芸術は爆発だ!

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北の丸公園。

東京は生憎(あいにく)のお天気!
ものすごい強風に激しい雨、気分が落ち込むようなお天気でした。






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桜の木は、すっかり葉桜に・・
桜が満開の頃、ここを歩いたらどんなに綺麗だったことでしょう・・






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そんな中、1本だけ桜の花が残っていました・・
最後の桜の花びらかな・・






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北の丸公園、竹橋。
「東京国立近代美術館」






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生誕100年 岡本太郎展♪
3月8日(火)より5月8日(日)まで開催されている大規模な岡本太郎展です。

見逃したら一生の後悔なので、九州に発つ前に観に行ってきました~
雨の中、若者から年配の方まで、たくさんの人でいっぱいでした。

たくさんの彫刻や絵画作品。
1970年の万博「太陽の塔」にまつわる記録映像。
太郎が出演したTVCFやバラエティ番組の映像。
そして、太郎が東北から沖縄までを旅した記録映像。

彼の芸術を知ることは彼の哲学に耳を傾けることです・・
時代を追って作品群を観ることが出来ます。

プロローグ(ノン!)
第1章:ピカソとの対決(パリ時代)
第2章:「きれいな」芸術との対決(対極主義)
第3章:「わび・さび」との対決(日本再発見)
第4章:「人類の進歩と調和」との対決(大阪万博)
第5章:戦争との対決(明日の神話)
第6章:消費社会との対決(パブリックアート、デザイン、マスメディア)
第7章:岡本太郎との対決
エピローグ:受け継がれる岡本太郎の精神

どの時代も実に興味深いです。

私がビックリしたのは、
岡本太郎の思想が混迷する現代にそっくりそのまま当てはまるというところです。
まるで、全てを見越していたかのようです。



ノン!
たった一人でもノンと言って、逆らう人間がいないといけない。


1967年には、アメリカのベトナム戦争に抗議するため、ベトナム平和連合の一員として、ワシントンポスト紙に、太郎の書「殺すな」という文字を大きく入れて、意見広告も出しています。


そして、1970年の大阪万博で、「人類の進歩と調和」という言葉に対して、彼はこう言うのです。
人類はちっとも進歩していない。
確かに科学技術は進歩したし、物質的には進歩したと言えるのかも知れない。
しかし、人間は全然進歩してない。
卑しいままだ。
だからこそ、自分は、生命の樹という形(太陽の塔の中にある)で、命が太古の昔からずっと続いているということを表現したかった。


また、エキセントリックな変わり者として太郎を見る方も多かったことと思いますが、
岡本太郎の名言「芸術は爆発だ」という言葉の中の「爆発」とは、破壊的な意味ではなく、芸術というものを自分の内なる世界から外へと放つパワーという意味で使われていたものなのです。


そして、芸術家、岡本太郎は、誰かのために作品を制作するということをしませんでした。
つまり作品を個人に売ったりすることがなかったのです。
これは、彼自身の考え方に寄るものです。
誰かにお金で作品を売ると、その人一人しか鑑賞することができない。
自分は自分の作品を出来る限りたくさんの人に見て欲しい。
だからこそ、パブリックアートにこだわったようです。


彼の作品に私が惹かれるのは、単なるメロドラマになっていないからです。
悲惨な出来事を題材にしても、どこかユーモラスで、笑い飛ばす余裕を感じるからです。






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美術館に併設されたカフェ&レストラン「H2O」
お手頃な値段で美味しいコーヒーとイタリアンが楽しめます。
お店の中も白の世界で、洗練された雰囲気が素敵ですよ~






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スーベニアー♪

私の夫も岡本太郎の大ファンで、東京に来るたびに南青山の岡本太郎記念館に足を運んでいるため、お土産に展覧会の図録を買いました。
私は、クリアファイルや、太郎の彫刻作品の中で一番好きな「午後の日」のマグネットなどを!

写真左上、黄色の小さな三角形のおみくじみたいなものは、会場の出口付近に設けられた「太郎のことば」コーナーで、おみくじのように引いたもの。

私が引いた「太郎のことば」は・・
「何でもいい。
見物人ではなく、
とにかく
自分でやってみよう。
動いてみよう」
でした・・




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by mayumi-roma | 2011-04-23 21:48 | 東京滞在

上野真弓、ローマ在住の翻訳家&文筆家&ツーリズム別府大使。日々の暮らしや芸術探訪、旅の記録。最新刊は訳書『ミケランジェロの焔』、著書に『教養としてのローマ史入門』、訳書『ラファエッロの秘密』など。お仕事のご依頼はoffice.uenomayumi@gmail.comへ。


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