サンタ・マリア・デル・ポポロ聖堂と暴君ネロ♪

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サンタ・マリア・デル・ポポロ聖堂♪

この聖堂は、私のいつもの通り道にあるので、極端に言えば、毎日でも覗ける聖堂です。
大好きなベルニーニとカラヴァッジョの作品があるので、お気に入りの場所です。
もう何度もこのブログにも登場していますが、今日はあまり知られてないお話を書きたいと思います。












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聖堂内の中央祭壇の周りには、金で覆ったストゥッコ装飾があります。
これは、ネロ帝のクルミの木の物語を彫ったものです。

暴君と呼ばれ、悪名高きネロ帝・・
キリスト教徒を迫害した皇帝として、アンチ・キリストNO.1の地位を占めていますが、それは、後のキリスト教徒が作り上げたイメージです。
ネロ帝治世の紀元64年のローマの大火、これをキリスト教徒のせいにし、迫害したため、こういう結果になりましたが、そもそも、当時は、キリスト教徒は胡散臭い存在で、ローマ市民からも嫌われていたのでした。
もっとひどい迫害をした皇帝はいたのですが、このイメージがつきまとって、いつのまにか暴君ネロのイメージが出来上がったわけです。
確かに、キリスト教徒を迫害し、自分の母親さえも殺させたネロでしたが、古代ローマの皇帝たちは、誰でも、この程度のことはやっていたのです。

この聖堂のある場所は、かつて、ネロ帝のお墓、寺院があった所なのです。
ネロが亡くなった後、ローマ市民は、毎日欠かさずバラの花をお供えしていたと言いますから、それほど悪い皇帝ではなかったということが分かっています。
ネロ帝の家庭教師はセネカ。
教養もあり、芸術家肌だったネロは、逆パターンの見果てぬ夢で、俳優になりたかったそうです。

後に、キリスト教がローマを支配するようになってから、当然ながら、このネロ帝の寺院は破壊され、そこに聖母マリアに捧げる聖堂ができたというわけです。
11世紀、パスクアーレ2世の時代です。

クルミの木の伝説ですが、葬られたネロ帝が悪霊を呼び寄せ、その骨からクルミの木が育ち、よくないことを引き起こすと言われていました。
ある日、パスクアーレ2世が、夢で神のお告げを聞いて、このクルミの木を倒したという、その物語が、このストゥッコ装飾に描かれているわけです。

もちろん、ネロ帝を貶めるため、キリスト教徒が作り上げた童話のような伝説に過ぎません。
クルミの木は本当にあったかもしれませんけど。
権力を持った者が歴史を書き変えるのは、世の常です。











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聖堂内のキージ家礼拝堂♪
大好きな場所です。

11世紀に建立された聖堂ですが、他の多くのローマの聖堂と同様に、ルネッサンス、バロックと、各時代に付け加えられたり、あるいは、修復という形で、後世の芸術家の手が入っています。

この礼拝堂は、16世紀、ルネッサンス時代に、大銀行家、アゴスティーノ・キージが一族のための礼拝堂の設計をラファエッロに依頼して作らせたものです。
礼拝堂自体が、傑作というべきもの♪
祭壇画は、うっとりするほど美しいセバスチャーノ・デル・ピオンボの「聖母の誕生」です。

そして、17世紀、バロック時代に入ると、キージ家出身の教皇アレッサンドロ7世が枢機卿の時代にベルニーニに修復を依頼し、ピラミッドの碑と彫刻を作らせます。
右側にベルニーニ作の「ハバククと天使」が見えますが、ストーリを知っていると、作品を見る際にもっと面白いと思います。
以前、この彫刻の説明を書いたので、ここにリンクしようと思いましたが、過去記事を見たら、膨大でどこにあるのか分かりませんでした。
再び、一から書く気力がありません。
ごめんなさい。











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パイプオルガンの下にある装飾もバロックの巨匠、ベルニーニ作♪











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そして、同じ聖堂内には、さらにチェラージ礼拝堂があり、あの偉大なるカラヴァッジョの絵が2つもかかっているというわけです。
左が「聖ペテロの磔刑」、右が「聖パオロの改心」です。

ペテロは、ネロ帝の時代に処刑されました。
イエスと同じように十字架にかかるのは恐れ多いと、逆さ十字にされることを自ら望みました。
パオロは、もともとキリスト教徒を迫害する立場にありましたが、落馬の際、神の奇跡により助かり、改心してキリスト教徒になったというエピソードがあり、この絵では落馬の瞬間が描かれています。

中央の祭壇画は、こちらも有名なアンニバレ・カラッチの「聖母の被昇天」です。

と、ここで終わりにするつもりでしたが、この聖堂について書く時は、いつも、ラファエッロ、カラヴァッジョ、ベルニーニで力尽きてしまうので(笑)、今日はおまけです。












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ローヴェレ家の礼拝堂♪

ローヴェレ家は、シクトゥス4世(システィーナ礼拝堂を建てた教皇)やユリウス2世(システィーナ礼拝堂の天井画やラファエッロの間を描かせた軍人教皇)を出した家です。
聖堂に入って、右側3つ目にありますが、ピントゥリッキオのマリア様のサイクル画で飾られています。
写真は、中央の「玉座の聖母と幼子イエス」です。
これらも実に見事な絵♪

本当に、とんでもないお宝だらけの聖堂ですね♪

ちなみに、アレクサンドル6世の庶子、チェーザレ・ボルジアやルクレツィア・ボルジアの母親、ヴァノッツァ・カテネイ(高級遊女)のお墓もこの聖堂にありましたが、本物の金(金箔ではない)で飾られた豪華で高価なものだったことから、1527年のローマの略奪の際に、全て略奪され、そのかけらも残らなかったそうです。
これは、伝説ではなく、本当のお話です。


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by mayumi-roma | 2015-02-13 06:29 | ローマの美術散歩

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