後味の悪い小説・・

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聖天使城を背景に、右手が最高裁判所♪
写真をセピア色にして、遊んでみました~

日曜日のローマ、予報通りにお天気が崩れました~
雨こそ降らなかったものの、気温が下がり、一日中曇り空でした。
やはり、また寒くなりそうな予感がします。

日本の皆さまは、ゴールデンウィークで、楽しい予定がたくさんお有りの方もいらっしゃると思いますが、イタリアは通常日・・。
5月1日の火曜日がメイデイで祝日なくらいです。
でも、日本ではメイデイが祝日にはならないんですよね・・
これ、いつも不思議だったんですが、どうしてなんでしょう?








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本日のお茶は、「NINA'S」の香り高き「マリーアントワネット・ブレンド」です♪←これが一番好きなんです~
お菓子は、近所のBARで、自分が食べたいばかりに夫が買ってきたものなんですが、ちびシュークリームの生クリーム(シュークリームの上にカラメルソースが乗っている場合、中身は生クリームです)も、イチゴのちびタルトのカスタードも、まさに作ったばかりの新鮮さが美味~!
甘いものよりはしょっぱいものが好きな私のために、ルスティチと呼ばれるパイ生地の中にウィンナーやほうれん草入りリコッタチーズの入ったものも買ってきてきてくれました~
お皿は、よく見えないかもしれませんが、日本の陶磁器にしか見えないデザインのこれ、イタリアの有名な陶磁器の町、ファエンツァのものです。

さて、日曜日は、ゆっくりのんびりと本を読んで過ごしましたが・・

後味の悪い小説ってありますよね。
読んだ後に、たまらなく嫌な気分になるようなもの。
やるせない気分になってしまう・・

そして、それこそが作者の狙いであり、そこから、読者の思考が無限大に広がり、否応なく人間について、現実について、生きることについて考えざるを得ない・・
しかし、とっても後味が悪いんです・・

あえて、この本のタイトルは書きませんが、作者は大変な力量の持ち主だと思えます。
並外れた文章力と巧みな構成力・・
でなければ、滑稽無謀な設定を読者に納得させ、その世界に引きずり込むことは出来ません。
次から次へとどんでん返しが続いていき、ようやくフィナーレ!
と思ったら、最後の7行で、それまでの世界が完全に覆されてしまった・・
後味は悪いけど、人間を見つめる普遍的な小説、名作であることは認めざるを得ません。


人間は誰でも、自分が思っている以上に、グレイゾーンの中で暮らしているのでしょう。
負の感情、黒い感情に押し潰れそうな時には、心の中に逃げ場を作る・・
それ以外に現実と対峙する方法を知らない人もいるのです。
けれども、いつかは、その逃げ場にサヨナラを言わなければならない時が必ず来る・・


私は、やっぱり前向きに行きたいな!
逃げ場はいらない!
くよくよすることもあるけど、そんな時は、発想を変える!
大好きな音楽を聴いて、癒されることもあるし、元気をもらうこともあるし!
後味が悪いこの小説にだって、ある意味、人生の教訓をもらったと思えるしね♪



by mayumi-roma | 2012-04-30 06:44 | ローマの日常

上野真弓、ローマ在住の翻訳家&文筆家&ツーリズム別府大使。日々の暮らしや芸術探訪、旅の記録。最新刊は訳書『ミケランジェロの焔』、著書に『教養としてのローマ史入門』、訳書『ラファエッロの秘密』など。お仕事のご依頼はoffice.uenomayumi@gmail.comへ。


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