誰も助けてくれない怖さ@ヘルシンキ!

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         この間の写真を使い回しています~
         それにしても・・
         マリメッコでお買い物しているの、日本人だけ!


フィンランドやヘルシンキの街には何の恨みもありません!
いや、むしろ、子どもの頃、とっても仲の良かったお友だちがフィンランド人(宣教師の娘)だったので、ものすご~く親近感があった国なのです。
いつかは、訪れたいと思っていました。

しかし、私がフィンランドを訪れることは一生ないと断言します!
それは・・
ヘルシンキの空港でのイミグレーション(出入国審査)が最悪だからです。
生真面目な国民性なのでしょうね・・
どんな人のパスポートもじっくり見ます。
ですので、いつでも、長蛇の列です。
旅行者の方々は、乗り換えの時間がそうあるわけでもないのに、ここで時間がかかって、かなり焦らせられます。
堪忍袋の緒が切れて、「いいかげんにしろ~」と、怒鳴っている日本人男性(旅行者)を見たこともあります。

しかしね・・
イタリアに在住している日本人で永年滞在許可証を持っている人たち(国際結婚組)は、こんなものではないのです!
とんでもなく恐ろしい目に遭ってしまうのです。

係官がパスポートをチェックすると、イタリア在住というのが出るらしく、必ず、「滞在許可証を見せろ」と言われます。
それでもって、それをじ~~っと見つめながら、どこかに電話をかけたり、いろいろなことを始め、延々と時間が過ぎていきます。
私の後ろに並んでいる人が気の毒なくらい・・
そして、色々なことを聞かれ、まともな答えを言っても、通してもらえない・・
なんでなの~~!?

去年の夏、父が急逝した時に使った飛行機はJALでした。
行きはヘルシンキ経由、帰りはフランクフルト経由・・
その時も、イミグレーションで15分くらい足止めされ、大変イヤな思いをしましたが、まだ、真の恐ろしさを知らなかった私でした・・


今回の日本では、往復ともにJALのヘルシンキ便。
既にローマ在住の友人たちから恐ろしい話をたくさん聞いていました・・
そして、ついに、私も同じような目に遭ったわけです。

「滞在許可証を見せろ」と言われ、差し出すと、いつものように、じ~~っと見つめ、どこかに電話をかけ始め、延々と待たされる!
そして、しまいには、「通せない。こっちに来なさい。」と別室に連れて行かれたのです~~!!(怒)

何なの、これ!
私は犯罪者?
イタリア人と結婚して永年滞在許可証を持っていると犯罪者になるわけ?

私のパスポートと滞在許可証は取り上げられたままで、それを持った係官が消えたので、別室に連れて行かれた後、大騒ぎしてやりましたよ!英語でね・・
だって、人権侵害ですもの!
私が何をしたというの!
海外で唯一自分を証明できるものであるパスポートを取られて、恐怖に陥りましたよ~
それに、飛行機の乗り換え時間も余裕がなかったんです。

そしたら、「何を騒いでいるんだ?」と別の係官がどこからかやって来て、怒られました。
「我々は、君を犯罪者扱いはしていない。日本人であろうと誰であろうと、ここに呼ばれることはある」
むかつく~~~~~!!!!

延々と待たされた挙句、私のパスポートと滞在許可証を持ってどこかに消えた係官が戻ってきて、「いいよ、行っていいよ」と言ったので、聞きましたとも~~~!
「何が問題だったわけ?」って。
そうしたら、「フィンランドでは、紙の滞在許可証は法律で認められていない。この滞在許可証は紙なので、フィンランドでは違法である。たとえ、イタリアでは合法でもフィンランドでは違法なものであるから、その判断に困った。イタリアに戻ったら、ただちにプラスチックのカード式に変えるように」ですって!

バッカじゃないの!?
イタリアで国際結婚をした女性が持つ永年滞在許可証は、A4サイズの紙製なのよ~
そもそも、カード式の滞在許可証は移民労働者用に作られたものなんです~~

EU内で、そういう情報も共有してないわけ?
イタリアもイタリアだけど、フィンランドもフィンランド!

とにかく、私の知りうる限り、イタリア人と国際結婚をして永年滞在許可証を持つ日本人女性は皆ヘルシンキで同じ目に遭っています。
私が酷い目に遭ったのは、イタリアから日本へ行く時でしたが、帰りの際は、お隣の窓口に私と同じ立場の日本人女性がいて、窓口でかなり揉めていました。
で、結局、彼女は別室に連れて行かれました。
そのせいか(?)、私に別室行きはなく(苦笑)、15分くらいず~っと滞在許可証を見ながら電話やら何やらするだけで、通してくれましたけど。
それでも、不愉快極まりない!

別室に連れて行かれた彼女、隣の窓口にいた私のことを覚えていたらしく、ローマに到着した時に話しかけられました。
ヘルシンキのイミグレーションでの酷い仕打ち話で大いに盛り上がりましたが、笑い事ではないのです!
彼女が言った最後の一言が忘れられません。
「海外では、誰も守ってくれないってことを思い知りました」
「・・・・・・・」
その通りだわ・・・

ところで、この間ランチをした同郷のお友だちが、わざわざイタリアの移民局に行って、この件について質問してきたそうなんです。
(彼女もフィンエアーで酷い目に遭ったことが・・)
そうしたら・・
「ヘルシンキでそんなことが起きてるなんて、そんな情報は何も入ってないけど・・」ですって!
フィンランド当局にもイタリア当局にも呆れます~~
ま、しょせんはイタリア在住の日本人の問題。
イタリア国民ではありませんからね・・
マイノリティの外国人の永年滞在許可証ごときで、いちいち説明しないのでしょうね。
しかし、こんなに、何十人、何百人にも同じことして、フィンランド当局は学習しないわけ~?
おバカさんなのでしょうか!?
全く理解できません。
レベル低い人間たちだわ!

で、結論としては、イタリアが発行する国際結婚組の正規の滞在許可証はA4サイズの紙だそうです。
やっぱりね~
外国人があまりいないような小さな町ではカードだけという場合もあるけれど、基本的に「A4サイズの紙」が正式な滞在許可証とのこと。

どうして、こういう情報をEU内で共有しないのでしょうか!?
フィンランドは真面目で融通利かなさそうだから、あくまでも自国の法律を基準にするのでしょうか?

いずれにしても、ヘルシンキのイミグレーションを通過するのは非常に不愉快なので、それが分かっていて、わざわざそこを通る必要もありませんよね。
私は、これから先の人生、二度とヘルシンキ便を使うことはありません。
そして、大変残念ではありますが、フィンランドを旅行することもないでしょう。
私だけでなく、ヘルシンキで酷い目に遭ったお友だちも皆、そう言っています。
もちろん、日本からの観光客の皆様には関係のないお話ですので、ヘルシンキ経由を使ったり、フィンランドを旅行するのは問題ないと思います。

ヘルシンキを避けよ!
というわけで、今年の夏の帰国は、ANAを使います。
ルフトハンザとの共同運行便でフランクフルト経由で羽田発着~

せっかくJALのマイレッジを貯めていたのですけどね。
ヘルシンキ問題に関して、JALの落ち度は全くないのですが、ローマからだとヘルシンキ経由が一番ラクなフライトで、その他のフライトは使い辛いのです。

ともかく、海外で暮らすと色々なことがあります。
EU諸国は足並みが揃っていませんし、移民に関して大変ナーバスになっていますので、いつどこで何が起こるか分かりません。
日本人は移民なんてしないって思っていませんか?
いえいえ、海外に住みたい一心で、許可証がなくても、不法滞在したり不法就労する日本人は、結構いるものなのですよ。

小さなことから大きなことまで、自分で自分に責任を持つこと。
それができない人は海外で暮らしてはいけません!
あら、話の方向が変わってしまいましたね・・(笑)



by mayumi-roma | 2014-06-09 05:23 | ひとりごと、考えること

上野真弓、ローマ在住の翻訳家&文筆家&ツーリズム別府大使。日々の暮らしや芸術探訪、旅の記録。最新刊は訳書『ミケランジェロの焔』、著書に『教養としてのローマ史入門』、訳書『ラファエッロの秘密』など。お仕事のご依頼はoffice.uenomayumi@gmail.comへ。


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