夫の憂鬱・・
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黄昏のポポロ広場
フェラーリが止まってた~
紺色なんて珍しいな! 


寂しい・・
と、この頃よく、夫が言います。


息子が日本の大学へ入ってから、当然、息子のいないローマの生活を送っているわけですが、私自身は強がりではなく、全く寂しいという思いはしていません。
もちろん、入学式が終わってから、東京に息子を一人残して自分だけがイタリアへ戻る時には、辛い別れではありましたが、それはそれで、別物と言うべきか・・

それは多分、息子が私の母国にいるということが大きいと思います。

大震災や原発問題、課題が山積みで不安も大きい日本の生活ではありますが、息子本人も「あれ(東京での地震とその後のこと)を経験したことで自分は成長したと思う」と言っていたように、ある種、腹をくくったというか、覚悟のようなものが出来たというべきか、大げさにいえば、これからの日本を背負うような使命感というか、自分にやれること、やりたいこと、そのための準備のために学ぶべきことがたくさんあるということを改めて自覚したようです。

ところが、イタリア人の我が夫は、当然ながら寂しくてたまらないわけです。
もともと、子どもを手放す習慣があまりないイタリアですから。
まぁ、イタリア人の特性を知っている私には、共感はしないまでも理解はできます。

あの地震についても、
あんなものを経験していいことなんてあるわけない。
可哀相に。
よりによって、日本に行ってすぐにあんな目に遭うなんて。
しなくてもいい経験をさせてしまった。
と、言っています。
そして、これは、夫だけでなく、友人・知人、イタリア人なら誰もが私に言ったことです。

メンタリティの違いでしょうね。
私は、息子は本当にいい経験をした、と思っているのです。
無事だったから言えることかもしれませんけど。


息子が日本の大学で学ぶということは、それは、当然ながら卒業後のことも頭に入れて決めたことで、それは、もちろん夫も納得しているのですが・・

日本に息子が暮らすこと。
それはいいんです。

彼をもっともっと憂鬱にさせる大きな問題・・
それは、苗字なんです。

息子はイタリア人として留学したわけではなく、日本人として受験して大学に入りましたから、当然、日本国籍で日本に暮らしています。
ということは、苗字が私の苗字になったということなのです。

でも、国際結婚でお子さんがいる方なら皆さんそうでしょうけど、たとえ里帰りでも1年間の留学でも、日本入国の際に、わざわざ子どもに外国籍を使わせる親はいませんよね。
わざわざ外国人として入国させてビザを取るなんて、そんな馬鹿げたこと・・


いつかは二重国籍のいずれかを選択しなければならないこと。
欧米では二重国籍を持ち続けることが認められていますが、
日本はある年齢に達するといずれかを選択しなければならない・・
まぁ、このことは、この際、横に置いておいて。


この日本の国籍法というか戸籍がね~
国際結婚をしている者にとっては困ったもので・・
まぁ、ずっと昔は、母親が日本人で父親が外国人の場合は、その子どもは日本国籍を持つ資格がない時代もありましたから、少しは進歩しているのですけどね。

要するに、お母さんが日本人の場合のハーフの子どもは、イタリアのパスポートと日本のパスポートでは、苗字が違うのです。

イタリアでは、たとえ、父親が外国人でも、イタリア女性と結婚した場合は、その子どもは、イタリア国籍でも父親の苗字となります。
考え方によっては、女性差別と言えるかもしれませんね。
生まれる子どもは必ず父親の姓になるわけですから。
(日本は外国人差別!)

こういう事情の下で、
イタリアは、夫婦別姓の国なので、女性は結婚後も苗字が変わりません。
生まれた時にもらった名前は、苗字も含めて絶対に変わらないのです。

たとえば、ウチのお隣さんは、前のご主人との子どもを連れて再婚しましたが、表札には、新しいご主人の苗字、彼女の苗字、そして、前の旦那さんの苗字を持つ娘の苗字、3つが表示されています。

苗字が絶対に変わらない国ですから、
婚姻によって苗字が変わったり、両親の事情によって苗字が変わること、ましてや、二重国籍の片方では苗字が違うなんてことは絶対に理解してもらえない・・


我が夫、「苗字、苗字・・」と、それはうるさい!
大した家でもないのにね~
(まぁ、気持ちは分かりますが)

でも、しょうがないじゃないですか~
私が決めたことじゃないんだし。

そして、
「日本で突然苗字が変わったことは、彼の人格形成上、大きな問題を抱えることになる」
「アイデンティティ・クライシスに陥って、大変なことになる」
「精神的に大きな問題となる」

確かに、私も、全てを否定はしませんが、
では、日常的に苗字が変わる日本人はどうなるのでしょうね。


当の息子は、
「お母さんの苗字になるのは仕方ないよ。日本国籍を持っているのはお母さんなんだから」と言っていましたが、夫、どうにも収まらない!
「こんな国はない!」
「父親の存在を何だと思ってるんだ!」
ことあるごとに怒っていました・・

日本のパスポート(私のにも息子のにも)には、通称名として、夫の苗字も入れていますが、正式名称ではないのでね。
でも、私たちは、夫をなだめるために、その通称名記載の件で誤魔化しています。


ちなみに、申請すれば、私も息子も、日本の苗字をイタリアの夫のものに変更することも出来るのですが、日本で今更わざわざカタカナの苗字にするのもね~
カタカナ苗字で、暮らしにくくなることは目に見えていますから。

もし、いつか、息子が自分のアイデンティティの問題で苦しむようなことがあれば、苗字を変えたいと思うのなら、その時に変えればいい・・と、私は思っています。
もしかしたら、日本でもないイタリアでもない第三の国で暮らすことになるかもしれないし。
未来のことは分かりません。


国際化の時代ですが、各国それぞれの法律の壁があって、なかなか大変なのですよ~


余談ですが、イタリアでも、外国人は指紋登録しなければなりません。
警察署で!
しかも両手の10本の指を全部です!
おまけに身体的特徴も全てコンピューターに入力されます。
指紋登録拒否なんて出来ませんよ!
滞在許可証がもらえなくなるだけですから・・

でも、あれは、本当に、屈辱的でした・・
真っ黒いタールを両手に塗られるのですから。




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by mayumi-roma | 2011-06-09 05:16 | 息子・私・家族のこと

ローマ在住32年♪永遠の都からお伝えする私(上野真弓)の日々の暮らしや考えること。そして大好きな美術について・・
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