「オスティア・アンティーカ」生活編(3)

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自宅前の中庭~

ローマは、再び悪天候に戻りました。
雨が続いています。
そして、気温が急に下がり、また寒くなりました。
2,3日前の、あの初夏の暑さはどこにいったのでしょう・・
今日は、日々の買い出しで出かけた以外は、比較的のんびりと家で過ごしていました。

たまらなく2009年が懐かしくなって、その頃聞いていたCDをずっと聞きながら、思い出に浸っていました~
あの熱かった日々・・
「情熱」の一言で飛び回っていた日々・・
それを思い出すだけで元気になれるから不思議です。
でも、思い出だけになって欲しくなかったなぁ・・
この話は、またいつか、近いうちに・・
考えてみると、その頃はまだ、このブログを始めていなかったのです。


さて、本日は、「えっ、また~?」と言われそうですが、古代都市「オスティア・アンティーカ」の続きです。
これでも、かなり省略しているんですよ~(笑)
しかも、まだあと2回くらいは続きます~




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古代オスティアのクリーニング屋さん♪

オスティア・アンティーカは、ローマに一番近い港町として栄えたため、船乗りや商人たちが多く滞在していました。
そのため、宿屋やレストラン、一杯呑み屋だけでなく、クリーニングも重要なサービスの一つでした。
この古い町には、少なくとも6つのクリーニング屋さんが見つかっています。
ただし、クリーニングといっても、衣類を洗うというよりは、大型のシーツのような布を洗って綺麗に整えていたようです。
丸い大きな石の上で、洗濯物を綺麗に整えて、その後、屋上に干していたそうです。



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写真右手が、ハドリアヌス帝の時代に建てられた、「ダイアナの家」と呼ばれる古代の賃貸アパートです。
当時の建築基準に添った4~5階建てであったことが分かっています。
このような高層アパートをインスラと呼びますが、ここオスティアに限らず、当時既に百万都市であったローマも、このようなインスラが人々の住居として使われていました。
これは、古代オスティアの典型的な建物で、中庭にダイアナのテラコッタの像があったことから、この名前がつきました。

この先左には、食べて飲める簡易食堂「オステリア」があります。



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オステリア♪
こちらも同じく、ハドリアヌス帝の時代に作られたものです。



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上の棚に飲み物や食べ物が並べられ、下には、汚れたお皿を置いていたとか・・
棚の上には当時のフレスコ画が残っていますが、これは、このお店で取り扱っていた食べ物の絵が描かれています。
卵、オリーブ・・
一番右側には、辛口ラーパも見えます。
ラーパとは、カブのような食べ物で、昔の人は前菜に食べていたそうです。



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こちらも、右手の棚には飲み物や食べ物が並んでいました。
下部には、食器を洗うための水槽があります。



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壁で仕切られたオステリアのキッチン部分。
ワインの貯蔵場所が見えます♪
冷蔵庫がなかった時代なので、フレッシュさを保つために地中に埋めていたそうです。



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粉ひき屋さん兼パン屋さん♪
ここは巨大なパン工場だったようで、いくつもの大きな作業場が残っています。
一説によると、オスティアのパンは、ローマに運ばれ、貧しい人たちへ無料配布するパンとして使われていたそうですが、このパンを作るために、粉ひき棒を押しながらグルグル回り続けていたのはラバか奴隷!
う~ん、複雑なものがありますね・・


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これは!?
ワインかオリーブオイルの貯蔵場所と思われますが、おそらくワインでしょうね(笑)。


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お魚屋さん~♪
反対側には、もっと鮮やかなお魚のモザイクが残っているのですが、逆光で影も多かったことから今ひとつ写真写りが良くなくて、こちらの写真を載せました~



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もちろん、上下水道は完備されていたオスティア・アンティーカですが、これは、街道沿いの公共の水飲み場(水汲み場)です。

ローマ市内に残る古代ローマの遺跡も同じですが、今はレンガ色の廃墟でしかないこれらの遺跡が、白い大理石で覆われ光り輝いていた頃の町を想像すると、どんなに壮大で美しかったことでしょうね♪
過去に行ってみた~~い♪



by mayumi-roma | 2013-04-23 06:04 | ローマの美術・歴史散歩

上野真弓、ローマ在住の翻訳家&文筆家&ツーリズム別府大使。日々の暮らしや芸術探訪、旅の記録。最新刊は訳書『ミケランジェロの焔』、著書に『教養としてのローマ史入門』、訳書『ラファエッロの秘密』など。お仕事のご依頼はoffice.uenomayumi@gmail.comへ。


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