この上なく野蛮な狂気。
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アンギアーリの戦い、タヴォラ・ドーリア。
現在、京都文化博物館で展示中です。

レオナルドがフィレンツェ・ヴェッキオ宮殿の500人の大広間に描いた幻の未完の壁画(技術ミスで大半が崩壊して中央部分のみ残った)を油彩で描いたものですが、この油彩画がレオナルドが描いたものであるという確証はいまだにありません。

フィレンツェが敵国ミラノと対戦して勝利した1440年の「アンギアーリの戦い」での軍旗争奪の場面を描いたレオナルド。
これがレオナルドのものでなかったとしたら、50年ほどヴェッキオ宮殿に残っていたレオナルドの壁画を誰かが模写したものでしょう。

この絵の中で、レオナルドは美術史上初めて、人間のむき出しの感情、怒り、暴力性を描いて、当時の世界に衝撃を与えました。
この壁画制作は失敗に終わったものの、壁に残った中央部分はヨーロッパの画家たちが称賛し、模写をしながら、レオナルドの表現法を学ぼうとしたのでした。

しかし、この絵は当時のフィレンツェが求めていた英雄的行為をたたえるようにはほとんど見えず、むしろ「この上なく野蛮な狂気」として戦争を否定するような表現になっています。
そう、レオナルドは戦争を、この上なく野蛮な狂気ととらえていたのです。
私もそう思います。


今のヨーロッパの状況を見て、このレオナルドの絵を思い出しました。
パリのテロ以来、ヨーロッパはなんだかめちゃくちゃです。
実行犯がまだ逃亡中なので、ブリュッセルも大変なことになっています・・
不安にさらされている方々、本当にお気の毒・・
まぁ、ローマもひとごとではありませんけど、そこまでではありませんから。

もちろんテロは許せるものではなく、テロの犠牲者には深い追悼の念を抱きますが、すぐにシリアへの報復攻撃を開始したフランスは、9.11後のアメリカが犯した誤りにおちいったように思います。
報道されることはありませんが、シリアへの爆撃行為で多くの民間人も血を流しているのです。
オランドは、おそらく、次の選挙で右派に負けるかもしれないと焦って、ISの思うツボにはまってしまったのでしょう・・
よく政治家たちは、「テロとの戦争」という言葉を使いますが、戦争なんか始まっていません!

なんだか、不穏なことばかり起きて、やるせない気分になりますね。
だからこそ、毎日の自分の暮らしを大切に生きることが大切だと思うのです。
もちろん、悲しい世界の現実から目をそらすことなく考えなければいけないと思いますが、そればかりを考えて暮らすこともできません。
美しいものを見て、美味しいものを食べることも大切♪
楽しく過ごさなきゃ~
と、楽しく過ごす私です♪











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おまけの画像~
2012年3月にフィレンツェ・ヴェッキオ宮殿の500人の大広間を訪れた時の写真です。
昔から私のブログを読んでいらっしゃる方は覚えているかもしれませんね。
ちょうど、ヴァザーリの壁画の下にまだレオナルドの「アンギアーリの戦い」が残っているのではないかと探査機を使って調査していた時のものです。










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おまけの画像~
そう、まさにこのうしろで調査していたのです。
覆われた幕には、ルーベンスが模写した「アンギアーリの戦い」が描かれてあります~
しかし、この調査の結果もなんだかうやむやになってしまって、いったい何だったんでしょうね!?
いっそ、ヴァザーリの絵をはずしてしまえ~~~!!
あ、ひどいこと言ってますね、わたし・・
ヴァザーリ、好きじゃないんです~


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ありがとうございました♪
by mayumi-roma | 2015-11-23 06:48 | ローマの美術散歩

ローマ在住32年♪永遠の都からお伝えする私(上野真弓)の日々の暮らしや考えること。そして大好きな美術について・・
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