サント・ステファノ・ロトンド教会♪
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コロッセオの裏手にあるチェリオの丘♪
そのチェリオの丘にあるローマで最も古い教会の一つ、「サント・ステファノ・ロトンド教会」に行ってきました。
ここがその入口です。











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ひっそりとしています。
車が止まっていますが、誰もいません・・











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サント・ステファノ・ロトンド教会は、キリスト教における最初の殉教者・聖ステファノに捧げられた教会で、5世紀後半(468~483年)にシンプリキウス教皇によって建立されました。

ロトンドという言葉の意味は、「丸い」とか「円形」という意味ですが、その名の通り、この教会は円形に作られています。
エルサレムのサン・セポルクロ(キリストの墓の上に建立された聖墳墓聖堂)教会を真似て作られたそうで、
イスラム勢力の支配下にあったエルサレムに巡礼することのできなかった使徒達が、その代わりにここを巡礼したそうです。

本来は、円形に加えてギリシャ十字形の4つの柱廊を持つ聖堂だったのですが、1453年、教皇ニコロ5世が4つの柱廊のうち、3つを取り除き、その美しい姿を台無しにしたと言われています。











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この写真を見たら、円形の感じが伝わるでしょうか?
壁面には、殉教図サイクルが描かれています。
ポマランチョ(ニコロ・チルチニャーノ)の連作です。
彼がこの連作を描き始めたのは1583年でした。

この殉教図サイクルに先立って、一つ説明しなければなりません。

この教会は、1579年、時の教皇グレゴリウス13世によってコレギウム・ウングリクム(ハンガリー・カレッジ:ハンガリー人修練士の修練所)に委ねられますが、翌年には経済的事情から、コレギウム・ゲルマニクム(ドイツ・カレッジ:ドイツ人修練士の修練所)と合体して、反宗教改革の牙城となります。

コレギウム・ゲルマニクム(ドイツ・カレッジ)は、1552年、イエズス会のイグナチオ・デ・ロヨラが創設したローマにおける初のイエズス会所属の国別組織でした。
それが、ハンガリーのイエズス会の組織と一緒になって、ハンガリー・ドイツ・カレッジとして、この教会を使うことになったわけです。

イエズス会は、プロテスタントに席巻されつつあったヨーロッパで、それに対抗するカトリックの宣教プロパガンダとして、尊い聖母子や喜ばしい奇蹟、あるいは悲惨な殉教を絵画において表現することに力を入れました。
また、宣教師として辺境の地で行う海外布教活動において、修練士に、これから訪れるであろう苦難や死、殉教者になることを覚悟させるために、初期キリスト教時代の殉教聖人たちを描いた絵を見せながら修行をさせていたわけです。

殉教図は全部で32枚。
書物によって、この数が違っています。
できれば、自分で数えたかったです、と、後で気がつきました(笑)。
これが、円形の周歩廊の壁にぐるりと描かれています。
これを殉教図サイクルと呼ぶのです。











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円形の周歩廊の壁面を覆う殉教図サイクルをぐるりと1周しながら観たかった私ですが、現在、床の一部やフレスコ画を修復作業中で、立ち入り禁止部分があって、残念ながら1周することは出来ませんでした。
殉教シーンなので、恐ろしく残酷な絵ばかりです。
しかし、殉教者たちの表情はすっきりとしていて、苦悶の様子さえ見せていません。
笑みさえ浮かべている場合もあります。











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信仰とは何なのでしょう・・
私には、信仰のために死ぬということが、どうしても理解できないのですが、それは時代が違うからでしょうか・・
熱狂という極めて独特な心理状態にあったのでしょうか・・
どちらかというと、私は、こんな酷いことをして迫害する人間の残虐性に、絶望的なまでに思いを馳せてしまうのです。
日本での隠れキリシタンへの弾圧も大変なものでしたしね。











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実は、この教会の地下には古代遺跡が眠っています(この写真ではありません)。
17世紀に発見された「カストロ・ペレグリーナ」。
この聖堂は、古代ローマ帝国時代の補助部隊兵の兵舎の上に建てられていたのです。
しかも、それは、2~3世紀にはミトラ教の集会場となっていたと言いますから、とんでもなく貴重な遺跡ですね。
残念ながら、現在では一般公開されていません。











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こちらは、5世紀の建立当時の床部分。
古いモザイクの床も見えます。











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聖プリモと聖フェリチアーノの礼拝堂♪ 
7世紀に、ローマの殉教聖人、聖プリモと聖フェリチアーノの聖遺骸が、ノメンターナにあったカタコンベよりこちらに移されました。     











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7世紀のモザイクです。
左が聖プリモ、右は聖フェリチアーノ。
ところどころ剥がれていますが、修復されています。
派手ではなく、シンプルで素朴な感じがいいかも・・

ローマには、教会自体が芸術品と呼べるような貴重な教会が数限りなくあります。
その魅力にハマってしまうと、何度でもローマを訪れることになるのでしょうね・・
そういう点では、ローマに暮らしている私はラッキー!
いくらでも、そして、何度でも訪れることが出来ますから。

私の今年の教会のテーマは、これまであまり興味を持てなかった中世の教会にしようかな~と思っています。
お友だちが、キリスト教中世美術の専門家の先生なので、影響を受けてしまったようです。

これまで、私は、人間味あふれる古代美術やルネッサンス以降の芸術が好きで、中世の芸術は、なんとも平面的で芸術的には退化したとしか思えなかったのですが、歴史を勉強するに従って、そうではないことが分かってきました。
中世ローマは、ローマ帝国崩壊後、大変厳しい状況に陥り、明日に希望を見いだせない日々を送っていたのです。
暗黒の時代と呼ばれる所以です。
人生を謳歌するなんて、夢のまた夢・・
辛い状況を生き抜くために、精神的な支えを求めた人々・・
現世よりも、あの世での魂の安らぎを求めていた人々・・
こう考えたら、俄然、中世に興味が湧いてきました!


サント・ステファノ・ロトンド聖堂
Santo Stefano Rotondo
Pontificio Collegio Germanico Ungarico
Via San Nicola da Tolentino, 13
00187 – Roma
夏時間:9:30 - 12:30  15:00 - 18:00
冬時間:9:30 - 12:30  14:00 - 17:00
今年の夏期休業は、8月4日から8月24日まで。

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by mayumi-roma | 2014-06-17 05:32 | ローマの美術散歩

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