降ると洪水的有り様になるのも、街が汚いから(だと思う)。
掃除をしないから、落ち葉やゴミがたまって、排水口をふさいでしまうのです。
結果、洪水状態です。
市役所に雇われている掃除人はいます。
各地区、週に3回は必ず掃除をしなければならないのです。
でも・・
彼らはまったくやる気なし~

私はよく自宅のバルコニーから道を掃除しなければならない掃除人を眺めていますが、大抵は、ほうきを片手に持っただけで、携帯でお喋りしています。
この不況で仕事があるだけありがたいことなのに、彼らはまるで、「こんな仕事、やってられないわ~」的な態度をしています。
こちらでは、道路に街路樹があるのが当たり前なのですが、落ち葉や木の実はいつも散乱して、ひどい時には風に吹かれて山積みになってたまっています。
大げさではなく、何か月も掃除に来ないこともあります。

私が翻訳した本の原作者コスタンティーノは、日本版の発売を機に来日して、東京が大好きになりました。
「日本では、地下鉄の掃除をする人さえ自分の仕事に誇りを持ってきちんと仕事をしている。それに比べて、イタリア人は何のやる気もなく、文句しか言わない」と言っていました。

彼の東京のイメージは「蝉の声」だそうです。
大都会なのに緑が豊かで、公園で大合唱している蝉の声が非常に印象的だったそうです。

また、日本にはゴミ箱がまったく置いてないのに、道端にゴミを捨てる人がいないことにも驚いていました。
民度が高いと♪

そもそも、イタリアでは、道端にゴミをポイ捨てするのは当たり前~
イタリア人のメンタリティでしょうか!?
自分さえ良ければいい的な・・
その証拠に、イタリア人の家に行くと、どの家もピカピカに綺麗なのです。
実に丁寧に掃除してあります。
つまり、自分の家の中さえ綺麗ならいいわけです。

そして、雨が降ると混乱するのが交通!
ただでさえ機能していない公共の交通機関なのに、麻痺状態になって、タクシーはまったくつかまらなくなります。

昔は、そんな悲惨な環境で民度の低いイタリア人に囲まれて暮らすのがイヤでイヤで、ローマ・フュミチーノ空港に降り立った途端に憂鬱な気分になったものですが、長年暮らしていると、諦めることを覚えました(笑)。
期待しない・・という一言です。
期待しなければ、そんなものかと思いますし、たまに物事がスムーズに行けばラッキーだと思えますから。
これぞ、究極のポジティブシンキング!?
なるべくいいところを見ようとしてあげるのが、私がローマで生き抜くための生活の知恵です(笑)。
せっかくご縁があってこの地に暮らしているのですから。

どうやったって改善など見込めない国ですけどね。
人々の意識を変えなければダメだと思いますが、もう今さら無理でしょうね・・

とはいえ、この機能しない街の有り様にはイタリア人もいつも怒っています。
「クエスタ・エ・イタリア!」(これがイタリアよ!)、「シアモ・イン・イタリア!」(イタリアにいるから仕方ない!)、「ポヴェラ・イタリア!」(可哀相なイタリア!)なんていう風に・・

一体、誰が悪いのでしょうね!?

各分野で多くの天才たちを輩出するイタリア・・
イタリアは、ごくわずかの天才と大多数のおバカで成り立っている国なのかもしれません。


翻訳本の宣伝は続きます。
雨のローマに思うこと・・・_c0206352_20582947.jpg


7月22日に、私が翻訳した「レオナルド・ダ・ヴィンチの秘密 天才の挫折と輝き」(河出書房新社)が発売となりました。
これまでにないタイプの画期的な美術エッセーです。
知識がなくても読めます。
けれども、美術愛好家にも読みごたえのあるものとなっています。
孤高の天才ではなく、人間レオナルドの真の姿が描かれています。

全国の書店でお求め頂けますが、アマゾンや楽天からも購入することが出来ます。
どうぞよろしくお願い致します♪
アマゾンはこちらから~♪

2つのブログランキングに参加しています。
1日1クリックがランキングに反映する仕組みです。
2つともクリックしてもらえると、嬉しいな♪
応援してね♪
にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ
にほんブログ村

人気ブログランキングへ


by mayumi-roma | 2016-09-17 04:48 | ひとりごと、考えること

上野真弓、ローマ在住の翻訳家&文筆家&ツーリズム別府大使。日々の暮らしや芸術探訪、旅の記録。最新刊は訳書『ミケランジェロの焔』、著書に『教養としてのローマ史入門』、訳書『ラファエッロの秘密』など。お仕事のご依頼はoffice.uenomayumi@gmail.comへ。


by mayumi-roma